『有意義』なお金の使い方!~ある日、高1の僕は突然金持ちになっちゃった!?~

平塚冴子

文字の大きさ
29 / 280
『有意義』な1日をエンジョイ!

第6話

しおりを挟む
 激しい和太鼓の音楽が流れ出した。
 いきなり、観客の間をすり抜ける黒い影。
 観客の間をすり抜けた影は中央広場に来ると、一斉にバク転をして、ポーズを決めた。
 黒ずくめの忍者5人衆だ。

「わー!いいぞー!」
パチパチパチパチ!

 観客が興奮の声を挙げた。
 すると、観客を取り囲む様にぐるりと刀を構えた侍達が現れた。
 
「いざ!皆の者!取押えろ!」

 ドドーン!

 太鼓の音が鳴り響き、侍達が観客の間を抜けて忍者の方へ斬りかかる。
 様々な殺陣やアクロバットで侍達をかわす忍者。
 手裏剣、鎖鎌、クナイを操り、華麗に身をかわす。
 
 ピー!

 忍者達が指笛を吹いた。
 途端、矢倉の上からピンク色のくノ一3人が、次々と降り立った。

 「凄い!凄い!きゃー!」
 
 土屋先輩が歓喜の悲鳴を高々と挙げた。

 くノ一は桃色の花吹雪の術で侍達を圧倒した。
 太鼓と三味線の音楽が場内を盛り上げる。

 バク転やバク宙を織り交ぜたダンスと殺陣で、侍達を倒し、颯爽と観客の間を走り抜け、忍者ショーは終了した。

パチパチパチパチ!

 たった15分のショーだったが、かなりの見応えあるものだった。
 
「はぁ…凄いな。迫力ある~!」
 
 僕の胸はまだドキドキしていた。

「思った以上に迫力あったなぁ。
 昔し見たのよりレベルが高い。
 兄さん達、頑張って試行錯誤をしてるんだな。」

 神谷先輩も誇らしげだった。

「……。ん…。」
「んんんんん?どうした槇ちゃん。
 考え込んで。」
「何だろう…何か…産まれそうで、産まれない…。」
「えっ!?槇ちゃん妊娠!?」

 ドカッ!

 槇さんが奈落に蹴りを食らわした。
「痛っ!」
「するわけねーだろ!
 アイデアだよ!アイデア!
 もう少しで…今の…ヒントに…。」

 槇さんは腕組みして、空を仰いで考え込んでいた。
 が、しばらく考えても何も答えが出ないので、諦めて、忍者役者の控え室に感想を伝えに向かった。
 

 ゾロゾロと控え室に行くと、シャワーを浴びてさっぱりとした拓也さんが出迎えてくれた。

「さっきのショー!最高でした!
 皆さんの迫力は圧巻でした!」
 
 土屋先輩が、目を潤ませて叫んだ。

「あはは。嬉しいな。ありがとう。
 …でも、物足りないんだよね。
 今のままじゃ…。
 外国人記者クラブでパフォーマンス見せるには。」
「あんなに迫力あるのにですか?」

 僕は思わず、問いただしてしまった。

「ほら、相手は外国人記者集団だろ。
 エンターテイメントの本場から来る記者に、インパクトを与えたいんだけど…。」
「インパクトですか…色的にはくノ一のピンクや桃色はインパクトありましたよね…。
 あ、でもほとんど黒とピンクか…他の色が無いんだ。」
「えっ…?有村君、今何て?」
「あ!すみません!でしゃばって!」
「いや、君の意見が聞きたい!言ってくれ。」
 「は…い。えっと、魅せるなら、カラフルな衣装とか羽根とか…アメコミの忍者って派手だから。
 ほら!現代なら戦隊物みたいな!
 色によって個性も出せるし…。」

 僕はブツブツと呟くように言った。

「来たー!来た来た!
 有村君!それだ!それ!
 商人の鼻が疼いた!
 これはエンターテイメントショーとして行ける!」
 
 槇さんが突如、興奮気味に大声を挙げた。

「えっ?槇ちゃん!?」
「是非、プロデュースに参加させてくれ!」
 「えっと、この方は?
 先ほどはいらっしゃいませんでしたね。
 神谷 拓也です。
 よろしく。」
「あ、ああ。初めまして。
 華京院 槇です。
 今はブランドファッションのバイヤーをしています。
 実は、芸能事務所やイベント主催の運営を始めようかと思ってる矢先でして。」
 
 槇さんがそう言って、名刺を拓也さんに手渡した。

「あ、ありがとうございます。
 俺の名刺はありません…。
 えっと、座長を読んで来ますね。」

 拓也さんかバタバタと奥に入って、座長の豊田さんを呼んできた。

 ガタイのいい筋肉質の上半身をあらわにして、汗を拭きながら豊田さんは姿を現した。

「初めまして豊田です。
 忍者パフォーマンス集団、闇写楽一座の座長です。」
 「初めまして。
 華京院 槇と申します。
 実は先ほど、パフォーマンスを拝見していまして…外国人記者クラブでも演技すると聞いて、ぜひ、プロデュース参加させて頂きたいのですが。」
「嬉しい話ですが…何せ、資金があまり無いので、確かに色々とやりたいパフォーマンスもあるのですが…。」
「プロデュースは無料でやりますよ。
 条件はビデオ記録をさせて下さい。
 それだけで、結構です。
 資金援助ですが…俺のポケットマネーくらいしか…。」

ツンツン!

 その時、奈落が僕を肘で突いた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します

スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」 眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。 隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。 エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。 しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。 彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。 「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」 裏切りへのカウントダウンが今、始まる。 スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!

異世界ママ、今日も元気に無双中!

チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。 ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!? 目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流! 「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」 おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘! 魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!

異世界転生したおっさんが普通に生きる

カジキカジキ
ファンタジー
 第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位 応援頂きありがとうございました!  異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界  主人公のゴウは異世界転生した元冒険者  引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。  知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?

異世界で姪が勇者になったけれど、俺はのんびり料理屋を開く

夕日(夕日凪)
ファンタジー
突然姉が亡くなり、その遺児である姪の『椛音』を男手一つで育てていた元料理人の『翔』。 椛音が十六歳になった時。二人は異世界に召喚されて…!? 椛音は勇者として異世界を飛び回ることになり、椛音のおまけとして召喚された翔は憧れていた料理人の夢を異世界で叶えることに。 デスクレイフィッシュ、大猪、オボロアナグマ──。 姪が旅先から持ち込む数々の食材(モンスター)を使った店を、翔は異世界で開店する。 翔の料理を食べると不思議と力が湧くようで、いろいろな人物が店を来訪するように──。 ※表紙は小鶴先生に描いていただきました!

【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』 見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装… 俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。 突然の事で戸惑うクラスメート達… だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。 「またか…」 王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。 そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。 そして俺はというと…? 『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』 「それよりも不知火君は何を得たんだ?」 イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。 俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。 その場にいた者達は、俺の加護を見ると… 「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。 『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』 王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。 まぁ、その方が気楽で良い。 そして正義は、リーダーとして皆に言った。 「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」 正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。 「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」 「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」 「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」 「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」 「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」 「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」 「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」 俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。 「その…鎧と剣は?」 「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」 「今迄って…今回が2回目では無いのか?」 「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」 俺はうんざりしながら答えた。 そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。 いずれの世界も救って来た。 そして今度の世界は…? 6月22日 HOTランキングで6位になりました! 6月23日 HOTランキングで4位になりました! 昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°. 6月24日 HOTランキングで2位になりました! 皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m

【1部完・2部準備中】人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

処理中です...