『有意義』なお金の使い方!~ある日、高1の僕は突然金持ちになっちゃった!?~

平塚冴子

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必要とされる喜びと責任

第13話

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「ではでは、花吹雪亭へと向かいますか。
 週末だから先に電話しとこう。
 ま、無理矢理でも部屋開けてくれるとは思うけど。
 なんせ、有村君ていう一見さんがいるからね。
 ハイ!奈落頼むよ!」
「げっ!俺が電話すんのかよ!」
「当たり前でしょう!
 息子の客が一緒なら、千代ちよさんも力入れてくれるし、割引きも半端ないでしょ。
 金は俺が払うから安心して。」
「あー!もう!今日は最悪な日だ!
 神楽と鉢合わせするし!ババァの店で会食だなんて!」

 奈落は文句を言いながら、少し離れてスマホで花吹雪亭に電話を掛け始めた。

「槇さん…奈落のお母さんって、もしかして神楽さんと似てるタイプですか?」
「あ…!あはは。
 そりゃ、心配だよねー、あんなの見ちゃったら。
 でも、安心して。
 ん…そうだなぁ。
 どちらかというと、奈落に似てるかも。」
「えっ!?」

 奈落に似てる…!?
 えーと、それって…。

「よーし!部屋用意しとくってよ!
 キャンセルがあったから、ちょうどいいってさ。」

 奈落がこっちに電話を掛け終えて戻ってきた。

「…そうだ。
 爽も呼ぼうか?
 奈落の仕事振りの話しも聞きたいし。」

 槇さんが唐突に提案を出してきた。

「はあああ?ダメダメ!
 爽はメチャクチャ忙しいっての!」
「…僕も爽さんと、じっくり話したいなぁ。」

 思わず心の声がポロリと漏れてしまった。

「有村~!!」
「ひゃっ!ごめんなさい!」
「ほら~!有村君もそう言ってるし。
 じゃあ、今度は俺が直で爽に電話連絡してみるよ。」
「槇ちゃん~~!」

 3分後…。

「来るってよ!爽!
 ま、1時間くらいしか居られないだろうけど。
 十分でしょう!」
「断れよ~~!
 何で乗り気なんだよ!
 あのインテリ眼鏡野郎!」
「ごめん、奈落。
 でも、爽さんと話したいのは本当なんだ。
 僕はまだ、わからない事だらけだし。
 槇さんとの仕事もどこまで関わっていいのか。
 爽さんに確認したいんだ。」
「チッ!しょーがねーな!ババァに1人追加って連絡いれるよ。
 ババァも爽が気に入ってるから喜ぶかもな。
 あいつも槇ちゃんと同じで年増扱いが得意だもんなー!」
「年増とか…ババァって…お母さんだよね。」
「奈落の毒はその口悪さだなぁ。
 ってか、そこしか毒気が無い。
 もう少し、欲しいところなんだけど。」

 槇さんは奈落を目を細めて見た。
 確かに…仕事をするにはシビアな部分が少なからず出て来るもので、きっと優しすぎる奈落は全てを自分で背追い込んでしまうタイプだ。
 槇さんはきっと、そこが心配なんだな。
 でも、僕はやっぱり今の奈落が1番いい。
 なんていうか…心地いい感じだし、安心感がある。
 
…この人は裏切らないって。

 爽さんとは花吹雪亭で落ち合う事になり、僕等は槇さんの車で花吹雪亭へ向かう事になった。

「老舗っていつ頃の創業なんですか?」

 槇さんの運転する車の中で、槇さんに質問してみた。

「昭和30年頃からだよ。
 戦後、貧乏のどん底にいた華京院に新生院からの依頼で経営を始めた店だ。
 初めは高級料亭みたいで、政財界の人達の会食の場として使われたんだけど、料理長をしていた爺さんが、特定の人にしか食べて貰えない料理なんてやってられるかー!
 って経営方針を転換したんだ。
 より多くの人に食べて満足して貰ってこそのすき焼きだ!
 鍋を囲むとは調和を促す最高の場だ!
 幸せの象徴なんだから、より多くの人に食べさせてこそ意味がある!
 そう言って、新生院の手を離れて、自力での経営をし始めた、華京院初めての新生院からの独立した店の場所なんだ。」
「そんな経緯があったんですね。」
「プライドで失敗した俺達の親族は、プライドを捨てても尚生き残り、潰されない事こそ大事なんだ!
 それが華京院のプライドだと教え込まれてる。
 その頃からかな…ブルジョア思考は衰退して、それと同時に美術的感覚も、何処へやら。
 ま、元々見栄張ってただけなのかも知れないけど、今じゃ明からさまにそっち系の関心が薄いんだよねー、うちの家系。
 ま、データ収集は得意なんでそれでカバーはしてるんだけどね。」
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