『有意義』なお金の使い方!~ある日、高1の僕は突然金持ちになっちゃった!?~

平塚冴子

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憎しみのパズルピース

第5話

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「あの、宮地の中学の同級生に田中 明と安村 浩二ってのはいませんでした?」
「ああ、それクラスじゃないね。
 放送委員の仲間じゃないかな。」
「放送委員?」
「結構、名物でね。
 昼休みに、宮地中心でラジオ並みの演出で校内のネタを披露するんだ。
 よくあるだろ、教師のモノマネとか。
 あと、匿名での教師イジリ。
 ポストに投函させてネタを集めてた。」
「へぇ。」
「今、思えば…宮地の現実逃避の場所だったのかもしれないな。
 底抜けに明るく喋ってたし。
 今…そういう事はしてないのかい?」
「そうですね。
 放送委員や部活動はしてないと思います。
 もしかするとバイトとかしてるのかもしれません。」
「その辺は早川の方が詳しいはずだ。」

 ゴールデンウィーク中も宮地は仲間と全く遊べていなかった。
 家の事情かバイトだろう。
 現実逃避さえままならないジレンマ…それが宮地の最大のストレス…。
 
 やはり、ここに来て早川さんの存在が大きくなってきた。

 宮地は僕が早川さんに近づくのを、警戒してる…慎重に動かなきゃ。
 なんとか早川さんとの間に信頼を気付かなきゃ。

 僕が色々と頭の中で整理をしてると、向井君はジュースを一口飲んで改まって口を開いた。

「誤解して欲しくないんだけど。
 ボクは宮地が嫌いじゃない。
 君に協力するのは…宮地が元の明るくチャラい男に戻って欲しいからだ。」
「えっ…。」
「ボクだけじゃないと思う。
 中学の明るい宮地は、目立ってちょっと鼻に付つくほどだったけど…今思えば、憧れだったと思うんだ。
 あれだけ、学校って物を楽しめる奴なんてそうそういない。
 あいつは…学校の楽しさを誰よりも知っていた気がする。
 それを、思い出させてやって欲しいんだ。」
「向井君…。
 ん、僕もそんな宮地を見たいです。
 そして、仲良くはなれなくても…お互いを理解してあげられる関係になりたいと思ってます。」

 向井君の真摯な言葉に僕も少し熱く語ってしまった。
 奈落は隣で頷くだけで、黙っていてくれた。



「ありがとう。
 よろしく頼むよ。」

 そう言って、向井君はファミレスを立ち去った。
  ファミレスの入り口前で、力が抜けたのか思わず肩をガクッと落として大きなため息をついた。

「はあああ。
 …!」

 フワッと急に真綿に包まれた感触がしたかと思った瞬間、優しく頭を撫でられた。

「大変よく出来ました!」

 奈落が僕を優しくハグして頭を撫でたのだ。

 かあああ!

 恥ずかしくて、全身の血液が逆流した。
 僕は奈落をゆっくり押し返した。

「ち、ちょっと!
 誤解されるから!」
「お!すまんすまん。
 けど…褒めて欲しかったろう?
 こんだけ頑張ったんだ。
 認めてやらなきゃな!」
「…奈落。」

 ずるいなぁ。
 奈落はサラッと僕の心の内を読み取る。
 そして…1番して欲しい言葉と態度で接してくれる。
 槇さんが言ってた…すぐ誤解されるって。

 僕も…誤解しちゃうよ…。
 親友だって…運命的出逢いなんだって…。
 永遠に親友だって…しちゃいけない期待をしちゃうじゃないか…。

 夕陽に照らされた奈落の表情は、その太陽よりも暖かく感じた。

「少し遅くなったから、次のバス停までランニングして今日のメニューの代わりにしよう。」

 僕はランニングの提案をした。

「お~!状況に合わせての応用が利くようになったじゃないか!
 よしっ!夕陽に向かって走るぞ!」

 僕は夕陽に向かって走り出した。
 自分の足がしっかりと地面についている事を実感しながら…。

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