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ハードで楽しい深夜のお仕事
第16話
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まずは色や柄で反物を選別して行く事にして、僕は使えるものと、今回は見送る物を振り分けた。
見送る物の中にはとても綺麗な物もあって、僕は後で貰おうと、自分の気に入った反物を数枚分けた。
…これ、後で額に入れてみよう。
1枚に組み合わせて万華鏡の絵画みたいに。
ピンポン。ピンポン。
インターホンが鳴った。
槇さんがすぐに、応対して僕にサインを送ってきた。
どうやら豊田さんが来たようだ。
僕は一旦反物と衣装を置いて玄関へと向かった。
玄関の扉をゆっくりと開けて、紺のキャップにスカジャンの豊田さんが現れた。
「よう!あんたこの前の神谷の弟の…。」
「こんにちは。有村です。」
「こんにちは。豊田さん。
彼が、この前から衣装アイデアやパフォーマンスのアイデアをくれてるんです。
今日から本格的にスタッフとして手伝って貰います。
宜しくお願いします。」
「君が例のアイデアを!おお、早速打ち合わせしよう。
悪いが時間が無いんでね。」
早速豊田さんは事務所に上がって、色々な書類を出して来た。
「槇君、照明や効果音の機材は用意してもらえそうかい?」
「ええ。
うちのイベント企画制作会社が持っているものを使います。
ただ、和楽器の大太鼓や三味線は豊田さんの方でお願いします。」
「そこは、もう協力を取り付けてあるから安心してくれ。
タダとはいかんが、それなりの腕の者を取り揃えて貰えるようにしてる。」
「では、早速ですがパフォーマンスについて豊田さんの構想を話してください。
有村君にも聞いてもらいたいので。」
「…よ、宜しくお願いします。」
「うむ、忍者とはあくまでメインではなく影として忍んで闘う者だ。
だから、登場シーンも先ずは暗がりからスタートさせたい。
音楽や効果音でステージを煽り、期待度を上げてからのパフォーマンスを考えてるんだ。」
豊田さんは目を輝かせながら、パフォーマンスの構想を話してくれた。
「じゃあ、以前有村君から出された大太鼓をステージ中央にする案は採用なんですね。」
「うむ。忍者を影と印象付けるには効果的と考える。
大太鼓の影から潜んで出てくる忍者!
イメージピッタリだ!」
「あの…それなんですが…。
付け加えたい事があります。」
僕はおもむろに、左手をあげて意見を述べた。
「太鼓演奏者と交互にバチを振るうというのはどうでしょう?
敵をかわし、入れ替わるんです。
大太鼓の役割もこれだと大きくなると思うんです。」
槇さんと豊田さんは目を丸くして僕を見た。
あれ…ダメかな…突拍子もなかったかな…。
カッコいいと思ったんだけど…。
「クルクル入れ替わってバチを交互に叩くのか!?
うおー!頭に映像が浮かんだよ!
ショーとしては最高だ!」
豊田さんが立ち上がって叫んだ。
「思いつかなかったな…。
しかも、思いの外派手な演出だ。
外国人にはウケるよ。」
「あ、ありがとうございます。」
「じゃあ、パフォーマンスにはその演出を加えましょう。
次に、衣装とロゴについてですが…江戸村のロゴはどうしたらいいですか?」
「そこなんだが、資金提供は中々出来ないものの…やはり客寄せの為のアピールはして欲しいそうだ。
こちらとしても、江戸村あってのパフォーマンス集団だ。
今までの恩義もあるし、ロゴを入れて欲しい。」
「わかりました。
では反物提供会社と江戸村のロゴを入れましょう。
2つという事で、左右の肩のあたりに…さりげなく付けたいのですが…。」
「それで構わない。
で、衣装のイメージを教えてくれるかな。」
「あのっ!それなんですが…。
今、ロゴの話しを聞いて思い付いたんです。
漢字一文字を反物で型抜きして忍者衣装に付けるのはどうでしょう?」
「有村君…けど…それってかなり手間がかかる作業だよ。
漢字となれば、画数によっては縫い付けが終わるのに何時間もかかる。」
そう、僕もそれは考えた…けど。
努力を惜しんで質を下げるなんて、そんなの嫌だった。
あれだけ、職人の手間暇かけた反物を使うんだ。
僕達だって出来る限りの努力をしなきゃならないと思ったんだ。
見送る物の中にはとても綺麗な物もあって、僕は後で貰おうと、自分の気に入った反物を数枚分けた。
…これ、後で額に入れてみよう。
1枚に組み合わせて万華鏡の絵画みたいに。
ピンポン。ピンポン。
インターホンが鳴った。
槇さんがすぐに、応対して僕にサインを送ってきた。
どうやら豊田さんが来たようだ。
僕は一旦反物と衣装を置いて玄関へと向かった。
玄関の扉をゆっくりと開けて、紺のキャップにスカジャンの豊田さんが現れた。
「よう!あんたこの前の神谷の弟の…。」
「こんにちは。有村です。」
「こんにちは。豊田さん。
彼が、この前から衣装アイデアやパフォーマンスのアイデアをくれてるんです。
今日から本格的にスタッフとして手伝って貰います。
宜しくお願いします。」
「君が例のアイデアを!おお、早速打ち合わせしよう。
悪いが時間が無いんでね。」
早速豊田さんは事務所に上がって、色々な書類を出して来た。
「槇君、照明や効果音の機材は用意してもらえそうかい?」
「ええ。
うちのイベント企画制作会社が持っているものを使います。
ただ、和楽器の大太鼓や三味線は豊田さんの方でお願いします。」
「そこは、もう協力を取り付けてあるから安心してくれ。
タダとはいかんが、それなりの腕の者を取り揃えて貰えるようにしてる。」
「では、早速ですがパフォーマンスについて豊田さんの構想を話してください。
有村君にも聞いてもらいたいので。」
「…よ、宜しくお願いします。」
「うむ、忍者とはあくまでメインではなく影として忍んで闘う者だ。
だから、登場シーンも先ずは暗がりからスタートさせたい。
音楽や効果音でステージを煽り、期待度を上げてからのパフォーマンスを考えてるんだ。」
豊田さんは目を輝かせながら、パフォーマンスの構想を話してくれた。
「じゃあ、以前有村君から出された大太鼓をステージ中央にする案は採用なんですね。」
「うむ。忍者を影と印象付けるには効果的と考える。
大太鼓の影から潜んで出てくる忍者!
イメージピッタリだ!」
「あの…それなんですが…。
付け加えたい事があります。」
僕はおもむろに、左手をあげて意見を述べた。
「太鼓演奏者と交互にバチを振るうというのはどうでしょう?
敵をかわし、入れ替わるんです。
大太鼓の役割もこれだと大きくなると思うんです。」
槇さんと豊田さんは目を丸くして僕を見た。
あれ…ダメかな…突拍子もなかったかな…。
カッコいいと思ったんだけど…。
「クルクル入れ替わってバチを交互に叩くのか!?
うおー!頭に映像が浮かんだよ!
ショーとしては最高だ!」
豊田さんが立ち上がって叫んだ。
「思いつかなかったな…。
しかも、思いの外派手な演出だ。
外国人にはウケるよ。」
「あ、ありがとうございます。」
「じゃあ、パフォーマンスにはその演出を加えましょう。
次に、衣装とロゴについてですが…江戸村のロゴはどうしたらいいですか?」
「そこなんだが、資金提供は中々出来ないものの…やはり客寄せの為のアピールはして欲しいそうだ。
こちらとしても、江戸村あってのパフォーマンス集団だ。
今までの恩義もあるし、ロゴを入れて欲しい。」
「わかりました。
では反物提供会社と江戸村のロゴを入れましょう。
2つという事で、左右の肩のあたりに…さりげなく付けたいのですが…。」
「それで構わない。
で、衣装のイメージを教えてくれるかな。」
「あのっ!それなんですが…。
今、ロゴの話しを聞いて思い付いたんです。
漢字一文字を反物で型抜きして忍者衣装に付けるのはどうでしょう?」
「有村君…けど…それってかなり手間がかかる作業だよ。
漢字となれば、画数によっては縫い付けが終わるのに何時間もかかる。」
そう、僕もそれは考えた…けど。
努力を惜しんで質を下げるなんて、そんなの嫌だった。
あれだけ、職人の手間暇かけた反物を使うんだ。
僕達だって出来る限りの努力をしなきゃならないと思ったんだ。
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