『有意義』なお金の使い方!~ある日、高1の僕は突然金持ちになっちゃった!?~

平塚冴子

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ハードで楽しい深夜のお仕事

第20話

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「…マジかぁ。
 まさか、この前の一件で有村君にそこまで興味持ったとは…。」

 浅い眠りの中、槇さんと奈落の話しが耳に入って来た。

「俺だって驚きだよ。
 神楽の趣味は相変わらずわかんねーよ。
 ってか、プライベートな感情なきゃいいけどよ。
 あいつに限っては思ってる事なんて、絶対に口に出さないだろう。」
「そうだなぁ。
 弟のお前は逆に心の声がダダ漏れなんだけど。」
「槇ちゃん~。」
「ま、神楽ちゃんは馬鹿じゃないし、爽にそこまで言われては勝手に手出しはして来ないだろう…。
 けど…このままってのもあり得ないか…。」
「だろ~~!
 あのメス猫、何仕掛けてくるか気が気じゃないんだよ。」
「でもさ、有村君もなかなか男前の返答をしたじゃないか。
 ちゃんと見習えよ、奈落。
 女の子の扱い方は、どうやら有村君の方が上らしい。」

 えっ、何?
 えっえっえええ~~!?
 
 ウトウトして仮眠していた僕は、一気に目を閉じたまま目覚めた。
 
 どどど、どうしよう!
 目を開けるタイミングがわからない~~!

「ちえっ!
 有村にも負けてんのかよ俺~。
 一度メンタル診てもらおうかな。
 絶対、病んでるよ!
 もしくは呪われてんだよ!」

 いやいや、そういう問題じゃないだろ。
 ってか、この状況!
 僕が女の子の扱い奈落より上って…あり得ないよ!あり得ないだろう!どう考えても!
 やばい、脂汗が手から額から吹き出て来た~!

「あのな、奈落。
 どうして恋愛に関してだけ、被害妄想酷いんだよ…まあ、確かに心の傷はわかるけど。
 もっと前向きになれよ。
 どっちかっていうと好かれやすいタイプなんだし。」
「犬猫、誰彼構わず好かれたいわけじゃねー!
 槇ちゃん、ちゃんとご教授してくれよ!」
「…と言われても、そろそろ仕事開始しないと。
 それに、恋愛話しは深夜に限る。
 夜の休憩時間までのお楽しみにかな。
 さて、有村君を起こそうか。
 こっからはピッチを上げなきゃ。」
「えー!いけずぅ!」

 奈落が口を尖らせた喋り方で膨れていた。
 槇さんはゆっくりと僕の前にやって来て、顔を覗き込んだ。

「有村君、そろそろ仕事開始しよう。
 大丈夫かな?」
「…ん。あ、はい。」

 僕は今起きました感を出しつつ、内心ホッとして目を開けた。

 正面にクッションを抱きしめながら口を尖らせた奈落がゴロゴロと床の上を転がっていた。

「…何…してんの?」
「うるさい!ちょっとヘコんでいじけてるだけだ。」
「有村君、心配いらないよ。
 5分くらいいじけたら、すぐに開き直るから。
 好きにさせてやってくれ。」
「はあ…。」

 最近、奈落が出逢った頃より甘えん坊の姿を見せてくれる。
 これって…心を許してくれてるんだよな…奈落が気がついてるかどうか、わからないけど。
 なんだろ…そういうのって…くすぐったくて、いじらしくて…。
 兄弟って…こういう感じなのかな?
 ま、どう見ても僕より年下ではないと思うけど。

 だって、よくよく考えて思い出したけど…この前爽さんが槇さんにお酒を誘ってたもの。
 2つ違いなら、若くても18歳だと思う。
 けど…本人は19歳って言ってたし。
 まぁ、奈落はともかく槇さんが嘘をつかなきゃならない理由はないだろう。
 奈落と共犯関係を結んでいなければの話しだけど。

  けど…お兄ちゃんって感じがあんまりしないなぁ。
 親しみやすさがそうさせてるんだけど。

 僕はゴロゴロ転がる奈落を横目で見ながら、再び型紙を作り始めた。

 反物に型を転写し終えて裁断にかかる事の出来たのは、夕方を過ぎてからだった。
 あんなに明るかった外が、真っ赤に染まって陽が落ちるのを知らせてくれていた。
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