175 / 280
ハードで楽しい深夜のお仕事
第21話
しおりを挟む
型紙のカットも大変だったが、反物の裁断がこれまた手間のかかる作業だった。
一気に裁断だけとは行かなかったのだ。
「物が漢字、しかもこれだけ画数が多いと、間違いや部分的紛失の恐れも考えられるな。
これは一文字づつ、切っては仮留め切っては仮留めの作業しないとだなぁ。」
「じゃあ、2人で流れ作業ですね。」
「そうだね。
仮留めは俺がやるから裁断の方をお願い出来るかな?
そこに裁ちバサミがあるから。」
「これですね。」
「気をつけてね。
手入れしてあるから、結構鋭い刃なんだ。」
「はい。
注意して使います。」
ピンポン。ピンポン。
インターホンが鳴って、槇さんが出てみると一馬君と春樹君が帰って来たらしい。
「ごめん、2人の報告聞かなきゃ…うーん。
時間惜しいな…。」
「あ!じゃあ奈落に手伝って貰います。」
「いいのかい?
契約とかで問題あるなら無理しなくても…。」
僕を気遣って槇さんが、申し訳なさそうに言った。
「はい。
槇さんの仕事はとても『有意義』ですから!」
「ん?『有意義』?…まあ、いいか。
じゃあ、遠慮なく使わせて貰おうか。
どうせ暇してるみたいだし。」
「暇じゃねーよ!これでも一応レポート書いてんだぞ!ったく!」
奈落はノートパソコンをカチャカチャ打ちながら、膨れっ面をした。
「それ、終わってからでもいいから手伝ってよ。
ね、奈落。
『有意義』なんだから。」
「…はいはい!お仕事ですからね!」
奈落はたち上がると、身体を左右に軽くくねらせた。
「じゃあ、よろしく頼む。
あ、そうだ有村君から貰った菓子折り、一馬と春樹に少しあげるね。
歩き疲れてるから甘い物は喜ぶと思うんだ。」
「はい。是非!」
槇さんはキッチンに菓子折りとお茶の用意をしに行った。
「さて、奈落は裁断と仮留めどっちがいい?」
「手先は器用な方じゃないから裁断!」
「…何とかにハサミっていう感じ…。」
裁ちバサミをチョキチョキしながら笑顔の奈落にちょっとだけ引いた。
どっかのホラー映画みたい…ははは。
僕は忍者衣装を丁寧にカバーから取り出し始めた。
「ただ今戻りました。」
「お疲れ様です。」
一馬君と春樹君が紙袋をいくつか手に持って帰ってきた。
「お帰り~!一馬、春樹!お疲れサンマ~!」
「お帰りなさい。お疲れ様。」
僕と奈落は仕事の手を進めながら挨拶した。
奥から槇さんが2人を呼んだ。
「お帰り、一馬、春樹。
有村君にお菓子頂いたから、結果の話しを聞きながらお茶にしよう。」
「あ、はい。
ありがとうございます。」
「頂きます。有村さん。」
2人は礼儀正しく、僕に一礼してキッチンの方に消えて行った。
「奈落も…槇さんにも、あんな時があったんだよね。」
「まあな。
ちょうど、今が一番頭ん中いっぱいいっぱいの時期だな。
そのうち、力の抜き方覚えて効率よく出来るさ。」
「うん。
確かに疲れてたみたいだけど…。」
けど、2人の瞳は仕事をやり切った自信と、この先への意欲でキラキラ輝いているようにも見えた。
僕も頑張らないと!
僕は忍者衣装をカバーから丁寧に取り出して裁断し終えた反物を待ち針で仮留めして行った。
一気に裁断だけとは行かなかったのだ。
「物が漢字、しかもこれだけ画数が多いと、間違いや部分的紛失の恐れも考えられるな。
これは一文字づつ、切っては仮留め切っては仮留めの作業しないとだなぁ。」
「じゃあ、2人で流れ作業ですね。」
「そうだね。
仮留めは俺がやるから裁断の方をお願い出来るかな?
そこに裁ちバサミがあるから。」
「これですね。」
「気をつけてね。
手入れしてあるから、結構鋭い刃なんだ。」
「はい。
注意して使います。」
ピンポン。ピンポン。
インターホンが鳴って、槇さんが出てみると一馬君と春樹君が帰って来たらしい。
「ごめん、2人の報告聞かなきゃ…うーん。
時間惜しいな…。」
「あ!じゃあ奈落に手伝って貰います。」
「いいのかい?
契約とかで問題あるなら無理しなくても…。」
僕を気遣って槇さんが、申し訳なさそうに言った。
「はい。
槇さんの仕事はとても『有意義』ですから!」
「ん?『有意義』?…まあ、いいか。
じゃあ、遠慮なく使わせて貰おうか。
どうせ暇してるみたいだし。」
「暇じゃねーよ!これでも一応レポート書いてんだぞ!ったく!」
奈落はノートパソコンをカチャカチャ打ちながら、膨れっ面をした。
「それ、終わってからでもいいから手伝ってよ。
ね、奈落。
『有意義』なんだから。」
「…はいはい!お仕事ですからね!」
奈落はたち上がると、身体を左右に軽くくねらせた。
「じゃあ、よろしく頼む。
あ、そうだ有村君から貰った菓子折り、一馬と春樹に少しあげるね。
歩き疲れてるから甘い物は喜ぶと思うんだ。」
「はい。是非!」
槇さんはキッチンに菓子折りとお茶の用意をしに行った。
「さて、奈落は裁断と仮留めどっちがいい?」
「手先は器用な方じゃないから裁断!」
「…何とかにハサミっていう感じ…。」
裁ちバサミをチョキチョキしながら笑顔の奈落にちょっとだけ引いた。
どっかのホラー映画みたい…ははは。
僕は忍者衣装を丁寧にカバーから取り出し始めた。
「ただ今戻りました。」
「お疲れ様です。」
一馬君と春樹君が紙袋をいくつか手に持って帰ってきた。
「お帰り~!一馬、春樹!お疲れサンマ~!」
「お帰りなさい。お疲れ様。」
僕と奈落は仕事の手を進めながら挨拶した。
奥から槇さんが2人を呼んだ。
「お帰り、一馬、春樹。
有村君にお菓子頂いたから、結果の話しを聞きながらお茶にしよう。」
「あ、はい。
ありがとうございます。」
「頂きます。有村さん。」
2人は礼儀正しく、僕に一礼してキッチンの方に消えて行った。
「奈落も…槇さんにも、あんな時があったんだよね。」
「まあな。
ちょうど、今が一番頭ん中いっぱいいっぱいの時期だな。
そのうち、力の抜き方覚えて効率よく出来るさ。」
「うん。
確かに疲れてたみたいだけど…。」
けど、2人の瞳は仕事をやり切った自信と、この先への意欲でキラキラ輝いているようにも見えた。
僕も頑張らないと!
僕は忍者衣装をカバーから丁寧に取り出して裁断し終えた反物を待ち針で仮留めして行った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
毒舌アイドルは毒の魔物に転生する。
馳 影輝
ファンタジー
毒舌を売りにして芸能界で活躍できる様になった。
元々はアイドルとしてデビューしたが、ヒラヒラの衣装や可愛い仕草も得意じゃ無かった。
バラエティーの仕事を貰って、毒舌でキャラを作ったらこれがハマり役で世間からのウケも良くとんとん拍子で有名人になれた。
だが、自宅に帰ると玄関に見知らぬ男性が立っていて私に近づくと静かにナイフで私を刺した。
アイドル時代のファンかも知れない。
突然の事で、怖くて動けない私は何度も刺されて意識を失った。
主人公の時田香澄は殺されてしまう。
気がつくとダンジョンの最下層にポイズンキラーとい魔物に転生する。
自分の現象を知りショックを受けるが、その部屋の主であるリトラの助言により地上を目指す。
ダンジョンの中で進化を繰り返して強くなり、人間の冒険者達が襲われている所に出くわす。
魔物でありながら、擬態を使って人間としても生きる姿や魔王種への進化を試みたり、数え切れないほどの激動の魔物人生が始まる。
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
1000年ぶりに目覚めた「永久の魔女」が最強すぎるので、現代魔術じゃ話にもならない件について
水定ゆう
ファンタジー
【火曜、木曜、土曜、に投稿中!】
千年前に起こった大戦を鎮めたのは、最強と恐れられ畏怖された「魔女」を冠する魔法使いだった。
月日は流れ千年後。「永久の魔女」の二つ名を持つ最強の魔法使いトキワ・ルカはふとしたことで眠ってしまいようやく目が覚める。
気がつくとそこは魔力の濃度が下がり魔法がおとぎ話と呼ばれるまでに落ちた世界だった。
代わりに魔術が存在している中、ルカは魔術師になるためアルカード魔術学校に転入する。
けれど最強の魔女は、有り余る力を隠しながらも周囲に存在をアピールしてしまい……
最強の魔法使い「魔女」の名を冠するトキワ・ルカは、現代の魔術師たちを軽く凌駕し、さまざまな問題に現代の魔術師たちと巻き込まれていくのだった。
※こちらの作品は小説家になろうやカクヨムでも投稿しています。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる