『有意義』なお金の使い方!~ある日、高1の僕は突然金持ちになっちゃった!?~

平塚冴子

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保健室同盟(仮)と前期図書委員

第15話

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『ありがとう。
 待ってたんだ。
 とにかく、今からランニングに出るけど、大丈夫?』

送信。

ピロリロリーン。

『もう、準備して外で待ってるよ。
 久々だから、キツいかもな。』

 よし!宮地の件でモヤモヤしてるし、ここはランニングで気分転換だ!

 僕はアパートを出て、奈落と合流して、軽くストレッチをしてから走り出した。


 明るい街灯の下を、公園通りを抜けてランニングを始めた。
 青葉が風に吹かれる心地良さがまるで、マイナスイオンが身体に染み込んでくるようだった。

「ちょっと、相談してもいいかな?」

 僕は走りながら、斜め後方を走る奈落に話し掛けた。

「ん?相談?」
「早川さんともっと話したいんだけど、宮地がここのところ、図書室に出入りしているから思うように行かないんだ。
 かと言って早川さんのクラスになんて行ったら、それこそ宮地の怒りを買ってしまう。
 どうしたらいいかな?」
「…そうだな。
 学校内って限定するから、接触の機会が少ないんじゃねーか?
 ここはひとつ、私生活方面からのアプローチを考えるべきだな。
 偶然を装ってとかな。」
「し、私生活⁉︎」
「あのな~。
 別に、ストーカーすれとか言ってるんじゃない。
 私生活の中に接触出来る、キッカケを見つけろって言ってんだ。
 直接じゃなくても、知り合いと親しくなるとか…家族と知り合いになるとか。
 偶然を装ってバッタリ出会うってのもアリだな。」
「確かに…。
 僕は宮地の家庭環境を調べる事も考えていた…。
 早川さんの私生活に近づく事でその辺も詳細にわかる…一石二鳥って事か。
 けど…宮地にバレた時のリスクは高いよな。
 ん…。」
「その為にも、体力つけなきゃな!
 ほら、ペースアップ!」
「あ、はいいっ!」

 僕は奈落に煽られるままに、公園までダッシュした。
 
 確かにそうだ。
 宮地に見つかったら、見つかったで仕方ないだろう。
 
 でも…だから、その時ある程度怯まないように…宮地と対峙して自分の考えや気持ちを、キチンと吐き出せるように…。
 奈落の助けばかりに頼らない様に…!

 強くなれ!心!
 強くなれ!身体!
 強くなれ!願い!

 僕はダッシュしながら、繰り返しじぶんの胸で叫び続けた。

 自然と…さっきまでモヤモヤしていた宮地への気持ちがスッと引いて行った。
 まるで脱皮した蛇みたいな、スルリといきなり肩の荷が軽くなった感じ…。
 そうか、目指すものがハッキリしてくると、こんな感覚になるんだなぁ。

 薄っすらと、月が浮かんで見える。

「はあ…はあ…。
 奈落…僕は…強くなれるかな…?」

 膝に手を置き、肩で息をして鉄棒の所で小休止した。

「バァカ!今生きてるって事は、十分強いって事だ。
 生きるってのは、それだけで強さが必要なんだよ。」
「ありがとう…奈落。」

 月明かりに照らされた、優しい奈落の微笑みが僕に自信をくれた。
 
 その後、僕は鉄棒で斜め懸垂を20回ほどこなしてから、再び奈落と走り出した。
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