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夏休み
ギャルな救世主
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今年の補習者はそれ程多くはなかった。
一般クラスの生徒のみだったし、期末テストのテスト内容もある程度簡単だったはず。
僕だって、わざわざ夏休みを潰したくはないんだ。
なのに…。
「もうっ!わっかんないよ!過去とか未来とかってタイムマシンだけにしてよ!!」
「タイムマシンってネコ型ロボットじゃあるまいし。
あのな、牧田。過去形と未来形だ。
本当にひどいな、お前の英語力。」
「銀子ちゃんだって、頭すっごく頑張って使ってるよ!でもわかんないの!」
6人の補習者の中でも牧田はダントツに飛び抜けていた。
努力する事なく、牧田とフレンドリーに話せていた。
「…その、田宮とかに勉強教えてもらったりしないのか?」
さりげなく、田宮の話しを持ち込んでみた。
「うんとね。聞いた事には全部答えてもらえるよー。
真朝はね勉強ってほとんどしないんだって。
基本的に、授業中に宿題も全部終わらせるようにしてるって言ってた。」
「授業中に?」
そういえば、旧理科室でも勉強してる姿はあまりみないな。
「えっと~。脳ミソの中の…ドパがドパドパ出ると、短かい時間で覚えられるとか。」
「お前…ドーパミンじゃないか?脳内麻薬物質だな。」
「だから、今、出るようにがんばってるんだけどお~。」
「頑張って出るもんじゃないぞ。ソレ。」
変わった奴だ。
田宮とはどこで気が合うんだ?
性格的には正反対のような気がするが…。
「武ちゃんはぁ、真朝ばっか観てるよねー。彼女に似てるの?」
補習プリントの前でシャーペンをクルクル回したり転がしたりしながら僕に問い掛けて来た。
「だ、誰が?いや、その。
何回かバトったりして印象悪いのかと思ってて。その…。」
「ふーん。印象は悪くないんじゃないかな?
まーさ、武ちゃんの事、たまに笑って見てるし。」
「はい?僕を見てる??」
「だって、ドジっ子でしょ武ちゃん。
真朝とバトった時だって、顔にすぐ出るし、すぐムキになるからね。
あの後だって、実はまーさ笑ってたし。」
ドジっ子って、なんだよその言い方。
「か…からかわれてるのか!?」
「あはは、それそれ!ウケる!
お子様っぽいよね~。」
「お子様って。
なんか、牧田にいわれると傷つくよな。」
でも、確かに彼女と比べたら僕は子供なのかもしれない。
「で、彼女に似てるの?似てないの?」
「に…似てない。全然違う。」
「ふーん、じゃあ。私…銀子ちゃんを見る他の人達と同じ興味本位かぁ。
つまんないな。
もうちょい真剣なのかと思ったけどぉ。」
「興味本位なんかじゃ!僕は…!」
僕は熱くなって反論した。
「キャハハ。いいじゃん武ちゃん、担任じゃないのに熱血先生!でもぉ…。」
「でも、何だよ。」
「もっと、正直な方がいいかな。」
「どういう意味…。」
牧田はグイっと僕のネクタイを引っ張り耳元で言った。
「私さぁ、お勉強は出来ないけど、恋愛のアンテナはメッチャ鋭いんだぞ!知りたいんでしょ。まーさの事!!」
「って、何言って!他の奴に聞こえるだろ。」
「いいよ。まーさ、真朝の事教えてあげるよ。恋愛自由だからね~。
武ちゃん悪い人じゃないし。」
「あっ。…そう。」
「でも、私もそんなに知って訳じゃないからね。中学は別だし。」
「お…おう。」
下手に反論するより、誤解してもらった方が情報を得るためになるかも。
とりあえず、素直に牧田の話しを聞く事にした。
補習後、牧田に餌付けするように食堂でジュースをおごった。
オレンジジュースのパックのストローをチュウチユウ吸う姿は小学生だ。
「まぁね。まーさは、お家の事は話してくれないから知らないけど、多分誰よりも優しいと思うの。」
「へぇ。」
牧田はお礼に田宮との関係を話してくれた。
「ほら、私。銀子ちゃんはぁこんなハデな格好でおバカさんだから、昔からお友達も少ないの。
高校に入ってすぐもやっぱり、みんなドン引きでさ。
またか…ってあきらめてたら、一緒にお昼御飯食べようって誘ってくれたの。
普通って思うでしょ…でも、私は泣きそうなくらい嬉しかったの。
しかも、ま…真朝まで周りから変な目で見られ始めても、堂々としていてくれて。
気付いたの。
1番銀子を偏見の目で感じてたのは私自身だったって。
そう思ったら、凄く楽で自分らしく出来るようになったの。
だからね、銀子ちゃんはぁ、まーさ…真朝の為に何かしてあげたいの。」
「田宮を信頼してるんだな。」
「うん。ただ…。
まーさは楽しく笑う時はあるけど、何でだろ…幸せそうに感じないんだ。
何処か寂しそう。
多分銀子ちゃんじゃどうにも出来ないんだよ。
こればっかりは。」
「と、言うと?」
「決まってるじゃん!愛する人がいないからよ~!!」
「なっ!愛すって…。なんか。」
「うわ…武ちゃん今、エロい事想像したでしょ!大人の男ってばもう。」
牧田が僕の顔を指差してニヤニヤし出した。
「違っ…!何だよその目は!」
「あら、愛があればエロくたっていいけど。」
「おい、僕はお前とエロ話しをするつもりはないぞ!」
「武ちゃん、真っ赤!あはは~~。」
牧田は腹を抱えて脚をバタつかせて大笑いした。
「からかうなよ。僕は真面目に…。」
「でも銀子はマジで思うよ。
愛より強いものはないって!
武ちゃん、真朝は落とすの大変だけど頑張って!」
「はははは~~。」
誰が誰を落とすんだよ!
牧田のおかげで僕の知らない田宮の一面が見られた。
愛って…。
勘違いされるのは好ましくないが、いざと言う時に協力してもらえそうな気がした。
小さいけど心強い仲間が出来た気分だ。
「そういえばぁ、武ちゃんいつも何時頃に帰るの?」
「6時とか7時くらいかな平均して。」
「まーさ…真朝が帰るとこ見た事ある。」
「あ、えーないけど。」
旧理科室を出るのは確か7時頃だったかなぁ。
「夏は結構遅くまでいるみたいだよ。この学校高台にあるから、夜の街灯りが綺麗って聞いたし。
上手くいけば夜景の中を2人でデートなんてね。」
「えっ。」
「今日も学校に来るはずよ。
お昼一緒に食べる約束してるし。
そだ。武ちゃん、一緒に食べる?」
「あ、いや僕は職員室で食べるから。」
ダメだまだこの前の後遺症もあるし、顔に感情を出さないようにする事ができない今は…。
今日も学校に来るんだ…。
一般クラスの生徒のみだったし、期末テストのテスト内容もある程度簡単だったはず。
僕だって、わざわざ夏休みを潰したくはないんだ。
なのに…。
「もうっ!わっかんないよ!過去とか未来とかってタイムマシンだけにしてよ!!」
「タイムマシンってネコ型ロボットじゃあるまいし。
あのな、牧田。過去形と未来形だ。
本当にひどいな、お前の英語力。」
「銀子ちゃんだって、頭すっごく頑張って使ってるよ!でもわかんないの!」
6人の補習者の中でも牧田はダントツに飛び抜けていた。
努力する事なく、牧田とフレンドリーに話せていた。
「…その、田宮とかに勉強教えてもらったりしないのか?」
さりげなく、田宮の話しを持ち込んでみた。
「うんとね。聞いた事には全部答えてもらえるよー。
真朝はね勉強ってほとんどしないんだって。
基本的に、授業中に宿題も全部終わらせるようにしてるって言ってた。」
「授業中に?」
そういえば、旧理科室でも勉強してる姿はあまりみないな。
「えっと~。脳ミソの中の…ドパがドパドパ出ると、短かい時間で覚えられるとか。」
「お前…ドーパミンじゃないか?脳内麻薬物質だな。」
「だから、今、出るようにがんばってるんだけどお~。」
「頑張って出るもんじゃないぞ。ソレ。」
変わった奴だ。
田宮とはどこで気が合うんだ?
性格的には正反対のような気がするが…。
「武ちゃんはぁ、真朝ばっか観てるよねー。彼女に似てるの?」
補習プリントの前でシャーペンをクルクル回したり転がしたりしながら僕に問い掛けて来た。
「だ、誰が?いや、その。
何回かバトったりして印象悪いのかと思ってて。その…。」
「ふーん。印象は悪くないんじゃないかな?
まーさ、武ちゃんの事、たまに笑って見てるし。」
「はい?僕を見てる??」
「だって、ドジっ子でしょ武ちゃん。
真朝とバトった時だって、顔にすぐ出るし、すぐムキになるからね。
あの後だって、実はまーさ笑ってたし。」
ドジっ子って、なんだよその言い方。
「か…からかわれてるのか!?」
「あはは、それそれ!ウケる!
お子様っぽいよね~。」
「お子様って。
なんか、牧田にいわれると傷つくよな。」
でも、確かに彼女と比べたら僕は子供なのかもしれない。
「で、彼女に似てるの?似てないの?」
「に…似てない。全然違う。」
「ふーん、じゃあ。私…銀子ちゃんを見る他の人達と同じ興味本位かぁ。
つまんないな。
もうちょい真剣なのかと思ったけどぉ。」
「興味本位なんかじゃ!僕は…!」
僕は熱くなって反論した。
「キャハハ。いいじゃん武ちゃん、担任じゃないのに熱血先生!でもぉ…。」
「でも、何だよ。」
「もっと、正直な方がいいかな。」
「どういう意味…。」
牧田はグイっと僕のネクタイを引っ張り耳元で言った。
「私さぁ、お勉強は出来ないけど、恋愛のアンテナはメッチャ鋭いんだぞ!知りたいんでしょ。まーさの事!!」
「って、何言って!他の奴に聞こえるだろ。」
「いいよ。まーさ、真朝の事教えてあげるよ。恋愛自由だからね~。
武ちゃん悪い人じゃないし。」
「あっ。…そう。」
「でも、私もそんなに知って訳じゃないからね。中学は別だし。」
「お…おう。」
下手に反論するより、誤解してもらった方が情報を得るためになるかも。
とりあえず、素直に牧田の話しを聞く事にした。
補習後、牧田に餌付けするように食堂でジュースをおごった。
オレンジジュースのパックのストローをチュウチユウ吸う姿は小学生だ。
「まぁね。まーさは、お家の事は話してくれないから知らないけど、多分誰よりも優しいと思うの。」
「へぇ。」
牧田はお礼に田宮との関係を話してくれた。
「ほら、私。銀子ちゃんはぁこんなハデな格好でおバカさんだから、昔からお友達も少ないの。
高校に入ってすぐもやっぱり、みんなドン引きでさ。
またか…ってあきらめてたら、一緒にお昼御飯食べようって誘ってくれたの。
普通って思うでしょ…でも、私は泣きそうなくらい嬉しかったの。
しかも、ま…真朝まで周りから変な目で見られ始めても、堂々としていてくれて。
気付いたの。
1番銀子を偏見の目で感じてたのは私自身だったって。
そう思ったら、凄く楽で自分らしく出来るようになったの。
だからね、銀子ちゃんはぁ、まーさ…真朝の為に何かしてあげたいの。」
「田宮を信頼してるんだな。」
「うん。ただ…。
まーさは楽しく笑う時はあるけど、何でだろ…幸せそうに感じないんだ。
何処か寂しそう。
多分銀子ちゃんじゃどうにも出来ないんだよ。
こればっかりは。」
「と、言うと?」
「決まってるじゃん!愛する人がいないからよ~!!」
「なっ!愛すって…。なんか。」
「うわ…武ちゃん今、エロい事想像したでしょ!大人の男ってばもう。」
牧田が僕の顔を指差してニヤニヤし出した。
「違っ…!何だよその目は!」
「あら、愛があればエロくたっていいけど。」
「おい、僕はお前とエロ話しをするつもりはないぞ!」
「武ちゃん、真っ赤!あはは~~。」
牧田は腹を抱えて脚をバタつかせて大笑いした。
「からかうなよ。僕は真面目に…。」
「でも銀子はマジで思うよ。
愛より強いものはないって!
武ちゃん、真朝は落とすの大変だけど頑張って!」
「はははは~~。」
誰が誰を落とすんだよ!
牧田のおかげで僕の知らない田宮の一面が見られた。
愛って…。
勘違いされるのは好ましくないが、いざと言う時に協力してもらえそうな気がした。
小さいけど心強い仲間が出来た気分だ。
「そういえばぁ、武ちゃんいつも何時頃に帰るの?」
「6時とか7時くらいかな平均して。」
「まーさ…真朝が帰るとこ見た事ある。」
「あ、えーないけど。」
旧理科室を出るのは確か7時頃だったかなぁ。
「夏は結構遅くまでいるみたいだよ。この学校高台にあるから、夜の街灯りが綺麗って聞いたし。
上手くいけば夜景の中を2人でデートなんてね。」
「えっ。」
「今日も学校に来るはずよ。
お昼一緒に食べる約束してるし。
そだ。武ちゃん、一緒に食べる?」
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