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夏休み
普通の僕と普通じゃない僕
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ボクハイナイ…ボクハダレモスキジャナイ…ボクハキエタイ。
「朝…。」
合宿2日目、昨夜の久瀬との会話で頭が混乱していた。
僕だって自分の事が解らなくて困ってるんだ…。
頭が痛い…何か変な夢を見ていた気がする…遠い…昔の…。
おかげで、身体中が汗でベトベトだった。
重たい身体を引きずり、シャワーを浴びた。
ドライヤーで髪を乾かし、眠気覚しのコーヒーを飲みに食堂へと向かった。
まだ食事の時間ではないものの、数人の人数がいて、そこに安東部長と久瀬がいた。
「おはようございます。」
とりあえず、挨拶をした。
「ああ、武本先生。
おはようございます。
どうです?先生も朝のフルーツジュース。」
「部長~。引いてますって。
部員全員のジュース手作りしてるなんて。オカン過ぎですって。」
久瀬がすかさずツッコミを入れた。
「あ、いや。何か、ぼ~っとしてるんでコーヒーでも飲もうかと思ってるんで大丈夫です。」
「アレ、先生。そういえば顔色悪いですよ。
熱でもあるんじゃないですか?」
「いや、大丈夫ですよ。」
安東部長が僕の額に手を当てた。
「ダメじゃないですか!
久瀬、先生熱あるぞ!
田中先生に連絡と救急セットから薬持ってこい!」
「ええ!?」
安東部長は流れように久瀬に指示を出し、僕を部屋へ連れ帰った。
僕は空いている部屋に隔離状態にされ
た。
安東部長は僕を布団に寝かせ、水枕を用意すると、お粥を作ると言い、出て行ってしまい、久瀬と2人きりにされてしまった。
「心労がたたったのか、女の怨霊か。
なーんて。
じっくり休んで思考整理して下さい。」
久瀬に嫌味を言われた。
「お前なー。」
「結婚っていいものなんですかね。」
「何だよ。知るかよ。
僕だって悩んでるのに。」
「あー。すいません。こっちの話です。」
「んん?」
久瀬がいつもの久瀬っぽくなかった。
「いや、部長がね、将来は子供沢山作って大家族になるのが夢だって言ってたから。幸せってそんなもんかなーって。
先生も結婚迫られてんでしょ。
でなきゃあんなに田宮の事で悩まないでしょ。」
「うっ。」
悔しいけど図星だ。
しかし、何だろ、この久瀬の顔…。あれ?もしかして?いや…えーっと。
「久瀬…お前、安東部長の事…。」
「…いいんですよ。俺は。
今、幸せですからね。」
ああ、そうか…。
いつも、ふざけてて明るく振る舞姿は本当の久瀬じゃないんだ。
僕は悟ってしまった。
久瀬が本当は苦しい想いをしてる事を。
…僕だけじゃないんだ。
だんだんと薬が効いてきたのか、意識がもうろうとしてきた。
僕の頬を撫でる細く長い指先。
柔らかい柔軟剤の香り。
膝枕が柔らかくて気持ちがいい。
『先生…苦しくないの?』
優しく囁く声…。
…田宮…真朝…?
ああ、夢だ…これは…夢だから…。
僕は手を伸ばし、彼女の唇に触れた。
小さな赤い弾力のある柔らかい唇。
僕は起き上がると、ゆっくりと自分の唇と彼女の唇を重ねた。
夢の中なら…いいよな。
「武本っち~ゃん」
「うあああっ!」
僕は起き上がったと同時に我に返った。
嘘だろ…夢とはいえ…生徒と…!
「大丈夫ですか?お粥出来たので食べてもらおうと。
何かまた、熱上がったみたいですね。
顔が真っ赤だ。」
安東部長が心配そうに覗き込む。
「あ、いえ、大丈夫です。」
「とりあえず、お粥を一口でも食べて栄養取って下さい。
食べないと治りませんよ。」
本当にお母さんっぽいんだな安東って。
横で正座させられてる久瀬に目を向けた。
久瀬の安東部長を見る視線は、優しいけど切なそうにも見えた。
「ありがとうございます。
もう練習の時間ですよね。
どうぞ行ってきて下さい。
僕はここで休んでますから。」
「では、薬と水、ここに置いておきますので。」
「武本っちゃん、1人で変な妄想とかするとまた熱上がるから、気をつけろよ。」
「だっ誰が…変な妄想するか!」
妄想じゃなくて夢は見てしまったけど…。
感触まで、まだ残ってる。
彼女の柔らかく艶やかな唇の感触…。
2人が部屋を出て行くと、僕はお粥を少し口に入れ、薬を飲んで再び布団に潜り込んだ。
教師が生徒に片想いするなんて…そんな事許される事じゃない。
好きになっちゃいけないんだ。
今のうちに、この気持ちを断ち切らなきゃ…。
こんな普通じゃない事は…。
香苗と…婚約してしまおう。
事実が優先すれば、気持ちは後からどうにでもなるはずだ…そうだ…いつも、そうして来たじゃないか…。
そう思いながらも、胸は張り裂けそうで…押し潰されそうで…痛くて痛くて
たまらなかった。
息が苦しくて…そして…また、あの感情が戻ってくる…。
彼女の側に居たい…2人だけのあの空間で休みたい…全て忘れて眠りたい。
彼女を感じて居たい…。
…真朝…真朝…君に会いたい…。
「朝…。」
合宿2日目、昨夜の久瀬との会話で頭が混乱していた。
僕だって自分の事が解らなくて困ってるんだ…。
頭が痛い…何か変な夢を見ていた気がする…遠い…昔の…。
おかげで、身体中が汗でベトベトだった。
重たい身体を引きずり、シャワーを浴びた。
ドライヤーで髪を乾かし、眠気覚しのコーヒーを飲みに食堂へと向かった。
まだ食事の時間ではないものの、数人の人数がいて、そこに安東部長と久瀬がいた。
「おはようございます。」
とりあえず、挨拶をした。
「ああ、武本先生。
おはようございます。
どうです?先生も朝のフルーツジュース。」
「部長~。引いてますって。
部員全員のジュース手作りしてるなんて。オカン過ぎですって。」
久瀬がすかさずツッコミを入れた。
「あ、いや。何か、ぼ~っとしてるんでコーヒーでも飲もうかと思ってるんで大丈夫です。」
「アレ、先生。そういえば顔色悪いですよ。
熱でもあるんじゃないですか?」
「いや、大丈夫ですよ。」
安東部長が僕の額に手を当てた。
「ダメじゃないですか!
久瀬、先生熱あるぞ!
田中先生に連絡と救急セットから薬持ってこい!」
「ええ!?」
安東部長は流れように久瀬に指示を出し、僕を部屋へ連れ帰った。
僕は空いている部屋に隔離状態にされ
た。
安東部長は僕を布団に寝かせ、水枕を用意すると、お粥を作ると言い、出て行ってしまい、久瀬と2人きりにされてしまった。
「心労がたたったのか、女の怨霊か。
なーんて。
じっくり休んで思考整理して下さい。」
久瀬に嫌味を言われた。
「お前なー。」
「結婚っていいものなんですかね。」
「何だよ。知るかよ。
僕だって悩んでるのに。」
「あー。すいません。こっちの話です。」
「んん?」
久瀬がいつもの久瀬っぽくなかった。
「いや、部長がね、将来は子供沢山作って大家族になるのが夢だって言ってたから。幸せってそんなもんかなーって。
先生も結婚迫られてんでしょ。
でなきゃあんなに田宮の事で悩まないでしょ。」
「うっ。」
悔しいけど図星だ。
しかし、何だろ、この久瀬の顔…。あれ?もしかして?いや…えーっと。
「久瀬…お前、安東部長の事…。」
「…いいんですよ。俺は。
今、幸せですからね。」
ああ、そうか…。
いつも、ふざけてて明るく振る舞姿は本当の久瀬じゃないんだ。
僕は悟ってしまった。
久瀬が本当は苦しい想いをしてる事を。
…僕だけじゃないんだ。
だんだんと薬が効いてきたのか、意識がもうろうとしてきた。
僕の頬を撫でる細く長い指先。
柔らかい柔軟剤の香り。
膝枕が柔らかくて気持ちがいい。
『先生…苦しくないの?』
優しく囁く声…。
…田宮…真朝…?
ああ、夢だ…これは…夢だから…。
僕は手を伸ばし、彼女の唇に触れた。
小さな赤い弾力のある柔らかい唇。
僕は起き上がると、ゆっくりと自分の唇と彼女の唇を重ねた。
夢の中なら…いいよな。
「武本っち~ゃん」
「うあああっ!」
僕は起き上がったと同時に我に返った。
嘘だろ…夢とはいえ…生徒と…!
「大丈夫ですか?お粥出来たので食べてもらおうと。
何かまた、熱上がったみたいですね。
顔が真っ赤だ。」
安東部長が心配そうに覗き込む。
「あ、いえ、大丈夫です。」
「とりあえず、お粥を一口でも食べて栄養取って下さい。
食べないと治りませんよ。」
本当にお母さんっぽいんだな安東って。
横で正座させられてる久瀬に目を向けた。
久瀬の安東部長を見る視線は、優しいけど切なそうにも見えた。
「ありがとうございます。
もう練習の時間ですよね。
どうぞ行ってきて下さい。
僕はここで休んでますから。」
「では、薬と水、ここに置いておきますので。」
「武本っちゃん、1人で変な妄想とかするとまた熱上がるから、気をつけろよ。」
「だっ誰が…変な妄想するか!」
妄想じゃなくて夢は見てしまったけど…。
感触まで、まだ残ってる。
彼女の柔らかく艶やかな唇の感触…。
2人が部屋を出て行くと、僕はお粥を少し口に入れ、薬を飲んで再び布団に潜り込んだ。
教師が生徒に片想いするなんて…そんな事許される事じゃない。
好きになっちゃいけないんだ。
今のうちに、この気持ちを断ち切らなきゃ…。
こんな普通じゃない事は…。
香苗と…婚約してしまおう。
事実が優先すれば、気持ちは後からどうにでもなるはずだ…そうだ…いつも、そうして来たじゃないか…。
そう思いながらも、胸は張り裂けそうで…押し潰されそうで…痛くて痛くて
たまらなかった。
息が苦しくて…そして…また、あの感情が戻ってくる…。
彼女の側に居たい…2人だけのあの空間で休みたい…全て忘れて眠りたい。
彼女を感じて居たい…。
…真朝…真朝…君に会いたい…。
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