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2学期
嵐の委員会
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2日後、初回機関誌製作委員の日が来た。
機関誌製作委員は合計8名、2年1年の体育科以外のクラスからそれぞれ1名づつ選任される。
委員会の場所は旧教室の一室。
机をコの字型に並べて会議をしやすい形式にしてある。
コの字の中心部から委員長、左側に副委員長、会計、右側に書記、担当教師、他はその他の席に自由に座った。
偶然にも田宮の隣に座ることになった。
内心ドキドキしていたが、なるべくそれを悟られないように、腕と脚を組んでのけ反り気味に席に着いた。
機関誌製作委員は全員女生徒だった。
清水先生の趣味だろうか…。
ちなみに、葉月は遅れて来たので端の席になったので、安心した。
「えー。それでは自己紹介から今回、機関誌製作委員長に就任した塚本です。
よろしくお願いします。」
「機関誌製作副委員長の望月です。
よろしくお願いします。」
2人とも2年の女生徒で昨年度も同じ仕事をやっている経験者だ。
塚本はおかっぱ頭にメガネをかけている。
望月は三つ編みのお団子頭をしている。
2人とも、真面目なタイプに見えた。
「会計の鈴木です。
よろしくお願いします。」
鈴木はショートの天パでそばかすのアメリカの人形のような女生徒だった。
隣の田宮が席を立って礼をした。
「書記の田宮です。
よろしくお願いします。」
「では、武本先生から一言。」
いきなり委員長に振られて適当に答えた。
「えっ…ああ、皆んなで協力してより良い機関誌を作りましょう。以上。」
「ありがとうございます。
では、今年の機関誌の主な仕事を説明します。」
委員会はさすが経験者が仕切ってるので、スムーズに事が運び役割分担までしてくれた。
田宮がパソコンと同時にメモも取っていた。
気になったので、覗き込もうとした。
「見せません!」
田宮は、メモ書きしたノートを閉じた。
「書記のメモ見たくらいでなんだよ!」
僕はちょっとムカッとした。
「綺麗な字ではありませんので、先生に見せるまでのものではありません。」
「別に、字とかじゃなくて、内容を気にしてんだよ!」
田宮と僕が言い争いを始めたので、委員長が一喝した。
「そこ!熟年夫婦みたいに小さなケンカしない!」
「熟…!?」
田宮も僕も黙り込んだ。
熟年夫婦だなんて言われるとは思わなかった。
夫婦って…おい!…ちょっと嬉しい。
葉月が端の席で拳を握ってるのが見えた。
委員長の仕切りで、とりあえず初回の委員会が終了した。
「武本先生!実はお聞きしたい事が!」
委員長の塚本と副委員長の望月が僕を囲んだ。
「な、なんだ?」
異様な気迫を感じた。
「南山高校の久瀬君とはどういう関係なんですか?」
2人同時に聞いて来た。
「へっ?どういうって…知り合い程度で…。」
「本当に?実は…付き合ってるとかは??」
塚本は顔を突き出して来た。
「はああ?ちょっ…待て何でそんな話しになってんだよ!」
「実は、南山高校で上半身裸の久瀬君が、先生に抱き着くのを目撃しまして。」
あ!アレかあ~。見られてた…最悪だ。
「違うって…おい、田宮説明してくれよ。
そもそも、久瀬はお前の知り合いなんだから。」
僕は田宮に助けを求めた。
しかし、返ってきた言葉は予想外だった。
「説明って言われましても…プライベートですしね…私が勝手にとやかく言うのは…。
特別な関係とでもいいましょうかね。」
田宮ぁあ!なんだよその含んだセリフは!
どー見てもデキてます、みたいに聞こえるよ!
「きゃ~~やっぱり!
きっと、久瀬君が攻めよねー。」
塚本と望月が喜び出した。
「…攻め?」
何か嫌な予感がした。
「武本先生が、久瀬君に抱かれてるって…。」
僕が…久瀬…に…!?
「勝手な妄想はよせー!!」
「プッ、そんな本気にならないで下さい。
先輩方はおそらくBLファンかと。」
田宮が笑いながら、委員長と副委員長をフォローした。
「BL??」
「ボーイズラブ、男性同士の恋愛漫画や小説が流行ってるみたいですね。
詳しくは知りませんが。」
「!!」
僕は絶句して凍りついた…。
教室を出て職員室へ向かう廊下で田宮も同じ方向に歩き出した。
職員室に使ったノートパソコンを置きに行くようだ。
僕はついでに田宮に声を掛けた。
「おい!さっきのは何なんだ。」
「軽い冗談です。先輩方を喜ばせようと。」
僕と田宮はキツめの言葉はで言い合いながら廊下をスタスタ歩き出した。
「何か、僕に不満でもあるのかよ!」
「…無い…とでも思います?」
「はああ?僕だって不本意ながら委員会に出てるんだぞ!」
「不本意すぎるんです。
もう少し、生徒への気遣いとかして下さい。」
「何で、生徒の機嫌取りしなきゃならないんだよ!」
売り言葉に買い言葉状態のまま、ぼくと田宮は職員室へと入った。
田宮はノートパソコンを所定の位置に戻して、職員室を出て行った。
清水先生が呆れた顔で僕を見た。
「手を出すな…とは言ったが、そこまでいがみあえとは言ってないと思うが…何やってんだ?
お前。」
「こっちが聞きたいですよ!」
僕の頭の中はグチャグチャだった。
何で、僕に対してだけあんな言い方…。
本当はやっぱり嫌われてんじゃ…。
でも、久瀬は田宮には嫌うという概念が無いとまで言っていた…。
田宮の言葉をそのまま取ってはいけない?
じゃあ、どう取ればいいんだ?
どう見ても好きって言う感じじゃないと思うが…。
くそっ!判んねーよ!
彼女の気持ちが判んねぇ。
僕も何で田宮相手だとすぐキレちまうんだ?
もっと、あの勉強会の時みたいな優しい会話がしたい…。
僕は自分の机の上で、うな垂れた。
機関誌製作委員は合計8名、2年1年の体育科以外のクラスからそれぞれ1名づつ選任される。
委員会の場所は旧教室の一室。
机をコの字型に並べて会議をしやすい形式にしてある。
コの字の中心部から委員長、左側に副委員長、会計、右側に書記、担当教師、他はその他の席に自由に座った。
偶然にも田宮の隣に座ることになった。
内心ドキドキしていたが、なるべくそれを悟られないように、腕と脚を組んでのけ反り気味に席に着いた。
機関誌製作委員は全員女生徒だった。
清水先生の趣味だろうか…。
ちなみに、葉月は遅れて来たので端の席になったので、安心した。
「えー。それでは自己紹介から今回、機関誌製作委員長に就任した塚本です。
よろしくお願いします。」
「機関誌製作副委員長の望月です。
よろしくお願いします。」
2人とも2年の女生徒で昨年度も同じ仕事をやっている経験者だ。
塚本はおかっぱ頭にメガネをかけている。
望月は三つ編みのお団子頭をしている。
2人とも、真面目なタイプに見えた。
「会計の鈴木です。
よろしくお願いします。」
鈴木はショートの天パでそばかすのアメリカの人形のような女生徒だった。
隣の田宮が席を立って礼をした。
「書記の田宮です。
よろしくお願いします。」
「では、武本先生から一言。」
いきなり委員長に振られて適当に答えた。
「えっ…ああ、皆んなで協力してより良い機関誌を作りましょう。以上。」
「ありがとうございます。
では、今年の機関誌の主な仕事を説明します。」
委員会はさすが経験者が仕切ってるので、スムーズに事が運び役割分担までしてくれた。
田宮がパソコンと同時にメモも取っていた。
気になったので、覗き込もうとした。
「見せません!」
田宮は、メモ書きしたノートを閉じた。
「書記のメモ見たくらいでなんだよ!」
僕はちょっとムカッとした。
「綺麗な字ではありませんので、先生に見せるまでのものではありません。」
「別に、字とかじゃなくて、内容を気にしてんだよ!」
田宮と僕が言い争いを始めたので、委員長が一喝した。
「そこ!熟年夫婦みたいに小さなケンカしない!」
「熟…!?」
田宮も僕も黙り込んだ。
熟年夫婦だなんて言われるとは思わなかった。
夫婦って…おい!…ちょっと嬉しい。
葉月が端の席で拳を握ってるのが見えた。
委員長の仕切りで、とりあえず初回の委員会が終了した。
「武本先生!実はお聞きしたい事が!」
委員長の塚本と副委員長の望月が僕を囲んだ。
「な、なんだ?」
異様な気迫を感じた。
「南山高校の久瀬君とはどういう関係なんですか?」
2人同時に聞いて来た。
「へっ?どういうって…知り合い程度で…。」
「本当に?実は…付き合ってるとかは??」
塚本は顔を突き出して来た。
「はああ?ちょっ…待て何でそんな話しになってんだよ!」
「実は、南山高校で上半身裸の久瀬君が、先生に抱き着くのを目撃しまして。」
あ!アレかあ~。見られてた…最悪だ。
「違うって…おい、田宮説明してくれよ。
そもそも、久瀬はお前の知り合いなんだから。」
僕は田宮に助けを求めた。
しかし、返ってきた言葉は予想外だった。
「説明って言われましても…プライベートですしね…私が勝手にとやかく言うのは…。
特別な関係とでもいいましょうかね。」
田宮ぁあ!なんだよその含んだセリフは!
どー見てもデキてます、みたいに聞こえるよ!
「きゃ~~やっぱり!
きっと、久瀬君が攻めよねー。」
塚本と望月が喜び出した。
「…攻め?」
何か嫌な予感がした。
「武本先生が、久瀬君に抱かれてるって…。」
僕が…久瀬…に…!?
「勝手な妄想はよせー!!」
「プッ、そんな本気にならないで下さい。
先輩方はおそらくBLファンかと。」
田宮が笑いながら、委員長と副委員長をフォローした。
「BL??」
「ボーイズラブ、男性同士の恋愛漫画や小説が流行ってるみたいですね。
詳しくは知りませんが。」
「!!」
僕は絶句して凍りついた…。
教室を出て職員室へ向かう廊下で田宮も同じ方向に歩き出した。
職員室に使ったノートパソコンを置きに行くようだ。
僕はついでに田宮に声を掛けた。
「おい!さっきのは何なんだ。」
「軽い冗談です。先輩方を喜ばせようと。」
僕と田宮はキツめの言葉はで言い合いながら廊下をスタスタ歩き出した。
「何か、僕に不満でもあるのかよ!」
「…無い…とでも思います?」
「はああ?僕だって不本意ながら委員会に出てるんだぞ!」
「不本意すぎるんです。
もう少し、生徒への気遣いとかして下さい。」
「何で、生徒の機嫌取りしなきゃならないんだよ!」
売り言葉に買い言葉状態のまま、ぼくと田宮は職員室へと入った。
田宮はノートパソコンを所定の位置に戻して、職員室を出て行った。
清水先生が呆れた顔で僕を見た。
「手を出すな…とは言ったが、そこまでいがみあえとは言ってないと思うが…何やってんだ?
お前。」
「こっちが聞きたいですよ!」
僕の頭の中はグチャグチャだった。
何で、僕に対してだけあんな言い方…。
本当はやっぱり嫌われてんじゃ…。
でも、久瀬は田宮には嫌うという概念が無いとまで言っていた…。
田宮の言葉をそのまま取ってはいけない?
じゃあ、どう取ればいいんだ?
どう見ても好きって言う感じじゃないと思うが…。
くそっ!判んねーよ!
彼女の気持ちが判んねぇ。
僕も何で田宮相手だとすぐキレちまうんだ?
もっと、あの勉強会の時みたいな優しい会話がしたい…。
僕は自分の机の上で、うな垂れた。
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