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2学期
星の中の王子と姫君その2
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イルミネーションはブルーを基調に上品でセンスのあるロマンチックに仕上がっていた。
恋人同士の為の物だろうか。
相変わらず、田宮は金井先生とは手を繋がず、鞄を握っていて、その肩を金井先生が抱く形になっていた。
「はぁ。」
「武本っちゃん。せっかくのロマンチックな場所に俺と2人って運命じゃない?」
「ふざけるなよ。ったく。」
「まるでさ…星の中を歩いてる見たいじゃん。
幻想的で。」
「ああ。そうだな。」
そんな中を何故に久瀬と歩かなきゃならないんだか。
本当は後ろ姿なんかじゃなくて…側で…この星の中を歩いて笑う…彼女が見たかった。
この星が逆に僕を不快にさせた…。
僕だけが、自ら輝けない星のようだ。
自身のない…弱腰で…。
遠くからしか、君という星を見る事も出来ない。
取り残されていく…届かない…気持ち…遥か昔に体験した…苦しさ…。
「武本っちゃん、大丈夫か?汗かいてるぜ。」
「あ、いや。大丈夫だ。」
「お前さ…安東部長が自分に振り向かないのに…諦めないのか?」
素朴な疑問だった。こんなイケメンなら他の奴とすぐ付き合えるんじゃ…男限定だけど。
「なんで?諦めなる必要なんてないじゃん。
そりゃ、振り向いては欲しいけど。
そんな程度じゃないでしょ。
本気で人を好きになるって。
見返りなんてオマケでしかないんだよ。」
僕は久瀬が羨ましかった。
金井先生もそうだ…。
好きな相手を真っ直ぐ見つめて、好きだと言える…。
僕に出来ない事を二人は簡単にやってのける。
僕はさらに落ち込んだ。
金井先生と田宮が外れた道を歩き出した。
「お!いよいよですかな~。」
「!!」
久瀬が面白半分にはしゃぎだした。
「…やめよう。行くの。」
「…怖いのか?武本っちゃん。」
「いや、そうじゃなくて…違うな。
怖いんだな多分。」
ガシッと久瀬が僕の肩を掴んだ。
「逃げるなよ。もう、逃げるなよ!」
「久瀬…。」
「逃げた魚のデカさ…知ってんだろ!今辛くて逃げたら…余計に辛くなるだけだろ!」
久瀬は僕の胸倉を掴んだ。
真剣で気迫迫る勢いで僕を直視した。
「わかった…。」
久瀬と揉めてるうちに2人を見失ってしまった。
「ま、こういう時のGPS!大体の位置は判るっしょ。」
「そこまでして…。」
「ほら!行くよ!」
バン!
久瀬が背中を叩いた。
見たくない…現実はいつだって…
僕に残酷さを残す…。
「いたよ!あそこ!」
久瀬の指差した方向には…。
道の外れた少し奥まった場所に2人は立っていた。
周りはイルミネーションの光で囲まれ、2人を照らしていた。
「あ……。」
金井先生が彼女を抱きしめ、愛おしいく頭を撫でている。
ドン!
立ち止まっていた僕を久瀬が思い切り蹴飛ばした!
「なっ!」
前のめりで数歩前に出てしまった。
ゆっくり顔を上げると、田宮と目が合ってしまった。
「…邪魔して悪い。」
こんな場面、僕がいられる訳がない!
僕はすぐに身を翻して引き返そうとした。
こんなの!見たくない!
グッ!!
2、3歩進んだ時、コートの裾が引っ張られた。
まさか…。嘘だろ…。
「帰りましょう…先生…。」
彼女が、僕のコートの端をシッカリ握っていた。
「はああ?お前っ…!バカか?
何考えてんだよ!…おかしいだろ。」
「何が、おかしいんですか?」
僕は気が付いた…ああ、そうだ…。
僕も彼女と同じだ…人を好きになるのが
誰よりも怖くて…。
自分に自信が無くて…。
「ああいうシュチュエーションで、普通こうはならないだろうが!」
「…普通が分かりません。
先生、教えて下さい。」
「何で、僕が教えなきゃいけないんだよ!」
「…先生よね。先生なんですよね!
教えてくれなきゃ分からないんです。」
「だから、何で僕なんだよ!」
君を好きすぎて…自分が何を言ってるのか…何をしてるのか…訳がわからなくなって…不安になる…。
「…じゃない…ですか。」
「えっ…何て…。」
「…キスは…教えてくれ…たじゃ…ないですか…。」
彼女が両頬を膨らませて呟いた。
「あ!アレは…教えたんじゃ…。」
「じゃあ…何ですか?ふざけたんですか?」
「だから!そうじゃ…あ~~も~~!!」
だから…つい…感情的になってしまう。
君を好きすぎてる自分が…怖いんだ…。
…今、初めて僕が彼女に近いという事が実感出来た…。
僕も君も…人に近づくのが…何よりも…怖いんだ…!!
「武本先生…!」
金井先生に声をかけられて、我に返った。
「あ、えっ…と。」
「僕は先に車に戻って、エンジンを掛けて来ます。
ゆっくり歩いて来て下さい。」
「えっ…。」
金井先生はそう言って、田宮の側に来ると、彼女の顎を軽く持ち上げた。
「今日はこのくらいにしとくよ。」
「!」
そう言って、軽く唇にキスをした。
あ、くそっ!目の前で…!
田宮は僕のコートを強く握ったまま、僕の後ろに隠れた。
「じゃあ、後でね。」
そう言って、金井先生は先に行ってしまった。
「あら、思ってたよりいい男じゃん!
金井先生。」
久瀬が木陰からニヤニヤしながら出てきた。
「そうだな…。」
悪い事したな…金井先生に。
僕と田宮と久瀬は歩き出した。
久瀬が、僕の肩をポンと叩いて前に出た。
そして、早歩きで行ってしまった。
気を効かせたつもりなのかな…。
田宮はまだコートの裾を握っていた。
「はぁ。ったく!」
僕は溜息をひとつ、ついた。
「そっちじゃねぇよ。こっち!」
僕はコートの裾を持つ、田宮の右手を外して指を絡ませて僕の左手を握らせた。
「教えてやるから。これは…練習だぞ。」
「……はい。」
「おっ。素直で可愛い。」
僕は彼女の頭を撫でた。
「かっ、可愛いくないです!私は。」
「バーカ!男が褒めたら素直に喜べ!」
「…はい。」
青いイルミネーションの星々が僕と彼女を祝福してるかの様な気分だった。
僕の顔は思い切り緩んで、彼女も微笑んで…。
恋人同士の為の物だろうか。
相変わらず、田宮は金井先生とは手を繋がず、鞄を握っていて、その肩を金井先生が抱く形になっていた。
「はぁ。」
「武本っちゃん。せっかくのロマンチックな場所に俺と2人って運命じゃない?」
「ふざけるなよ。ったく。」
「まるでさ…星の中を歩いてる見たいじゃん。
幻想的で。」
「ああ。そうだな。」
そんな中を何故に久瀬と歩かなきゃならないんだか。
本当は後ろ姿なんかじゃなくて…側で…この星の中を歩いて笑う…彼女が見たかった。
この星が逆に僕を不快にさせた…。
僕だけが、自ら輝けない星のようだ。
自身のない…弱腰で…。
遠くからしか、君という星を見る事も出来ない。
取り残されていく…届かない…気持ち…遥か昔に体験した…苦しさ…。
「武本っちゃん、大丈夫か?汗かいてるぜ。」
「あ、いや。大丈夫だ。」
「お前さ…安東部長が自分に振り向かないのに…諦めないのか?」
素朴な疑問だった。こんなイケメンなら他の奴とすぐ付き合えるんじゃ…男限定だけど。
「なんで?諦めなる必要なんてないじゃん。
そりゃ、振り向いては欲しいけど。
そんな程度じゃないでしょ。
本気で人を好きになるって。
見返りなんてオマケでしかないんだよ。」
僕は久瀬が羨ましかった。
金井先生もそうだ…。
好きな相手を真っ直ぐ見つめて、好きだと言える…。
僕に出来ない事を二人は簡単にやってのける。
僕はさらに落ち込んだ。
金井先生と田宮が外れた道を歩き出した。
「お!いよいよですかな~。」
「!!」
久瀬が面白半分にはしゃぎだした。
「…やめよう。行くの。」
「…怖いのか?武本っちゃん。」
「いや、そうじゃなくて…違うな。
怖いんだな多分。」
ガシッと久瀬が僕の肩を掴んだ。
「逃げるなよ。もう、逃げるなよ!」
「久瀬…。」
「逃げた魚のデカさ…知ってんだろ!今辛くて逃げたら…余計に辛くなるだけだろ!」
久瀬は僕の胸倉を掴んだ。
真剣で気迫迫る勢いで僕を直視した。
「わかった…。」
久瀬と揉めてるうちに2人を見失ってしまった。
「ま、こういう時のGPS!大体の位置は判るっしょ。」
「そこまでして…。」
「ほら!行くよ!」
バン!
久瀬が背中を叩いた。
見たくない…現実はいつだって…
僕に残酷さを残す…。
「いたよ!あそこ!」
久瀬の指差した方向には…。
道の外れた少し奥まった場所に2人は立っていた。
周りはイルミネーションの光で囲まれ、2人を照らしていた。
「あ……。」
金井先生が彼女を抱きしめ、愛おしいく頭を撫でている。
ドン!
立ち止まっていた僕を久瀬が思い切り蹴飛ばした!
「なっ!」
前のめりで数歩前に出てしまった。
ゆっくり顔を上げると、田宮と目が合ってしまった。
「…邪魔して悪い。」
こんな場面、僕がいられる訳がない!
僕はすぐに身を翻して引き返そうとした。
こんなの!見たくない!
グッ!!
2、3歩進んだ時、コートの裾が引っ張られた。
まさか…。嘘だろ…。
「帰りましょう…先生…。」
彼女が、僕のコートの端をシッカリ握っていた。
「はああ?お前っ…!バカか?
何考えてんだよ!…おかしいだろ。」
「何が、おかしいんですか?」
僕は気が付いた…ああ、そうだ…。
僕も彼女と同じだ…人を好きになるのが
誰よりも怖くて…。
自分に自信が無くて…。
「ああいうシュチュエーションで、普通こうはならないだろうが!」
「…普通が分かりません。
先生、教えて下さい。」
「何で、僕が教えなきゃいけないんだよ!」
「…先生よね。先生なんですよね!
教えてくれなきゃ分からないんです。」
「だから、何で僕なんだよ!」
君を好きすぎて…自分が何を言ってるのか…何をしてるのか…訳がわからなくなって…不安になる…。
「…じゃない…ですか。」
「えっ…何て…。」
「…キスは…教えてくれ…たじゃ…ないですか…。」
彼女が両頬を膨らませて呟いた。
「あ!アレは…教えたんじゃ…。」
「じゃあ…何ですか?ふざけたんですか?」
「だから!そうじゃ…あ~~も~~!!」
だから…つい…感情的になってしまう。
君を好きすぎてる自分が…怖いんだ…。
…今、初めて僕が彼女に近いという事が実感出来た…。
僕も君も…人に近づくのが…何よりも…怖いんだ…!!
「武本先生…!」
金井先生に声をかけられて、我に返った。
「あ、えっ…と。」
「僕は先に車に戻って、エンジンを掛けて来ます。
ゆっくり歩いて来て下さい。」
「えっ…。」
金井先生はそう言って、田宮の側に来ると、彼女の顎を軽く持ち上げた。
「今日はこのくらいにしとくよ。」
「!」
そう言って、軽く唇にキスをした。
あ、くそっ!目の前で…!
田宮は僕のコートを強く握ったまま、僕の後ろに隠れた。
「じゃあ、後でね。」
そう言って、金井先生は先に行ってしまった。
「あら、思ってたよりいい男じゃん!
金井先生。」
久瀬が木陰からニヤニヤしながら出てきた。
「そうだな…。」
悪い事したな…金井先生に。
僕と田宮と久瀬は歩き出した。
久瀬が、僕の肩をポンと叩いて前に出た。
そして、早歩きで行ってしまった。
気を効かせたつもりなのかな…。
田宮はまだコートの裾を握っていた。
「はぁ。ったく!」
僕は溜息をひとつ、ついた。
「そっちじゃねぇよ。こっち!」
僕はコートの裾を持つ、田宮の右手を外して指を絡ませて僕の左手を握らせた。
「教えてやるから。これは…練習だぞ。」
「……はい。」
「おっ。素直で可愛い。」
僕は彼女の頭を撫でた。
「かっ、可愛いくないです!私は。」
「バーカ!男が褒めたら素直に喜べ!」
「…はい。」
青いイルミネーションの星々が僕と彼女を祝福してるかの様な気分だった。
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