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2学期
君の声が聴きたくて。
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昼食を終えてから、僕は旧理科準備室へと向かった。
「自分が何者なのか…。」
丸椅子に腰掛け、腕組みし、脚を組んで考えた。
記憶の欠落は精神的ストレスだと金井先生は言った。
久瀬に自分が何者なのかわからないうちは勉強会や田宮の事をあれ以上話せないとまで言われた。
僕は…何者だ…?何をした…?何をしなかった?…大切な人を傷つけて失った…。
雨…流れ出す血液…。
全然…思い出せない。
「教えてくれよ…田宮…。君には僕が…僕の中の僕が見えてるんだろ…。」
僕は思わず呟いた。
彼女の声が聞きたい…。
昨日、あんなに話したのに…。
朝、田宮を見れなかったからか?
禁断症状早くね?
あ~~も~~。
早く…午後の授業始まらないかな…。
やっと6時限目になって1年4組の授業が始まった。
期末テスト前なので、小テストからの授業だ。
テスト中、僕は教壇の上から何度も田宮を
チラ見した。
彼女は早めに解答を済ませると肘をついて窓の外を眺めていた。
ふと、こちらを向いた彼女と視線が合ってしまった。
ドキッ。
彼女は柔らかな笑顔を見せると、再び窓の外に視線を流した。
ドキドキ…
可愛いい~~!もう!
僕は自分の鼓動を抑えるのに必死になった。
後で、田宮に英文を読んでもらおうかな…。
声が聞きたい…心地いい…柔らかく…少しだけ高めの声が…聞きたいんだ…。
テストを回収して、授業を始めた。
初っ端から当てる訳にもいかず、授業を進めて行った。
内心は早く彼女の声が聞きたくてイライラしていた。
時間がとても長く感じられた。
そして…授業終わり近く、いよいよ彼女に英文を読んでもらおうとしたその時、1人の男子生徒が手を挙げた。
「先生~~!」
「な、何だ?」
何てタイミングで手を挙げんだよ!後にしてくれよ!
「教師になれば、女子学生と付き合えるん確率高いんですか~~?」
「はああ?」
こいつは、何を急に…。
「将来、教師になったら特かな~って。」
クラス中がザワザワし出した。
「やだ~あいつエロすぎ!」
「ダメじゃね。犯罪だぜ。」
「教師以前に人間として最低じゃん。」
黒沢!てめぇ何質問してんだよ!これだからクソガキ童貞野郎は!!
バン!!
僕は黒板を叩いた。
「静かに!黒沢…あのな、そんな簡単に、下心でやってける職業じゃない。
損得で考えたいなら教師は辞めておけ!」
「ちぇ~。武本先生なら解ってくれるかな~と思ったのに。やっぱ甘くないか!」
クラスがドッと沸いた。
それと同時に終業のチャイムが鳴った。
あ…田宮の声…聞き損ねた…。
僕は肩を落として教室を後にした。
放課後になり、僕は久瀬に連絡を取るために生徒指導室に入った。
「おっつ~武本っちゃんからのご指名ありがとう!」
相変わらず脳天気な返しが来た。
「…実は、金井先生から3人でまた話しがしたいそうなんだが…。」
「今週末は俺、事情があって家から出られないんだよね。
ウチに来るんならいいけど。」
「じゃあ、久瀬の家で…車の迎えはいいからな。金井先生の車で行く。」
またジャガーで迎えに来てもらっても困るんだよ。
「OK…。
で、武本っちゃん何で元気ないの?
田宮に渡せたんだろ。プレゼント。」
「!」
まったく、こいつは勘がいいというか、洞察力に長けてるというか…。
「色々あってね。金井先生に少しだけ弱みを握られてる。
あと…くだらないけど…朝から田宮の声聞いてなくて。」
本当、くだらない。自分でも呆れてしまう。
「くだらなくないだろ。それ。
当たり前の反応だせ。
まったく、武本っちゃんは可愛いな。」
「だから、可愛いい言うな!25歳に!」
そりゃ、恋愛経験数からすれば久瀬に負けてるのかもしれないが、一応歳上なんだよ僕は!
「じゃあ、土曜日の午後1時過ぎ位にきてよ。その方がゆっくり話せるでしよ。
なんなら、お泊まりでもいいよ。」
「誰が泊まるか!ンなことしたら貞操の危機じゃねぇか!」
「ほら!田宮の声聴きたいんだろ。
早く行ったら。逃げちゃうぞ田宮。」
「何で逃げんだよ!」
「じゃあ、土曜日待ってるね~~。」
久瀬の電話を切って僕は急いで旧理科準備室へと向かった。
声…聴けるかな。
僕は旧理科準備室に入ると、急いで中扉の小窓を覗いた。
誰かに電話してるようだ。
ちくしょう。声が全然聞こえない。
すると、旧理科室に田宮 美月が入ってきた。
ガチャ。
「あんたね!電話したらすぐに出ろって言ってんでしょう!
何の為に携帯持たせてると思ってんのよ。」
入るなり、田宮 真朝に怒鳴り散らした。
魔女と電話してたのか。
にしてもかなりイラついてるな…。
「…ごめなさい。」
「金井の奴が変な動きしてるみたいなの。あんた、情報集められないんならせめて足止めしてよ。」
「足止め…?」
「実は、明日、大学の講師の先生が来るのよ。名前と媚を売るにはいい機会。
金井先生が目障りなの。
わかるでしょ。」
「昼休みと放課後、あんたの方から金井先生を誘い出して。
あんたの頼みは断らないはずよ。」
何けしかけてんだよ!
大学の事まで彼女を利用するつもりなのか?
「やって…みる。あの…。」
「わかってるわよ!
もう武本先生には手を出さないわ。
あの事件であいつも懲りたでしょう。」
えっ…今…何て…?
もしかして…彼女は僕の事で…。
「とにかく、頼んだわよ!明日!分かったわね!」
バン!
勢いよくドアを閉めて田宮 美月は出て行った。
「はぁ。」
彼女は溜息をついて、実験台のにもたれかかった。
そして、そのまま…まぶたを伏せた。
彼女の声が聞けたものの…辛そうな彼女の声が僕の胸に突き刺さった。
そして、僕の為に魔女と約束している事も。
田宮 美月は大東大にそのままエスカレーターで上がるはず。
普通にしてても合格するはずなのに…魔女はそれ以上を求めてるって事だな。
野心家すぎるだろ。学生なのに。
僕は、金井先生にメールを送った。
「自分が何者なのか…。」
丸椅子に腰掛け、腕組みし、脚を組んで考えた。
記憶の欠落は精神的ストレスだと金井先生は言った。
久瀬に自分が何者なのかわからないうちは勉強会や田宮の事をあれ以上話せないとまで言われた。
僕は…何者だ…?何をした…?何をしなかった?…大切な人を傷つけて失った…。
雨…流れ出す血液…。
全然…思い出せない。
「教えてくれよ…田宮…。君には僕が…僕の中の僕が見えてるんだろ…。」
僕は思わず呟いた。
彼女の声が聞きたい…。
昨日、あんなに話したのに…。
朝、田宮を見れなかったからか?
禁断症状早くね?
あ~~も~~。
早く…午後の授業始まらないかな…。
やっと6時限目になって1年4組の授業が始まった。
期末テスト前なので、小テストからの授業だ。
テスト中、僕は教壇の上から何度も田宮を
チラ見した。
彼女は早めに解答を済ませると肘をついて窓の外を眺めていた。
ふと、こちらを向いた彼女と視線が合ってしまった。
ドキッ。
彼女は柔らかな笑顔を見せると、再び窓の外に視線を流した。
ドキドキ…
可愛いい~~!もう!
僕は自分の鼓動を抑えるのに必死になった。
後で、田宮に英文を読んでもらおうかな…。
声が聞きたい…心地いい…柔らかく…少しだけ高めの声が…聞きたいんだ…。
テストを回収して、授業を始めた。
初っ端から当てる訳にもいかず、授業を進めて行った。
内心は早く彼女の声が聞きたくてイライラしていた。
時間がとても長く感じられた。
そして…授業終わり近く、いよいよ彼女に英文を読んでもらおうとしたその時、1人の男子生徒が手を挙げた。
「先生~~!」
「な、何だ?」
何てタイミングで手を挙げんだよ!後にしてくれよ!
「教師になれば、女子学生と付き合えるん確率高いんですか~~?」
「はああ?」
こいつは、何を急に…。
「将来、教師になったら特かな~って。」
クラス中がザワザワし出した。
「やだ~あいつエロすぎ!」
「ダメじゃね。犯罪だぜ。」
「教師以前に人間として最低じゃん。」
黒沢!てめぇ何質問してんだよ!これだからクソガキ童貞野郎は!!
バン!!
僕は黒板を叩いた。
「静かに!黒沢…あのな、そんな簡単に、下心でやってける職業じゃない。
損得で考えたいなら教師は辞めておけ!」
「ちぇ~。武本先生なら解ってくれるかな~と思ったのに。やっぱ甘くないか!」
クラスがドッと沸いた。
それと同時に終業のチャイムが鳴った。
あ…田宮の声…聞き損ねた…。
僕は肩を落として教室を後にした。
放課後になり、僕は久瀬に連絡を取るために生徒指導室に入った。
「おっつ~武本っちゃんからのご指名ありがとう!」
相変わらず脳天気な返しが来た。
「…実は、金井先生から3人でまた話しがしたいそうなんだが…。」
「今週末は俺、事情があって家から出られないんだよね。
ウチに来るんならいいけど。」
「じゃあ、久瀬の家で…車の迎えはいいからな。金井先生の車で行く。」
またジャガーで迎えに来てもらっても困るんだよ。
「OK…。
で、武本っちゃん何で元気ないの?
田宮に渡せたんだろ。プレゼント。」
「!」
まったく、こいつは勘がいいというか、洞察力に長けてるというか…。
「色々あってね。金井先生に少しだけ弱みを握られてる。
あと…くだらないけど…朝から田宮の声聞いてなくて。」
本当、くだらない。自分でも呆れてしまう。
「くだらなくないだろ。それ。
当たり前の反応だせ。
まったく、武本っちゃんは可愛いな。」
「だから、可愛いい言うな!25歳に!」
そりゃ、恋愛経験数からすれば久瀬に負けてるのかもしれないが、一応歳上なんだよ僕は!
「じゃあ、土曜日の午後1時過ぎ位にきてよ。その方がゆっくり話せるでしよ。
なんなら、お泊まりでもいいよ。」
「誰が泊まるか!ンなことしたら貞操の危機じゃねぇか!」
「ほら!田宮の声聴きたいんだろ。
早く行ったら。逃げちゃうぞ田宮。」
「何で逃げんだよ!」
「じゃあ、土曜日待ってるね~~。」
久瀬の電話を切って僕は急いで旧理科準備室へと向かった。
声…聴けるかな。
僕は旧理科準備室に入ると、急いで中扉の小窓を覗いた。
誰かに電話してるようだ。
ちくしょう。声が全然聞こえない。
すると、旧理科室に田宮 美月が入ってきた。
ガチャ。
「あんたね!電話したらすぐに出ろって言ってんでしょう!
何の為に携帯持たせてると思ってんのよ。」
入るなり、田宮 真朝に怒鳴り散らした。
魔女と電話してたのか。
にしてもかなりイラついてるな…。
「…ごめなさい。」
「金井の奴が変な動きしてるみたいなの。あんた、情報集められないんならせめて足止めしてよ。」
「足止め…?」
「実は、明日、大学の講師の先生が来るのよ。名前と媚を売るにはいい機会。
金井先生が目障りなの。
わかるでしょ。」
「昼休みと放課後、あんたの方から金井先生を誘い出して。
あんたの頼みは断らないはずよ。」
何けしかけてんだよ!
大学の事まで彼女を利用するつもりなのか?
「やって…みる。あの…。」
「わかってるわよ!
もう武本先生には手を出さないわ。
あの事件であいつも懲りたでしょう。」
えっ…今…何て…?
もしかして…彼女は僕の事で…。
「とにかく、頼んだわよ!明日!分かったわね!」
バン!
勢いよくドアを閉めて田宮 美月は出て行った。
「はぁ。」
彼女は溜息をついて、実験台のにもたれかかった。
そして、そのまま…まぶたを伏せた。
彼女の声が聞けたものの…辛そうな彼女の声が僕の胸に突き刺さった。
そして、僕の為に魔女と約束している事も。
田宮 美月は大東大にそのままエスカレーターで上がるはず。
普通にしてても合格するはずなのに…魔女はそれ以上を求めてるって事だな。
野心家すぎるだろ。学生なのに。
僕は、金井先生にメールを送った。
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