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2学期
天使達との休日その1
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入学説明会前に事故があってバタバタしたものの、とりあえず大事にはならなかった。
予定通り日曜日に入学説明会が行われ、僕は清水先生の指示通り、朝からロバ先生と待ち合わせしていた。
動きやすい服装との指定で僕は黒のダウンジャケットにグレーのパーカー黒のデニムで頭もブラシを通しただけの大学生仕様にしていた。
「武本先生!」
白の軽ワゴン車からロバ先生が手を振って来た。
「おはようございます。って…!」
田宮 真朝!何で…ええっ!?
車には田宮と牧田が乗っていた。
「うぃ~っす武ちゃん。」
パンダのブード付きパーカーの牧田が顔を出した。
「おはようございます。武本先生。」
奥の座席から田宮が挨拶した。
上・下黒ジャージのロバ先生が車から降りてきた。
「おはようございます。清水先生から聞いてないんですか?」
「実は何1つ教えてもらってなくて。」
「そうですか。児童養護施設のボランティアですよ。」
ちくしょう!
田宮が来るから秘密にしてたんだな!
「あ…。」
僕は車に乗ろうとして躊躇した。
何で牧田は助手席に乗ってんだよ!
必然的に田宮の隣になっちまうじゃね~か!
しかも軽ワゴン車!狭いんだよ中!
「あ~牧田…後ろ…。」
「嫌っ!銀ちゃん助手席がいいの!」
マジかよ!そりゃ、嬉しいよ!嬉しいけどもね。
僕だって男なんだよ!くそっ!
「すいません。痩せてないから狭くて。」
田宮が嫌味を言った。
「そうじゃない!そうじゃなくて…。」
僕の気持ちの問題なんだよ!
僕の心臓はすでにバクバクだった。
「とにかく、乗って下さい武本先生。」
仕方ねぇなもう!
僕はダウンジャケットを脱いで車に乗り込んだ。
クソ牧師の罠に掛かってしまった。
隣りに座る彼女はデコルテの開いたピンクのセーターに白のデニムパンツというラフな格好だった。コートは膝の上で畳まれていた。
あ…!ブレスレットしてる…!
心臓の音はさらなる高揚をし始めた。
狭い車内で車が揺れるたびに、僕の身体は彼女の身体に触れていた。
僕は顔の緩みを抑える為に口元に手を置いた。
勘弁してくれ!嬉しいんだよ!マジ嬉しいんだけど…理性が…!
この目の前に見える彼女の左手。
僕のプレゼントしたブレスレットをしてる手を握りたくてたまらない!
手を繋ぎたい…!!
「武ちゃん、何か喜びすぎ!」
牧田がアンテナで鋭く指摘してきた。
「はああ?誰が喜んでんだよ!」
はい。メチャメチャ喜んで興奮してます。
「そうね。
好きな人だと良かったんでしょうけど。
すいません。私なんかで。」
「いや…!そういう意味じゃ!」
だから、好きな人が君なんだってば!
興奮を抑えるのに必死なんだよ!
欲望抑えるのに精一杯なんだよ!
車の中で僕は自制心と欲望の狭間でもがきまくっていた。
これ…着くまでもつかな僕。
「田宮…えっ…とこの前、金井先生に送ってもらった時、何話したんだ?」
うわー馬鹿!テンパり過ぎて何の質問してんだよ!
「金井先生の昔のお話しをしてもらいました。学生時代とかの。
昔の写真とかも見せてもらいました。」
「へ、ヘェ~そう。」
聞かなきゃ良かった~!
何だよ仲良くしてんじゃん!くそっ!
「ひゃつひゃつ!武ちゃん自爆ぅ!」
牧田がウケまくってた。
「うるさい!自爆って何だよ!」
確かに自爆しましたよ!木っ端微塵にな!
「着きましたよ。児童養護施設」
ロバ先生が駐車場に車を止めた。
「つ…着いた。」
僕はすでに疲労困ぱい状態だった。
「先生、いきますよ。」
車を降りた田宮が僕の袖をツンツン引っ張った。
「あ、ああ。」
また、こいつは…!
無意識に可愛い仕草しやがって!このぉ!
僕は照れ笑いしながら車を降りた。
「武ちゃん、鼻血出さなくて良かったよん!
前の席でドキドキだよお!」
「何で鼻血出すんだよ!遊ぶな!僕で!」
いや…マジ出そうになってたけど。
妖怪恋愛アンテナは痛いとこ突いてくるよな~まったく!
「良かった。
武本先生、銀ちゃんと仲直りしてくれて。」
田宮が僕らのやり取りを見て微笑んだ。
うわぁ。マジ可愛い~~!
くそ!これで牧田いなきゃ最高なのに!
「…武ちゃん。今、何か変な事考えてたでしょ~。」
「ははは。」
僕は乾いた笑いでごまかした。
「さぁ、行きますよ。」
ロバ先生が僕等を施設内に案内した。
施設長室に僕とロバ先生がまず入って挨拶をする事になった。
コンコン。ガチャ。
ドアを開けた。
「失礼します。
清水先生の紹介でボランティアに
来ました。高橋です。」
ロバ先生が入ってすぐに挨拶をした。
「まあまあ。ようこそ。
児童養護施設 星の子館へ。
施設長の桜井です。
清水先生にはいつもお世話になってます。」
「今日はこちらの武本先生と女生徒2人でボランティアのお手伝いをしたいと思います。
よろしくお願いします。」
「武本です。
よろしくお願いします。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。
まず、クリスマスツリーの装飾をお願いします。
結構大きなツリーなの。
ホールに材料が用意してありますから。」
「わかりました。
では、ホールに行って来ます。
武本先生、行きますよ。」
僕等は部屋を出るとホールへと向かった。
予定通り日曜日に入学説明会が行われ、僕は清水先生の指示通り、朝からロバ先生と待ち合わせしていた。
動きやすい服装との指定で僕は黒のダウンジャケットにグレーのパーカー黒のデニムで頭もブラシを通しただけの大学生仕様にしていた。
「武本先生!」
白の軽ワゴン車からロバ先生が手を振って来た。
「おはようございます。って…!」
田宮 真朝!何で…ええっ!?
車には田宮と牧田が乗っていた。
「うぃ~っす武ちゃん。」
パンダのブード付きパーカーの牧田が顔を出した。
「おはようございます。武本先生。」
奥の座席から田宮が挨拶した。
上・下黒ジャージのロバ先生が車から降りてきた。
「おはようございます。清水先生から聞いてないんですか?」
「実は何1つ教えてもらってなくて。」
「そうですか。児童養護施設のボランティアですよ。」
ちくしょう!
田宮が来るから秘密にしてたんだな!
「あ…。」
僕は車に乗ろうとして躊躇した。
何で牧田は助手席に乗ってんだよ!
必然的に田宮の隣になっちまうじゃね~か!
しかも軽ワゴン車!狭いんだよ中!
「あ~牧田…後ろ…。」
「嫌っ!銀ちゃん助手席がいいの!」
マジかよ!そりゃ、嬉しいよ!嬉しいけどもね。
僕だって男なんだよ!くそっ!
「すいません。痩せてないから狭くて。」
田宮が嫌味を言った。
「そうじゃない!そうじゃなくて…。」
僕の気持ちの問題なんだよ!
僕の心臓はすでにバクバクだった。
「とにかく、乗って下さい武本先生。」
仕方ねぇなもう!
僕はダウンジャケットを脱いで車に乗り込んだ。
クソ牧師の罠に掛かってしまった。
隣りに座る彼女はデコルテの開いたピンクのセーターに白のデニムパンツというラフな格好だった。コートは膝の上で畳まれていた。
あ…!ブレスレットしてる…!
心臓の音はさらなる高揚をし始めた。
狭い車内で車が揺れるたびに、僕の身体は彼女の身体に触れていた。
僕は顔の緩みを抑える為に口元に手を置いた。
勘弁してくれ!嬉しいんだよ!マジ嬉しいんだけど…理性が…!
この目の前に見える彼女の左手。
僕のプレゼントしたブレスレットをしてる手を握りたくてたまらない!
手を繋ぎたい…!!
「武ちゃん、何か喜びすぎ!」
牧田がアンテナで鋭く指摘してきた。
「はああ?誰が喜んでんだよ!」
はい。メチャメチャ喜んで興奮してます。
「そうね。
好きな人だと良かったんでしょうけど。
すいません。私なんかで。」
「いや…!そういう意味じゃ!」
だから、好きな人が君なんだってば!
興奮を抑えるのに必死なんだよ!
欲望抑えるのに精一杯なんだよ!
車の中で僕は自制心と欲望の狭間でもがきまくっていた。
これ…着くまでもつかな僕。
「田宮…えっ…とこの前、金井先生に送ってもらった時、何話したんだ?」
うわー馬鹿!テンパり過ぎて何の質問してんだよ!
「金井先生の昔のお話しをしてもらいました。学生時代とかの。
昔の写真とかも見せてもらいました。」
「へ、ヘェ~そう。」
聞かなきゃ良かった~!
何だよ仲良くしてんじゃん!くそっ!
「ひゃつひゃつ!武ちゃん自爆ぅ!」
牧田がウケまくってた。
「うるさい!自爆って何だよ!」
確かに自爆しましたよ!木っ端微塵にな!
「着きましたよ。児童養護施設」
ロバ先生が駐車場に車を止めた。
「つ…着いた。」
僕はすでに疲労困ぱい状態だった。
「先生、いきますよ。」
車を降りた田宮が僕の袖をツンツン引っ張った。
「あ、ああ。」
また、こいつは…!
無意識に可愛い仕草しやがって!このぉ!
僕は照れ笑いしながら車を降りた。
「武ちゃん、鼻血出さなくて良かったよん!
前の席でドキドキだよお!」
「何で鼻血出すんだよ!遊ぶな!僕で!」
いや…マジ出そうになってたけど。
妖怪恋愛アンテナは痛いとこ突いてくるよな~まったく!
「良かった。
武本先生、銀ちゃんと仲直りしてくれて。」
田宮が僕らのやり取りを見て微笑んだ。
うわぁ。マジ可愛い~~!
くそ!これで牧田いなきゃ最高なのに!
「…武ちゃん。今、何か変な事考えてたでしょ~。」
「ははは。」
僕は乾いた笑いでごまかした。
「さぁ、行きますよ。」
ロバ先生が僕等を施設内に案内した。
施設長室に僕とロバ先生がまず入って挨拶をする事になった。
コンコン。ガチャ。
ドアを開けた。
「失礼します。
清水先生の紹介でボランティアに
来ました。高橋です。」
ロバ先生が入ってすぐに挨拶をした。
「まあまあ。ようこそ。
児童養護施設 星の子館へ。
施設長の桜井です。
清水先生にはいつもお世話になってます。」
「今日はこちらの武本先生と女生徒2人でボランティアのお手伝いをしたいと思います。
よろしくお願いします。」
「武本です。
よろしくお願いします。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。
まず、クリスマスツリーの装飾をお願いします。
結構大きなツリーなの。
ホールに材料が用意してありますから。」
「わかりました。
では、ホールに行って来ます。
武本先生、行きますよ。」
僕等は部屋を出るとホールへと向かった。
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