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3学期
おにぎり100円
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どうにもこうにもトラブルだらけの予感しかしないスキー体験合宿で《勉強会》の話しを持ち出すのはまずい気がした。
やはりその前に約束しておかないと…。
ぼくは無意識に隣の席に座る清水先生の顔を恨めしそうに見ていた。
「何だよ!その目は!」
「あ、いえすいません。」
担任はいいなぁって思ってて…。
「んんんんん?ははん。姫の件だな。」
「あ、いやそんな。」
その通りです。そのまんまです。
「どうした?話すタイミングが合わないとかか?」
…!すげぇ!大当たりだ!
「えっ…と実は…その通りです。
話したい事があるんですが…他人にはちょっと聞かれたくないんです。
でも、口実が何もない僕が彼女を呼び出すわけにも行かなくて。」
「…エロい話か?」
ガクッ。
何でそこ!外すかな!
「違います。真剣な話しです!」
「うーん。そうだな…お前、旧校舎の旧資料室、知ってるか?」
清水先生がおもむろに顎に手を当てながら言った。
「えっ…えっと3階の端っこのですか?」
「そう。あそこのガキ俺持ってんだわ。
まったく使ってねぇけど…。」
「それって…。」
「後で姫に資料持ってくるように言っとく。
そうだな…3時限目の後の中休み。
それなら…多分人目に付きづらいかな。」
「清水先生…!」
「言ったろ。何でも相談しろって。
ったく忘れっぽい奴だなまったく。」
「あ、ありがとうございます!」
「声、でけぇよ!」
3時限目の後…彼女と2人きりになれる…。
誰にもじゃまされないで…。
ほんの少しの時間だけど…。
有効に使わなきゃ。
せっかく清水先生がくれたチャンスなんだから。
僕は3時限目が待ち遠しくて、待ち遠しくてたまらなかった。
そして…3時限目の担当授業が終わると、一目散に旧資料室を目指した。
1分1秒たりとも無駄にしたくなかった。
旧校舎の3階は基本あまり使われていないので人通りもかなり少なかった。
僕は端っこまで廊下を歩き、旧資料室までやって来た。
鍵はすでに開けてあった。
僕はゆっくりとドアを開けた。
中は埃っぽい感じで本当に使われていないようだった。
空気を入れ替える為に窓を開けた。
「ゲホコホッ。」
「…すごい埃っぽいところですね。
武本先生も資料を取りに来たんですか?」
き、来たーー!
「あっと…僕は…その。」
「清水先生に資料を頼まれたんですけど…どこに何があるのか…。」
彼女はゴソゴソとあちこちを探し始めた。
「…田宮!」
「はい…何ですか?」
「あの…《勉強会》やって欲しいんだ。
また…2人きりで。」
「…先生…意味…わかって言ってます?」
彼女は警戒しながら言った。
「多分…。」
「そうですか…まだ早いと思っていたんですけど…。」
「来週からのスキー体験合宿の後すぐに。日曜日なら他の生徒に変に思われる事がないから…生徒指導室でまた…。」
「…わかりました。喜んで伺います。」
彼女が満面の笑みで僕に応えてくれた。
「今朝…旧理科室で待っていてくれたのはその事を話したかったんですね。
ごめんなさい。
気がついてあげられなくて。」
彼女は申し訳なさそうに下を向いた。
「た…田宮が謝る事はない。
僕が単に直接言いたかっただけで…。」
僕は下を向く彼女の側に歩み寄った。
「探し物どれ?…一緒に探し物してやる。」
「ありがとうございます。」
僕は彼女と一緒に資料を探して、見つけて資料を手渡した。
「助かりました。
ありがとうございます。」
「田宮…明日、行くのか?
金井先生の応援。」
「ええ。
お世話になってるし。
それ位はしないと。」
「そっか…。」
金井先生に朝早くからお弁当作るんだな…僕も食べたかったな…田宮の弁当。
口の中に懐かしい味が蘇って来て少しだけ切ない気持ちになった。
「…田宮…あの…月曜日。」
「何ですか?」
「おにぎり作ってくれないか…その。
毎日食堂とかコンビニだと飽きて来て…。
その…金は払う!おにぎり代金!」
バカか僕は!何口走ってんだよ!
「…じゃあ、1つ100円で?
いいですね。
ジュース代になります。」
彼女はイタズラっぽく笑って僕に視線を合わせた。
わ!わ!マジいいのか?
そんなん100円でも安い位だ!
「それでいい。
その方が周りに聞かれても説明出来るし。」
「わかりました。
じゃあ月曜日作ってきますね。
彼女いないと大変ですねー。
早く見つけて下さい。」
また、一言多い!
僕にはもう…目の前の君しか見えていないのに…。
今だって、我慢してるんだ。
2人だけの部屋の中…抱きしめたいに決まってる。
「努力するよ。
けど…当分お願いするかもな。」
「はい。覚悟しときます。」
もう…4時限目が始まる…。
僕と彼女は旧資料室を出て、彼女教室、僕は職員室へとお互いに歩いて行った。
僕の胸は来週の月曜日の彼女の作ってくれるおにぎりへの期待で高鳴っていた。
やはりその前に約束しておかないと…。
ぼくは無意識に隣の席に座る清水先生の顔を恨めしそうに見ていた。
「何だよ!その目は!」
「あ、いえすいません。」
担任はいいなぁって思ってて…。
「んんんんん?ははん。姫の件だな。」
「あ、いやそんな。」
その通りです。そのまんまです。
「どうした?話すタイミングが合わないとかか?」
…!すげぇ!大当たりだ!
「えっ…と実は…その通りです。
話したい事があるんですが…他人にはちょっと聞かれたくないんです。
でも、口実が何もない僕が彼女を呼び出すわけにも行かなくて。」
「…エロい話か?」
ガクッ。
何でそこ!外すかな!
「違います。真剣な話しです!」
「うーん。そうだな…お前、旧校舎の旧資料室、知ってるか?」
清水先生がおもむろに顎に手を当てながら言った。
「えっ…えっと3階の端っこのですか?」
「そう。あそこのガキ俺持ってんだわ。
まったく使ってねぇけど…。」
「それって…。」
「後で姫に資料持ってくるように言っとく。
そうだな…3時限目の後の中休み。
それなら…多分人目に付きづらいかな。」
「清水先生…!」
「言ったろ。何でも相談しろって。
ったく忘れっぽい奴だなまったく。」
「あ、ありがとうございます!」
「声、でけぇよ!」
3時限目の後…彼女と2人きりになれる…。
誰にもじゃまされないで…。
ほんの少しの時間だけど…。
有効に使わなきゃ。
せっかく清水先生がくれたチャンスなんだから。
僕は3時限目が待ち遠しくて、待ち遠しくてたまらなかった。
そして…3時限目の担当授業が終わると、一目散に旧資料室を目指した。
1分1秒たりとも無駄にしたくなかった。
旧校舎の3階は基本あまり使われていないので人通りもかなり少なかった。
僕は端っこまで廊下を歩き、旧資料室までやって来た。
鍵はすでに開けてあった。
僕はゆっくりとドアを開けた。
中は埃っぽい感じで本当に使われていないようだった。
空気を入れ替える為に窓を開けた。
「ゲホコホッ。」
「…すごい埃っぽいところですね。
武本先生も資料を取りに来たんですか?」
き、来たーー!
「あっと…僕は…その。」
「清水先生に資料を頼まれたんですけど…どこに何があるのか…。」
彼女はゴソゴソとあちこちを探し始めた。
「…田宮!」
「はい…何ですか?」
「あの…《勉強会》やって欲しいんだ。
また…2人きりで。」
「…先生…意味…わかって言ってます?」
彼女は警戒しながら言った。
「多分…。」
「そうですか…まだ早いと思っていたんですけど…。」
「来週からのスキー体験合宿の後すぐに。日曜日なら他の生徒に変に思われる事がないから…生徒指導室でまた…。」
「…わかりました。喜んで伺います。」
彼女が満面の笑みで僕に応えてくれた。
「今朝…旧理科室で待っていてくれたのはその事を話したかったんですね。
ごめんなさい。
気がついてあげられなくて。」
彼女は申し訳なさそうに下を向いた。
「た…田宮が謝る事はない。
僕が単に直接言いたかっただけで…。」
僕は下を向く彼女の側に歩み寄った。
「探し物どれ?…一緒に探し物してやる。」
「ありがとうございます。」
僕は彼女と一緒に資料を探して、見つけて資料を手渡した。
「助かりました。
ありがとうございます。」
「田宮…明日、行くのか?
金井先生の応援。」
「ええ。
お世話になってるし。
それ位はしないと。」
「そっか…。」
金井先生に朝早くからお弁当作るんだな…僕も食べたかったな…田宮の弁当。
口の中に懐かしい味が蘇って来て少しだけ切ない気持ちになった。
「…田宮…あの…月曜日。」
「何ですか?」
「おにぎり作ってくれないか…その。
毎日食堂とかコンビニだと飽きて来て…。
その…金は払う!おにぎり代金!」
バカか僕は!何口走ってんだよ!
「…じゃあ、1つ100円で?
いいですね。
ジュース代になります。」
彼女はイタズラっぽく笑って僕に視線を合わせた。
わ!わ!マジいいのか?
そんなん100円でも安い位だ!
「それでいい。
その方が周りに聞かれても説明出来るし。」
「わかりました。
じゃあ月曜日作ってきますね。
彼女いないと大変ですねー。
早く見つけて下さい。」
また、一言多い!
僕にはもう…目の前の君しか見えていないのに…。
今だって、我慢してるんだ。
2人だけの部屋の中…抱きしめたいに決まってる。
「努力するよ。
けど…当分お願いするかもな。」
「はい。覚悟しときます。」
もう…4時限目が始まる…。
僕と彼女は旧資料室を出て、彼女教室、僕は職員室へとお互いに歩いて行った。
僕の胸は来週の月曜日の彼女の作ってくれるおにぎりへの期待で高鳴っていた。
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