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3学期
第2回魔女対策会議その2
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「これは刑事事件になり得る案件だぞ。
俺達だけで話してていいのか?」
清水先生が口を挟んだ。
当たり前だ。
極普通ならそう考えるし…法での裁きを求める。
でも…けど…それで…それが本当に…?
胸の奥の黒いものが益々カサを増してきた。
「僕等は警察でも裁判官でも弁護士でもありません。
あくまで…生徒の味方に立つ。
それが…僕等の正義だと考えます!」
「金井先生…!」
僕は金井先生に視線を合わせ頷いた。
「久瀬君にも教わりましたからね。
本当の正義なんて、その人の側に立たないと意味が無いってね。」
そうなんだ…自分の正義が相手の正義なんて幻想なんだよ。
僕は良く知っている…誰よりも知っている。
「このタブレットには、経験者の声があります。
ほとんどが、こういう事を辞めさせたい。
しかし…今現在の自分の立場を守りたいともあります。
彼女達は罪悪感という罰をすでに受けています。
警察沙汰になれば、辞めさせる事は出来ても彼女達を守る事は出来ません。」
「つまり…魔女の尻尾は俺達が掴まなきゃなんないのか…。」
清水先生は溜め息混じりに腕を組んだ。
「かなり大変だとは思います。
卒業のタイムリミットも迫っています。
ですが…尻尾を掴み、彼女をこれ以上エスカレートさせない為にも。
…魔女を潰すのではなく…魔女の魔法を解く方向で行きたいんです。
法で裁かなくとも、他に方法はあるんだと…僕は信じたい。」
「僕もそう思います。
確かに警察や法廷で裁きを受けるのも大事かもしれませんが、本当に大事なのはその後に残った被害者です。
どんなに法律が正しくとも、起きてしまった過去を正す事なんて出来ない。
だから…僕は1番に…被害者が未来を生きて行けるようにしてあげたい…そう思います。」
そう…これは田宮が僕に教えてくれた答えだ…。
彼女が僕に未来を見せようとしてくれてる…。
僕はここに居ない彼女のぬくもりを思い出しながら、自分なりの答えを発した。
「なるほど…な。
確かに…俺も過去は罪人だ。
そこを突かれるのは…辛いわな…。」
あ…清水先生…遥さんの事を…。
心中未遂…で一緒に逝けなかった悲しみと、彼女1人を逝かせてしまった罪悪感…。
なんて…辛い罪なんだろう。
清水先生もまた、僕等と同じ考えを共有してくれる事になった。
とりあえず、金井先生は天堂さんに引き続きの調査及び、金の行方についての調整を頼んだ。
そして、僕と清水先生は里中や葉月など、魔女に利用されそうな生徒のマークと保護を心掛ける事にした。
金井先生は魔女の足止め、またはプレッシャーを掛けて、尻尾を出させる事に力を入れる事になった。
「時代が時代なら魔女は、歴代の悪女だな。」
清水先生は呟いた。
「そうですね…。
そうまでしてお金が欲しいのでしょうか?」
僕はその点がどうも気になった。
家が貧しい訳ではないし…あの母親なら魔女にはいくらでも金を出しそうに思うのだが…。
「いえ…僕の考えでは違います。
逆に不安なんですよ。
お金というよりも…権力ですかね。
権力を誇示し自分が1番上に立って居ないと…。」
「…確かに。そうかも。」
金井先生が額に人差し指を当てながら呟くように話し出した。
「真朝君にはその仕事についてなにも知らせないし、利用していない…。
真朝君から直に情報が漏れるのを恐れたとも思えますが…おそらく…。
魔女があえて、真朝君を金儲けの材料としないのは…真朝君が魔女にとっての聖域なのではないかと…。」
「聖域…田宮 真朝が?」
「最後まで…どんな事があっても真朝君だけは、絶対的に魔女の下で動いてくれる。
意外にも、真朝君は魔女の最後の砦なのかもしれません。
だから…真朝君だけは汚さないのかもしれない。」
「姉妹としてはイカれた関係だな。」
清水先生が頭を掻き出した。
そういえば…香苗が彼女を刺したナイフは、刃渡りが短く、あれで殺す事なんて不可能だ。
僕が彼女に近づくたびに…魔女は条件を出して来た。
あれは…彼女が自分から離れるのが怖かったのか?
僕が彼女を奪うと…だから…必要以上に僕を仲間に引き入れたかったのか?
心当たりがあった…魔女は職員室でも…僕に言っていたじゃないか…!
『でも…。あの娘は私の道具なの。
武本先生にはあげられないの。
ごめんなさいね。』
「魔女は…屈折してるが…妹を家族としてみてるのかもしれない…。
自分は母親よりはマシだと言ってた…。」
「屈折した愛情…魔女にぴったりじゃないですか?」
僕の言葉に金井先生が同調した。
そして…だからこそ…彼女は、辛くても苦しくても…魔女の言いなりになって、魔女を心配までしていた…。
「もしかして…僕等が思うより…魔女の力は強くないのかもしれないですね。
むしろ…端を突つけば崩れ去る…。
臆病だからこそ…力を誇示しないと生きて行けない。」
「いい見解ですね。
同意させてもらいますよ。」
金井先生はうんうん頷いた。
力強い仲間と酒を呑み交わし、俄然勇気が出てきた。
もう、魔女に脅えたりしない!
俺達だけで話してていいのか?」
清水先生が口を挟んだ。
当たり前だ。
極普通ならそう考えるし…法での裁きを求める。
でも…けど…それで…それが本当に…?
胸の奥の黒いものが益々カサを増してきた。
「僕等は警察でも裁判官でも弁護士でもありません。
あくまで…生徒の味方に立つ。
それが…僕等の正義だと考えます!」
「金井先生…!」
僕は金井先生に視線を合わせ頷いた。
「久瀬君にも教わりましたからね。
本当の正義なんて、その人の側に立たないと意味が無いってね。」
そうなんだ…自分の正義が相手の正義なんて幻想なんだよ。
僕は良く知っている…誰よりも知っている。
「このタブレットには、経験者の声があります。
ほとんどが、こういう事を辞めさせたい。
しかし…今現在の自分の立場を守りたいともあります。
彼女達は罪悪感という罰をすでに受けています。
警察沙汰になれば、辞めさせる事は出来ても彼女達を守る事は出来ません。」
「つまり…魔女の尻尾は俺達が掴まなきゃなんないのか…。」
清水先生は溜め息混じりに腕を組んだ。
「かなり大変だとは思います。
卒業のタイムリミットも迫っています。
ですが…尻尾を掴み、彼女をこれ以上エスカレートさせない為にも。
…魔女を潰すのではなく…魔女の魔法を解く方向で行きたいんです。
法で裁かなくとも、他に方法はあるんだと…僕は信じたい。」
「僕もそう思います。
確かに警察や法廷で裁きを受けるのも大事かもしれませんが、本当に大事なのはその後に残った被害者です。
どんなに法律が正しくとも、起きてしまった過去を正す事なんて出来ない。
だから…僕は1番に…被害者が未来を生きて行けるようにしてあげたい…そう思います。」
そう…これは田宮が僕に教えてくれた答えだ…。
彼女が僕に未来を見せようとしてくれてる…。
僕はここに居ない彼女のぬくもりを思い出しながら、自分なりの答えを発した。
「なるほど…な。
確かに…俺も過去は罪人だ。
そこを突かれるのは…辛いわな…。」
あ…清水先生…遥さんの事を…。
心中未遂…で一緒に逝けなかった悲しみと、彼女1人を逝かせてしまった罪悪感…。
なんて…辛い罪なんだろう。
清水先生もまた、僕等と同じ考えを共有してくれる事になった。
とりあえず、金井先生は天堂さんに引き続きの調査及び、金の行方についての調整を頼んだ。
そして、僕と清水先生は里中や葉月など、魔女に利用されそうな生徒のマークと保護を心掛ける事にした。
金井先生は魔女の足止め、またはプレッシャーを掛けて、尻尾を出させる事に力を入れる事になった。
「時代が時代なら魔女は、歴代の悪女だな。」
清水先生は呟いた。
「そうですね…。
そうまでしてお金が欲しいのでしょうか?」
僕はその点がどうも気になった。
家が貧しい訳ではないし…あの母親なら魔女にはいくらでも金を出しそうに思うのだが…。
「いえ…僕の考えでは違います。
逆に不安なんですよ。
お金というよりも…権力ですかね。
権力を誇示し自分が1番上に立って居ないと…。」
「…確かに。そうかも。」
金井先生が額に人差し指を当てながら呟くように話し出した。
「真朝君にはその仕事についてなにも知らせないし、利用していない…。
真朝君から直に情報が漏れるのを恐れたとも思えますが…おそらく…。
魔女があえて、真朝君を金儲けの材料としないのは…真朝君が魔女にとっての聖域なのではないかと…。」
「聖域…田宮 真朝が?」
「最後まで…どんな事があっても真朝君だけは、絶対的に魔女の下で動いてくれる。
意外にも、真朝君は魔女の最後の砦なのかもしれません。
だから…真朝君だけは汚さないのかもしれない。」
「姉妹としてはイカれた関係だな。」
清水先生が頭を掻き出した。
そういえば…香苗が彼女を刺したナイフは、刃渡りが短く、あれで殺す事なんて不可能だ。
僕が彼女に近づくたびに…魔女は条件を出して来た。
あれは…彼女が自分から離れるのが怖かったのか?
僕が彼女を奪うと…だから…必要以上に僕を仲間に引き入れたかったのか?
心当たりがあった…魔女は職員室でも…僕に言っていたじゃないか…!
『でも…。あの娘は私の道具なの。
武本先生にはあげられないの。
ごめんなさいね。』
「魔女は…屈折してるが…妹を家族としてみてるのかもしれない…。
自分は母親よりはマシだと言ってた…。」
「屈折した愛情…魔女にぴったりじゃないですか?」
僕の言葉に金井先生が同調した。
そして…だからこそ…彼女は、辛くても苦しくても…魔女の言いなりになって、魔女を心配までしていた…。
「もしかして…僕等が思うより…魔女の力は強くないのかもしれないですね。
むしろ…端を突つけば崩れ去る…。
臆病だからこそ…力を誇示しないと生きて行けない。」
「いい見解ですね。
同意させてもらいますよ。」
金井先生はうんうん頷いた。
力強い仲間と酒を呑み交わし、俄然勇気が出てきた。
もう、魔女に脅えたりしない!
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