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3学期
ラブ・ヒーリング
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ガチャ!バタン!
僕はノックする事も声をかける事もなく、勢いよく旧理科室のドアを開けた。
「あ!ビックリしました。
先生…?顔色悪いですよ。
大丈夫ですか?」
彼女は読んでいた本を実験台に置くと、僕の前に歩いて来た。
「ちょっと…また頭いっぱいで。
息苦しくて…。はぁ。」
「座って下さい。」
彼女は丸椅子を僕の前に差し出した。
「落ち着くように、手を握りましょう。」
椅子に座った僕の正面にもう一脚椅子を用意して、彼女は座った。
そして、ゆっくりと優しく僕の両手を持ち上げて握ってくれた。
彼女の体温が手を通して、僕に伝わって来る。
思わず、握り返してしまった。
「あ、ごめん…嫌だったか?」
彼女はゆっくりと左右に首を振った。
「いいえ。ん…手を繋ぐって初めは、結構勇気がいるのに…1度繋ぐと、その手が恋しくなるのは何故かしら?
手を離されてしまうと怖くなってしまう。」
「人間関係に似てるって事かな…?」
「そうかも…。」
「君は…僕がここに来た理由を知ってるのか?」
「いいえ。でも…何となく感じるんです。
多分…姉の事かなって。」
隠し事しても、わかってしまうんだな。
察しが良すぎるのもどうかと思うがな。
「君は…お姉さんが大好きなんだな。」
「……私にとって、大切な姉ですから。」
「そっか…。」
そして、好きだからこそ、姉の罪まで受け止めてしまう。
姉の分まで君は傷つき、苦しんでる。
優しすぎるのは、辛い事だな。
手の温もりが、どんどん伝わって熱くなってきた。
「あのさ…僕が…そのキスしたりするの…嫌だったら言ってくれ。
僕の気持ちばかり、押し付けてるし。
その…無理矢理してるつもりはないんだけど、やっぱり強引っちゃあ、強引な訳で…。」
「じゃあ、聞いて下さい。」
「へっ…。」
「キスしていいか、確認して下さい。
それなら先生は、罪悪感を感じませんよね。」
また…何て事言い出すんだ…!
そういうものか?キスって。
いちいち確認必要なの?仕事じゃん!
やつっけ仕事じゃん!
自然な流れとかは無いのか?
「あのさ…、それ。ダメだよな恋としては。」
「そうなんですか?
じゃあ、もし、私がキスしたくなったらどうすればいいんでしょう?」
「なっ!」
どうすればって…。
キスしたくなったらって…そんな事言われたら…。
ああ!くそっ!
こっちは我慢してるってのに~!
僕は我慢の限界が来て、地団駄を踏んだ。
ダダダダンダン!
「先生?」
「もう…!キスしたい!今!」
思わず心の声が漏れた。
「プッ。駄々っ子ですか。あはは。
仕方ないですね…では、どうぞ。」
彼女が目を閉じて、顔をこちらに向けた。
紅い唇が僕を誘う…。
ゴクッと思わず生唾を飲み込んだ。
身体中が一気に熱くなった。ええい!
僕は彼女の顎をグッと引き寄せて、唇を重ねた。
「ん…。」
我慢してた分、軽くするつもりが濃厚になってしまった。
「…。」
そしてゆっくりと、離れる唇。
見つめ合う瞳…。
「先生…?」
はぁ…はぁ。呼吸が荒い…。
「…もう1回!んんっ…。」
こんなキス…またしばらく出来ないかもと思うと、唇を離すのが惜しくなって、陶酔したままワンモアしてしまった。
唇を離して5分ほど、少し気まずくなって黙り込んでしまった。
「ごめん…図に乗ってしまった。
付き合ってる訳じゃないのに。」
本当、こういう時男ってのはどうしても身体の欲望か理性を押し退けてしまう。
わかってたはずなのに…。
「どうぞって言いましたから。ふふふ。」
イタズラっぽい笑い顔で、僕をフォローしてくれた。
本当、もてあそばれてるような気分だ。
こんなキスしても、君は僕を好きになってくれてる訳じゃない。
それでも、優しく受け止めてくれる。
少し…切ないけど。
さっきまでの、僕の周りにまとわりついていた黒い影は跡形もなく消えていた。
やっぱり、僕には彼女が必要なんだ。
どんな立場であれ関係ない。
彼女のいない人生なんて…もうあり得ない。
その後、金井先生もやって来てまた、3人でジグソーパズルをやってから帰宅の途についた。
彼女のおかげで、その夜はちゃんと眠れた。
夢の中で僕は彼女に抱かれて、幸せの中にいた。
目覚めたくなくなるほどの夢だった。
僕はノックする事も声をかける事もなく、勢いよく旧理科室のドアを開けた。
「あ!ビックリしました。
先生…?顔色悪いですよ。
大丈夫ですか?」
彼女は読んでいた本を実験台に置くと、僕の前に歩いて来た。
「ちょっと…また頭いっぱいで。
息苦しくて…。はぁ。」
「座って下さい。」
彼女は丸椅子を僕の前に差し出した。
「落ち着くように、手を握りましょう。」
椅子に座った僕の正面にもう一脚椅子を用意して、彼女は座った。
そして、ゆっくりと優しく僕の両手を持ち上げて握ってくれた。
彼女の体温が手を通して、僕に伝わって来る。
思わず、握り返してしまった。
「あ、ごめん…嫌だったか?」
彼女はゆっくりと左右に首を振った。
「いいえ。ん…手を繋ぐって初めは、結構勇気がいるのに…1度繋ぐと、その手が恋しくなるのは何故かしら?
手を離されてしまうと怖くなってしまう。」
「人間関係に似てるって事かな…?」
「そうかも…。」
「君は…僕がここに来た理由を知ってるのか?」
「いいえ。でも…何となく感じるんです。
多分…姉の事かなって。」
隠し事しても、わかってしまうんだな。
察しが良すぎるのもどうかと思うがな。
「君は…お姉さんが大好きなんだな。」
「……私にとって、大切な姉ですから。」
「そっか…。」
そして、好きだからこそ、姉の罪まで受け止めてしまう。
姉の分まで君は傷つき、苦しんでる。
優しすぎるのは、辛い事だな。
手の温もりが、どんどん伝わって熱くなってきた。
「あのさ…僕が…そのキスしたりするの…嫌だったら言ってくれ。
僕の気持ちばかり、押し付けてるし。
その…無理矢理してるつもりはないんだけど、やっぱり強引っちゃあ、強引な訳で…。」
「じゃあ、聞いて下さい。」
「へっ…。」
「キスしていいか、確認して下さい。
それなら先生は、罪悪感を感じませんよね。」
また…何て事言い出すんだ…!
そういうものか?キスって。
いちいち確認必要なの?仕事じゃん!
やつっけ仕事じゃん!
自然な流れとかは無いのか?
「あのさ…、それ。ダメだよな恋としては。」
「そうなんですか?
じゃあ、もし、私がキスしたくなったらどうすればいいんでしょう?」
「なっ!」
どうすればって…。
キスしたくなったらって…そんな事言われたら…。
ああ!くそっ!
こっちは我慢してるってのに~!
僕は我慢の限界が来て、地団駄を踏んだ。
ダダダダンダン!
「先生?」
「もう…!キスしたい!今!」
思わず心の声が漏れた。
「プッ。駄々っ子ですか。あはは。
仕方ないですね…では、どうぞ。」
彼女が目を閉じて、顔をこちらに向けた。
紅い唇が僕を誘う…。
ゴクッと思わず生唾を飲み込んだ。
身体中が一気に熱くなった。ええい!
僕は彼女の顎をグッと引き寄せて、唇を重ねた。
「ん…。」
我慢してた分、軽くするつもりが濃厚になってしまった。
「…。」
そしてゆっくりと、離れる唇。
見つめ合う瞳…。
「先生…?」
はぁ…はぁ。呼吸が荒い…。
「…もう1回!んんっ…。」
こんなキス…またしばらく出来ないかもと思うと、唇を離すのが惜しくなって、陶酔したままワンモアしてしまった。
唇を離して5分ほど、少し気まずくなって黙り込んでしまった。
「ごめん…図に乗ってしまった。
付き合ってる訳じゃないのに。」
本当、こういう時男ってのはどうしても身体の欲望か理性を押し退けてしまう。
わかってたはずなのに…。
「どうぞって言いましたから。ふふふ。」
イタズラっぽい笑い顔で、僕をフォローしてくれた。
本当、もてあそばれてるような気分だ。
こんなキスしても、君は僕を好きになってくれてる訳じゃない。
それでも、優しく受け止めてくれる。
少し…切ないけど。
さっきまでの、僕の周りにまとわりついていた黒い影は跡形もなく消えていた。
やっぱり、僕には彼女が必要なんだ。
どんな立場であれ関係ない。
彼女のいない人生なんて…もうあり得ない。
その後、金井先生もやって来てまた、3人でジグソーパズルをやってから帰宅の途についた。
彼女のおかげで、その夜はちゃんと眠れた。
夢の中で僕は彼女に抱かれて、幸せの中にいた。
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