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3学期
王子と魔女4
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やった…、魔女もとい、田宮 美月から反省の言葉と告白の意思を聞き出せた!
なんか、僕の力じゃなくて単なる自発的な気もするが…。
「僕等は、警察じゃないし、法律家でもない。
だから君を裁こうなんて少しも思ってない。
教師として、生徒の力になりたい。
だから、君の力になれるように…。
大学生活やその先の未来を生き抜く為に…。
話しを聞かせて欲しいんだ。」
「武本先生じゃ頼りないな…あはは。」
哀しみを含んだ笑いをした。
「だろうと思ってる。
僕は自分がどんなに無力で頼りないかは十分わかってるつもりだ。
だから、金井先生にも協力して貰ってるんだ。
1人の力じゃ何も出来ないかもしれないけど、2人なら何倍もの力を君に与えられると思ってる。
…それじゃ、ダメかな?」
僕は真剣に、そして…嘘偽りない素直な気持ちをぶつけてみた。
田宮 美月は軽く目を伏せて、少し考えた末に、ゆっくりと答えた。
「変わった先生…。
一部の生徒にばかり手を掛けてると、えこひいきだって言われるわよ。」
「仕方ないだろ。
僕は1人しかいないし、何十人も全く同じ扱いなんて神様じゃないんだから不可能だ。
しかも、僕だって人間だ。
感情だってちゃんとある。
だから、自分が助けなきゃいけないと感じた生徒は助けるし、守りたいも思った生徒は守るつもりでいる。
それが、アンバラスだと言われたって、その判断は結局、自分で判断しなきゃならない事だろ。」
「ふふふ。
本当。随分と先生らしくなった。
初めは、やる気のない安定職目当てのダメ教師だと思ったのに…。」
「ダメ教師…。ははは。」
そりゃそうだ。
自分でも本当にやる気のない、最低な教師だったと思う。
教師としても、男としても、人間としても…。
田宮 真朝が僕の世界を変えたんだ…。
そして…これからは僕が君の世界を変えなきゃならないんだ。
「そうね~。
金井先生が一緒なら確かに、心強いかも。
何せ、専門家ですもんねー。
それに、あの人も真朝をちゃんと見ていてくれる。
2人共ちゃんと、嫌なものに蓋をしないで真っ直ぐに受け止めてくれそうだわ。
…いいわ。
ちゃんと、自分の事整理したいと思ってたの。
いつも綱渡りしてるような高い位置からの眺めには飽きちゃった。
地面に足を付けてしっかりと歩きたいわ。
下を見て恐れるんじゃなくて。
地面をしっかり踏みしめて頭を上げて、前を向いて歩きたいの。」
「ありがとう!」
そこで、僕は金井先生から提示されている予定を、彼女に伝えた。
翌週2月7日火曜日
PM8:30 大東大附属高校 第2会議室にて
金井、武本による話し合い。
同時に金井によるカウンセリング開始。
被害者への謝罪の対応検討。
彼女はゆっくりと頷き、細かい予定を携帯の予定に入れた。
「…ごめんなさい。」
急に彼女が頭を下げて謝ってきた。
「えっ…。」
「いつ、謝ろうか迷ってたの。
先生の彼女を焚き付けて、真朝を怪我させるように仕向けたの…。
本当は罪悪感で胸が苦しかった…。
時折、夢に見たり、思い出したり…。
本当にごめんなさい。」
「君が謝るべき相手は僕じゃない。
そうだろ。
彼女はちゃんと受け止めてくれる人だ。
いつだって、そうだっただろ。」
「はい…。」
人間とはなんて、複雑なんだ。
完璧な人間なんてどこにもいやしない。
いい人間も悪い人間も。
全ての人が善と悪と、無償の愛と欲望と入り混じって複雑に絡み合って…。
でも、だからこそ人間なんだ。
常識や倫理に振り回されて足場を見失うくらいなら、僕は自分の正義に忠実でありたい。
たとえ、それが世間から非難される出来事であったとしても。
僕はもう、逃げたりしない。
誰が何と言おうと、どんなに非難されようとも、僕は田宮 真朝を愛し続けよう。
それが、僕の正義なんだ。
田宮 美月の姿を見ながら、僕は改めてそう自分の身を振り返って見た。
僕と田宮 美月はそのまま、無言でコーヒーを飲み終えて、喫茶店を出た。
見上げた冬の空は深い紺色で遠くまで星か輝いてまるで、宇宙に溶け込みそうな程だった。
なんか、僕の力じゃなくて単なる自発的な気もするが…。
「僕等は、警察じゃないし、法律家でもない。
だから君を裁こうなんて少しも思ってない。
教師として、生徒の力になりたい。
だから、君の力になれるように…。
大学生活やその先の未来を生き抜く為に…。
話しを聞かせて欲しいんだ。」
「武本先生じゃ頼りないな…あはは。」
哀しみを含んだ笑いをした。
「だろうと思ってる。
僕は自分がどんなに無力で頼りないかは十分わかってるつもりだ。
だから、金井先生にも協力して貰ってるんだ。
1人の力じゃ何も出来ないかもしれないけど、2人なら何倍もの力を君に与えられると思ってる。
…それじゃ、ダメかな?」
僕は真剣に、そして…嘘偽りない素直な気持ちをぶつけてみた。
田宮 美月は軽く目を伏せて、少し考えた末に、ゆっくりと答えた。
「変わった先生…。
一部の生徒にばかり手を掛けてると、えこひいきだって言われるわよ。」
「仕方ないだろ。
僕は1人しかいないし、何十人も全く同じ扱いなんて神様じゃないんだから不可能だ。
しかも、僕だって人間だ。
感情だってちゃんとある。
だから、自分が助けなきゃいけないと感じた生徒は助けるし、守りたいも思った生徒は守るつもりでいる。
それが、アンバラスだと言われたって、その判断は結局、自分で判断しなきゃならない事だろ。」
「ふふふ。
本当。随分と先生らしくなった。
初めは、やる気のない安定職目当てのダメ教師だと思ったのに…。」
「ダメ教師…。ははは。」
そりゃそうだ。
自分でも本当にやる気のない、最低な教師だったと思う。
教師としても、男としても、人間としても…。
田宮 真朝が僕の世界を変えたんだ…。
そして…これからは僕が君の世界を変えなきゃならないんだ。
「そうね~。
金井先生が一緒なら確かに、心強いかも。
何せ、専門家ですもんねー。
それに、あの人も真朝をちゃんと見ていてくれる。
2人共ちゃんと、嫌なものに蓋をしないで真っ直ぐに受け止めてくれそうだわ。
…いいわ。
ちゃんと、自分の事整理したいと思ってたの。
いつも綱渡りしてるような高い位置からの眺めには飽きちゃった。
地面に足を付けてしっかりと歩きたいわ。
下を見て恐れるんじゃなくて。
地面をしっかり踏みしめて頭を上げて、前を向いて歩きたいの。」
「ありがとう!」
そこで、僕は金井先生から提示されている予定を、彼女に伝えた。
翌週2月7日火曜日
PM8:30 大東大附属高校 第2会議室にて
金井、武本による話し合い。
同時に金井によるカウンセリング開始。
被害者への謝罪の対応検討。
彼女はゆっくりと頷き、細かい予定を携帯の予定に入れた。
「…ごめんなさい。」
急に彼女が頭を下げて謝ってきた。
「えっ…。」
「いつ、謝ろうか迷ってたの。
先生の彼女を焚き付けて、真朝を怪我させるように仕向けたの…。
本当は罪悪感で胸が苦しかった…。
時折、夢に見たり、思い出したり…。
本当にごめんなさい。」
「君が謝るべき相手は僕じゃない。
そうだろ。
彼女はちゃんと受け止めてくれる人だ。
いつだって、そうだっただろ。」
「はい…。」
人間とはなんて、複雑なんだ。
完璧な人間なんてどこにもいやしない。
いい人間も悪い人間も。
全ての人が善と悪と、無償の愛と欲望と入り混じって複雑に絡み合って…。
でも、だからこそ人間なんだ。
常識や倫理に振り回されて足場を見失うくらいなら、僕は自分の正義に忠実でありたい。
たとえ、それが世間から非難される出来事であったとしても。
僕はもう、逃げたりしない。
誰が何と言おうと、どんなに非難されようとも、僕は田宮 真朝を愛し続けよう。
それが、僕の正義なんだ。
田宮 美月の姿を見ながら、僕は改めてそう自分の身を振り返って見た。
僕と田宮 美月はそのまま、無言でコーヒーを飲み終えて、喫茶店を出た。
見上げた冬の空は深い紺色で遠くまで星か輝いてまるで、宇宙に溶け込みそうな程だった。
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