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Side - 15 - 21 - あかいゆびわ -
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Side - 15 - 21 - あかいゆびわ -
「ねぇ、これ何?」
私は今朝お部屋に小さな箱を持ってきて私に手渡した執事さんに聞きました。
「陛下から姫様に、大事なものなので責任を持って管理し、できるだけ身につけておくようにと・・・王位継承権のある方々全員に渡すよう命じられたものです」
手渡された箱の蝋封を切り、開けると赤い石のついた指輪が入っていました、石だけじゃなく指輪も全体的に赤いですね。
「指輪?、・・・よくわかんないけど持ってればいいのね」
「はい」
「何のためにっていうのは・・・聞いてる?」
「いえ、私は姫様にお渡しし、先ほどのお言葉を伝えるようにとだけ・・・」
「・・・ふーん、ま、いいわ、今度お父様に会ったら聞いてみるね、わざわざありがとう」
「では失礼致します・・・」
・・・バタン
「王位継承権・・・、ヴィンスお兄様は放棄されたから、・・・お父様を除くと、今はマナサマーお兄様と、私と、叔父様でしょ、他には・・・大叔父様?、・・・うーん、あと誰だっけ?、分かんないや、・・・でも良く考えたら私って王位継承権2位じゃん!、もし万一マナサマーお兄様に何かあったら次の王様私?、いやいやありえないっしょ、そんな事になったら国が滅びちゃうよー、あははは」
「あれ?、指輪の裏になんか魔法陣が彫ってあるなぁ、魔道具?、これ魔力通した瞬間ぺかーって光って周りのもの破壊したりしないよね、・・・でもそんな危険な奴だったら前もって注意するよね、特に私は迂闊だからやらかさないようにって・・・、ほんとに何だろ?」
ペかー!
「あ、空間転移魔法陣光ってる、リゼちゃん遊びに来たんだね、来ちゃダメな時は上に何か置いておくか魔法陣光った時に足で踏めって言われてたけど、まだ一度もやった事ないや・・・、そういえば刺客や群がってくる強欲貴族達から逃げるためにしばらく身を隠すって言ってたなぁ」
「やっほー、リィンちゃん、遊びに来たよー」
「わー、リゼちゃん久しぶりー、って何そのいかつい腕輪!、男の子みたいな格好してるし」
「・・・やっぱり目立つよねー、これは防御結界の魔道具、博士が作ってくれたんだぁ、これ付けてると斬られても魔法撃たれても無傷なの、これでもう私、不老不死な上に無敵だよ、凄いでしょ!、・・・あと、この格好は隠れてる街では男の子っていう設定、見ててね、・・・コホン・・・やぁリィンちゃん、僕の名前はリゼルだよ、よろしくね!」
「きゃー、かわいい!、男の子っぽい格好すごく似合ってるよ!、私こんな弟欲しかったんだぁ!」
私はあまりの可愛さにリゼちゃんに抱きついて頭を撫でまわしました。
「うぁー、リィンちゃん、やめるのですー」
「でも良くできてるねー、空間転移の魔法陣、お部屋の隅に設置してるけど、さっき来た執事さんやお掃除のメイドさん達全然気付いてないよ」
「うん!、いいでしょ、転移の魔法陣を設置して、その上から隠蔽の魔法陣で覆ってるの、魔法騎士団の人達だったら気付くかもしれないけどね、でも陛下には許可とってあるから見つかっても怒られないだろうし」
「・・・で、これに乗って私も向こうに転移したいって前にお願いしたと思うけど、どう?」
「・・・あー、流石にそれやっちゃうと陛下に怒られるんだよねー、一応リィンちゃん王女様だし、勝手に向こうの街に転移させて何かあったら私、責任取れないし、リィンちゃんから陛下にお願いしていいよってなったらできるけど・・・」
「あーん、お父様が許可くれるわけないじゃん!、危ないからダメっていうに決まってるし!、わーたーしーはー、お忍びでいろんなところ遊びに行きたいのー、このお部屋で居るの退屈なのー!」
「いくら私が無敵になっても、いきなりリィンちゃん襲われたら対応できないよ、護衛の騎士様と一緒なら・・・って言ってもその人を一緒に連れ回すの申し訳ないだろうし、リィンちゃんが騎士様に時間外のお給料払うの?」
「・・・うぅ、でも私も色んなところ行きたいの・・・」
「なら頑張って陛下を説得しようね、・・・あと、はいお土産」
「何これ?」
「向こうの街で人気のやつ、博士もお気に入り、小魚を煮詰めて干したやつなんだぁ、頭からボリボリいけるよ、港町だから食べ物がすごく美味しいのです!」
「・・・頭からって抵抗あるね、・・・・あ、本当に美味しい!」
「でしょ!、気に入ったのならまたもってきてあげるよ」
「・・・うんお願い、・・・まぁ、執事長さんに見つかったら大変だろうけどね、毒見役を呼んで確認してください!って」
「あー!、これ食べてリィンちゃんに何かあったら、・・・もしかして私、死刑?」
「ふふっ・・・今頃気づいたの?、多分そうなるね」
「・・・ダメなのです!、食べちゃダメ!、すぐ返すのです!、私死にたくないのです!」
「いやあなたもう不死身だし」
「社会的にも死ぬからダメなのです!、今の生活できなくなって夢の引きこもり計画が・・・」
「・・・冗談だよ、そんな事で死刑にならないし、私がさせないよ・・・」
「・・・ぐすっ、びっくりしたのです・・・」
「あ、そうだ!、あなたがいつも聞かせてくれてる、前世の世界、地球?、日本?には連れてってくれないの?、あそこは安全だって言ってたよね、鉄でできたおっきな鳥が空飛んでるんでしょ、行きたいなー」
「うーん、あっちも危険がない訳じゃないんだよねー、向こうにも悪い人は居るし、リィンちゃん成長して最近すっごく綺麗になったからナンパもあるだろうし、・・・それは龍之介連れてれば何とかなるかな・・・」
「ナンパ?」
「男の人が声かけてくるんだよ、ヘイ彼女!、お茶しない!って、前世の私は一度もなかったけどね、リィンちゃんは歩いてるだけで多分わらわら集まって来るよ」
「それあなたがいつもやってるじゃん、リィンちゃんお茶しようよって・・・」
「ちがーう!、男の人は獣なの、女の人を食べちゃうんだよ!」
「・・・(食べられる?・・・獣人がいるのかな)」
「まぁ、そんなに行きたいって言うなら私と一緒に旅行に行ってきまーす?、みたいな感じで陛下に相談してみよう、2泊3日くらいあれば私の家の近くで楽しそうなところ案内できるかな、許可が出たら連れてってあげる、護衛の人はあのトリエラさんって人でいいの?、あ、剣は持ってきちゃダメだよ、捕まるから」
「うん、ムッツリーノさんも行きたがるだろうけど、・・・あなた男の人ダメでしょ」
「・・・そうだね、ごめんね手間をかけて、ムッツリーノさんにも謝っておいて、こっちからは私の弟にお願いしようと思ってるの、見た目がいかついから多分男の人は寄ってこないかな」
「弟さん?、コナンザくん?、あの子いかつかったっけ?」
「違う違う、向こうの世界の弟、龍之介って言うの、私のかわいい弟!、もちろんコナンザも可愛いし愛してるけどね!」
「リュウノスーケさん?」
「写真あるよー、えとね、こっちに私のスマホ持って来てるんだぁ」
「すまほ?」
「これだよー、ほらこの子」
「すごい、板が光ってる!、これって絵なの?、本物みたい、後ろの景色とか・・・」
「これは目で見たものを直接写し撮る・・・魔道具みたいなやつ、リィンちゃんそこに立ってて」
カシャッ
「ほら、リィンちゃんがこの中に入ったよ」
「え、うそ、私だぁ・・・これって・・・私に何か害があったりとか・・・しないよね?」
「あー、うちの世界の人も大昔は魂取られるから写すなって言う人居たけどね、私はリィンちゃんに害のあることは絶対にしないよ、知ってるでしょ」
「うん、知ってるよー」
「でもねー、これを少し・・・こうすると・・・着てる服を1枚1枚脱がすことが・・・うへへへ」
「わーん!、なんてことするのー」
「嘘だよ、ただ姿を写し取るだけ、リィンちゃん私が居た世界の大昔の人みたいだったから、ついからかいたくなっちゃったぁ」
「っていうかさ、リゼちゃん今日眼帯どうしたの?、左目瞑ってるし・・・」
「あぁ、これね、隠れてる街で熊さんに襲われて燃えちゃったんだぁ、今新しく作ってるとこ」
「熊ぁ!、・・・ってあなた安全のために隠れてるんでしょ!、なんで熊に襲われるの!、それ王都に居た方がよくない?」
「あー、確かにそうだけど私にとっては熊や魔獣より男の人の方が怖いの、それにあの街、居心地良くて気に入っちゃったんだよね」
「あ、そういえばリゼちゃん、魔法陣読めるよね、これ何か分かる?、指輪の内側にあるやつ、今日お父様から渡されたの、王位継承権がある人全員に配ってるみたい」
「・・・え、これ?、陛下から?・・・、何だろう、凄い複雑な魔法陣・・・、でもこれ私が読んでいいやつなの?、知っちゃったら消されるやつじゃないの?」
「いや、そこまでのものじゃないと思うけど・・・」
「・・・ちょっと魔法陣を拡大して展開するね、・・・ほい」
「わー、おっきな魔法陣だねー、この指輪何で渡されたのか聞いてないんだー、もしかしてヤバいやつだったら私知らずに何かやらかしそうで・・・」
「・・・えーと、何重にもダミーのコメントが入ってて解読が凄く難しいなぁ、これ作った人天才なのです!」
「えー、そんな凄いやつなの?」
「うん、魔力を流すと対象の魔道具が作動して・・・、最初は苦痛を与えるのです!、それで、さらに魔力を強く加えると死んじゃう、・・・だから・・・魔力を流すと光るこの指輪の魔石の色が赤から白になるのが合図ね、これが白く光ってるのに更に魔力かけたら死んじゃう、あ、これは使用条件もつけられてるね、・・・予め血液を登録してその子供や血縁の人達にしか使えないようになってる、・・・それにこの魔法陣は奴隷に・・・使う・・・首輪に・・・よく似て・・・・」
「・・・リゼちゃん、・・・どうしたの凄く震えてるよ!、それに顔色が真っ青!、やだ!、どうして泣いてるの?ちょっと、大丈夫?」
「・・・うぅ・・・ぐすっ・・・ひっく・・・」
「泣き止んだ?、どうしちゃったの?、急に震えて泣き出したりして・・・大丈夫?」
「・・・うん、大丈夫、・・・リィンちゃん・・・」
「うん?」
「・・・その指輪、・・・ぐすっ・・・私を・・・殺すための魔道具・・・ひっく・・・何で?・・・私聞いてない・・・ひどいよ・・・うぅ・・・もうやだぁ・・・」
「・・・嘘、・・・じゃぁ指輪が配られてる人は・・・みんなあなたを殺すことができるの?」
「・・・うん、・・・ぐすっ・・・そうなの、・・・それに、・・・私に苦痛を与えて・・・無理やり・・・言う事を聞かせる事も・・・できると思う・・・奴隷みたいに、・・・私は・・・逆らえないの・・・」
「でも私たち王族があなたにそんな事するわけないじゃない、私の命の恩人だし、みんなあなたに感謝してるのに・・・」
「・・・それは知ってるの、・・・でも・・・王族って・・・陛下と、リィンちゃんと、・・・王太子殿下だけ?、・・・違うよね」
「叔父様はお父様の弟だし、そんなことする人じゃないよ・・・」
「・・・それに・・・ぐすっ・・・未来の・・・王族の人達が・・・私に酷いこと・・・するかも・・・ひっく・・・うぅ・・・、幼女趣味の人とか・・・いたら、私の身体を舐め回したり・・・、い・・・いやらしい事をさせられたり・・・ふぇぇ・・・」
「いや、そんな時は腕輪外したらいいじゃん」
「・・・せないの」
「え?」
「・・・うぅ・・・これ、・・・一度付けたら一生外れないの・・・」
「わー!、そんなヤバいの何で付けたのよ?」
「・・・私が、博士の説明を最後まで聴かないで付けちゃったから、・・・博士も渡す時にしか言ってくれてなくて、言うの忘れてたって・・・」
「それにしても酷すぎる!、これはリゼちゃんの信頼を損ねる行為だよ、腕輪にこんなの付けようって考えたの誰だろう?」
「でもね、・・・分からなくは無いかな、・・・もし私が誰かに操られたり、ぐすっ・・・おかしくなって暴れて国に害を与えようとか、・・・それとリィンちゃんを人質にされたりしたなら・・・暴走して暴れたりするかもしれないし、・・・そんな時押さえ付けたり、殺せないと・・・危ないかなって、私でも思うし」
「じゃぁドックさんかな?、でもそれならリゼちゃんに言うでしょ、お父様は・・・まぁ誰かに提案されたら、一応つけとくかぁ、使わなきゃそれでいいし・・・って言いそうだし、宰相の大叔父様は・・・何考えてるかわかんないんだよねーあの人、お祖父様の弟だからあまり話した事ないや、王位継承権は・・・あれ、持ってたかな?」
「でね、・・・リィンちゃん、私がこの事を知ったっていうの・・・誰にも言わないで欲しい・・・」
「なんで?」
「この機能を腕輪につけた人・・・何を考えてそうしたのかなって、・・・私の暴走を止めるって言うのが一番都合のいい理由付けだよね、・・・博士もそんなこと指摘されて安全装置を付けろって言われたら断れないだろうし、・・・でも誰かが私に言う事を聞かせたくて付けたんだったら、私が知っちゃうと別の何かを仕掛けて来そうで・・・怖いの」
「お父様には?」
「陛下だったら言ってもいいかな、私も可愛がってもらってるし・・・そうだ!、リィンちゃん、これをネタにして旅行に行く許可を取ったら?、陛下はこの腕輪の事を知ってる筈だから・・・、私の親友になんてことしてくれたんだ!、彼女凄く悲しんでるぞ!、心を癒すために私と2人で旅行に行って慰めて来る!って言うの・・・どう?」
「ひゃっほう!、それ良い!、リゼちゃん天才!、私、明日早速お父様に言って許可と資金を奪い取ってくるね!、リゼちゃんと旅行楽しみだなぁ!、何着ていこう!、ふふふー」
「・・・リィンちゃん、悪い顔になってるよ、・・・陛下を責めるのも程々にね・・・」
「でも、私怒ってるんだぁ、この事でリゼちゃん傷ついたと思う、・・・王族を嫌いにならないでね・・・」
「・・・大丈夫だよ、私はただ目立たず平穏に暮らしたいだけだから、王族の人達をどうこうっていうのは全然ないなぁ、・・・あ、もうこんな時間だ、私そろそろ帰るね」
「うん、結果はお手紙か、また来てくれた時に言うよ、じゃぁね!」
「あ、リゼルくん!、おかえりっす!」
「・・・ただいま・・・シャルロットさん・・・、ちょっと疲れちゃったから・・・お部屋でお夕飯まで休んでるね・・・」
「了解っす!」
バタン・・・
「うぅ・・・酷いよ博士、・・・こんなの・・・もう、・・・誰も信用できないよ・・・ぐすっ・・・」
「ねぇ、これ何?」
私は今朝お部屋に小さな箱を持ってきて私に手渡した執事さんに聞きました。
「陛下から姫様に、大事なものなので責任を持って管理し、できるだけ身につけておくようにと・・・王位継承権のある方々全員に渡すよう命じられたものです」
手渡された箱の蝋封を切り、開けると赤い石のついた指輪が入っていました、石だけじゃなく指輪も全体的に赤いですね。
「指輪?、・・・よくわかんないけど持ってればいいのね」
「はい」
「何のためにっていうのは・・・聞いてる?」
「いえ、私は姫様にお渡しし、先ほどのお言葉を伝えるようにとだけ・・・」
「・・・ふーん、ま、いいわ、今度お父様に会ったら聞いてみるね、わざわざありがとう」
「では失礼致します・・・」
・・・バタン
「王位継承権・・・、ヴィンスお兄様は放棄されたから、・・・お父様を除くと、今はマナサマーお兄様と、私と、叔父様でしょ、他には・・・大叔父様?、・・・うーん、あと誰だっけ?、分かんないや、・・・でも良く考えたら私って王位継承権2位じゃん!、もし万一マナサマーお兄様に何かあったら次の王様私?、いやいやありえないっしょ、そんな事になったら国が滅びちゃうよー、あははは」
「あれ?、指輪の裏になんか魔法陣が彫ってあるなぁ、魔道具?、これ魔力通した瞬間ぺかーって光って周りのもの破壊したりしないよね、・・・でもそんな危険な奴だったら前もって注意するよね、特に私は迂闊だからやらかさないようにって・・・、ほんとに何だろ?」
ペかー!
「あ、空間転移魔法陣光ってる、リゼちゃん遊びに来たんだね、来ちゃダメな時は上に何か置いておくか魔法陣光った時に足で踏めって言われてたけど、まだ一度もやった事ないや・・・、そういえば刺客や群がってくる強欲貴族達から逃げるためにしばらく身を隠すって言ってたなぁ」
「やっほー、リィンちゃん、遊びに来たよー」
「わー、リゼちゃん久しぶりー、って何そのいかつい腕輪!、男の子みたいな格好してるし」
「・・・やっぱり目立つよねー、これは防御結界の魔道具、博士が作ってくれたんだぁ、これ付けてると斬られても魔法撃たれても無傷なの、これでもう私、不老不死な上に無敵だよ、凄いでしょ!、・・・あと、この格好は隠れてる街では男の子っていう設定、見ててね、・・・コホン・・・やぁリィンちゃん、僕の名前はリゼルだよ、よろしくね!」
「きゃー、かわいい!、男の子っぽい格好すごく似合ってるよ!、私こんな弟欲しかったんだぁ!」
私はあまりの可愛さにリゼちゃんに抱きついて頭を撫でまわしました。
「うぁー、リィンちゃん、やめるのですー」
「でも良くできてるねー、空間転移の魔法陣、お部屋の隅に設置してるけど、さっき来た執事さんやお掃除のメイドさん達全然気付いてないよ」
「うん!、いいでしょ、転移の魔法陣を設置して、その上から隠蔽の魔法陣で覆ってるの、魔法騎士団の人達だったら気付くかもしれないけどね、でも陛下には許可とってあるから見つかっても怒られないだろうし」
「・・・で、これに乗って私も向こうに転移したいって前にお願いしたと思うけど、どう?」
「・・・あー、流石にそれやっちゃうと陛下に怒られるんだよねー、一応リィンちゃん王女様だし、勝手に向こうの街に転移させて何かあったら私、責任取れないし、リィンちゃんから陛下にお願いしていいよってなったらできるけど・・・」
「あーん、お父様が許可くれるわけないじゃん!、危ないからダメっていうに決まってるし!、わーたーしーはー、お忍びでいろんなところ遊びに行きたいのー、このお部屋で居るの退屈なのー!」
「いくら私が無敵になっても、いきなりリィンちゃん襲われたら対応できないよ、護衛の騎士様と一緒なら・・・って言ってもその人を一緒に連れ回すの申し訳ないだろうし、リィンちゃんが騎士様に時間外のお給料払うの?」
「・・・うぅ、でも私も色んなところ行きたいの・・・」
「なら頑張って陛下を説得しようね、・・・あと、はいお土産」
「何これ?」
「向こうの街で人気のやつ、博士もお気に入り、小魚を煮詰めて干したやつなんだぁ、頭からボリボリいけるよ、港町だから食べ物がすごく美味しいのです!」
「・・・頭からって抵抗あるね、・・・・あ、本当に美味しい!」
「でしょ!、気に入ったのならまたもってきてあげるよ」
「・・・うんお願い、・・・まぁ、執事長さんに見つかったら大変だろうけどね、毒見役を呼んで確認してください!って」
「あー!、これ食べてリィンちゃんに何かあったら、・・・もしかして私、死刑?」
「ふふっ・・・今頃気づいたの?、多分そうなるね」
「・・・ダメなのです!、食べちゃダメ!、すぐ返すのです!、私死にたくないのです!」
「いやあなたもう不死身だし」
「社会的にも死ぬからダメなのです!、今の生活できなくなって夢の引きこもり計画が・・・」
「・・・冗談だよ、そんな事で死刑にならないし、私がさせないよ・・・」
「・・・ぐすっ、びっくりしたのです・・・」
「あ、そうだ!、あなたがいつも聞かせてくれてる、前世の世界、地球?、日本?には連れてってくれないの?、あそこは安全だって言ってたよね、鉄でできたおっきな鳥が空飛んでるんでしょ、行きたいなー」
「うーん、あっちも危険がない訳じゃないんだよねー、向こうにも悪い人は居るし、リィンちゃん成長して最近すっごく綺麗になったからナンパもあるだろうし、・・・それは龍之介連れてれば何とかなるかな・・・」
「ナンパ?」
「男の人が声かけてくるんだよ、ヘイ彼女!、お茶しない!って、前世の私は一度もなかったけどね、リィンちゃんは歩いてるだけで多分わらわら集まって来るよ」
「それあなたがいつもやってるじゃん、リィンちゃんお茶しようよって・・・」
「ちがーう!、男の人は獣なの、女の人を食べちゃうんだよ!」
「・・・(食べられる?・・・獣人がいるのかな)」
「まぁ、そんなに行きたいって言うなら私と一緒に旅行に行ってきまーす?、みたいな感じで陛下に相談してみよう、2泊3日くらいあれば私の家の近くで楽しそうなところ案内できるかな、許可が出たら連れてってあげる、護衛の人はあのトリエラさんって人でいいの?、あ、剣は持ってきちゃダメだよ、捕まるから」
「うん、ムッツリーノさんも行きたがるだろうけど、・・・あなた男の人ダメでしょ」
「・・・そうだね、ごめんね手間をかけて、ムッツリーノさんにも謝っておいて、こっちからは私の弟にお願いしようと思ってるの、見た目がいかついから多分男の人は寄ってこないかな」
「弟さん?、コナンザくん?、あの子いかつかったっけ?」
「違う違う、向こうの世界の弟、龍之介って言うの、私のかわいい弟!、もちろんコナンザも可愛いし愛してるけどね!」
「リュウノスーケさん?」
「写真あるよー、えとね、こっちに私のスマホ持って来てるんだぁ」
「すまほ?」
「これだよー、ほらこの子」
「すごい、板が光ってる!、これって絵なの?、本物みたい、後ろの景色とか・・・」
「これは目で見たものを直接写し撮る・・・魔道具みたいなやつ、リィンちゃんそこに立ってて」
カシャッ
「ほら、リィンちゃんがこの中に入ったよ」
「え、うそ、私だぁ・・・これって・・・私に何か害があったりとか・・・しないよね?」
「あー、うちの世界の人も大昔は魂取られるから写すなって言う人居たけどね、私はリィンちゃんに害のあることは絶対にしないよ、知ってるでしょ」
「うん、知ってるよー」
「でもねー、これを少し・・・こうすると・・・着てる服を1枚1枚脱がすことが・・・うへへへ」
「わーん!、なんてことするのー」
「嘘だよ、ただ姿を写し取るだけ、リィンちゃん私が居た世界の大昔の人みたいだったから、ついからかいたくなっちゃったぁ」
「っていうかさ、リゼちゃん今日眼帯どうしたの?、左目瞑ってるし・・・」
「あぁ、これね、隠れてる街で熊さんに襲われて燃えちゃったんだぁ、今新しく作ってるとこ」
「熊ぁ!、・・・ってあなた安全のために隠れてるんでしょ!、なんで熊に襲われるの!、それ王都に居た方がよくない?」
「あー、確かにそうだけど私にとっては熊や魔獣より男の人の方が怖いの、それにあの街、居心地良くて気に入っちゃったんだよね」
「あ、そういえばリゼちゃん、魔法陣読めるよね、これ何か分かる?、指輪の内側にあるやつ、今日お父様から渡されたの、王位継承権がある人全員に配ってるみたい」
「・・・え、これ?、陛下から?・・・、何だろう、凄い複雑な魔法陣・・・、でもこれ私が読んでいいやつなの?、知っちゃったら消されるやつじゃないの?」
「いや、そこまでのものじゃないと思うけど・・・」
「・・・ちょっと魔法陣を拡大して展開するね、・・・ほい」
「わー、おっきな魔法陣だねー、この指輪何で渡されたのか聞いてないんだー、もしかしてヤバいやつだったら私知らずに何かやらかしそうで・・・」
「・・・えーと、何重にもダミーのコメントが入ってて解読が凄く難しいなぁ、これ作った人天才なのです!」
「えー、そんな凄いやつなの?」
「うん、魔力を流すと対象の魔道具が作動して・・・、最初は苦痛を与えるのです!、それで、さらに魔力を強く加えると死んじゃう、・・・だから・・・魔力を流すと光るこの指輪の魔石の色が赤から白になるのが合図ね、これが白く光ってるのに更に魔力かけたら死んじゃう、あ、これは使用条件もつけられてるね、・・・予め血液を登録してその子供や血縁の人達にしか使えないようになってる、・・・それにこの魔法陣は奴隷に・・・使う・・・首輪に・・・よく似て・・・・」
「・・・リゼちゃん、・・・どうしたの凄く震えてるよ!、それに顔色が真っ青!、やだ!、どうして泣いてるの?ちょっと、大丈夫?」
「・・・うぅ・・・ぐすっ・・・ひっく・・・」
「泣き止んだ?、どうしちゃったの?、急に震えて泣き出したりして・・・大丈夫?」
「・・・うん、大丈夫、・・・リィンちゃん・・・」
「うん?」
「・・・その指輪、・・・ぐすっ・・・私を・・・殺すための魔道具・・・ひっく・・・何で?・・・私聞いてない・・・ひどいよ・・・うぅ・・・もうやだぁ・・・」
「・・・嘘、・・・じゃぁ指輪が配られてる人は・・・みんなあなたを殺すことができるの?」
「・・・うん、・・・ぐすっ・・・そうなの、・・・それに、・・・私に苦痛を与えて・・・無理やり・・・言う事を聞かせる事も・・・できると思う・・・奴隷みたいに、・・・私は・・・逆らえないの・・・」
「でも私たち王族があなたにそんな事するわけないじゃない、私の命の恩人だし、みんなあなたに感謝してるのに・・・」
「・・・それは知ってるの、・・・でも・・・王族って・・・陛下と、リィンちゃんと、・・・王太子殿下だけ?、・・・違うよね」
「叔父様はお父様の弟だし、そんなことする人じゃないよ・・・」
「・・・それに・・・ぐすっ・・・未来の・・・王族の人達が・・・私に酷いこと・・・するかも・・・ひっく・・・うぅ・・・、幼女趣味の人とか・・・いたら、私の身体を舐め回したり・・・、い・・・いやらしい事をさせられたり・・・ふぇぇ・・・」
「いや、そんな時は腕輪外したらいいじゃん」
「・・・せないの」
「え?」
「・・・うぅ・・・これ、・・・一度付けたら一生外れないの・・・」
「わー!、そんなヤバいの何で付けたのよ?」
「・・・私が、博士の説明を最後まで聴かないで付けちゃったから、・・・博士も渡す時にしか言ってくれてなくて、言うの忘れてたって・・・」
「それにしても酷すぎる!、これはリゼちゃんの信頼を損ねる行為だよ、腕輪にこんなの付けようって考えたの誰だろう?」
「でもね、・・・分からなくは無いかな、・・・もし私が誰かに操られたり、ぐすっ・・・おかしくなって暴れて国に害を与えようとか、・・・それとリィンちゃんを人質にされたりしたなら・・・暴走して暴れたりするかもしれないし、・・・そんな時押さえ付けたり、殺せないと・・・危ないかなって、私でも思うし」
「じゃぁドックさんかな?、でもそれならリゼちゃんに言うでしょ、お父様は・・・まぁ誰かに提案されたら、一応つけとくかぁ、使わなきゃそれでいいし・・・って言いそうだし、宰相の大叔父様は・・・何考えてるかわかんないんだよねーあの人、お祖父様の弟だからあまり話した事ないや、王位継承権は・・・あれ、持ってたかな?」
「でね、・・・リィンちゃん、私がこの事を知ったっていうの・・・誰にも言わないで欲しい・・・」
「なんで?」
「この機能を腕輪につけた人・・・何を考えてそうしたのかなって、・・・私の暴走を止めるって言うのが一番都合のいい理由付けだよね、・・・博士もそんなこと指摘されて安全装置を付けろって言われたら断れないだろうし、・・・でも誰かが私に言う事を聞かせたくて付けたんだったら、私が知っちゃうと別の何かを仕掛けて来そうで・・・怖いの」
「お父様には?」
「陛下だったら言ってもいいかな、私も可愛がってもらってるし・・・そうだ!、リィンちゃん、これをネタにして旅行に行く許可を取ったら?、陛下はこの腕輪の事を知ってる筈だから・・・、私の親友になんてことしてくれたんだ!、彼女凄く悲しんでるぞ!、心を癒すために私と2人で旅行に行って慰めて来る!って言うの・・・どう?」
「ひゃっほう!、それ良い!、リゼちゃん天才!、私、明日早速お父様に言って許可と資金を奪い取ってくるね!、リゼちゃんと旅行楽しみだなぁ!、何着ていこう!、ふふふー」
「・・・リィンちゃん、悪い顔になってるよ、・・・陛下を責めるのも程々にね・・・」
「でも、私怒ってるんだぁ、この事でリゼちゃん傷ついたと思う、・・・王族を嫌いにならないでね・・・」
「・・・大丈夫だよ、私はただ目立たず平穏に暮らしたいだけだから、王族の人達をどうこうっていうのは全然ないなぁ、・・・あ、もうこんな時間だ、私そろそろ帰るね」
「うん、結果はお手紙か、また来てくれた時に言うよ、じゃぁね!」
「あ、リゼルくん!、おかえりっす!」
「・・・ただいま・・・シャルロットさん・・・、ちょっと疲れちゃったから・・・お部屋でお夕飯まで休んでるね・・・」
「了解っす!」
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「うぅ・・・酷いよ博士、・・・こんなの・・・もう、・・・誰も信用できないよ・・・ぐすっ・・・」
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