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モテキ
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日曜日の早朝、まだ夢の中にも関わらず芳喜が訪ねてきた。パジャマだし、髪の毛はボサボサのままだ。
「早過ぎじゃない?」
「落ち着かなくて」
「初デートかよ!」
なんてツッコミを入れつつ、追い返すわけにもいかないので部屋の中に入ってもらった。せめて身なりだけでも整えて、朝食のために用意しておいたパンとお湯を注ぐだけのスープを出す。
「相変わらず、このパン好きだな」
「近いし、美味しいから」
元恋人らしい会話なんてやめて欲しい。内心気まずい思いはしているが、大人なので表情には出さない。そう思っているのに、手はミルク入りの砂糖なしのコーヒーを無意識のうちに淹れている。相手の好みを知っているなんて、まるで三文小説のようだ。
「本当に行くのかよ」
「行かなきゃ、話が進まないじゃない」
「進めるなよ」
「……」
むっすと真一文字に結んだ口元は、芳喜の拗ねている表情だ。私ははぁと心の中でため息を吐いた。運命の相手と話を進める前に、どうやらこちらの話を終わらせないといけないらしい。
「だから、私たちって別れたでしょ?」
「それは、俺が海外に行って、お前が遠距離を嫌がったからだろう?」
「じゃあ、もう海外に行かないの?違うでしょう?辞令があったら、あんた行くんでしょ?」
芳喜の悲しそうな顔を見て、ヒートアップしそうな気持が落ち着いた。追い詰めるみたいに言ってしまって、申し訳ないと思う。なにせ、芳喜のことは嫌いではないのだ。あまり傷つけたくはない。
「じゃあ、海外に行かなかったら別れないのか?」
「そうやって、聞かれても困るよ。だって、海外で働くのが夢だったんでしょ?」
私は優しく諭すように言った。惹かれ合って付き合ったのに、方や海外で働きたい、方やこの国から出たくはない。……気持ちだけでは、なかなか上手くいかないものだ。
別れる前もこうやって言い合ったことを思い出した。あれから数年は経ったのに、すぐに同じやり取りができるのは一体なぜなのか。
「だって、お前がいないと寂しい……」
「……」
私はぎゅっと顔を真ん中に寄せた。普段平然としている男の人が、二人のときには甘えてくる態度がドストライクに好きなので、そんな態度で揺さぶるのはやめてほしい。
「お前、今気持ちが揺れただろう?」
「……ユレテマセン」
私は目を瞑ったまま、首を横に振った。
「っていうか、戻って来た時にそんな態度出さなかったじゃん!」
「出せなかったんだよ!お前が普通の態度で接してくるから」
「……」
「……」
なんでこんなややこしいことになったのかと、頭を抱えたくなった。
額を手で押さえて考える人のポーズをしていると、前の方から、はぁというため息が聞こえてくる。芳喜はガタガタと椅子から立ち上がって、食器を運び始めた。どうやら、ここら辺で許してくれるらしい。私は何も言うことができず、懐かしいその背中を見ていることしかできなかった。
なんともいえない空気の中、約束の時間になったのので、私たちは喫茶店に移動した。例の男の人はもう来ている。芳喜は目を見開いて驚いていた。バンバン私の腕を叩いてくる。痛いからヤメテ欲しい。
「あいつ本当にΩなのか?」
男の人のガタイの良さを見て、Ωだとは信じられないらしい。
「本人が言うには」
芳喜は本当に詐欺じゃないか?とぶつぶつ言っている。疑う気持ちは理解できるが、ここで話していても前に進めない。
私は芳喜の背中を押して、男の人の下に向かった。
「お待たせして、すみません」
「そいつは?」
男の人は顎をしゃくった。睨みつける視線があまりにも強くて、自分が見られているわけじゃないのにビクリと体が震える。
芳喜は負けじと睨み返していて、このままではけんかに発展しそうだ。
私は慌てて腕を掴むと、芳喜を隣に座らせた。
「友人の宇部芳喜です。心配でついてきてくれて……」
紹介すると、目の前に座る男の人にじっと目を見つめられた。私はハハハと愛想笑いを零すしかない。やっぱり他の人を連れてくるのはまずかっただろうか。そう思っても、今更、芳喜に帰れとも言えない。
私はパチッと両手を叩いて空気を変えると、メニューを開いて何が飲みたいか二人に尋ねた。
「俺はアイスコーヒーで」
「………アイスココア」
男の人は意外と甘いものが好きらしい。自分はレモネードにしようと決めて、注文する。
「えっと、私は大西奈穂って言います。あなたのお名前をお聞きしても良いですか?」
あの時は予想外の話の連続で、会う約束を取り付けるだけで精一杯だった。
「久保田」
「下のお名前は?」
「ない。……『お前』とか、『おい』とかで呼ばれてたから」
「……」
「……」
私は絶句した。ちらりと横を見ると、芳喜の眉間が、ぎゅっと寄せられてえらいことになっている。
「……」
男の人の過去があまりいいものではないことは、今までの話からも明らかだった。しばらく無言で悩んだ末、ここははっきりと踏み込んだことを聞くことにした。これからこの男の人と関わっていくのなら、避けて通っても良くないだろうから。
「ご両親は?」
「いない。おっさんに育てられたから」
おっさんというのは、お母さんの弟さんらしい。どうやら望んで妊娠したわけではなかったらしく、母親は自宅で出産した後に、失踪したそうだ。
それでまたそのおっさんというのが、最悪な男だったみたい。Ωだと分かってからは男をあてがわれて金を稼ぐよう指示されたり、日常的に暴力を振るわれていたらしい。
私はあまりにも重苦しい話に、息苦しくなってきた。まるで、映画の中の話のようだ。久保田さんが淡々と話すから、余計に現実味が感じられない。
「悪かったな」
「え?」
「相手がこんな綺麗じゃない男で」
久保田さんは口の端を上げて、ハンッと自虐的に笑った。
「別に久保田さんが綺麗じゃないとは思いませんけど……。悪いのは、その叔父さんですし」
「……」
私がそう言っても、あまり久保田さんは信じていないようだ。運命だからと言って、信頼関係を築くのは時間がかかるみたいだ。
「おい」
話を変えようと思ったとき、芳喜が声を上げた。
「こいつは馬鹿みたいに人が良いんだ。嫌な態度を取って傷つけるな」
そんな風に思ってくれていたのかと、少し感動した。
「……」
再度睨み合いが勃発し、険悪な雰囲気が流れた。こんな店内で殴り合いとかは勘弁して欲しい。私が一人焦っていると、久保田さんがポツリと呟いた。
「だって、嫌なんだろう。俺と二人で会うの」
私は息を飲んで驚いた。芳喜を連れて来たことが、そんなに傷つけることだとは思っていなかった。久保田さんの落ち込む姿に、芳喜の毒気も抜かれたようだ。気まずそうに、頭を掻いている。
「えっと、ごめんなさい。傷つけるつもりはなかったんです」
運命の相手というのは、出会った瞬間に本能的に惹かれ合うものらしい。ということは、久保田さんは私に惹かれているということなんだろうか?自分はαなのにフェロモンが感じられないせいで、その辺りの感覚がよく分からなかった。私はそのことを、久保田さんにきちんと説明した。
「だから、俺が運命って分からないのか?」
「そうなんです」
私はコクコクと頷いた。
「それにしても、よく私を見つけましたよね」
「これ」
久保田さんは一枚のハンカチを取り出した。
「あ」
それは、私がマンションの前に倒れている人を介抱したときに使ったハンカチだった。落としていたと思っていたが、どうやら久保田さんが持っていたらしい。
「匂いを嗅いだときに、そうなんじゃないかと思って」
久保田さんはそう言って、ハンカチの匂いを嗅いだ。自分の匂いがついているなんて、物凄く恥ずかしいからやめて欲しい。ぎゃーと叫ぶわけにもいかず、プルプルと震えて耐えた。
αもΩほどではないが、微量のフェロモンを放っていると言われている。感じ取れるのは、Ωだけだ。
「直接に匂いを嗅いで、運命だと確信した」
久保田さんは射貫くような強い視線で、私を見た。その視線の強さに、ビクリと体が震える。久保田さんの視線はいつだって、レーザービームが出ているようだ。
嘘を吐いているようには見えないが、だからと言って素直に全てを受け入れることはできない。大人になれば、疑り深くなって嫌になる。
「それなら、病院で検査を受けてもらえませんか?」
「それで分かるのか?」
「はい」
私が頷くと、久保田さんも了承してくれた。
「そう言えば、今はどうやって生活してるんですか?」
「貯めてた金で。鞄二つ分はあるから」
鞄二つ分って、ざっくりしてるなと私は思った。きっと戸籍がないから、銀行口座も作れないのだろう。
「今のお仕事とかは?」
「逃げてきたばっかりで、まだ仕事は見つかってない」
「戸籍がないと、仕事を見つけるのは大変ですよね」
「まぁ、それは……」
久保田さんは困ったような表情を浮かべた。
「それなら、病院と合わせて、弁護士に相談しに行きませんか?」
私もどうすれば戸籍を作れるか分からないが、その道のプロに聞くのが一番のような気がする。久保田さんもよく分かっていない表情のまま、頷いていた。
最初はどうなるかと思ったが、話がまとまりそうで私はほっと安心した。
「俺もその病院とかに付き添う」
「え?」
横を向くと、芳喜が真剣な表情をしていた。彼の中では、もう決定事項らしい。
「好きにすればいい」
また久保田さんが気を悪くするんじゃないかと思ったが、驚きの返事が返ってきた。
「この人は俺の運命だ」
「だからと言って、お前の物じゃない」
あんたの物でもないけどね。と思ったが、口には出さなかった。未だ睨み合う二人の横で、私ははぁとため息を吐いた。
「早過ぎじゃない?」
「落ち着かなくて」
「初デートかよ!」
なんてツッコミを入れつつ、追い返すわけにもいかないので部屋の中に入ってもらった。せめて身なりだけでも整えて、朝食のために用意しておいたパンとお湯を注ぐだけのスープを出す。
「相変わらず、このパン好きだな」
「近いし、美味しいから」
元恋人らしい会話なんてやめて欲しい。内心気まずい思いはしているが、大人なので表情には出さない。そう思っているのに、手はミルク入りの砂糖なしのコーヒーを無意識のうちに淹れている。相手の好みを知っているなんて、まるで三文小説のようだ。
「本当に行くのかよ」
「行かなきゃ、話が進まないじゃない」
「進めるなよ」
「……」
むっすと真一文字に結んだ口元は、芳喜の拗ねている表情だ。私ははぁと心の中でため息を吐いた。運命の相手と話を進める前に、どうやらこちらの話を終わらせないといけないらしい。
「だから、私たちって別れたでしょ?」
「それは、俺が海外に行って、お前が遠距離を嫌がったからだろう?」
「じゃあ、もう海外に行かないの?違うでしょう?辞令があったら、あんた行くんでしょ?」
芳喜の悲しそうな顔を見て、ヒートアップしそうな気持が落ち着いた。追い詰めるみたいに言ってしまって、申し訳ないと思う。なにせ、芳喜のことは嫌いではないのだ。あまり傷つけたくはない。
「じゃあ、海外に行かなかったら別れないのか?」
「そうやって、聞かれても困るよ。だって、海外で働くのが夢だったんでしょ?」
私は優しく諭すように言った。惹かれ合って付き合ったのに、方や海外で働きたい、方やこの国から出たくはない。……気持ちだけでは、なかなか上手くいかないものだ。
別れる前もこうやって言い合ったことを思い出した。あれから数年は経ったのに、すぐに同じやり取りができるのは一体なぜなのか。
「だって、お前がいないと寂しい……」
「……」
私はぎゅっと顔を真ん中に寄せた。普段平然としている男の人が、二人のときには甘えてくる態度がドストライクに好きなので、そんな態度で揺さぶるのはやめてほしい。
「お前、今気持ちが揺れただろう?」
「……ユレテマセン」
私は目を瞑ったまま、首を横に振った。
「っていうか、戻って来た時にそんな態度出さなかったじゃん!」
「出せなかったんだよ!お前が普通の態度で接してくるから」
「……」
「……」
なんでこんなややこしいことになったのかと、頭を抱えたくなった。
額を手で押さえて考える人のポーズをしていると、前の方から、はぁというため息が聞こえてくる。芳喜はガタガタと椅子から立ち上がって、食器を運び始めた。どうやら、ここら辺で許してくれるらしい。私は何も言うことができず、懐かしいその背中を見ていることしかできなかった。
なんともいえない空気の中、約束の時間になったのので、私たちは喫茶店に移動した。例の男の人はもう来ている。芳喜は目を見開いて驚いていた。バンバン私の腕を叩いてくる。痛いからヤメテ欲しい。
「あいつ本当にΩなのか?」
男の人のガタイの良さを見て、Ωだとは信じられないらしい。
「本人が言うには」
芳喜は本当に詐欺じゃないか?とぶつぶつ言っている。疑う気持ちは理解できるが、ここで話していても前に進めない。
私は芳喜の背中を押して、男の人の下に向かった。
「お待たせして、すみません」
「そいつは?」
男の人は顎をしゃくった。睨みつける視線があまりにも強くて、自分が見られているわけじゃないのにビクリと体が震える。
芳喜は負けじと睨み返していて、このままではけんかに発展しそうだ。
私は慌てて腕を掴むと、芳喜を隣に座らせた。
「友人の宇部芳喜です。心配でついてきてくれて……」
紹介すると、目の前に座る男の人にじっと目を見つめられた。私はハハハと愛想笑いを零すしかない。やっぱり他の人を連れてくるのはまずかっただろうか。そう思っても、今更、芳喜に帰れとも言えない。
私はパチッと両手を叩いて空気を変えると、メニューを開いて何が飲みたいか二人に尋ねた。
「俺はアイスコーヒーで」
「………アイスココア」
男の人は意外と甘いものが好きらしい。自分はレモネードにしようと決めて、注文する。
「えっと、私は大西奈穂って言います。あなたのお名前をお聞きしても良いですか?」
あの時は予想外の話の連続で、会う約束を取り付けるだけで精一杯だった。
「久保田」
「下のお名前は?」
「ない。……『お前』とか、『おい』とかで呼ばれてたから」
「……」
「……」
私は絶句した。ちらりと横を見ると、芳喜の眉間が、ぎゅっと寄せられてえらいことになっている。
「……」
男の人の過去があまりいいものではないことは、今までの話からも明らかだった。しばらく無言で悩んだ末、ここははっきりと踏み込んだことを聞くことにした。これからこの男の人と関わっていくのなら、避けて通っても良くないだろうから。
「ご両親は?」
「いない。おっさんに育てられたから」
おっさんというのは、お母さんの弟さんらしい。どうやら望んで妊娠したわけではなかったらしく、母親は自宅で出産した後に、失踪したそうだ。
それでまたそのおっさんというのが、最悪な男だったみたい。Ωだと分かってからは男をあてがわれて金を稼ぐよう指示されたり、日常的に暴力を振るわれていたらしい。
私はあまりにも重苦しい話に、息苦しくなってきた。まるで、映画の中の話のようだ。久保田さんが淡々と話すから、余計に現実味が感じられない。
「悪かったな」
「え?」
「相手がこんな綺麗じゃない男で」
久保田さんは口の端を上げて、ハンッと自虐的に笑った。
「別に久保田さんが綺麗じゃないとは思いませんけど……。悪いのは、その叔父さんですし」
「……」
私がそう言っても、あまり久保田さんは信じていないようだ。運命だからと言って、信頼関係を築くのは時間がかかるみたいだ。
「おい」
話を変えようと思ったとき、芳喜が声を上げた。
「こいつは馬鹿みたいに人が良いんだ。嫌な態度を取って傷つけるな」
そんな風に思ってくれていたのかと、少し感動した。
「……」
再度睨み合いが勃発し、険悪な雰囲気が流れた。こんな店内で殴り合いとかは勘弁して欲しい。私が一人焦っていると、久保田さんがポツリと呟いた。
「だって、嫌なんだろう。俺と二人で会うの」
私は息を飲んで驚いた。芳喜を連れて来たことが、そんなに傷つけることだとは思っていなかった。久保田さんの落ち込む姿に、芳喜の毒気も抜かれたようだ。気まずそうに、頭を掻いている。
「えっと、ごめんなさい。傷つけるつもりはなかったんです」
運命の相手というのは、出会った瞬間に本能的に惹かれ合うものらしい。ということは、久保田さんは私に惹かれているということなんだろうか?自分はαなのにフェロモンが感じられないせいで、その辺りの感覚がよく分からなかった。私はそのことを、久保田さんにきちんと説明した。
「だから、俺が運命って分からないのか?」
「そうなんです」
私はコクコクと頷いた。
「それにしても、よく私を見つけましたよね」
「これ」
久保田さんは一枚のハンカチを取り出した。
「あ」
それは、私がマンションの前に倒れている人を介抱したときに使ったハンカチだった。落としていたと思っていたが、どうやら久保田さんが持っていたらしい。
「匂いを嗅いだときに、そうなんじゃないかと思って」
久保田さんはそう言って、ハンカチの匂いを嗅いだ。自分の匂いがついているなんて、物凄く恥ずかしいからやめて欲しい。ぎゃーと叫ぶわけにもいかず、プルプルと震えて耐えた。
αもΩほどではないが、微量のフェロモンを放っていると言われている。感じ取れるのは、Ωだけだ。
「直接に匂いを嗅いで、運命だと確信した」
久保田さんは射貫くような強い視線で、私を見た。その視線の強さに、ビクリと体が震える。久保田さんの視線はいつだって、レーザービームが出ているようだ。
嘘を吐いているようには見えないが、だからと言って素直に全てを受け入れることはできない。大人になれば、疑り深くなって嫌になる。
「それなら、病院で検査を受けてもらえませんか?」
「それで分かるのか?」
「はい」
私が頷くと、久保田さんも了承してくれた。
「そう言えば、今はどうやって生活してるんですか?」
「貯めてた金で。鞄二つ分はあるから」
鞄二つ分って、ざっくりしてるなと私は思った。きっと戸籍がないから、銀行口座も作れないのだろう。
「今のお仕事とかは?」
「逃げてきたばっかりで、まだ仕事は見つかってない」
「戸籍がないと、仕事を見つけるのは大変ですよね」
「まぁ、それは……」
久保田さんは困ったような表情を浮かべた。
「それなら、病院と合わせて、弁護士に相談しに行きませんか?」
私もどうすれば戸籍を作れるか分からないが、その道のプロに聞くのが一番のような気がする。久保田さんもよく分かっていない表情のまま、頷いていた。
最初はどうなるかと思ったが、話がまとまりそうで私はほっと安心した。
「俺もその病院とかに付き添う」
「え?」
横を向くと、芳喜が真剣な表情をしていた。彼の中では、もう決定事項らしい。
「好きにすればいい」
また久保田さんが気を悪くするんじゃないかと思ったが、驚きの返事が返ってきた。
「この人は俺の運命だ」
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