ゲームのお嬢様と入れ替わったので、お嬢様が女子高生する代わりに私は魔法学園に通います!

ミヤマ

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お嬢様の前途と続きが気になりすぎる

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いつまで夢を見ていられるか(物理)わからないので怒涛の勢いでゲームを進める。
ゲームって娯楽だと思っていた……こんなに必死こいてやらなきゃいけないものだったなんて。

とりあえず主人公エミリアの視点で話は進んでいくが、どうやら、というかどこからどう見ても、シャロンは攻略対象らしかった。
なんせ絵がある。モブではない。

シャロンに近づくなと脅されたエミリアではあったが、私のように「よし避けよう!」とはならず、助けてもらったお礼はきちんとしようと思ったり、挨拶には応えたりと譲れない律儀さがあるため、意外と距離が離れない。
そしてシャロンに絡むと、すかさずカレンがいちゃもんを付けてくる。カレンだけを避けるというのが難しい仕様のようだ。

ちなみにシャロンへのお礼は、ついつい日頃の癖が出て気安い言葉遣いで言ってしまう、というハプニング。……ここも地味に既視感がある。

『そこの平民! シャロン様に対してその態度はなんなの!? シャロン様はこの国の第6王子であらせられるのよ!』
『ええっ……!』

ええーっ!?

『わ、私、とんだご無礼を……』
『構わない。学園内では共に学徒だ、僕は級友とは対等でありたいと思っている。特別扱いする必要はない』
『で、でも……』
『お前も周囲の反感を買ってはやりにくいだろう。人目が気になるなら、無理にとは言わない。……でも、二人の時は楽にしていてくれないか? 僕は……昔から、他の皆のように気安い友人が欲しかった』
『そう……? わかった、じゃあ二人の時はそうするね!』 

エミリアはハイパー素直である。
その後もとりあえずシャロンをストーキングしていたら勝手にイベントが起きて、二人の距離はトントン拍子に縮まっていく。
勿論その度にカレンが邪魔してくるが、素直に怒ったり悲しんだりし、またそれでも決して恨みはしないエミリアに、シャロンはより一層惹かれていく。
陰では何度か悪質な嫌がらせもあったが、エミリアは意外な気丈さで困難を跳ね返し、時にはシャロンに気遣われたりして益々仲が深まり……。

……そして、あっという間に特殊イベントっぽいものまで辿り着いてしまった。
かなりイージーな感じだった。
イベントは「氷の魔法節」という、冬の節句に合わせた学園パーティーである。これが終わると学園は冬休みに入る。

学徒である令嬢たちが盛装で集まる中、平民のエミリアは夜会用のドレスなど持っていない。
ルームメイトのコニーが去年のドレスを貸してくれると言うのを断って、エミリアはパーティーの参加自体をやめるつもりでいた。
そこに突然届く、雪のような白銀のドレス。
予感を胸に、エミリアはそのドレスに身を包み「氷の魔法節」パーティーに臨む。

学年の垣根のないこのパーティーの花形は、在学中の王族――シャロンと、そのすぐ上の兄に当たる第5王子である。
王子殿下が誰とパーティーに参加するのか、ダンスに誘われるのは誰なのか、学園の女子達は気になって仕方がない。

第5王子はプレイボーイ的な性格らしく、沢山の女の子に囲まれている。
対してシャロンは一人で会場に現れた。
カレンがすかさず寄っていくが、シャロンは興味がなさそうにカレンをあしらう。大勢の前で恥をかかされ真っ赤になるカレン(私としては複雑な心境である)。
しかし、めげずになんと「婚約者をお探しなら私を」としなを作って自分を売り込む!

シャロンは婚約者がいないのだった。
氷の魔法節パーティーになぜ女子が色めき立つかと言えば、美しく着飾って王子様の目に留まればあるいは……という明確な下心がある為である。

『シャロン殿下……』

人に囲まれるシャロンをじっと見つめるエミリア。
すると人垣の隙間から、冷たくも美しい氷のような色の瞳がエミリアを捉える。
ビロードの夜会服の胸元には、エミリアのドレスの生地によく似た白銀の造花――。

シャロンはエミリアの方へ歩いて来た!
ダンスを申し込むのか、手を差し出した所で……

『その女は絶対に「魅了持ち」よ! 殿下は騙されているのだわ!』

突然そんな叫びが上がり、会場が静まり返る。
台詞を放ったのはカレンだ。シャロンに選ばれるエミリアがどうしても許せないらしい。
しかしなんとシャロンがエミリアを庇い、そればかりかこれまでのエミリアへの嫌がらせの証拠を突きつけ、首謀者がカレンだと公にした。
カレンのやり方は外部の人間を学園内に引き入れるものだったり、その手下が違法な魔術を用いた呪具を使っていたりと様々な問題があったため、後日裁判に掛けられることとなった。

カレンはこれをきっかけに退学となり、家名に傷をつけたと生家からも追い出され、転落人生を歩むこととなった――と後日談に添えられていた。

……まあそれは後のこととして。
パーティーシーンはまだ続いている。
シャロンは胸の花を取ってエミリアの髪に挿しながら語るのだ。

『エミリア。僕は……まだ、お前に伝えていないことがある。なぜ僕がこの学園にいるのか、王族なのになぜ未だ伴侶となるべき者が決まっていないのか。そして――この姿は偽りであるということも、まだ』
『(偽り――?)』

………………
………………。
というところでなぜか暗転、エンディングが流れ始めた。
ちょっ、こんな半端な所で!?

END1 ~氷雪の序章~


 *


「……つ、つづきぃーっ!!」
「カレン様、寝言酷いですね」
「ふがっ!」

目を開けると、メイドのマリアがカーテンを束ねながら能面のような無表情で私を見下ろしていた。窓から入る朝日が目を突き刺してくる。

「あ、朝……」
「おはようございます。カレン様、涎も酷いですね」
「じゅるっ」

うーん! 寝た気がしねえ!
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