14 / 23
14
しおりを挟む
「まぁまぁ、皆さん、落ち着きましょう」
冷静な声で王子との言い合いを止めに入ったのは、最初に食事の始まりを告げた男性だった。
全員が戦々恐々とする中、一人涼しげな顔でその場を観察していた男性を王子は「叔父上」と呼んだ。
叔父ということはこの人がハリス公か、と顔をじっくりと確認する。現国王の弟。確かに少し王子と似ている顔付きだ。
セシルが信頼を置く相手。それだけではなく、王族の誰もが彼の一言で騒ぐのをやめた。
この中で一番、発言力を持ち合わせているのが彼なのだろう。
温厚で賢い人。セシルの言う通りなら彼はこの場をどう収めるつもりだろうか。
「ノア王子はまだ若い。恋愛に溺れるのも若さゆえ。手練れの男娼に骨抜きにされるのも致し方のないことです」
シアンは我が耳を疑った。
(どこが温厚だって?)
思い切り王子とシアンを卑下した台詞に怒鳴りつけて否定したい衝動をグッと抑えた。
ここで感情任せになにかを言えば余計、王子の立場を悪くする。
「熱病のようなものです。少し時間が経てば熱も冷めて落ち着くでしょう。皆さんの心痛、よくわかりますがここは若い王子の後学のためにも見守ってあげようではありませんか」
自分だけが馬鹿にされるなら耐えられる。しょせん、奴隷育ちだ。今までだって侮蔑の目で見られてきたから慣れている。
けれど、王子が馬鹿にされるのは我慢できない。それも自分をそばに置いたせいで、馬鹿にされるなんて。
しかし今ここでできることは何もない。悔しくて唇を噛みしめていると王子の額から一筋、汗が流れた。
ハッとして王族たちを見ると王子の流した汗には気が付かず、シアンを横目で見ながらひそひそとあざ笑っている。
笑われるくらい平気だ。男娼と言われても痛くもかゆくもない。
今はそんなことより、確実に毒を含んで冷や汗を流す王子の治療をしなければ。
このままではこの場で倒れてしまう。いつもより顔色も悪い。震えもだんだん、強くなってきている。
今までずっと食事の場で弱ったところを見せずにいた王子を、自分が隣にいる今日この時に見せるわけにはいかない。
これは自分に与えられた試練であり、使命だ。
そう思うと身体が勝手に動いた。
「王子、わたしは王子に食べさせてほしいのですが、ダメですか?」
猫なで声で周りなど気にせず王子の腕にそっと手を置いて上目遣いで見つめる。
男娼だと言うのならそれを演じて見せよう。
甘えてしな垂れる、誰をも虜にする赤い髪の男娼に。
「ああ、構わない」
王子は自分用に並べられた器から煮込み料理に入っていた鶏肉をフォークに刺してシアンの口元に運んだ。
シアンはそれを一口で食べて、すぐに飲み込んだ。毒の味はしないけれどシアンに出された同じ煮込み料理とは明らかに味が違った。毒を入れたせいで味が変わったのだ。
自分に毒を中和する力があるなら、どんな毒を口に入れても中和できるはず。ならば飲み込んだ方が早く中和できる。
突然、目の前で食べさせあいをし出した二人をけしからないという目で見る王族たち。その中の何人が焦っているだろう。王子に食べさせるはずの料理をシアンが口にしたのだから。
これでもし、シアンが体調不良を訴え心配した王子が医師に診せ毒だとわかれば王子の食事に毒が混入されていたことが表沙汰になってしまう。
今まで王子だけだったからこそ大事にならなかったものが、王子が選んだ妻候補まで巻き込めばどうなるか。
「王子、次は口移しでお願いします」
ニコリと微笑み、席を立つとシアンは王子の膝の上に座って首に腕を巻き付けた。
「王子に無礼だぞ!!」
野太い男の大声にそちらを見て、シアンは強気に笑んだ。
「無礼とは、なんのことでしょう? わたしは世間知らずですのでなにが無礼なのかわかりません。教えていただけませんか?」
言いながらフォークで鶏肉を刺し、王子の口元に運ぶ。
王子がそれを口に含んで、少し噛んでからシアンに口移しする。
素早く飲み込むと、まだ口の中に鶏肉があるように見せかけながら深く口付けて唾液を王子に吸わせる。
端から見れば恋人同士が口付けをしているだけに見えるその行為。
「王子、戯れもほどほどにされてはいかがですか」
ハリス公が静かに、しかし低く怒気を込めながら言った。
「無礼ですよ、王子は今、わたしと食事中。それにただの熱病ではありませんか。見守ってやるのが御尊老の役目では?」
王子を守るためなら何も怖くなかった。
毒からしか守れないけれど、ここで今すぐ治療のための口付けができるのならセシルが信頼を置くハリス公でも関係ない。
王子の命を守るためにここに来て、心にそっと温もりを住まわせたのだ。今ここで何もできなければいる意味がない。
口付けを再開して、王子の震えが止まるまでそれを続けた。誰がなんと言おうと、呆れた表情をしようとどうでも良かった。
王族全員を敵にしても怖くない。
怖いのは王子が毒で死んでしまうことだ――。
「このままその男娼に好き勝手させるのであれば、王位継承について考え直さなければなりませんな」
馬鹿馬鹿しいと次々に席を立って部屋をあとにしようとする王族たちにわざと聞こえるようにハリス公は声を張った。
全員がピタリと足を止め、王子とハリス公を見やる。
治療が終わって顔色の戻った王子がシアンを膝に乗せたまま真面目な顔をして、王族たち全員を見回し、最後にハリス公を見据えた。
「叔父上、私を王位継承候補から外すと言うのですか?」
「外すなど、私の権限ではできかねます。しかし、皆が王子に不満を抱けばそうなってもおかしくはありませんよ。どうか王位継承者として賢明であられるように」
「賢明、とは? 人を恋い慕うことは賢明ではないと?」
「そうではありません。そのような身分の卑しい者を娶るような愚行はなされますなと言いたいのです」
しんとした空気に二人の声だけが響く。
張り詰めて今にもはち切れそうな糸の上を歩いている気分で王子の膝の上で卑しい男娼の真似事をし続けるシアンは、平気な顔で王子にしなだれかかる。
「しかもその者は男。どうやっても子は成せないのです。誰が認めるというのですか。王家の血を絶やすおつもりか。それならばどうか継承の権利を放棄なさってからにして頂きたい」
空気がさらに張り詰める。王位の継承の権利、その言葉が出るたびに。
「さて……私が継承権を放棄したとして誰が次期国王になると? まだ幼い弟二人ですか? それはさすがに無理でしょう、なんせまだ一歳の子と乳飲み子。だとするとその次の候補は……」
一体何人、国王には子供がいるんだと呆れてしまったが、いつ誰が暗殺されたり病気で伏せるかわからない。子供は多い方が国王としては安心なのかもしれない。
「ああ、叔父上になりますね」
含み笑いでハリス公を見た王子に、ニヤリと口角を上げて答えないハリス公。
「ですが、私は放棄などしませんよ。どんな妨害があろうと必ず次の王になってみせます」
言い切ったところで王子はシアンを抱き上げて席を立った。突然、立ち上がるので落ちそうになりながらもなんとか平然な顔を崩さずに王子にしがみついた。
「そろそろ失礼します。シアンがもう飽きたようなので」
踵を返して早足でその場を去る王子。その肩越しからシアンはハリス公と目が合った。
ハリス公は怪しげな笑みを浮かべたままシアンを見ていた。すぐに視線を逸らしたシアンとは対照的に、部屋を出るまでの間いつまでもハリス公の視線はシアンを追っていた。
冷静な声で王子との言い合いを止めに入ったのは、最初に食事の始まりを告げた男性だった。
全員が戦々恐々とする中、一人涼しげな顔でその場を観察していた男性を王子は「叔父上」と呼んだ。
叔父ということはこの人がハリス公か、と顔をじっくりと確認する。現国王の弟。確かに少し王子と似ている顔付きだ。
セシルが信頼を置く相手。それだけではなく、王族の誰もが彼の一言で騒ぐのをやめた。
この中で一番、発言力を持ち合わせているのが彼なのだろう。
温厚で賢い人。セシルの言う通りなら彼はこの場をどう収めるつもりだろうか。
「ノア王子はまだ若い。恋愛に溺れるのも若さゆえ。手練れの男娼に骨抜きにされるのも致し方のないことです」
シアンは我が耳を疑った。
(どこが温厚だって?)
思い切り王子とシアンを卑下した台詞に怒鳴りつけて否定したい衝動をグッと抑えた。
ここで感情任せになにかを言えば余計、王子の立場を悪くする。
「熱病のようなものです。少し時間が経てば熱も冷めて落ち着くでしょう。皆さんの心痛、よくわかりますがここは若い王子の後学のためにも見守ってあげようではありませんか」
自分だけが馬鹿にされるなら耐えられる。しょせん、奴隷育ちだ。今までだって侮蔑の目で見られてきたから慣れている。
けれど、王子が馬鹿にされるのは我慢できない。それも自分をそばに置いたせいで、馬鹿にされるなんて。
しかし今ここでできることは何もない。悔しくて唇を噛みしめていると王子の額から一筋、汗が流れた。
ハッとして王族たちを見ると王子の流した汗には気が付かず、シアンを横目で見ながらひそひそとあざ笑っている。
笑われるくらい平気だ。男娼と言われても痛くもかゆくもない。
今はそんなことより、確実に毒を含んで冷や汗を流す王子の治療をしなければ。
このままではこの場で倒れてしまう。いつもより顔色も悪い。震えもだんだん、強くなってきている。
今までずっと食事の場で弱ったところを見せずにいた王子を、自分が隣にいる今日この時に見せるわけにはいかない。
これは自分に与えられた試練であり、使命だ。
そう思うと身体が勝手に動いた。
「王子、わたしは王子に食べさせてほしいのですが、ダメですか?」
猫なで声で周りなど気にせず王子の腕にそっと手を置いて上目遣いで見つめる。
男娼だと言うのならそれを演じて見せよう。
甘えてしな垂れる、誰をも虜にする赤い髪の男娼に。
「ああ、構わない」
王子は自分用に並べられた器から煮込み料理に入っていた鶏肉をフォークに刺してシアンの口元に運んだ。
シアンはそれを一口で食べて、すぐに飲み込んだ。毒の味はしないけれどシアンに出された同じ煮込み料理とは明らかに味が違った。毒を入れたせいで味が変わったのだ。
自分に毒を中和する力があるなら、どんな毒を口に入れても中和できるはず。ならば飲み込んだ方が早く中和できる。
突然、目の前で食べさせあいをし出した二人をけしからないという目で見る王族たち。その中の何人が焦っているだろう。王子に食べさせるはずの料理をシアンが口にしたのだから。
これでもし、シアンが体調不良を訴え心配した王子が医師に診せ毒だとわかれば王子の食事に毒が混入されていたことが表沙汰になってしまう。
今まで王子だけだったからこそ大事にならなかったものが、王子が選んだ妻候補まで巻き込めばどうなるか。
「王子、次は口移しでお願いします」
ニコリと微笑み、席を立つとシアンは王子の膝の上に座って首に腕を巻き付けた。
「王子に無礼だぞ!!」
野太い男の大声にそちらを見て、シアンは強気に笑んだ。
「無礼とは、なんのことでしょう? わたしは世間知らずですのでなにが無礼なのかわかりません。教えていただけませんか?」
言いながらフォークで鶏肉を刺し、王子の口元に運ぶ。
王子がそれを口に含んで、少し噛んでからシアンに口移しする。
素早く飲み込むと、まだ口の中に鶏肉があるように見せかけながら深く口付けて唾液を王子に吸わせる。
端から見れば恋人同士が口付けをしているだけに見えるその行為。
「王子、戯れもほどほどにされてはいかがですか」
ハリス公が静かに、しかし低く怒気を込めながら言った。
「無礼ですよ、王子は今、わたしと食事中。それにただの熱病ではありませんか。見守ってやるのが御尊老の役目では?」
王子を守るためなら何も怖くなかった。
毒からしか守れないけれど、ここで今すぐ治療のための口付けができるのならセシルが信頼を置くハリス公でも関係ない。
王子の命を守るためにここに来て、心にそっと温もりを住まわせたのだ。今ここで何もできなければいる意味がない。
口付けを再開して、王子の震えが止まるまでそれを続けた。誰がなんと言おうと、呆れた表情をしようとどうでも良かった。
王族全員を敵にしても怖くない。
怖いのは王子が毒で死んでしまうことだ――。
「このままその男娼に好き勝手させるのであれば、王位継承について考え直さなければなりませんな」
馬鹿馬鹿しいと次々に席を立って部屋をあとにしようとする王族たちにわざと聞こえるようにハリス公は声を張った。
全員がピタリと足を止め、王子とハリス公を見やる。
治療が終わって顔色の戻った王子がシアンを膝に乗せたまま真面目な顔をして、王族たち全員を見回し、最後にハリス公を見据えた。
「叔父上、私を王位継承候補から外すと言うのですか?」
「外すなど、私の権限ではできかねます。しかし、皆が王子に不満を抱けばそうなってもおかしくはありませんよ。どうか王位継承者として賢明であられるように」
「賢明、とは? 人を恋い慕うことは賢明ではないと?」
「そうではありません。そのような身分の卑しい者を娶るような愚行はなされますなと言いたいのです」
しんとした空気に二人の声だけが響く。
張り詰めて今にもはち切れそうな糸の上を歩いている気分で王子の膝の上で卑しい男娼の真似事をし続けるシアンは、平気な顔で王子にしなだれかかる。
「しかもその者は男。どうやっても子は成せないのです。誰が認めるというのですか。王家の血を絶やすおつもりか。それならばどうか継承の権利を放棄なさってからにして頂きたい」
空気がさらに張り詰める。王位の継承の権利、その言葉が出るたびに。
「さて……私が継承権を放棄したとして誰が次期国王になると? まだ幼い弟二人ですか? それはさすがに無理でしょう、なんせまだ一歳の子と乳飲み子。だとするとその次の候補は……」
一体何人、国王には子供がいるんだと呆れてしまったが、いつ誰が暗殺されたり病気で伏せるかわからない。子供は多い方が国王としては安心なのかもしれない。
「ああ、叔父上になりますね」
含み笑いでハリス公を見た王子に、ニヤリと口角を上げて答えないハリス公。
「ですが、私は放棄などしませんよ。どんな妨害があろうと必ず次の王になってみせます」
言い切ったところで王子はシアンを抱き上げて席を立った。突然、立ち上がるので落ちそうになりながらもなんとか平然な顔を崩さずに王子にしがみついた。
「そろそろ失礼します。シアンがもう飽きたようなので」
踵を返して早足でその場を去る王子。その肩越しからシアンはハリス公と目が合った。
ハリス公は怪しげな笑みを浮かべたままシアンを見ていた。すぐに視線を逸らしたシアンとは対照的に、部屋を出るまでの間いつまでもハリス公の視線はシアンを追っていた。
0
あなたにおすすめの小説
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
りんご成金のご令息
けい
BL
ノアには前世の記憶はあったがあまり役には立っていなかった。そもそもあまりにもあいまい過ぎた。魔力も身体能力も平凡で何か才能があるわけでもない。幸いにも裕福な商家の末っ子に生まれた彼は、真面目に学んで身を立てようとコツコツと勉強する。おかげで王都の学園で教育を受けられるようになったが、在学中に両親と兄が死に、店も乗っ取られ、残された姉と彼女の息子を育てるために学園を出て冒険者として生きていくことになる。
それから二年がたち、冒険者としていろいろあった後、ノアは学園の寮で同室だった同級生、ロイと再会する。彼が手を貸してくれたおかげで、生活に余裕が出て、目標に向けて頑張る時間もとれて、このまま姉と甥っ子と静かに暮らしていければいいと思っていたところ、姉が再婚して家を出て、ノアは一人になってしまう。新しい住処を探そうとするノアに、ロイは同居を持ち掛ける。ロイ×ノア。ふんわりした異世界転生もの。
他サイトにも投稿しています。
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
交際0日婚の溺愛事情
江多之折(エタノール)
BL
死にたくはない。でも、生きたくもない。ふらふらと彷徨う根無し草は、世界の怖さを知っている。救いの手は、選ばれた者にだけ差し伸べられることも知っている。
だから緩やかに終わりを探して生きていた。
──たった数回の鬼ごっこを経験するまでは。
誠実すぎて怖い人は、4回目の顔合わせで僕の夫となる。
そんな怖がりな男と誠実な男の、結婚生活の始まり。
■現実だけど現実じゃない、そんな気持ちで読んでください。
■家庭に関してトラウマを抱えている方は読まない方が良いと思います。
冷徹勇猛な竜将アルファは純粋無垢な王子オメガに甘えたいのだ! ~だけど殿下は僕に、癒ししか求めてくれないのかな……~
大波小波
BL
フェリックス・エディン・ラヴィゲールは、ネイトステフ王国の第三王子だ。
端正だが、どこか猛禽類の鋭さを思わせる面立ち。
鋭い長剣を振るう、引き締まった体。
第二性がアルファだからというだけではない、自らを鍛え抜いた武人だった。
彼は『竜将』と呼ばれる称号と共に、内戦に苦しむ隣国へと派遣されていた。
軍閥のクーデターにより内戦の起きた、テミスアーリン王国。
そこでは、国王の第二夫人が亡命の準備を急いでいた。
王は戦闘で命を落とし、彼の正妻である王妃は早々と我が子を連れて逃げている。
仮王として指揮をとる第二夫人の長男は、近隣諸国へ支援を求めて欲しいと、彼女に亡命を勧めた。
仮王の弟である、アルネ・エドゥアルド・クラルは、兄の力になれない歯がゆさを感じていた。
瑞々しい、均整の取れた体。
絹のような栗色の髪に、白い肌。
美しい面立ちだが、茶目っ気も覗くつぶらな瞳。
第二性はオメガだが、彼は利発で優しい少年だった。
そんなアルネは兄から聞いた、隣国の支援部隊を指揮する『竜将』の名を呟く。
「フェリックス・エディン・ラヴィゲール殿下……」
不思議と、勇気が湧いてくる。
「長い、お名前。まるで、呪文みたい」
その名が、恋の呪文となる日が近いことを、アルネはまだ知らなかった。
【完結】相談する相手を、間違えました
ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。
自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・
***
執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。
ただ、それだけです。
***
他サイトにも、掲載しています。
てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。
***
エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。
ありがとうございました。
***
閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。
ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*)
***
2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる