【R18】巫女と荒神 ~いまだ神話の続く町~

ゴリエ

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第二章 強きもの、弱きもの

意外な救い主

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 桃子は自室で目を覚ましていた。外はすでに明るく、遠くから鳥のさえずりが聞こえてくる。

 とてつもなく夢見が悪かったようで、気分が優れない。喉もからからだ。夢の内容は覚えていないが、どうせまたいつもの悪夢だろう。
 起き上がって布団から這い出ると、自分が制服を着ていたことにぎょっとする。制服のまま寝入るなど、普段ならありえない。そういえば、昨夜どうやって布団に入ったのか記憶がなかった。

 室内の壁掛け時計を見やると、時刻は昼に差し掛かったころだ。秒針が規則正しく時を刻んでいることに、なぜか無性にほっとした。時計の下部には日付と曜日がデジタルで表示されており、本日は五月初旬――ゴールデンウィークもいよいよ終盤となるところだった。

(あれ、もうそんな時期……私今まで何してたっけ……? そうだ、たしか四月には選定の儀があって――)

 そう思い至ったとき、急に全身の血が凍りつくような感覚にとらわれた。日付表示が間違っていなければ、選定の儀からはもう三週間以上が経過していることになる。

(違う、あれは夢なんかじゃない。私、異界で春彦くんに――)

 自分に何があったのかを思い出した途端、呼吸が荒くなり、吐き気をもよおした。それでも胃液がこみ上げてくるばかりで、出せるものは何もないようだった。

 そんな折、ドアが開いて桃子は飛び上がりそうになった。

「桃ちゃん、起きたの」

 訪ねてきたのは、従妹の南条千歳ちとせだった。手にしたトレーにお茶のグラスを乗せている。肩まで届く三つ編みのおさげ髪が、今風にゆるく編まれている。髪色がやや明るめなのは、親に隠れてこっそり染めているからだ。何かと要領が良く、一つ年下でも、桃子の何倍もしっかり者だった。

「体は大丈夫? 桃ちゃん、三週間もずっと眠ったままだったのよ」

 千歳はトレーをテーブルに置くと、ベッドサイドの床に腰を下ろしていた。

「自分がどうなったか覚えてる? 選定の儀の最中に、こつ然と姿を消したかと思えば、五日も経ってやっと戻ってきたのよ。それも、誰も気づかないうちに、いつの間にか、このベッドで死んだように眠っていたって。掃除をしにきた家政婦さんが見つけたの。まるで神隠しにでもあったみたいじゃない」
「神隠し……」
「ひとまず、目が覚めて本当に良かったわ。お茶、飲む?」

 千歳が差し出してくれたグラスを、桃子はありがたく受け取った。ちょうど、ひどく喉が渇いていたところだ。
 桃子がおとなしくお茶を飲み干したのを見届けると、千歳は神妙な面持ちで語った。

「桃ちゃん、眠っているあいだに自己結界を張って、誰にも触らせようとしなかったのよ。そのおかげで、三週間飲まず食わずでも生きていられたみたいだけど。病院に連れて行くのも無理だったし、お医者さんに来ていただいても、近寄れもしないから診察もできなくて。私と雪江ゆきえ伯母様だけが、桃ちゃんの自己結界を少しだけ中和できたから、二人で交代しながら桃ちゃんの様子をこうして見にきていたの」
「そ、そう……ありがとう、千歳ちゃん。心配かけてごめんなさい……」

 桃子はそれだけ言うと、あとは黙り込むしかなかった。千歳に聞きたいことは山とあった。しかし、自分に起きた出来事まで話さなければならなくなりそうで、ひどく気が引けた。今はとても打ち明ける気になれない。できることなら、誰にも知られずなかったことにしてしまいたいくらいだ。

 だが、桃子の杞憂に反して、千歳は特に何も尋ねる気はないようで、純粋に桃子の体調だけを気遣ってくれた。
 もしかしたら、何があったのかを把握しているからこそ、あえて聞いてはこないのかもしれない。何にせよ、今の憔悴しきった桃子には非常にありがたかった。

 昔から、千歳は出来の悪い桃子の面倒を見させられることが多く、本人もそこではっきりと不満を漏らすこともあった。が、吐き出したあとは根に持たないタイプでもあり、桃子は千歳にいつも救われていた。どうして千歳が本家の娘ではなかったのだろうと、情けなくなるばかりだった。

「桃ちゃん、私この町を出る」
「……え?」

 予期していなかった言葉に桃子は呆けた。千歳は構わず続ける。

「正直、巫女姫に選ばれなくてほっとした。私、町の外に出てみたかったから。宗教とか家のしがらみとは無縁の世界にね。もう峰外の高校に転入手続きも済ませてあるから、今日にでも発つつもり」
「そんな、急に――」
「急に聞こえるかもしれないけどね。選定の儀が終わったら、こうしようってずっと前から決めてたの。勉強も巫女修行も手を抜かず、南条の娘としての責任を果たす代わりに、もし選ばれなかったら自由をくださいって、お父さんお母さんを説得して。東宮の君のように、外の世界を見てみたかったのよ。
外を知って、やっぱり産巣日町むすひのちょうが一番だと感じたら帰ってくるし、外のほうが素晴らしければ、もうこの町には戻らないかもしれない。とにかく、知らないことには何も始められないから」

 強い意思を感じて、桃子は口をはさめなかった。おろおろしている桃子に、千歳は柔らかく微笑む。

「桃ちゃんのことだけが気がかりだったから、せめてあなたが目を覚ましてから出立したかったの。桃ちゃんのこと、正直疎ましく思うこともあったけど、本家に生まれた桃ちゃんが巫女姫に選ばれたのは、やっぱりなるべくしてそうなったってことなんだと思う。
――あのね、選定の儀で桃ちゃんが消えてから、東宮の君はものすごく心配してたのよ。自分の命に代えても桃ちゃんを連れ戻すって必死だったんだから。桃ちゃん、彼の正体を知る以前から、彼と親しかったんだね。みんながよそ者と避けていたのに、桃ちゃんだけは彼の神性を見抜いていたってことだよね。私、運命って本当にあるんだなって感激したのよ。彼が桃ちゃんを見出して選んだからこそ、桃ちゃんも結びの力を覚醒させることができたんだろうし。
運命って何かに強制されてるみたいであまり好きな言葉じゃなかったけど、桃ちゃんたちを見たら悪くないかもって思えた。私もそんなふうに、唯一無二の相手と巡りあってみたいよ」

 桃子は思ってもみなかったことを言われて、ますます押し黙るしかなくなった。自分と千歳の認識に違いがありすぎて、おかしいのは自分のほうだとすら思えてくる。
 少なくとも、千歳は桃子と春彦の関係が正しいものと信じて疑っていないようだった。そして、他の町民たちも、千歳と同じ考えを持っているかもしれない。もしそうなら、桃子にとっては地獄でしかないのではないか。

 千歳は桃子の手を取り、明るく言った。

「元気でね、桃ちゃん。どうかお幸せに」


◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 桃子がふらつく足取りで階下に降りると、廊下で遭遇した家政婦が、驚きのあまり腰を抜かしてしまった。まるで死人が化けて出たときのようなリアクションだと思ったが、三週間も眠っていたのなら無理もない。

 雪江は今、家を留守にしていた。食事と風呂の用意をしてもらえたので、とにかく母が帰ってこないうちに済ませたかった。

 嫌なことを思い出したくなくて、風呂はあまり深く考えずに入った。もしかしたら、抱かれた痕跡が何かしら残っているかもしれないと怯えたが、取り立てて目につくものは一つもなかった。

 千歳いわく、桃子が眠っているあいだに、定期的に体温や脈拍を測定してくれていたそうだが、やたら低い数値ばかりが出てとても心配したらしい。もしかすると、自己結界の中で極端に新陳代謝を下げて、冬眠状態に近い体内環境を保っていたのかもしれない、と千歳は仮説を立てていた。三週間飲まず食わずに加え、入浴も排泄もできていなかったというのに、体はさほど汚れてはいなかったのだ。

 空腹が満たされ清潔も保持されると、起き抜けの壊滅的な状態よりは、いくらか思考はクリアになっていた。
 体力が回復し、ほんの少しだけ余裕ができると、考えたくないことにまで思いを巡らせてしまう。

 春彦も無事に現世うつせに帰ってきているのは、千歳の口ぶりからして間違いなかった。千歳に聞けば、春彦について何か知っていることを教えてくれたのだろうが、今はとてもそんな気にはなれない。

 桃子の失踪で選定の儀が中断してしまったことにより、選ばれたはずの春彦や桃子の扱いは、今どうなっているのか。自分たちのことは、もう町民に周知されてしまっているのか。
 そして、西宮や忍はどうしているのか。――など、考えだしたらキリがない。今はとにかく、まったく関係ないことをして気を紛らせていたかった。

 千歳は何時に出発するのだろう。峰外に出るのなら、やはり交通手段は電車だろうから、せめて駅まで見送りたい。そう桃子が千歳に申し出た矢先に、雪江が帰宅した。
 母は桃子を見るなり、いつもの冷たい視線を向けた。

「あなたが目を覚ましたと、千歳さんが連絡をくれました。どうです、体調のほうは」
「あ、はい、なんとか……。ご心配おかけしました、お母様」

 表情はそっけないが、この母が桃子を気遣うなどめったにないことだ。桃子がそわそわしていると、雪江はすげなく言った。

「そうですか。では、すぐ出かけますよ。支度をなさい」
「で、出かけるって、どこに……」
「決まっているでしょう、病院です。あなたは三週間も眠り続けていたのだから、一度診てもらわなくては」

 桃子は見送りに行けないことを千歳に詫びると、慌てて母のあとを追った。残念だったが、母の言い分ももっともであり、心配をかけた手前、従うほかなかった。

 雪江は珍しく誰にも運転を頼まず、助手席に桃子を乗せて、自らハンドルをきって自家用車を走らせた。母と二人きりでどこかへ出向くなど久しぶりすぎて、桃子は心中で舌を巻いた。

 雪江は車中でも、選定の儀のことや桃子が失踪していたあいだのことなど、何一つ聞いてはこなかった。それを、子どもに関心のない冷たい親だととることもできたが、今の桃子には、その距離感がありがたかった。心配をかさに着て、根掘り葉掘り聞き出し傷口を広げてくるよりも、よほどましだった。
 表には出さずとも、わざわざ自ら車を出して病院に連れていってくれるくらいなのだから、母なりに桃子を心配しているのかもしれない。

 巫女姫の役割について、桃子に何一つ伝えていなかった雪江を、春彦は無責任・異常だと言い切ったが、それも何か理由あってのことかもしれない。
 これは娘としての直感でしかなかったが、雪江が今、本心から桃子を心配していることだけは、彼女のちょっとした仕草や表情の機微から見ても、間違いないと思えたのだ。

 雪江に連れられたクリニックは、山奥にひっそりと建っていた。看板を掲げてはいない。桃子はいくらかいぶかしんだが、それでも施設内に入ると、総合病院と比べて遜色ないほど、医療機器や設備は充実しているように見えた。受付を通らず、そのまま診療室へと案内された。

 血液検査、尿検査、内科検診を経て、レントゲン撮影や心電図測定、脳波測定など、その場ですぐできる検査は一通り受けさせられ、洗いざらい調べ尽くされた。
 そして、最後の最後で女医と思しき人物に、下半身の衣服をすべて脱いで内診台に座るよう指示されると、さすがに桃子もその意味を悟り、血の気が引いていた。

(やっぱり、何があったか知っている。この先生も、お母様も……)

 母が内診室まで立ち入ってこなかったことが、せめてもの救いだった。

「あの…………これは、妊娠しているかどうかを調べるための検査ですか……?」

 震える声で問うと、女医はあっさりと答えた。

「妊娠判定だけなら、採血でもうすでにわかっていますよ。結果を知りたい?」

 もったいぶったふうに言われ、桃子が涙目でびくついていると、彼女は眉を下げて微笑んだ。

「ごめんなさい、脅かすつもりはなかったの。安心して、妊娠はしていなかったから。けれども、お母様はあなたの体をひどく心配なさって、婦人科検診を強く希望されているの。できる限り負担は最小限にとどめるよう努力するから、内診させてもらっても構わない?」

 桃子はそれを聞いて、急に体の力が抜けて膝から崩れ落ちていた。
 妊娠していない、ということを聞かされただけで、どんなにほっとしたことか。それだけで、もう内診でもどんなことでも、大袈裟だが抵抗なく受け入れられそうだった。

 妊娠の有無は、あえてずっと考えないようにして、しかし頭の片隅にはずっと重くのしかかっていた大きな心配事だった。妊娠を成立させないためなら、正直どんなことでもしたいとまで思いつめていた。

 下半身には何も身につけていない状態で、シートがかぶせられた内診台の上に座る。カーテンの向こうから声がかかり、台が上がることが伝えられた。診察してくれた女医は、桃子の緊張を十分すぎるほど理解している様子で、徹底的に優しく労わってくれた。そのおかげもあり、幾分か緊張は解れていた。

 婦人科系の内診は、ひたすら痛く辛いものだと偏見を抱いていたが、丁寧で熟達した手技だったせいか、恐れていたほどの苦痛はなく、拭い去れない羞恥心さえ除けば、耐えられないほどの痛みではなかった。良い意味でも悪い意味でも、桃子は苦痛には耐性があるほうなのだ。

 内診の他にも腹部エコー検査などを受け、診察はそれほど時間をかけずに無事終了した。桃子が着替えを終えると、女医からの説明があった。

「念のため、採取した検体は細胞診にかけますが、異常が見つかればこちらから連絡しますので、再診の必要はありません。断定はできないけれど、診させてもらった感じでは健康そのもののようだから、特に心配いらないと思うわ。機械だけでは不十分なので、私の持つ神力しんりきも併用してあなたの体を少し調べさせてもらったんだけれど……あなた、非常に高い妊孕性にんようせいを有しているようね」
「え……」
「とても妊娠しやすいということ。今回妊娠に至らなかったのは、奇跡に近いとしか言いようがないわ」

 そう言ってから、彼女は急に険しい顔になり、桃子の肩を掴んでいた。

「南条桃子さん、あなた、今すぐここから逃げたほうがいいわ」
「え? ど、どうして……」
「実はあなたのお母様から、あなたの避妊手術を依頼されているの。一時的ではなく、半永久的に避妊効果を持つものよ。手術を受ければ、今後一切妊娠はできなくなる。お母様は本気よ。どんな意図があってのことかは知らないけれど、まだこんな若い娘さんの、しかも本人の同意すらも得ずに……許されることではないわ」

 あまりの衝撃で、桃子が二の句が継げずにいると、女医は室内の片隅にある窓を指さした。

「あそこからお逃げなさい。ここは一階だから、降りるのはそう難しくないはず」
「で、でも、こんな山奥で、いったいどこに逃げろっていうんですか。それに、お母様から逃げきるなんて無理です、だって家族なのに……」

 桃子が今にも泣き出しそうな顔をすると、女医は真剣なまなざしを向けた。

「大丈夫、外にはすでに助けが来ています。必ずあなたを保護してくださるはずです」

 保護。そう聞いて、桃子が真っ先に連想したのは春彦の存在だった。異界の地で、彼が東宮のもとで暮らさないかと持ちかけてきたことを思い出す。
 もし、助けに来ているのが春彦だったとしたら、その場合どうすればいいのだろう。彼こそ、今桃子がもっとも逃げたい相手だというのに。

 すると、診察室のドアがノックされ、桃子は叫びそうなほどびっくりしていた。きっと、しびれを切らした雪江だろう。

 桃子はほとんど女医から追い出されるように、窓の向こうの駐車場へと降り立っていた。
 そこには話に聞いていたとおり、桃子を待ち構えていたと見られる者たちがいた。
 両脇に体格のいい黒いスーツ姿の成人男性を臆面なく従え、当然のように仁王立ちしていたのは、斉城さいじょう学園の制服を着た、背の高い男子生徒。桃子の想定していた範囲からは、もっとも遠く離れた人物であり、その意外性に言葉を失うしかなかった。

 西宮幸成にしみやゆきなりが、桃子の目の前に立っていた。今の彼は以前とは違い、真っ向から桃子を見据えていた。
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