73 / 222
第一章 出会い編
拒絶
しおりを挟む
「あ、あの実は…、魔法は使っていないですけど、おまじないを少しかけまして…、」
「まじない?」
「はい。母が教えてくれたおまじないなんです。体調を崩した時に元気になるおまじないで…、
私が熱を出したり、風邪を引いた時に母がおまじないをかけてくれて…、そのおまじないがよく効くんです。だから、そのおまじないを使えばもしかしたら、殿下の体調も良くなるのではないかと思って…、」
無言になるルーファスにリスティーナはハッとした。
「あ、あの…、もしかして、こちらの国ではおまじないをかけるのはいけなかったのでしょうか?」
怪しげなおまじないではないし、母のおまじないは自分にはよく効いたがそれはただの気持ちの問題だったかもしれない。だから、おまじない位でよくなるとは思わないが気休めになればいいと思ってかけたのだ。それがまずかったのだろうか?これで罰せられたらどうしよう。そんな風に思っていると、
「いや。別にそんな事はない。…ところで、そのまじないはどんなものだ?」
「あ、おまじないは誰にでもできる簡単な物ですわ。ハンカチを真夜中にレモンかオレンジ等の柑橘類を数滴、垂らして祈りを捧げる。その後は、月の光が当たるように窓辺に置くだけです。」
「…それだけか?」
「はい。それだけですわ。」
「それはメイネシア国に伝わるまじないの一種か?」
「いえ。これは母の一族に伝わるおまじないです。」
「君の母上は占いや魔術に詳しい家柄なのか?」
「私の母は…、家柄なんて立派な家系の出ではないんです。姓も持たない平民で流浪一座の踊り子でした。」
「踊り子…?ああ。そういえば、メイネシア国の第四王女は平民が母親だと誰かが言っていたな。
流浪の民、か。成程。だから、占いにも詳しいのだな。」
「は、はい…。」
リスティーナは少し困惑していた。
てっきり、平民の血が混じった下賤な女といった目で見られると思ったのに…。嫌悪も侮蔑の目も向けずにただ淡々と事実を受け止めるルーファスの反応にリスティーナは戸惑っていた。
思わず、リスティーナはじっとルーファスを見つめた。
「何だ?あまり、じろじろ見られるのは好きじゃない。言いたいことがあるなら言え。」
じろり、と睨みつけられ、リスティーナはハッとした。
「も、申し訳ありません!あの…、殿下は…、その…、私を…、軽蔑しないのですか?」
「軽蔑?」
「わ、私は…、先程も仰ったように母は平民です。だから、私は半分、平民の血が混じっています。そんな私を…、殿下は軽蔑しないのですか?」
「庶子の王族なんて今更、珍しい話でもないだろう。平民の女に手を出して子を成した王や貴族など数え切れないほどいる。それに、半分も王族の血を継いでいるのだからそれで十分だろう。軽蔑する理由がどこにある。」
リスティーナは驚いてルーファスを見つめた。ルーファスはいつもの平然とした表情で何でもない事のように言った。自分が庶子の王女だと聞いても軽蔑しない貴族や王族などいなかった。
地位の高い人間は皆が皆、リスティーナを蔑んだ。でも、この方は違う。そんな事言われたの…、初めてだ。
「…そもそも、血筋や出自が優れていたところで何になる。」
ぽつりと呟かれた言葉とルーファスの表情にリスティーナは目を奪われた。
何だか全てを諦めたような寂しそうな表情…。どうして、そんな顔をするのかリスティーナは気になってしまう。
「直系の王族だろうが正妃の子だろうが…、呪われてしまえばそんな物、何の価値もない。」
そうだ。ルーファス殿下は高貴な血筋を持ちながらも呪いのせいで周囲から怖がられ、恐れられている。蔑まれたり、馬鹿にされている訳ではないがその周囲の反応にきっと、今までたくさん傷ついてきたはずだ。ルーファスはハッとしたように口を噤み、
「つまらない事を言った。忘れてくれ。」
リスティーナは彼に何と言ったらいいのか分からなかった。けれど、先程の表情がどうしても気になって仕方がなかった。
「聞きたいことはそれだけだ。…邪魔をしたな。俺はこれで失礼する。」
「え!?あの…、もう、お帰りになるのですか?」
「…ああ。用は済んだからな。」
そう言って、立ち上がるルーファスをリスティーナは慌てて引き止めた。
「あ、あの…、でも、殿下はまだやっと体調が良くなったばかりですから…、それならここで休まれては…、」
そう言って、ルーファスに近付き、服の裾を掴もうとしたその時…、ルーファスがカッと目を見開き、叫んだ。
「っ、触るな!」
ルーファスはリスティーナの手をバシッと強く叩いた。
リスティーナはびっくりして思わず固まってしまう。
ルーファスを見上げれば、こちらを冷たく、昏い眼差しでこちらを見下ろしていた。
そこには今までにない強い拒絶を示しているかのようだった。
でも、それと同時に苦しそうな悲しそうな目をしていた。何でそんな顔…。
リスティーナは思わず叩かれたことも忘れてそっとルーファスの頬に手を添えた。
「大丈夫で…、」
大丈夫ですか、という言葉は続かなかった。ルーファスはバッとリスティーナを避けるように距離を取った。歯を食い縛り、ギロッとこちらを睨みつける。でも、あの表情は変わらないまま…。
「触るなと言っただろう!…呪いが移って死んでもいいのか!」
ルーファスはリスティーナを冷徹な表情で荒々しく吐き捨てるように叫んだ。
口調も乱暴なものに変わっている。
「お前もあの女達のように呪い殺されるぞ!それが嫌だったら、二度と俺に近付くな!」
リスティーナは目を見開いた。
「どうせ、お前も…、心の底では俺を気持ち悪いと思っているのだろう?醜い化け物だと…!
なのに、何故、俺に構う!俺を懐柔するように言われたのか誰かに唆されたのか知らないが、死にたくなければもうこれ以上、俺に関わるな!」
ルーファスの迫力にリスティーナはたじろぎつつもその表情から目が離せない。
叩かれた手の痛みよりも彼のその表情の方がリスティーナは気になって仕方がない。
「そんなに国が大事か?俺は知っているぞ。お前はほとんど厄介払いのような形でここに送り込まれたらしいじゃないか。そんな国を…、自分を捨てた国を守る価値があるのか?
それとも、何だ。地位と権力を手に入れて成り上がろうという魂胆か?」
「違っ…!」
リスティーナが否定しようと声を上げるがルーファスはその言葉を掻き消すように叫んだ。
「そんな事をしても無駄な事だというのに…、それが何故分からない!?死んでしまっては全て終わりなんだぞ!」
その目はリスティーナを見ている様で見ていない。リスティーナを通して別の誰かを見ているかのようだった。
「殿下…。私は…、」
リスティーナは思わずルーファスに歩み寄った。しかし、ルーファスはそんなリスティーナを睨みつけ、バッと手を翳した。
「近付くな…!」
その瞬間、ルーファスの手から黒い霧のようなものが飛び出した。
黒い霧はリスティーナの目を覆った。
「キャ…!?」
視界が真っ暗になり、リスティーナは悲鳴を上げた。
リスティーナは霧の隙間からルーファスの表情が一瞬だけ目に映った。
その時の彼の顔は…、何かを耐える様な苦しそうな表情を浮かべていた。
殿下…。あなたはどうして、そこまで…、リスティーナはそこで意識を失った。
「まじない?」
「はい。母が教えてくれたおまじないなんです。体調を崩した時に元気になるおまじないで…、
私が熱を出したり、風邪を引いた時に母がおまじないをかけてくれて…、そのおまじないがよく効くんです。だから、そのおまじないを使えばもしかしたら、殿下の体調も良くなるのではないかと思って…、」
無言になるルーファスにリスティーナはハッとした。
「あ、あの…、もしかして、こちらの国ではおまじないをかけるのはいけなかったのでしょうか?」
怪しげなおまじないではないし、母のおまじないは自分にはよく効いたがそれはただの気持ちの問題だったかもしれない。だから、おまじない位でよくなるとは思わないが気休めになればいいと思ってかけたのだ。それがまずかったのだろうか?これで罰せられたらどうしよう。そんな風に思っていると、
「いや。別にそんな事はない。…ところで、そのまじないはどんなものだ?」
「あ、おまじないは誰にでもできる簡単な物ですわ。ハンカチを真夜中にレモンかオレンジ等の柑橘類を数滴、垂らして祈りを捧げる。その後は、月の光が当たるように窓辺に置くだけです。」
「…それだけか?」
「はい。それだけですわ。」
「それはメイネシア国に伝わるまじないの一種か?」
「いえ。これは母の一族に伝わるおまじないです。」
「君の母上は占いや魔術に詳しい家柄なのか?」
「私の母は…、家柄なんて立派な家系の出ではないんです。姓も持たない平民で流浪一座の踊り子でした。」
「踊り子…?ああ。そういえば、メイネシア国の第四王女は平民が母親だと誰かが言っていたな。
流浪の民、か。成程。だから、占いにも詳しいのだな。」
「は、はい…。」
リスティーナは少し困惑していた。
てっきり、平民の血が混じった下賤な女といった目で見られると思ったのに…。嫌悪も侮蔑の目も向けずにただ淡々と事実を受け止めるルーファスの反応にリスティーナは戸惑っていた。
思わず、リスティーナはじっとルーファスを見つめた。
「何だ?あまり、じろじろ見られるのは好きじゃない。言いたいことがあるなら言え。」
じろり、と睨みつけられ、リスティーナはハッとした。
「も、申し訳ありません!あの…、殿下は…、その…、私を…、軽蔑しないのですか?」
「軽蔑?」
「わ、私は…、先程も仰ったように母は平民です。だから、私は半分、平民の血が混じっています。そんな私を…、殿下は軽蔑しないのですか?」
「庶子の王族なんて今更、珍しい話でもないだろう。平民の女に手を出して子を成した王や貴族など数え切れないほどいる。それに、半分も王族の血を継いでいるのだからそれで十分だろう。軽蔑する理由がどこにある。」
リスティーナは驚いてルーファスを見つめた。ルーファスはいつもの平然とした表情で何でもない事のように言った。自分が庶子の王女だと聞いても軽蔑しない貴族や王族などいなかった。
地位の高い人間は皆が皆、リスティーナを蔑んだ。でも、この方は違う。そんな事言われたの…、初めてだ。
「…そもそも、血筋や出自が優れていたところで何になる。」
ぽつりと呟かれた言葉とルーファスの表情にリスティーナは目を奪われた。
何だか全てを諦めたような寂しそうな表情…。どうして、そんな顔をするのかリスティーナは気になってしまう。
「直系の王族だろうが正妃の子だろうが…、呪われてしまえばそんな物、何の価値もない。」
そうだ。ルーファス殿下は高貴な血筋を持ちながらも呪いのせいで周囲から怖がられ、恐れられている。蔑まれたり、馬鹿にされている訳ではないがその周囲の反応にきっと、今までたくさん傷ついてきたはずだ。ルーファスはハッとしたように口を噤み、
「つまらない事を言った。忘れてくれ。」
リスティーナは彼に何と言ったらいいのか分からなかった。けれど、先程の表情がどうしても気になって仕方がなかった。
「聞きたいことはそれだけだ。…邪魔をしたな。俺はこれで失礼する。」
「え!?あの…、もう、お帰りになるのですか?」
「…ああ。用は済んだからな。」
そう言って、立ち上がるルーファスをリスティーナは慌てて引き止めた。
「あ、あの…、でも、殿下はまだやっと体調が良くなったばかりですから…、それならここで休まれては…、」
そう言って、ルーファスに近付き、服の裾を掴もうとしたその時…、ルーファスがカッと目を見開き、叫んだ。
「っ、触るな!」
ルーファスはリスティーナの手をバシッと強く叩いた。
リスティーナはびっくりして思わず固まってしまう。
ルーファスを見上げれば、こちらを冷たく、昏い眼差しでこちらを見下ろしていた。
そこには今までにない強い拒絶を示しているかのようだった。
でも、それと同時に苦しそうな悲しそうな目をしていた。何でそんな顔…。
リスティーナは思わず叩かれたことも忘れてそっとルーファスの頬に手を添えた。
「大丈夫で…、」
大丈夫ですか、という言葉は続かなかった。ルーファスはバッとリスティーナを避けるように距離を取った。歯を食い縛り、ギロッとこちらを睨みつける。でも、あの表情は変わらないまま…。
「触るなと言っただろう!…呪いが移って死んでもいいのか!」
ルーファスはリスティーナを冷徹な表情で荒々しく吐き捨てるように叫んだ。
口調も乱暴なものに変わっている。
「お前もあの女達のように呪い殺されるぞ!それが嫌だったら、二度と俺に近付くな!」
リスティーナは目を見開いた。
「どうせ、お前も…、心の底では俺を気持ち悪いと思っているのだろう?醜い化け物だと…!
なのに、何故、俺に構う!俺を懐柔するように言われたのか誰かに唆されたのか知らないが、死にたくなければもうこれ以上、俺に関わるな!」
ルーファスの迫力にリスティーナはたじろぎつつもその表情から目が離せない。
叩かれた手の痛みよりも彼のその表情の方がリスティーナは気になって仕方がない。
「そんなに国が大事か?俺は知っているぞ。お前はほとんど厄介払いのような形でここに送り込まれたらしいじゃないか。そんな国を…、自分を捨てた国を守る価値があるのか?
それとも、何だ。地位と権力を手に入れて成り上がろうという魂胆か?」
「違っ…!」
リスティーナが否定しようと声を上げるがルーファスはその言葉を掻き消すように叫んだ。
「そんな事をしても無駄な事だというのに…、それが何故分からない!?死んでしまっては全て終わりなんだぞ!」
その目はリスティーナを見ている様で見ていない。リスティーナを通して別の誰かを見ているかのようだった。
「殿下…。私は…、」
リスティーナは思わずルーファスに歩み寄った。しかし、ルーファスはそんなリスティーナを睨みつけ、バッと手を翳した。
「近付くな…!」
その瞬間、ルーファスの手から黒い霧のようなものが飛び出した。
黒い霧はリスティーナの目を覆った。
「キャ…!?」
視界が真っ暗になり、リスティーナは悲鳴を上げた。
リスティーナは霧の隙間からルーファスの表情が一瞬だけ目に映った。
その時の彼の顔は…、何かを耐える様な苦しそうな表情を浮かべていた。
殿下…。あなたはどうして、そこまで…、リスティーナはそこで意識を失った。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
虐げられた出戻り姫は、こじらせ騎士の執愛に甘く捕らわれる
無憂
恋愛
旧題:水面に映る月影は――出戻り姫と銀の騎士
和平のために、隣国の大公に嫁いでいた末姫が、未亡人になって帰国した。わずか十二歳の妹を四十も年上の大公に嫁がせ、国のために犠牲を強いたことに自責の念を抱く王太子は、今度こそ幸福な結婚をと、信頼する側近の騎士に降嫁させようと考える。だが、騎士にはすでに生涯を誓った相手がいた。
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
辺境伯と幼妻の秘め事
睡眠不足
恋愛
父に虐げられていた23歳下のジュリアを守るため、形だけ娶った辺境伯のニコラス。それから5年近くが経過し、ジュリアは美しい女性に成長した。そんなある日、ニコラスはジュリアから本当の妻にしてほしいと迫られる。
途中まで書いていた話のストックが無くなったので、本来書きたかったヒロインが成長した後の話であるこちらを上げさせてもらいます。
*元の話を読まなくても全く問題ありません。
*15歳で成人となる世界です。
*異世界な上にヒーローは人外の血を引いています。
*なかなか本番にいきません
襲われていた美男子を助けたら溺愛されました
茜菫
恋愛
伯爵令嬢でありながら公爵家に仕える女騎士イライザの元に縁談が舞い込んだ。
相手は五十歳を越え、すでに二度の結婚歴があるラーゼル侯爵。
イライザの実家であるラチェット伯爵家はラーゼル侯爵に多額の借金があり、縁談を突っぱねることができなかった。
なんとか破談にしようと苦慮したイライザは結婚において重要視される純潔を捨てようと考えた。
相手をどうしようかと悩んでいたイライザは町中で言い争う男女に出くわす。
イライザが女性につきまとわれて危機に陥っていた男ミケルを助けると、どうやら彼に気に入られたようで……
「僕……リズのこと、好きになっちゃったんだ」
「……は?」
ムーンライトノベルズにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる