79 / 222
第一章 出会い編
光を失った目
しおりを挟む
「一体、何が…!?」
「特に何も異変は見られないが…、!?あ、あそこにいらっしゃるのはイグアス殿下ではないか!?」
先程、リスティーナがいた場所に衛兵達が駆け付けるがそこには、誰もいない。
何も異常はないと言いかけた衛兵だったが池の反対側の芝生に倒れているイグアスを発見し、慌てた。
「い、イグアス殿下!?」
バタバタと慌ただしい足音と飛び交う声が聞こえる。
物陰に隠れたリスティーナはそれらを耳にしながらルーファスの隣でじっと静かに身を潜めていた。見つからないかと心臓がバクバクと音を立てる。
衛兵たちが駆け付ける前にルーファスとリスティーナは茂みで覆われた物陰に身を隠した。
彼がここまで連れて来てくれたおかげだ。リスティーナはチラッとルーファスを横目で見つめた。
仮面で覆われている為、横顔が見えない。先程、月明りで見たルーファスの顔色は少しだけ良くなっている気がする。夜会に参加するという事は体調はもう大丈夫なのかな?
「…行ったようだな。」
その声にリスティーナはハッとした。
気が付けばいつの間にか騒ぎはおさまっていて、衛兵たちの姿もいなくなっていた。思わずホッと胸を撫で下ろした。そして、リスティーナはまだ彼に助けて貰ったお礼を言っていないことに気が付き、彼に目を向けた。
「あ、あの…、殿下。先程はありがとうございました…。助けて下さって…、」
深々と頭を下げ、感謝の言葉を伝えた。色々、聞きたいことはあったが何よりもまず彼にお礼を言いたかった。あの時、確かにルーファスはリスティーナを助けてくれたのだ。
例え、心の中でリスティーナを疎ましく思っていても、助けてくれたのは事実だ。誰も助けてくれないと諦めていたのに彼は助けてくれた。だから、リスティーナは深く感謝した。
「…いや…。」
ルーファスは目を逸らし、俯いた。
「悪かったな。」
「え?」
ルーファスの言葉にリスティーナは目をパチクリとした。
「すぐに助けなくて悪かった。あいつの女癖の悪さは知っていたし、またいつものように愛人と戯れているのだとばかり思ったんだ。だから、最初は君だと分からなかった。」
「い、いえ!そんな…、あの時、助けて下さっただけで私は…、」
何だ。そうだったのか。彼はあの時、無視したわけじゃなくて、私をイグアス殿下の愛人だと勘違いしただけなんだ。確かに一見、あの光景を目にしたら、誤解するのも無理はないかもしれない。
「あんな暗い所では気付かないのも無理ありませんし…、」
「…そうじゃない。」
ルーファスの否定の声にリスティーナは思わずえ?と彼を見つめた。
「俺は目が悪いんだ。…至近距離でも顔の輪郭がぼんやりとしか見えない。だから、あの時はせいぜい君の髪の色しか見えなくて、顔までは認識できなかった。」
「え、そ、そうなのですか?」
初耳だ。知らなかった。そういえば、ルーファスの目は光がなく、濁ったような淀んだような色をしている。もしかして、それって視力が悪いから…?
「別に全く見えないわけじゃない。かろうじて色と光の判別はできる。…まあ、ぼんやりとかすんでいるからほとんど見えていないのと同じだがな。」
自嘲するように話すルーファスにリスティーナは息を呑んだ。
「わ、私…、知りませんでした…。殿下の目が悪いだなんて…、あの、その目は一体いつから…?」
「生まれつき目が悪かったわけじゃない。昔、高熱に罹って呪いに襲われてから段々と目が見えなくなった。」
「…。」
つまり、彼の目は呪いによって光を失ったということ?
今まで噂程度しか彼の呪いについてしか聞かされていなかったがこうして、本人の口から聞かされると、改めて呪いの恐ろしさを知る。呪いのせいで彼は視力すらも奪われたばかりか、一時期は命が危ないとまでいわれる状態にまで体調が悪化していただなんて…。
自分は本当に彼の事を何も知らないのだと思い知らされる。仮にも側室なのに彼の目が悪いことも知らないだなんて…。
ふと、リスティーナは一つの疑問を抱いた。
「あ、あの…、それなら、どうしてあの時、私だと気付いたのですか?」
「最初は分からなかったが君の悲鳴を聞いて、その声で気が付いた。」
「そ、そうだったんですか。本当に助かりました。あのままだったら、私…、」
リスティーナはイグアスに襲われた時を思い出して、ぞっとした。
夫どころか夫の弟である義弟に純潔を奪われて、不義を犯してしまう所だった。
無理矢理押し倒され、思いやりも欠片もない乱暴なイグアスの手は恐怖しか感じなかった。
男女の契りは初めては痛いが慣れれば気持ちが良く、快楽を感じるようになると聞いたことがある。
けれど、リスティーナはあの時、気持ちいいどころかただただ怖くて、気持ち悪いとすら思った。
今にも泣きそうな震える声で話すリスティーナにルーファスはぽつりと小さな声で訊ねた。
「怖かったか?」
ルーファスの静かな問いかけにリスティーナはコクンと頷いた。
「…はい…。」
「君は、何故、あの時…、」
ルーファスはそこまで言いかけて、グッと口を閉ざした。
「殿下?」
言い淀む彼に不思議そうにリスティーナは首を傾げた。すると、ルーファスはぽつりと小さな声で疑問を口にした。
「君は何故…、あの時、助けを求めた?何故、イグアスを拒んだのだ?」
「え…、」
ルーファスの質問にリスティーナは言われた意味が分からなかった。
「イグアスは確かに女好きではあるがあの顔だ。女なら、誰しもが憧れる容姿に次期王太子の座に最も近いといわれている。地位も権力も容姿も全てが備わっている。…日陰者の俺とは違って、輝かしい未来が約束された優秀な男だ。俺などより、余程力がある。」
ルーファスは一度言葉を切ると、リスティーナを見つめた。目が合うがよく見ればぼんやりとしていて、焦点が定まっていない。それでも、彼がこちらを見ているのだと分かった。
「あの、質問の意味がよく…、分からないのですが…。」
「ここまで言われて、分からないのか?俺に擦り寄るよりはイグアスに媚を売った方がいいと言っているんだ。知っているだろ。俺はもうじき、死ぬ。王位継承権を受け継ぐ可能性はゼロに近い。
より高みを目指す為なら、俺ではなく、将来有望のイグアスを狙うべきだ。何なら、兄上でも高位貴族の連中でも、他に相手は幾らでも…、」
「どうして…、そのような事を仰るのですか?」
リスティーナは俯きながら震える声で言った。
「私は…、名ばかりの側室ですが、それでも殿下の妻です。
例え、殿下が私を妻とみて下さらなかったとしても構いません。でも、私は…、私だけは殿下の妻であるとそう思っています。だから…、殿下以外の男性と不貞を犯すつもりはありません!
お願いですから、そのような事を仰らないで下さい…。」
「…正気か?君はもう少し頭のいい女だと思っていたのだが。それとも、そうやって懐柔するように言われたのか?言った筈だ。俺に王位継承権の資格はほぼない。何の力も後ろ盾もない俺に取り入った所で…、」
「違います!私は誰かに命令された訳でも、地位や権力が欲しいわけでもありません!そんなもの…、私は欲しくない…!」
リスティーナは堪らずに叫んだ。地位や権力…。そんなものいらない。欲しくない。
過ぎた野心や欲は時に自分自身を破滅へと導く。母もよくそう言っていた。
王の寵愛を巡って醜い争いをする側室達の姿をリスティーナは何度も見てきた。
目的の為なら、どんな汚いことも平気でする。他人を傷つけ、踏みつけてでも手に入れようとする。
そこまでしてまで手に入れたいと自分は思わない。
「私はただ…、争いとは無縁の場所で…、静かに穏やかに暮らしたい。ただ、それだけなのです。」
「理解できない。なら、君は何故、俺を気遣うような振りをするんだ。見舞いに行きたいと言ったり、見舞いの品を贈ったり何を考えているんだ。」
「わ、私は…、振りではなく、本当に殿下が心配だっただけです!」
「心配?俺をか?」
ルーファスは嘲笑うように口角を上げた。嘘を吐けとでも言いたげな口調だ。
「本当です!嘘ではありません。殿下の体調が悪いと聞いて、心配で…、」
「何故、君が俺を心配するんだ?君が気にかける必要はないだろう。」
「私は殿下の側室です!気にかけるのは当然ではありませんか!それに、誰だって病気や怪我で苦しんでいる人がいれば心配するのは当たり前です。」
「…当たり前、か。」
ルーファスはぼそりと無感動に呟き、
「君の言い分は分かった。だが、静かに暮らしたいと言うのなら、尚更俺に近付くべきではないだろう。」
「それは…!でも、だからといって、殿下が苦しんでいるのに放っておくことなんてできません。」
「君は…、」
ルーファスが何かを言いかけるが結局、その先は何も言わなかった。グッと唇を引き結び、そのまま無言になるとルーファスはゆっくりと立ち上がった。
「特に何も異変は見られないが…、!?あ、あそこにいらっしゃるのはイグアス殿下ではないか!?」
先程、リスティーナがいた場所に衛兵達が駆け付けるがそこには、誰もいない。
何も異常はないと言いかけた衛兵だったが池の反対側の芝生に倒れているイグアスを発見し、慌てた。
「い、イグアス殿下!?」
バタバタと慌ただしい足音と飛び交う声が聞こえる。
物陰に隠れたリスティーナはそれらを耳にしながらルーファスの隣でじっと静かに身を潜めていた。見つからないかと心臓がバクバクと音を立てる。
衛兵たちが駆け付ける前にルーファスとリスティーナは茂みで覆われた物陰に身を隠した。
彼がここまで連れて来てくれたおかげだ。リスティーナはチラッとルーファスを横目で見つめた。
仮面で覆われている為、横顔が見えない。先程、月明りで見たルーファスの顔色は少しだけ良くなっている気がする。夜会に参加するという事は体調はもう大丈夫なのかな?
「…行ったようだな。」
その声にリスティーナはハッとした。
気が付けばいつの間にか騒ぎはおさまっていて、衛兵たちの姿もいなくなっていた。思わずホッと胸を撫で下ろした。そして、リスティーナはまだ彼に助けて貰ったお礼を言っていないことに気が付き、彼に目を向けた。
「あ、あの…、殿下。先程はありがとうございました…。助けて下さって…、」
深々と頭を下げ、感謝の言葉を伝えた。色々、聞きたいことはあったが何よりもまず彼にお礼を言いたかった。あの時、確かにルーファスはリスティーナを助けてくれたのだ。
例え、心の中でリスティーナを疎ましく思っていても、助けてくれたのは事実だ。誰も助けてくれないと諦めていたのに彼は助けてくれた。だから、リスティーナは深く感謝した。
「…いや…。」
ルーファスは目を逸らし、俯いた。
「悪かったな。」
「え?」
ルーファスの言葉にリスティーナは目をパチクリとした。
「すぐに助けなくて悪かった。あいつの女癖の悪さは知っていたし、またいつものように愛人と戯れているのだとばかり思ったんだ。だから、最初は君だと分からなかった。」
「い、いえ!そんな…、あの時、助けて下さっただけで私は…、」
何だ。そうだったのか。彼はあの時、無視したわけじゃなくて、私をイグアス殿下の愛人だと勘違いしただけなんだ。確かに一見、あの光景を目にしたら、誤解するのも無理はないかもしれない。
「あんな暗い所では気付かないのも無理ありませんし…、」
「…そうじゃない。」
ルーファスの否定の声にリスティーナは思わずえ?と彼を見つめた。
「俺は目が悪いんだ。…至近距離でも顔の輪郭がぼんやりとしか見えない。だから、あの時はせいぜい君の髪の色しか見えなくて、顔までは認識できなかった。」
「え、そ、そうなのですか?」
初耳だ。知らなかった。そういえば、ルーファスの目は光がなく、濁ったような淀んだような色をしている。もしかして、それって視力が悪いから…?
「別に全く見えないわけじゃない。かろうじて色と光の判別はできる。…まあ、ぼんやりとかすんでいるからほとんど見えていないのと同じだがな。」
自嘲するように話すルーファスにリスティーナは息を呑んだ。
「わ、私…、知りませんでした…。殿下の目が悪いだなんて…、あの、その目は一体いつから…?」
「生まれつき目が悪かったわけじゃない。昔、高熱に罹って呪いに襲われてから段々と目が見えなくなった。」
「…。」
つまり、彼の目は呪いによって光を失ったということ?
今まで噂程度しか彼の呪いについてしか聞かされていなかったがこうして、本人の口から聞かされると、改めて呪いの恐ろしさを知る。呪いのせいで彼は視力すらも奪われたばかりか、一時期は命が危ないとまでいわれる状態にまで体調が悪化していただなんて…。
自分は本当に彼の事を何も知らないのだと思い知らされる。仮にも側室なのに彼の目が悪いことも知らないだなんて…。
ふと、リスティーナは一つの疑問を抱いた。
「あ、あの…、それなら、どうしてあの時、私だと気付いたのですか?」
「最初は分からなかったが君の悲鳴を聞いて、その声で気が付いた。」
「そ、そうだったんですか。本当に助かりました。あのままだったら、私…、」
リスティーナはイグアスに襲われた時を思い出して、ぞっとした。
夫どころか夫の弟である義弟に純潔を奪われて、不義を犯してしまう所だった。
無理矢理押し倒され、思いやりも欠片もない乱暴なイグアスの手は恐怖しか感じなかった。
男女の契りは初めては痛いが慣れれば気持ちが良く、快楽を感じるようになると聞いたことがある。
けれど、リスティーナはあの時、気持ちいいどころかただただ怖くて、気持ち悪いとすら思った。
今にも泣きそうな震える声で話すリスティーナにルーファスはぽつりと小さな声で訊ねた。
「怖かったか?」
ルーファスの静かな問いかけにリスティーナはコクンと頷いた。
「…はい…。」
「君は、何故、あの時…、」
ルーファスはそこまで言いかけて、グッと口を閉ざした。
「殿下?」
言い淀む彼に不思議そうにリスティーナは首を傾げた。すると、ルーファスはぽつりと小さな声で疑問を口にした。
「君は何故…、あの時、助けを求めた?何故、イグアスを拒んだのだ?」
「え…、」
ルーファスの質問にリスティーナは言われた意味が分からなかった。
「イグアスは確かに女好きではあるがあの顔だ。女なら、誰しもが憧れる容姿に次期王太子の座に最も近いといわれている。地位も権力も容姿も全てが備わっている。…日陰者の俺とは違って、輝かしい未来が約束された優秀な男だ。俺などより、余程力がある。」
ルーファスは一度言葉を切ると、リスティーナを見つめた。目が合うがよく見ればぼんやりとしていて、焦点が定まっていない。それでも、彼がこちらを見ているのだと分かった。
「あの、質問の意味がよく…、分からないのですが…。」
「ここまで言われて、分からないのか?俺に擦り寄るよりはイグアスに媚を売った方がいいと言っているんだ。知っているだろ。俺はもうじき、死ぬ。王位継承権を受け継ぐ可能性はゼロに近い。
より高みを目指す為なら、俺ではなく、将来有望のイグアスを狙うべきだ。何なら、兄上でも高位貴族の連中でも、他に相手は幾らでも…、」
「どうして…、そのような事を仰るのですか?」
リスティーナは俯きながら震える声で言った。
「私は…、名ばかりの側室ですが、それでも殿下の妻です。
例え、殿下が私を妻とみて下さらなかったとしても構いません。でも、私は…、私だけは殿下の妻であるとそう思っています。だから…、殿下以外の男性と不貞を犯すつもりはありません!
お願いですから、そのような事を仰らないで下さい…。」
「…正気か?君はもう少し頭のいい女だと思っていたのだが。それとも、そうやって懐柔するように言われたのか?言った筈だ。俺に王位継承権の資格はほぼない。何の力も後ろ盾もない俺に取り入った所で…、」
「違います!私は誰かに命令された訳でも、地位や権力が欲しいわけでもありません!そんなもの…、私は欲しくない…!」
リスティーナは堪らずに叫んだ。地位や権力…。そんなものいらない。欲しくない。
過ぎた野心や欲は時に自分自身を破滅へと導く。母もよくそう言っていた。
王の寵愛を巡って醜い争いをする側室達の姿をリスティーナは何度も見てきた。
目的の為なら、どんな汚いことも平気でする。他人を傷つけ、踏みつけてでも手に入れようとする。
そこまでしてまで手に入れたいと自分は思わない。
「私はただ…、争いとは無縁の場所で…、静かに穏やかに暮らしたい。ただ、それだけなのです。」
「理解できない。なら、君は何故、俺を気遣うような振りをするんだ。見舞いに行きたいと言ったり、見舞いの品を贈ったり何を考えているんだ。」
「わ、私は…、振りではなく、本当に殿下が心配だっただけです!」
「心配?俺をか?」
ルーファスは嘲笑うように口角を上げた。嘘を吐けとでも言いたげな口調だ。
「本当です!嘘ではありません。殿下の体調が悪いと聞いて、心配で…、」
「何故、君が俺を心配するんだ?君が気にかける必要はないだろう。」
「私は殿下の側室です!気にかけるのは当然ではありませんか!それに、誰だって病気や怪我で苦しんでいる人がいれば心配するのは当たり前です。」
「…当たり前、か。」
ルーファスはぼそりと無感動に呟き、
「君の言い分は分かった。だが、静かに暮らしたいと言うのなら、尚更俺に近付くべきではないだろう。」
「それは…!でも、だからといって、殿下が苦しんでいるのに放っておくことなんてできません。」
「君は…、」
ルーファスが何かを言いかけるが結局、その先は何も言わなかった。グッと唇を引き結び、そのまま無言になるとルーファスはゆっくりと立ち上がった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
虐げられた出戻り姫は、こじらせ騎士の執愛に甘く捕らわれる
無憂
恋愛
旧題:水面に映る月影は――出戻り姫と銀の騎士
和平のために、隣国の大公に嫁いでいた末姫が、未亡人になって帰国した。わずか十二歳の妹を四十も年上の大公に嫁がせ、国のために犠牲を強いたことに自責の念を抱く王太子は、今度こそ幸福な結婚をと、信頼する側近の騎士に降嫁させようと考える。だが、騎士にはすでに生涯を誓った相手がいた。
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
辺境伯と幼妻の秘め事
睡眠不足
恋愛
父に虐げられていた23歳下のジュリアを守るため、形だけ娶った辺境伯のニコラス。それから5年近くが経過し、ジュリアは美しい女性に成長した。そんなある日、ニコラスはジュリアから本当の妻にしてほしいと迫られる。
途中まで書いていた話のストックが無くなったので、本来書きたかったヒロインが成長した後の話であるこちらを上げさせてもらいます。
*元の話を読まなくても全く問題ありません。
*15歳で成人となる世界です。
*異世界な上にヒーローは人外の血を引いています。
*なかなか本番にいきません
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる