50 / 222
第二章 相思相愛編
ルーファスの力
しおりを挟む
ルーファスは足で扉を蹴破り、部屋に駆け込んだ。その腕の中にはぐったりとしたリスティーナがいた。
「姫様!」
スザンヌがリスティーナに駆け寄った。血を吐いたせいで肌が青白く、息も絶え絶えなリスティーナを見て、スザンヌは口元を手で覆った。
「ひ、姫様…?」
「説明は後だ!医者を呼べ!」
ルーファスの命令にスザンヌは弾かれたように部屋を飛び出した。
ルーファスはリスティーナを寝台に寝かせた。
「殿下!一体、何があったのです!?」
ロジャー達が騒ぎを聞きつけて部屋に駆け込んだ。
「王妃に毒を盛られた。」
「ど、毒!?な、何でそんな事…!」
ルカは驚きのあまり、目を剥いた。ロジャーはルーファスの言葉に何かを察知したような表情を浮かべる。
「爺。催吐薬を!」
「ハッ、こちらに。」
ロジャーはすぐに薬をルーファスに差し出した。リリアナが急いでバケツとタオル、水を持ってきた。
「催吐薬…?何でそんな物を?」
「身体に残った毒を吐き出す為よ。毒が残ったままだと、後遺症が残る危険があるから。だから、嘔吐作用のある薬を飲ませて、胃の中の物を空っぽにするの。」
「え、そ、そうなんですか?」
「そうよ!あなたも殿下の従者ならもっと毒の対処方法について勉強なさい!」
「二人共!無駄話は後にして、今はリスティーナ様の治療に専念なさい!」
『は、はい!』
ルカとリリアナはロジャーの言葉に慌てて頷いた。その間にルーファスはリスティーナに口移しで薬を飲ませた。
即効性のある催吐薬はすぐに効果が現れた。
「ウッ…!」
リスティーナは吐き気を催し、口元を抑えた。差し出されたバケツに胃の内容物を吐き出す。
「ッ…、うっ、おえっ…!っ、…!」
ルーファスは嘔吐でえずくリスティーナの背中を撫でると、水を差し出した。
「大丈夫か?一度、口の中をゆすいだ方がいい。」
リスティーナは意識が朦朧としながらも、水を口にする。その直後にまたしても強い嘔気がリスティーナを襲った。が、リスティーナは口元を押さえて、吐くのを堪えた。
「リスティーナ!吐くのを我慢するな。」
ルーファスにそう言われても、リスティーナはフルフルと首を横に振り、ポロポロと涙を零した。
「姫様!どこか痛いのですか!?」
スザンヌがリスティーナに声を掛ける。が、リスティーナは首を横に振った。
「…で。」
「どうした?」
「見ないで…。見ないで、下さい…。こんな汚い…。」
リスティーナは泣きながら、ルーファスから顔を背けた。
「何を…、」
リスティーナの言葉の意味が分からず、ルーファスは怪訝な顔をした。
が、ロジャーはハッとしたように目を見開き、
「殿下。ここは、私共にお任せください。」
「何を言っている。まだ毒を完全に吐き出していないというのに…。」
「ご安心を。私がしっかりとリスティーナ様の治療を致しますので!」
「姫様の事は私にお任せを!」
「っ、おい!」
ロジャーとリリアナ、スザンヌにグイグイと腕を引っ張られ、背を押され、ルーファスは反ば強引に部屋を追い出された。
「姫様。さあ、殿下はもういませんので遠慮なく…、」
スザンヌにそう促され、リスティーナはバケツの中に吐瀉物を吐き出した。
「うっ…、ふっ…、」
リスティーナは泣きながら、吐き続けた。見られた。見られてしまった。ルーファス様に私が吐いている姿を…。
好きな人に吐いている場面を見られたことがショックでリスティーナは泣き続けた。
一方のルーファスは何故、部屋を追い出されたのか理解できないまま部屋の前に突っ立っていた。
彼からすれば、あれは治療であったのでリスティーナが吐いている姿を見ても気にも留めていなかった。それよりも、早く毒を全部吐き出さないといけないという気持ちの方が強かった。リスティーナが胃の中の物を全て吐き終えた頃、漸くルーファスは部屋に入ることができた。
「どうだ?」
リスティーナの容態を診察する医者にルーファスが急かすように医師に確認する。
「今はまだ何とも…。この毒は少々、厄介な代物でして…。即効性の強い毒ではありますが持続性のある毒でもあります。恐らく、今夜を乗り切らなければ…、」
「うっ…!い、痛い…!」
医師がそう説明している間にもリスティーナはズキズキと痛む胸を押さえ、苦悶の声を上げた。
身体の中が燃えているみたいに痛い。苦しい…!リスティーナはハッ、ハッ、と苦しそうに喘いだ。
「リスティーナ…。」
ルーファスがリスティーナの手を握り締めた。リスティーナはあまりの痛さに涙が止まらない。
「ル、ファス、様…。」
ああ。視界がぼやける。私…、このまま死んじゃうのかな?リスティーナはあまりの苦しさにそう思った。リスティーナは震える唇を動かして、最後にこれだけは伝えたいと口を開いた。
「ルー、ファス、様…。私…、あなたに、伝えたい、ことが…、」
「リスティーナ。今は喋るな。…君が元気になったら聞かせてくれ。」
そう言って、ルーファスはリスティーナの目を手で覆った。
フッと意識が遠のく。
駄目…。それじゃあ、駄目。もしかしたら、私、このまま死んでしまうかもしれない。
せめて死ぬ前に自分の気持ちを伝えておきたい。
私はあなたのことが好きなのだと…。
そう思っているのにリスティーナは突然、襲った眠気に打ち勝てずにそのまま目を閉じて、眠り込んでしまった。
スー、と寝息を立てるリスティーナを見て、ルーファスはグッと拳を握り締めた。
強制的に眠らせることでしか彼女の苦しみを紛らわせることしかできない自分の無力さに腹が立った。
ふと、ルーファスは自分の掌を見つめた。爪が食い込んで血が滲んでいる。
この力を使えばもしかしたら…、
「爺。正直に答えろ。リスティーナは助かると思うか?」
「…厳しいかと思います。」
ロジャーはリスティーナを見て、沈痛な面持ちでそう言った。
「リスティーナ様に盛られた毒は強力な毒です。助かる見込みは…、限りなく低いかと。
毒に耐性がある方ならともかく、リスティーナ様は毒に耐性がありません。このままだと…、」
「そんな…!姫様が死ぬというのですか!?」
スザンヌはショックを受けたように叫んだ。
「どうして、姫様が死ななくてはならないのです!?姫様が何をしたっていうんですか!」
悲痛なスザンヌの叫びにロジャー達は何も答えられなかった。
「リスティーナは死なない。」
泣き叫ぶスザンヌにルーファスがそう小さく呟いた。
「!?な、何を言って…?」
「死なせはしない。絶対に…。俺がどんな手を使ってでも彼女を助ける。」
「殿下…?」
ロジャーが訝し気にルーファスを見つめた。ルーファスはリスティーナの手をそっと握ると、指に口づけた。
その愛おしい者を見るかのような彼の表情にスザンヌは目を瞠った。
「リスティーナ…。今、楽にしてやる。」
そう言って、ルーファスはリスティーナの額に手を翳した。
瞬間、ブワッと風圧のようなものがルーファスを中心に巻き起こり、スザンヌ達は吹き飛ばされそうになった。
「な、何…!?この、風…!」
「!まさか…、力を使う気ですか!?駄目です!これ以上、力を使っては…!そんな事すれば、あなたの命も…!」
何かに気付いたロジャーが必死に止めるが、ルーファスは耳を貸さなかった。
リスティーナの額に翳した手が震え始め、額に汗が滲んだ。
クッ、と声を上げて、もう片方の手でその手を押さえつける。
すると、段々とリスティーナの顔色に生気が戻ってきた。
風がおさまった頃には、リスティーナの顔色は元に戻り、青白い顔は薔薇色の頬に変わり、安らかな寝息を立てていた。明らかに容態がよくなった様子のリスティーナにスザンヌは唖然とした。
「姫様…?」
その時、ドサッとルーファスが床に倒れ込んだ。
「殿下!」
ルーファスは片手を押さえ、歯を食い縛り、苦しそうな表情を浮かべていた。
「殿下…?」
スザンヌは様子がおかしい彼に思わず目を向けた。リスティーナに翳した手の黒い紋様がどす黒くなり、黒い渦のようなものが蠢いていた。その時、ルーファスは強く咳き込んだ。そのまま、ゴホッと血を吐いてしまう。
「殿下!」
ロジャーはルーファスに駆け寄った。
「姫様!」
スザンヌがリスティーナに駆け寄った。血を吐いたせいで肌が青白く、息も絶え絶えなリスティーナを見て、スザンヌは口元を手で覆った。
「ひ、姫様…?」
「説明は後だ!医者を呼べ!」
ルーファスの命令にスザンヌは弾かれたように部屋を飛び出した。
ルーファスはリスティーナを寝台に寝かせた。
「殿下!一体、何があったのです!?」
ロジャー達が騒ぎを聞きつけて部屋に駆け込んだ。
「王妃に毒を盛られた。」
「ど、毒!?な、何でそんな事…!」
ルカは驚きのあまり、目を剥いた。ロジャーはルーファスの言葉に何かを察知したような表情を浮かべる。
「爺。催吐薬を!」
「ハッ、こちらに。」
ロジャーはすぐに薬をルーファスに差し出した。リリアナが急いでバケツとタオル、水を持ってきた。
「催吐薬…?何でそんな物を?」
「身体に残った毒を吐き出す為よ。毒が残ったままだと、後遺症が残る危険があるから。だから、嘔吐作用のある薬を飲ませて、胃の中の物を空っぽにするの。」
「え、そ、そうなんですか?」
「そうよ!あなたも殿下の従者ならもっと毒の対処方法について勉強なさい!」
「二人共!無駄話は後にして、今はリスティーナ様の治療に専念なさい!」
『は、はい!』
ルカとリリアナはロジャーの言葉に慌てて頷いた。その間にルーファスはリスティーナに口移しで薬を飲ませた。
即効性のある催吐薬はすぐに効果が現れた。
「ウッ…!」
リスティーナは吐き気を催し、口元を抑えた。差し出されたバケツに胃の内容物を吐き出す。
「ッ…、うっ、おえっ…!っ、…!」
ルーファスは嘔吐でえずくリスティーナの背中を撫でると、水を差し出した。
「大丈夫か?一度、口の中をゆすいだ方がいい。」
リスティーナは意識が朦朧としながらも、水を口にする。その直後にまたしても強い嘔気がリスティーナを襲った。が、リスティーナは口元を押さえて、吐くのを堪えた。
「リスティーナ!吐くのを我慢するな。」
ルーファスにそう言われても、リスティーナはフルフルと首を横に振り、ポロポロと涙を零した。
「姫様!どこか痛いのですか!?」
スザンヌがリスティーナに声を掛ける。が、リスティーナは首を横に振った。
「…で。」
「どうした?」
「見ないで…。見ないで、下さい…。こんな汚い…。」
リスティーナは泣きながら、ルーファスから顔を背けた。
「何を…、」
リスティーナの言葉の意味が分からず、ルーファスは怪訝な顔をした。
が、ロジャーはハッとしたように目を見開き、
「殿下。ここは、私共にお任せください。」
「何を言っている。まだ毒を完全に吐き出していないというのに…。」
「ご安心を。私がしっかりとリスティーナ様の治療を致しますので!」
「姫様の事は私にお任せを!」
「っ、おい!」
ロジャーとリリアナ、スザンヌにグイグイと腕を引っ張られ、背を押され、ルーファスは反ば強引に部屋を追い出された。
「姫様。さあ、殿下はもういませんので遠慮なく…、」
スザンヌにそう促され、リスティーナはバケツの中に吐瀉物を吐き出した。
「うっ…、ふっ…、」
リスティーナは泣きながら、吐き続けた。見られた。見られてしまった。ルーファス様に私が吐いている姿を…。
好きな人に吐いている場面を見られたことがショックでリスティーナは泣き続けた。
一方のルーファスは何故、部屋を追い出されたのか理解できないまま部屋の前に突っ立っていた。
彼からすれば、あれは治療であったのでリスティーナが吐いている姿を見ても気にも留めていなかった。それよりも、早く毒を全部吐き出さないといけないという気持ちの方が強かった。リスティーナが胃の中の物を全て吐き終えた頃、漸くルーファスは部屋に入ることができた。
「どうだ?」
リスティーナの容態を診察する医者にルーファスが急かすように医師に確認する。
「今はまだ何とも…。この毒は少々、厄介な代物でして…。即効性の強い毒ではありますが持続性のある毒でもあります。恐らく、今夜を乗り切らなければ…、」
「うっ…!い、痛い…!」
医師がそう説明している間にもリスティーナはズキズキと痛む胸を押さえ、苦悶の声を上げた。
身体の中が燃えているみたいに痛い。苦しい…!リスティーナはハッ、ハッ、と苦しそうに喘いだ。
「リスティーナ…。」
ルーファスがリスティーナの手を握り締めた。リスティーナはあまりの痛さに涙が止まらない。
「ル、ファス、様…。」
ああ。視界がぼやける。私…、このまま死んじゃうのかな?リスティーナはあまりの苦しさにそう思った。リスティーナは震える唇を動かして、最後にこれだけは伝えたいと口を開いた。
「ルー、ファス、様…。私…、あなたに、伝えたい、ことが…、」
「リスティーナ。今は喋るな。…君が元気になったら聞かせてくれ。」
そう言って、ルーファスはリスティーナの目を手で覆った。
フッと意識が遠のく。
駄目…。それじゃあ、駄目。もしかしたら、私、このまま死んでしまうかもしれない。
せめて死ぬ前に自分の気持ちを伝えておきたい。
私はあなたのことが好きなのだと…。
そう思っているのにリスティーナは突然、襲った眠気に打ち勝てずにそのまま目を閉じて、眠り込んでしまった。
スー、と寝息を立てるリスティーナを見て、ルーファスはグッと拳を握り締めた。
強制的に眠らせることでしか彼女の苦しみを紛らわせることしかできない自分の無力さに腹が立った。
ふと、ルーファスは自分の掌を見つめた。爪が食い込んで血が滲んでいる。
この力を使えばもしかしたら…、
「爺。正直に答えろ。リスティーナは助かると思うか?」
「…厳しいかと思います。」
ロジャーはリスティーナを見て、沈痛な面持ちでそう言った。
「リスティーナ様に盛られた毒は強力な毒です。助かる見込みは…、限りなく低いかと。
毒に耐性がある方ならともかく、リスティーナ様は毒に耐性がありません。このままだと…、」
「そんな…!姫様が死ぬというのですか!?」
スザンヌはショックを受けたように叫んだ。
「どうして、姫様が死ななくてはならないのです!?姫様が何をしたっていうんですか!」
悲痛なスザンヌの叫びにロジャー達は何も答えられなかった。
「リスティーナは死なない。」
泣き叫ぶスザンヌにルーファスがそう小さく呟いた。
「!?な、何を言って…?」
「死なせはしない。絶対に…。俺がどんな手を使ってでも彼女を助ける。」
「殿下…?」
ロジャーが訝し気にルーファスを見つめた。ルーファスはリスティーナの手をそっと握ると、指に口づけた。
その愛おしい者を見るかのような彼の表情にスザンヌは目を瞠った。
「リスティーナ…。今、楽にしてやる。」
そう言って、ルーファスはリスティーナの額に手を翳した。
瞬間、ブワッと風圧のようなものがルーファスを中心に巻き起こり、スザンヌ達は吹き飛ばされそうになった。
「な、何…!?この、風…!」
「!まさか…、力を使う気ですか!?駄目です!これ以上、力を使っては…!そんな事すれば、あなたの命も…!」
何かに気付いたロジャーが必死に止めるが、ルーファスは耳を貸さなかった。
リスティーナの額に翳した手が震え始め、額に汗が滲んだ。
クッ、と声を上げて、もう片方の手でその手を押さえつける。
すると、段々とリスティーナの顔色に生気が戻ってきた。
風がおさまった頃には、リスティーナの顔色は元に戻り、青白い顔は薔薇色の頬に変わり、安らかな寝息を立てていた。明らかに容態がよくなった様子のリスティーナにスザンヌは唖然とした。
「姫様…?」
その時、ドサッとルーファスが床に倒れ込んだ。
「殿下!」
ルーファスは片手を押さえ、歯を食い縛り、苦しそうな表情を浮かべていた。
「殿下…?」
スザンヌは様子がおかしい彼に思わず目を向けた。リスティーナに翳した手の黒い紋様がどす黒くなり、黒い渦のようなものが蠢いていた。その時、ルーファスは強く咳き込んだ。そのまま、ゴホッと血を吐いてしまう。
「殿下!」
ロジャーはルーファスに駆け寄った。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
辺境伯と幼妻の秘め事
睡眠不足
恋愛
父に虐げられていた23歳下のジュリアを守るため、形だけ娶った辺境伯のニコラス。それから5年近くが経過し、ジュリアは美しい女性に成長した。そんなある日、ニコラスはジュリアから本当の妻にしてほしいと迫られる。
途中まで書いていた話のストックが無くなったので、本来書きたかったヒロインが成長した後の話であるこちらを上げさせてもらいます。
*元の話を読まなくても全く問題ありません。
*15歳で成人となる世界です。
*異世界な上にヒーローは人外の血を引いています。
*なかなか本番にいきません
巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる