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第三章 立志編
強引な求婚
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「クッ…!」
その時、ラシードが口元に手を当て、俯いた。反射的にリスティーナは視線を向ける。
「ククッ…!ハハッ…!ハハハハ!やはり、そうか!俺の目に狂いはなかった…!」
ラシード殿下?突然、笑い出したラシードにリスティーナは驚き、固まった。
ど、どうしたというの?突然、笑い出すなんて…。
不意にラシードが笑うのを止め、リスティーナを見つめた。
眼光鋭い視線にリスティーナはギクリ、とした。ラシードは無言でリスティーナに近付いた。
身の危険を感じたリスティーナは思わず距離を取ろうとするがすぐに距離を詰められ、手首を掴まれた。ギリッ、と痛い位に握られ、リスティーナは思わず眉を顰める。
「い、痛ッ…!」
「やっと見つけたぞ…!この時をどれだけ待っていた事か…。」
「な、何を…。あの、とりあえず、手を放して下さい…!」
そう言って、ラシードの手を引き剥がそうとするがビクともしない。
必死にラシードの手から抜け出そうとするリスティーナだったが次に発せられたラシードの言葉に固まった。
「決めたぞ。お前を俺の物にする。」
「は、はい?」
「リスティーナ。お前、俺の妃になれ。」
きさき?妃って、あの妃?突拍子もない話にリスティーナの頭の中は疑問符でいっぱいになった。
「ちょっと!お兄様…!」
「お前は黙ってろ。アーリヤ。」
「あの、言っている意味がよく分からないのですが…。あの、もしかしたら、私、聞き間違えてしまったと思うのでもう一度仰って頂いても…、」
一瞬、思考停止したが、我に返ったリスティーナはおずおずとラシードに聞き返した。
「俺の妃になれって言ったんだ。場合によっては、正妃にしてやってもいいぞ。」
聞き間違いじゃなかった。リスティーナは唖然とした。
「何を言って…。冗談でも言っていい事と悪い事があります!」
リスティーナはラシードの手を振り払い、叫んだ。
この人…、おかしい!私がルーファス殿下の側室だと知っているのにこんな事を言い出すなんて…!
「冗談?悪いが、俺はこんな質の悪い冗談を言ったつもりはないぞ。俺は本気だ。」
「私はルーファス殿下の側室です!殿下に嫁ぐことはできません!」
まだ手首がジンジンして、痛い。リスティーナはラシードに掴まれた手首を摩りながら、きっぱりと断った。この人何を考えているの?リスティーナはラシードから距離を取るように一歩、二歩と後ろに下がった。
「今はな。けど、先の未来は分からないだろう?あいつはもう余命僅かの命だ。いずれ、あいつは死ぬ。その時、お前を誰が守ってくれる?ルーファスが死んだ後の保険をかけておいて損はないだろう。俺がその保険になってやると言ってるんだ。」
不敵な笑みを浮かべ、こちらに手を差し出すラシード。リスティーナが手を取るのが当然と思っているかのような傲慢な態度に思わず怒りを抱いた。
「ッ、私は…!私はあなたの妃にはなりません!絶対に嫌です!」
ルーファス様を傷つけた張本人であるラシードの妻になるだなんて絶対に嫌だ。何より、ルーファス様以外の男性になんて嫁ぎたくない。
「それに、ルーファス様はまだ死んでません!勝手にルーファス様の未来を決めつけないでください!
あの方は…、今必死に生きようとしてくれてるんです!ルーファス様の気持ちも考えずに勝手な事を言わないで!」
「勝手も何も、事実だろう。あいつはもうすぐ死ぬ。」
「そんな…、そんな事…!」
リスティーナはその事実を認めたくなくて、胸の前で手を握りしめ、俯いた。
靴音を響かせて、ラシードがこちらに近付く足音が聞こえた。ピタッとリスティーナの目の前で足が止まった。そのままラシードの声が耳元で囁かれる。
「リスティーナ。俺の物になれよ。ルーファスよりも気持ちよくしてやるぜ?どうせ、あいつつい最近まで童貞だったんだろ?女の抱き方も喜ばせ方も知らないつまらない男なんかより、俺の方がよっぽど…、」
「ッ、ルーファス様はつまらない人ではありません!」
リスティーナは声を張り上げた。
「ルーファス様はあなたなんかより、ずっとずっと素敵な人です!」
ルーファス様はリスティーナが今まで出会った男性の中で一番誠実で優しい人だった。
そして、誰よりも…、強い人だった。どんな逆境にも負けず、辛くても悲しくても、死にたいほどに苦しい目に遭っても…、彼は生き続けた。そして、彼は今も…、戦っている。
そんな人が…、つまらない人だなんて…!リスティーナはキッ、とラシードを睨みつけた。
「取り消してください!ルーファス様をつまらないといった言葉を!あなたにルーファス様の何が分かると言うんですか!」
「少なくとも、お前よりは知っているぞ。…というか、お前あいつに本気で惚れてるのか?」
「っ!」
心底、理解できないとでも言いたげな顔をするラシードにリスティーナはサッと頬を赤らめた。
狼狽えるリスティーナにラシードは呆れた。
「あんな男のどこがいいんだ?そもそも、他の女に夢中の男に惚れるなんてどうかしているぞ。どう考えても、脈なしだろうが。」
「え…。」
リスティーナはラシードの言葉に思わず反応した。今、何て…?他の女性に夢中?ルーファス様が?
「何だ。知らないのか?あいつ、さては隠しているな。俺はルーファスの事なんざどうでもいいがあいつがローザに未練があるってことは知っているぜ。ローザはルーファスの初恋の女なんだよ。それをあいつはずるずるとこの歳になっても引きずってるだけの話さ。」
ルーファス様がローザ様を…?そんな…。そんな事、ルーファス様は一言も言ってなかった。
「まあ、あいつの気持ちは分からないでもないさ。ローザに優しくされて、コロッとなっちゃったんだろう?あいつ、女に免疫なさそうだもんな。ちょっと優しくされただけで惚れるなんて随分、チョロイ男だよなあ。」
う、嘘…。
で、でも…、ルーファス様は私の事を好きって…。リスティーナは必死に自分にそう言い聞かせるがラシードの言葉は止まらない。
「お前も気を付けた方がいいぞ?今はお前を好きかもしれないけど、それは傍にいる女がお前しかいないからだ。もしかしたら、あいつはただ単にお前をローザの身代わりにしているだけかもな。
そんな男に尽くす義理なんかないだろう?」
「そ、んな…!そんな事っ…!」
違う!違う!違う!そんな事ない!ルーファス様は…、そんな方じゃない!リスティーナは必死に否定しようとするが声が出ない。脳裏にレノアの言葉が甦る。
『あんたなんか誰も愛さないわよ。自分が男に好かれるとでも思ってたの?あんたみたいな地味で根暗で惨めな女なんか男が相手にする訳ないじゃない。それなのに、勘違いして…、恥ずかしい女!』
何度も言われ続けてきたその言葉…。それはまるで呪縛のように私を苦しめる。
だって…、その通りだったから。いつもいつも…、鏡に映る自分の姿はレノア王女の言う通り、惨めそのものだったから…。
華やかで美しいレノア王女を見るたびにリスティーナは辛かった。だって、自分の惨めさと醜さを痛感するから。
私…、私は…!リスティーナはギュッと目を瞑り、俯いた。
「なあ、リスティーナ。お前は自分の価値が分かっていないんだ。お前は本来、こんな所で一生を終えるような女じゃない。俺はルーファスよりもお前を輝かせることができる。それにな…、お前を今まで出自だなんだと馬鹿にした連中…、そうだな。例えば…、レノアを見返すことだってできるぞ?」
ラシードは動揺して固まって動けなくなってしまったリスティーナの耳元に囁いた。
リスティーナの金糸の髪に触れ、サラッと指を滑らせる。リスティーナはビクッと反応した。
「お前にとっても悪い話じゃないだろう?俺の物になれば、もうルーファスの妻だという理由で避けられることもないし、馬鹿にされることもなくなるんだ。むしろ、お前は女達から羨望の眼差しで見られるようになる。パレフィエ国の王太子妃と呪われた化け物王子の側室…。どっちが女として幸せなのかは考えなくても分かるだろう?
それに、俺はお前を気に入っているんだ。それこそ、正妃にしたいと思う位にはな…。どうだ?ルーファスなんか捨てて、俺の妻にならないか?」
ラシードの言葉にリスティーナは数秒、黙ったままだった。
幸せ…?私の幸せは…、何?そんなの、決まっている。
そうだ。私は…、決めたんだ。最後までルーファス様の傍にいるって。だったら…!私の答えは決まっている。
その時、ラシードが口元に手を当て、俯いた。反射的にリスティーナは視線を向ける。
「ククッ…!ハハッ…!ハハハハ!やはり、そうか!俺の目に狂いはなかった…!」
ラシード殿下?突然、笑い出したラシードにリスティーナは驚き、固まった。
ど、どうしたというの?突然、笑い出すなんて…。
不意にラシードが笑うのを止め、リスティーナを見つめた。
眼光鋭い視線にリスティーナはギクリ、とした。ラシードは無言でリスティーナに近付いた。
身の危険を感じたリスティーナは思わず距離を取ろうとするがすぐに距離を詰められ、手首を掴まれた。ギリッ、と痛い位に握られ、リスティーナは思わず眉を顰める。
「い、痛ッ…!」
「やっと見つけたぞ…!この時をどれだけ待っていた事か…。」
「な、何を…。あの、とりあえず、手を放して下さい…!」
そう言って、ラシードの手を引き剥がそうとするがビクともしない。
必死にラシードの手から抜け出そうとするリスティーナだったが次に発せられたラシードの言葉に固まった。
「決めたぞ。お前を俺の物にする。」
「は、はい?」
「リスティーナ。お前、俺の妃になれ。」
きさき?妃って、あの妃?突拍子もない話にリスティーナの頭の中は疑問符でいっぱいになった。
「ちょっと!お兄様…!」
「お前は黙ってろ。アーリヤ。」
「あの、言っている意味がよく分からないのですが…。あの、もしかしたら、私、聞き間違えてしまったと思うのでもう一度仰って頂いても…、」
一瞬、思考停止したが、我に返ったリスティーナはおずおずとラシードに聞き返した。
「俺の妃になれって言ったんだ。場合によっては、正妃にしてやってもいいぞ。」
聞き間違いじゃなかった。リスティーナは唖然とした。
「何を言って…。冗談でも言っていい事と悪い事があります!」
リスティーナはラシードの手を振り払い、叫んだ。
この人…、おかしい!私がルーファス殿下の側室だと知っているのにこんな事を言い出すなんて…!
「冗談?悪いが、俺はこんな質の悪い冗談を言ったつもりはないぞ。俺は本気だ。」
「私はルーファス殿下の側室です!殿下に嫁ぐことはできません!」
まだ手首がジンジンして、痛い。リスティーナはラシードに掴まれた手首を摩りながら、きっぱりと断った。この人何を考えているの?リスティーナはラシードから距離を取るように一歩、二歩と後ろに下がった。
「今はな。けど、先の未来は分からないだろう?あいつはもう余命僅かの命だ。いずれ、あいつは死ぬ。その時、お前を誰が守ってくれる?ルーファスが死んだ後の保険をかけておいて損はないだろう。俺がその保険になってやると言ってるんだ。」
不敵な笑みを浮かべ、こちらに手を差し出すラシード。リスティーナが手を取るのが当然と思っているかのような傲慢な態度に思わず怒りを抱いた。
「ッ、私は…!私はあなたの妃にはなりません!絶対に嫌です!」
ルーファス様を傷つけた張本人であるラシードの妻になるだなんて絶対に嫌だ。何より、ルーファス様以外の男性になんて嫁ぎたくない。
「それに、ルーファス様はまだ死んでません!勝手にルーファス様の未来を決めつけないでください!
あの方は…、今必死に生きようとしてくれてるんです!ルーファス様の気持ちも考えずに勝手な事を言わないで!」
「勝手も何も、事実だろう。あいつはもうすぐ死ぬ。」
「そんな…、そんな事…!」
リスティーナはその事実を認めたくなくて、胸の前で手を握りしめ、俯いた。
靴音を響かせて、ラシードがこちらに近付く足音が聞こえた。ピタッとリスティーナの目の前で足が止まった。そのままラシードの声が耳元で囁かれる。
「リスティーナ。俺の物になれよ。ルーファスよりも気持ちよくしてやるぜ?どうせ、あいつつい最近まで童貞だったんだろ?女の抱き方も喜ばせ方も知らないつまらない男なんかより、俺の方がよっぽど…、」
「ッ、ルーファス様はつまらない人ではありません!」
リスティーナは声を張り上げた。
「ルーファス様はあなたなんかより、ずっとずっと素敵な人です!」
ルーファス様はリスティーナが今まで出会った男性の中で一番誠実で優しい人だった。
そして、誰よりも…、強い人だった。どんな逆境にも負けず、辛くても悲しくても、死にたいほどに苦しい目に遭っても…、彼は生き続けた。そして、彼は今も…、戦っている。
そんな人が…、つまらない人だなんて…!リスティーナはキッ、とラシードを睨みつけた。
「取り消してください!ルーファス様をつまらないといった言葉を!あなたにルーファス様の何が分かると言うんですか!」
「少なくとも、お前よりは知っているぞ。…というか、お前あいつに本気で惚れてるのか?」
「っ!」
心底、理解できないとでも言いたげな顔をするラシードにリスティーナはサッと頬を赤らめた。
狼狽えるリスティーナにラシードは呆れた。
「あんな男のどこがいいんだ?そもそも、他の女に夢中の男に惚れるなんてどうかしているぞ。どう考えても、脈なしだろうが。」
「え…。」
リスティーナはラシードの言葉に思わず反応した。今、何て…?他の女性に夢中?ルーファス様が?
「何だ。知らないのか?あいつ、さては隠しているな。俺はルーファスの事なんざどうでもいいがあいつがローザに未練があるってことは知っているぜ。ローザはルーファスの初恋の女なんだよ。それをあいつはずるずるとこの歳になっても引きずってるだけの話さ。」
ルーファス様がローザ様を…?そんな…。そんな事、ルーファス様は一言も言ってなかった。
「まあ、あいつの気持ちは分からないでもないさ。ローザに優しくされて、コロッとなっちゃったんだろう?あいつ、女に免疫なさそうだもんな。ちょっと優しくされただけで惚れるなんて随分、チョロイ男だよなあ。」
う、嘘…。
で、でも…、ルーファス様は私の事を好きって…。リスティーナは必死に自分にそう言い聞かせるがラシードの言葉は止まらない。
「お前も気を付けた方がいいぞ?今はお前を好きかもしれないけど、それは傍にいる女がお前しかいないからだ。もしかしたら、あいつはただ単にお前をローザの身代わりにしているだけかもな。
そんな男に尽くす義理なんかないだろう?」
「そ、んな…!そんな事っ…!」
違う!違う!違う!そんな事ない!ルーファス様は…、そんな方じゃない!リスティーナは必死に否定しようとするが声が出ない。脳裏にレノアの言葉が甦る。
『あんたなんか誰も愛さないわよ。自分が男に好かれるとでも思ってたの?あんたみたいな地味で根暗で惨めな女なんか男が相手にする訳ないじゃない。それなのに、勘違いして…、恥ずかしい女!』
何度も言われ続けてきたその言葉…。それはまるで呪縛のように私を苦しめる。
だって…、その通りだったから。いつもいつも…、鏡に映る自分の姿はレノア王女の言う通り、惨めそのものだったから…。
華やかで美しいレノア王女を見るたびにリスティーナは辛かった。だって、自分の惨めさと醜さを痛感するから。
私…、私は…!リスティーナはギュッと目を瞑り、俯いた。
「なあ、リスティーナ。お前は自分の価値が分かっていないんだ。お前は本来、こんな所で一生を終えるような女じゃない。俺はルーファスよりもお前を輝かせることができる。それにな…、お前を今まで出自だなんだと馬鹿にした連中…、そうだな。例えば…、レノアを見返すことだってできるぞ?」
ラシードは動揺して固まって動けなくなってしまったリスティーナの耳元に囁いた。
リスティーナの金糸の髪に触れ、サラッと指を滑らせる。リスティーナはビクッと反応した。
「お前にとっても悪い話じゃないだろう?俺の物になれば、もうルーファスの妻だという理由で避けられることもないし、馬鹿にされることもなくなるんだ。むしろ、お前は女達から羨望の眼差しで見られるようになる。パレフィエ国の王太子妃と呪われた化け物王子の側室…。どっちが女として幸せなのかは考えなくても分かるだろう?
それに、俺はお前を気に入っているんだ。それこそ、正妃にしたいと思う位にはな…。どうだ?ルーファスなんか捨てて、俺の妻にならないか?」
ラシードの言葉にリスティーナは数秒、黙ったままだった。
幸せ…?私の幸せは…、何?そんなの、決まっている。
そうだ。私は…、決めたんだ。最後までルーファス様の傍にいるって。だったら…!私の答えは決まっている。
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