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第三章 立志編
ルーファスside
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「殿下。」
「爺。ラシードは?」
「先程、帰られました。」
「そうか。」
ルーファスはハーと長い息を吐いて、長椅子の背もたれに背を預けた。
危なかった…。途中、何度か反応してしまいそうになるのを何とか平常心を装って誤魔化した。
ラシードはもうリスティーナの正体に気付いている。リスティーナの瞳の色の変化を見てしまった以上、それはもう隠しようがない。
だが、ローザがいるお蔭でリスティーナが巫女であるという確信までは至っていない。
それに、ラシードは俺がリスティーナの正体に気付いていることを知らない。
だから、今日それを確かめようとした。
恐らく、あいつは俺がリスティーナの秘密を知っているとすれば、無理矢理にでもリスティーナを手に入れる筈だ。それだけは避けないといけない。
逆に知っていないと思わせればまだ猶予はある。ラシードはあれでも慎重な男だ。
王族の妃を無理矢理奪うとなると、自分の評判にも傷がつくし、その後始末に追われることになる。
それらのリスクを考えると、奴は手を引く筈だ。
とりあえず、これで時間稼ぎはできた。
問題はこれからだ。あの場は誤魔化したがラシードはまたリスティーナに接触しようと試みる筈だ。
せめて、ラシードが帰国するまでの間だけでもリスティーナを王宮とは別の場所に移した方がいい。
万が一、自分の身に何かあった時の為にも彼女の今後の身の置き所も考えないと…。
「爺。例の件はどうなっている?」
「滞りなく。恐らく、明日までには整うかと。」
「そうか。」
ロジャーの言葉にルーファスは頷いた。
もし、ラシードがリスティーナの秘密を盾にとって、脅してくるようならどうしようかと身構えていたがさすがにそこまで危険な賭けに出る事はしなかった様だ。
それも当然か…。今の段階でリスティーナはルーファスの妻である為、所有権はこちらにある。
言い方は悪いがリスティーナの主導権はルーファスが握っている状態だ。
リスティーナの利用価値に俺が気付かない内にリスティーナを手に入れるつもりだったのだろう。
わざわざ敵に有利な情報を教えるような真似をあのラシードがする筈がない。
だが、助かった。
もし、リスティーナの秘密を周囲に公表されると言われれば、ルーファスにはそれを防ぐ手立てはない。勿論、そう脅されたとしても、ラシードの提案を吞むつもりはないが…。
それに、リスティーナの秘密を周囲に知られて困るのはラシードも同じだ。
周囲に知られればそれだけリスティーナを狙う輩も多くなる。巫女の末裔とはそれだけ価値があるのだ。
ルーファスにとってもそれは避けたい事態であるが向こうにとってもそれは同じ事…。
ラシードもそれを分かっていたからこそ、こちらを脅すような真似は控えたのだろう。
想定外だったのはラシードはローザを手放してでもリスティーナを手に入れようとしたことだ。
いや。もしかしたら、ローザの力では呪いを解く力はないと考えたのかもしれない。
思い返してみれば、ローザの力は弱く、歴代巫女とは比べ物にならない。
巫女伝説や伝承によれば過去には天候を左右し、疫病や災害から人々を救った巫女もいたらしい。
その他にも、不治の病に侵された王子を治したり、歩けなくなった娘の足を治したり、呪われた王女を助けたとも伝えられている。
神の奇跡と呼ばれる程の力…。だが、ローザにはそこまでの力はない。
ローゼンハイムにいた頃も予言をしたり、癒しの力で怪我人や病人を治したり、浄化の力で聖水を作ることもできてはいたが…、歴代の巫女と比べると劣って見えてしまう。
しかも、呪いを解く力を持った巫女は歴代巫女の中でも数人しかいない。
神聖力にも適性があり、皆が皆、同じ力を使いこなせるわけではないのだ。
中でも、予言の力と解呪力を持つ巫女は稀少だといわれている。
だからこそ、ラシードはローザを渡しても問題ないと判断したのだ。
大方、ルーファスが呪いで死んだらローザを取り戻す算段なのだろう。
そうすれば、ラシードはローザを失うことなく、リスティーナも手に入れることができる。
ルーファスの余命は後数か月しかない。今年の冬にはルーファスは二十歳を迎える。
二十歳まで生きられないといわれたルーファスは今年の夏を無事に越せるかどうかも分からない。
ラシードがあっさりと引き下がったのもそれが理由だ。
何もしなくても、ルーファスはいずれ死ぬ。ルーファスの死後にリスティーナを手に入れればいいと考えたのだろう。
ルーファスがリスティーナの秘密に気づいていたのなら、すぐにでもリスティーナを手に入れようと動くつもりだったのかもしれないが、ルーファスの反応で何も気付いていないと結論付けたのだろう。
だからこそ、あの場では引き下がったのだ。あいつはリスティーナを諦めた訳じゃない。
最後にああ言ったのも自分の命欲しさにルーファスが取引に応じる可能性があるかもしれないと踏んだからだ。
ルーファスはグッと拳を握りしめた。あいつの思い通りにはさせない。
とにかく、今は…、リスティーナの安全を確保することが最優先だ。
「しかし、殿下…。本当に大丈夫ですか?幾らリスティーナ様の為とはいえ、これ以上、無理をなされば殿下の命にも関わります。まだ安静にしなくてはいけない身体なのでもう少し体力が回復してからでも…。」
「大丈夫だ。むしろ、身体の為にも空気が澄んだ場所に行った方がいい。ここの空気はあまり気持ちのいいものではないからな。煩わしい噂話も聞かずにすむ。」
「殿下…。分かりました。ですが、くれぐれもご無理はなさらず…。」
「ああ。…ありがとう。爺。」
「ッ、勿体ないお言葉です。」
自分を気遣ってくれるロジャーに感謝を示すと、ロジャーは深々と頭を下げた。
「リスティーナ様にはこのことは?」
「まだ伝えていない。リスティーナには俺から話しておくから、準備の方を頼む。」
「畏まりました。」
ルーファスはそのまま、リスティーナがいる部屋に向かった。
扉に手をかけようとすると、話し声が聞こえる。
「殿下が私を?」
「はい。具合があまりよろしくないようでして…、」
「具合が!?分かりました。すぐに行きます。ルーファス様はどちらに?」
「私がご案内しますわ。」
「ちょっと待って下さい。ベッキー。それ、本当にルーファス殿下の命令何ですか?僕は何も聞いていませんけど。」
「と、当然ですわ!まさか、私を疑っているのですか?酷いです!」
「だって、普通に考えてみたら、おかしいじゃないですか。あの殿下が新入りのメイドを使ってリスティーナ様を呼び出すなんて。大体、リスティーナ様に関する伝言を託すなら、ロジャーさんか僕に預ける筈です。」
「た、確かに…。」
「そ、それは…!近くに私以外は誰も使用人がいなかったので…。」
「だからって僕達以外の使用人に伝言を預けるなんてあの人嫌いの殿下がする筈ないでしょ!そもそも、殿下は新入りの使用人は端から信用していないんですから。」
「そ、そんな事ないです!現に私は確かに殿下にリスティーナ様をお連れするようにと…!」
「じゃあ、確認します。本当に殿下がそんな命令を出したのかどうか。確認が終わるまで、リスティーナ様はこの部屋で待っていてください。」
「え、ええ。分かったわ。」
「なっ!?ど、どうして、そこまでしなくてはいけないのよ!?確認なんてしなくてもリスティーナ様が大人しく来てくれればそれで…!」
「何焦ってるんです?それに、口調も乱れていますよ。後、誤解がないように言っておきますけど…、これは殿下の指示ですから。元々、殿下は自分が戻ってくるまで、リスティーナ様を部屋から出すなって言っていたんです。それに…、用事が終わったらすぐにこちらに戻ってくるとも仰っていました。」
「ルーファス様が?いつの間に…、」
「殿下は用心深いですからね。それだけリスティーナ様の事が心配なんですよ。あ、そういえば…、自分が戻ってくる前に誰か来たり、自分の名前を出して呼び出されても応じる必要はないとも言ってたな。」
「だ、だから…!さっきから言っているじゃない!ルーファス殿下は急に具合が悪くなってこちらに来れなくなったのよ!だから…!」
「殿下の傍にはロジャーさんがいるんですよ。それなら、君じゃなくて、ロジャーさんに伝言を預けるでしょ。」
もうそろそろいいだろう。ルーファスは扉に手をかけると、リスティーナ達の前に姿を現した。
「爺。ラシードは?」
「先程、帰られました。」
「そうか。」
ルーファスはハーと長い息を吐いて、長椅子の背もたれに背を預けた。
危なかった…。途中、何度か反応してしまいそうになるのを何とか平常心を装って誤魔化した。
ラシードはもうリスティーナの正体に気付いている。リスティーナの瞳の色の変化を見てしまった以上、それはもう隠しようがない。
だが、ローザがいるお蔭でリスティーナが巫女であるという確信までは至っていない。
それに、ラシードは俺がリスティーナの正体に気付いていることを知らない。
だから、今日それを確かめようとした。
恐らく、あいつは俺がリスティーナの秘密を知っているとすれば、無理矢理にでもリスティーナを手に入れる筈だ。それだけは避けないといけない。
逆に知っていないと思わせればまだ猶予はある。ラシードはあれでも慎重な男だ。
王族の妃を無理矢理奪うとなると、自分の評判にも傷がつくし、その後始末に追われることになる。
それらのリスクを考えると、奴は手を引く筈だ。
とりあえず、これで時間稼ぎはできた。
問題はこれからだ。あの場は誤魔化したがラシードはまたリスティーナに接触しようと試みる筈だ。
せめて、ラシードが帰国するまでの間だけでもリスティーナを王宮とは別の場所に移した方がいい。
万が一、自分の身に何かあった時の為にも彼女の今後の身の置き所も考えないと…。
「爺。例の件はどうなっている?」
「滞りなく。恐らく、明日までには整うかと。」
「そうか。」
ロジャーの言葉にルーファスは頷いた。
もし、ラシードがリスティーナの秘密を盾にとって、脅してくるようならどうしようかと身構えていたがさすがにそこまで危険な賭けに出る事はしなかった様だ。
それも当然か…。今の段階でリスティーナはルーファスの妻である為、所有権はこちらにある。
言い方は悪いがリスティーナの主導権はルーファスが握っている状態だ。
リスティーナの利用価値に俺が気付かない内にリスティーナを手に入れるつもりだったのだろう。
わざわざ敵に有利な情報を教えるような真似をあのラシードがする筈がない。
だが、助かった。
もし、リスティーナの秘密を周囲に公表されると言われれば、ルーファスにはそれを防ぐ手立てはない。勿論、そう脅されたとしても、ラシードの提案を吞むつもりはないが…。
それに、リスティーナの秘密を周囲に知られて困るのはラシードも同じだ。
周囲に知られればそれだけリスティーナを狙う輩も多くなる。巫女の末裔とはそれだけ価値があるのだ。
ルーファスにとってもそれは避けたい事態であるが向こうにとってもそれは同じ事…。
ラシードもそれを分かっていたからこそ、こちらを脅すような真似は控えたのだろう。
想定外だったのはラシードはローザを手放してでもリスティーナを手に入れようとしたことだ。
いや。もしかしたら、ローザの力では呪いを解く力はないと考えたのかもしれない。
思い返してみれば、ローザの力は弱く、歴代巫女とは比べ物にならない。
巫女伝説や伝承によれば過去には天候を左右し、疫病や災害から人々を救った巫女もいたらしい。
その他にも、不治の病に侵された王子を治したり、歩けなくなった娘の足を治したり、呪われた王女を助けたとも伝えられている。
神の奇跡と呼ばれる程の力…。だが、ローザにはそこまでの力はない。
ローゼンハイムにいた頃も予言をしたり、癒しの力で怪我人や病人を治したり、浄化の力で聖水を作ることもできてはいたが…、歴代の巫女と比べると劣って見えてしまう。
しかも、呪いを解く力を持った巫女は歴代巫女の中でも数人しかいない。
神聖力にも適性があり、皆が皆、同じ力を使いこなせるわけではないのだ。
中でも、予言の力と解呪力を持つ巫女は稀少だといわれている。
だからこそ、ラシードはローザを渡しても問題ないと判断したのだ。
大方、ルーファスが呪いで死んだらローザを取り戻す算段なのだろう。
そうすれば、ラシードはローザを失うことなく、リスティーナも手に入れることができる。
ルーファスの余命は後数か月しかない。今年の冬にはルーファスは二十歳を迎える。
二十歳まで生きられないといわれたルーファスは今年の夏を無事に越せるかどうかも分からない。
ラシードがあっさりと引き下がったのもそれが理由だ。
何もしなくても、ルーファスはいずれ死ぬ。ルーファスの死後にリスティーナを手に入れればいいと考えたのだろう。
ルーファスがリスティーナの秘密に気づいていたのなら、すぐにでもリスティーナを手に入れようと動くつもりだったのかもしれないが、ルーファスの反応で何も気付いていないと結論付けたのだろう。
だからこそ、あの場では引き下がったのだ。あいつはリスティーナを諦めた訳じゃない。
最後にああ言ったのも自分の命欲しさにルーファスが取引に応じる可能性があるかもしれないと踏んだからだ。
ルーファスはグッと拳を握りしめた。あいつの思い通りにはさせない。
とにかく、今は…、リスティーナの安全を確保することが最優先だ。
「しかし、殿下…。本当に大丈夫ですか?幾らリスティーナ様の為とはいえ、これ以上、無理をなされば殿下の命にも関わります。まだ安静にしなくてはいけない身体なのでもう少し体力が回復してからでも…。」
「大丈夫だ。むしろ、身体の為にも空気が澄んだ場所に行った方がいい。ここの空気はあまり気持ちのいいものではないからな。煩わしい噂話も聞かずにすむ。」
「殿下…。分かりました。ですが、くれぐれもご無理はなさらず…。」
「ああ。…ありがとう。爺。」
「ッ、勿体ないお言葉です。」
自分を気遣ってくれるロジャーに感謝を示すと、ロジャーは深々と頭を下げた。
「リスティーナ様にはこのことは?」
「まだ伝えていない。リスティーナには俺から話しておくから、準備の方を頼む。」
「畏まりました。」
ルーファスはそのまま、リスティーナがいる部屋に向かった。
扉に手をかけようとすると、話し声が聞こえる。
「殿下が私を?」
「はい。具合があまりよろしくないようでして…、」
「具合が!?分かりました。すぐに行きます。ルーファス様はどちらに?」
「私がご案内しますわ。」
「ちょっと待って下さい。ベッキー。それ、本当にルーファス殿下の命令何ですか?僕は何も聞いていませんけど。」
「と、当然ですわ!まさか、私を疑っているのですか?酷いです!」
「だって、普通に考えてみたら、おかしいじゃないですか。あの殿下が新入りのメイドを使ってリスティーナ様を呼び出すなんて。大体、リスティーナ様に関する伝言を託すなら、ロジャーさんか僕に預ける筈です。」
「た、確かに…。」
「そ、それは…!近くに私以外は誰も使用人がいなかったので…。」
「だからって僕達以外の使用人に伝言を預けるなんてあの人嫌いの殿下がする筈ないでしょ!そもそも、殿下は新入りの使用人は端から信用していないんですから。」
「そ、そんな事ないです!現に私は確かに殿下にリスティーナ様をお連れするようにと…!」
「じゃあ、確認します。本当に殿下がそんな命令を出したのかどうか。確認が終わるまで、リスティーナ様はこの部屋で待っていてください。」
「え、ええ。分かったわ。」
「なっ!?ど、どうして、そこまでしなくてはいけないのよ!?確認なんてしなくてもリスティーナ様が大人しく来てくれればそれで…!」
「何焦ってるんです?それに、口調も乱れていますよ。後、誤解がないように言っておきますけど…、これは殿下の指示ですから。元々、殿下は自分が戻ってくるまで、リスティーナ様を部屋から出すなって言っていたんです。それに…、用事が終わったらすぐにこちらに戻ってくるとも仰っていました。」
「ルーファス様が?いつの間に…、」
「殿下は用心深いですからね。それだけリスティーナ様の事が心配なんですよ。あ、そういえば…、自分が戻ってくる前に誰か来たり、自分の名前を出して呼び出されても応じる必要はないとも言ってたな。」
「だ、だから…!さっきから言っているじゃない!ルーファス殿下は急に具合が悪くなってこちらに来れなくなったのよ!だから…!」
「殿下の傍にはロジャーさんがいるんですよ。それなら、君じゃなくて、ロジャーさんに伝言を預けるでしょ。」
もうそろそろいいだろう。ルーファスは扉に手をかけると、リスティーナ達の前に姿を現した。
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