170 / 222
第四章 覚醒編
リーナ
しおりを挟む
カラン、と剣を地面に落とし、ルーファスは木の幹に手をつき、ハアハアと荒い息をする。
剣の素振り千回はきつい…。でも、何とかシグルドの課題をこなすことができた。
ルーファスは呼吸を整えると、辺りを見回した。
その時、数メートル先でキラッと何かが光ったのが見えた。
何だ?地面に何か落ちている。近付いてみると、それは銀色のロケットペンダントだった。
誰かの落とし物だろうか?
ペンダントの蓋を開けて見れば、そこには一人の女性の肖像画が描かれていた。
ライムグリーンの髪に若草色の瞳を持つ初夏のような爽やかな雰囲気を持つ美少女だ。
「ルーファス。何してんだ?課題は終わった…、」
そんなルーファスの元にシグルドが足音もなく、近付く。
が、ルーファスの手の中にあるペンダントを見て、シグルドはピタッと動きを止め、固まった。
バッと首元に手をやり、そこにある感触がないことに気付くと、
「ッ!馬鹿!見るな!」
焦ったようにルーファスの手からペンダントを取り上げるシグルドはかなり動揺している様だった。
ギロッとルーファスを射殺しそうな視線で睨みつけ、
「見たのか?」
「…すまない。もしかして、見てはいけなかったのか?」
あまりの迫力にルーファスはたじろいだ。
落とし物を拾っただけでどうしてこんな風に睨まれなくてはいけないんだ。
「見たのか…。リーナの肖像画を…、」
「リーナ?それじゃ、もしかして、その肖像画の女性はシグルドの…、」
「そうだ。俺・の・妻のリーナの肖像画だ。」
気のせいだろうか。俺の、の部分をやけに強く強調した気がする。
後、どことなく牽制をされているような…。
「まさかとは思うが…、これ見て、俺のリーナに惚れたとか言わないよな?」
ギラッ、とシグルドの濃紺色の目の奥が不穏な光を宿した。凄い殺気だ。
ここで少しでもこのリーナという女性に気がある素振りをすれば殺されかねない。そんな目をしていた。
「いや…。俺は結婚しているし、リスティーナがいるので。」
正直言って、リスティーナ以外の女は興味がない。
一般的に美しい、可愛い、綺麗だという基準は分かるがせいぜいそれだけだ。
「それに、肖像画見ただけで惚れるなんてある訳…、」
「何言ってやがる!肖像画だけでも、こんだけの美少女だぞ!国一番…、いや!大陸一美しいリーナを見たら、肖像画だろうが映像魔法石だろうが一目見ただけで心を奪われるに決まってるだろう!
まさか、お前、俺のリーナに魅力がないとでも言いたいのか!?」
確かにリーナは美少女に違いないが、国一番美しいという程じゃないだろう。
思わず心の中でそう思った。勿論、そんな事は口に出さないが。
これ以上、下手な事を言ってシグルドの怒りを買いたくはない。
大体、あそこで美しくて、魅力的な女性だと言えば、それはそれで許さないだろうにきっぱり否定したらこれだ。一体、何て答えれば、正解だったんだ。
そういえば、リーがシグルドは超がつく愛妻家で奥さんが絡むと滅茶苦茶、面倒くさいから気を付けなさいよと言っていたな。…こういう所か。
「リーナ目当ての客も多くて、俺が何回店からあの害虫共を叩き出したと思ってるんだ!そんなリーナに魅力がない訳ないだろ!」
「分かったから、落ち着いてくれ。シグルド。」
この様子だと、シグルドはリーナに近付く男性を片っ端から排除していたんだろうな。
何となく、想像がつく。とりあえず、話の矛先を変えよう。
「客ということは…、リーナはどこかの店で働いていたのか?」
「ああ。リーナは亡くなった両親の跡を継いで、薬屋をやってたんだ。リーナは亡くなった親父さんに似て、優秀な薬師でな。リーナの調合した薬は効果的で副作用も少ないから、評判だったんだぞ。」
「女性で薬師?珍しいな。」
薬師は基本的に男性がなる職業だ。
男尊女卑がまだまだ根強く残っているこの世界では、女が勉強することは好ましくないとされている。
例外は存在するが、それでも一般的にそういった風習が強い。
そのため、知識人のような職業は圧倒的に男性が多い。
薬師は薬の知識が求められ、薬を調合する技術も求められる。
学ぶことを制限された女性が薬師になることは少ない。
過去には女性の薬師もいたが女性に対する偏見と差別が酷く、挫折した人も多かったとか。
「まあな。俺とリーナが住んでいた村も時代遅れの閉鎖的な村だったから、女が薬学なんて、って言ってくる口うるさい奴らもいたけど、そんな中でもリーナは独学で勉強して、薬師になったんだ。」
「独学で薬師になったのか。それは凄いな。」
「そうだろう!リーナは美人だけじゃなく、頭もいいんだ。おまけにそれをひけらかさないし、いつも控えめで謙虚で…。その上、家族思いで優しい。俺が具合悪くて寝込んでいる時もリーナが薬湯を調合してくれたんだぞ。」
「シグルドとリーナは昔からの知り合いだったんだな。」
「幼馴染だからな。リーナの方が俺より四つ上でよく俺の面倒を見てくれたんだ。
リーナは長女だったから、面倒見が良くてな。リーナはたくさん兄弟がいたから、俺の事も弟みたいに可愛がってくれたんだ。」
リーナの話をしているシグルドはいつもと違い、表情豊かで滑舌だ。
それに…、シグルドって、こんな顔をするんだな。
愛おしくて、堪らない。そんな顔をしている。
本当にリーナが好きなんだな。思わず、微笑ましい気持ちになる。
「そうか。じゃあ、シグルドとリーナは実の姉弟のように育ったんだな。いつから、二人はそういう仲に?」
「俺が十八歳の時だ。それから、俺達は恋人になったんだ。十三年は長かった…。俺は五歳の時にリーナと将来結婚しようって約束をしてから、ずっとリーナと結婚することが夢だったからな。」
「そ、それは随分と…、長い片思いだったんだな。」
それって、あれか。子供同士のよくある口約束か。大きくなったら、結婚しようねという…。
シグルドはその約束をしてから、十三年もリーナに片思いをしていたのか。
十年以上もその人だけを想い続けるなんてなかなか、できることじゃない。
重い…、いや。一途な男なんだな。シグルドって。
ルーファスは改めてそう思った。
その後もルーファスはシグルドから、リーナとの自慢話もとい、惚気話を延々と聞かされ続けた。
「そういえば、ルーファス。お前が惚れた女の名前は確か、リスティーナだったか?…リスティーナはいい女か?」
「ああ。俺が今まで会ったどんな女性よりも綺麗で…、優しい女性だ。」
シグルドの質問にルーファスは頷いた。
見た目だけじゃない。リスティーナは心も美しいのだ。
彼女の優しさにどれだけ救われたか…。
「お前が守りたいと思う位だ。そのリスティーナって女はいい女なんだろうな。ま、リーナには負けるだろうがな。」
「……。」
この人は本当にリーナが好きなんだな。俺からすれば、リスティーナの方がいい女だと思うが…。
「ルーファス。今の気持ちを絶対に忘れるなよ。いいか。よく覚えておけ。惚れた女を泣かしたり、傷つける男は男じゃねえ。一番辛い時や苦しい時に支えてくれた女を切り捨てるような屑にはなるなよ。」
シグルドはルーファスを射抜くように見つめて、そう言った。
「当たり前だ。俺は例え、頼まれたってリスティーナを捨てないし、離さない。リスティーナは…、俺に嫁ぐまでずっと酷い扱いを受けてきた。これ以上…、リスティーナが傷つく姿なんて見たくない。
俺は彼女の幸せを守る為なら、何だってする。」
「…フッ、そうか。」
ルーファスの言葉にシグルドは満足げに頷き、
「なら、しっかり守ってやれ。けど、気を付けろよ。ルーファス。敵ってのはどこに潜んでるか分からねえもんだ。金に目が眩んで血の繋がった姉を売る奴もいる。好みの男を手に入れる為に邪魔だからって理由でその妻子を惨殺する奴もいる。」
「…ッ!?」
ルーファスは息を吞んだ。シグルドの目の奥には狂気の色が宿っていた。
絶望、憎悪、後悔…。それらの感情が入り混じったかのような強い強い感情…。
例え話ではない。恐らく、今の話はシグルドが実際に経験したこと…。
「特に女には気を付けろ。女ってのはな…。嫉妬に狂うと、何するか分からない生き物なんだ。
女だからって理由で手加減したりすれば、いつか後悔するぞ。…俺のようにな。」
「まさか…、シグルドは…、」
シグルドはルーファスに背を向けると、
「惚れた女と本当に信頼できる仲間だけを信じろ。他の奴らには心を許すな。身内だからとか、友達だからって理由で情けをかけたりするな。それが例え…、惚れた女の頼みでもな。」
それだけ言うと、シグルドは剣を抜き、駆け出した。狩りの時間だ。
ルーファスは急いでシグルドの後を追った。
シグルドの言葉と狂気に満ちた目…。それが脳裏に焼き付いて離れなかった。
剣の素振り千回はきつい…。でも、何とかシグルドの課題をこなすことができた。
ルーファスは呼吸を整えると、辺りを見回した。
その時、数メートル先でキラッと何かが光ったのが見えた。
何だ?地面に何か落ちている。近付いてみると、それは銀色のロケットペンダントだった。
誰かの落とし物だろうか?
ペンダントの蓋を開けて見れば、そこには一人の女性の肖像画が描かれていた。
ライムグリーンの髪に若草色の瞳を持つ初夏のような爽やかな雰囲気を持つ美少女だ。
「ルーファス。何してんだ?課題は終わった…、」
そんなルーファスの元にシグルドが足音もなく、近付く。
が、ルーファスの手の中にあるペンダントを見て、シグルドはピタッと動きを止め、固まった。
バッと首元に手をやり、そこにある感触がないことに気付くと、
「ッ!馬鹿!見るな!」
焦ったようにルーファスの手からペンダントを取り上げるシグルドはかなり動揺している様だった。
ギロッとルーファスを射殺しそうな視線で睨みつけ、
「見たのか?」
「…すまない。もしかして、見てはいけなかったのか?」
あまりの迫力にルーファスはたじろいだ。
落とし物を拾っただけでどうしてこんな風に睨まれなくてはいけないんだ。
「見たのか…。リーナの肖像画を…、」
「リーナ?それじゃ、もしかして、その肖像画の女性はシグルドの…、」
「そうだ。俺・の・妻のリーナの肖像画だ。」
気のせいだろうか。俺の、の部分をやけに強く強調した気がする。
後、どことなく牽制をされているような…。
「まさかとは思うが…、これ見て、俺のリーナに惚れたとか言わないよな?」
ギラッ、とシグルドの濃紺色の目の奥が不穏な光を宿した。凄い殺気だ。
ここで少しでもこのリーナという女性に気がある素振りをすれば殺されかねない。そんな目をしていた。
「いや…。俺は結婚しているし、リスティーナがいるので。」
正直言って、リスティーナ以外の女は興味がない。
一般的に美しい、可愛い、綺麗だという基準は分かるがせいぜいそれだけだ。
「それに、肖像画見ただけで惚れるなんてある訳…、」
「何言ってやがる!肖像画だけでも、こんだけの美少女だぞ!国一番…、いや!大陸一美しいリーナを見たら、肖像画だろうが映像魔法石だろうが一目見ただけで心を奪われるに決まってるだろう!
まさか、お前、俺のリーナに魅力がないとでも言いたいのか!?」
確かにリーナは美少女に違いないが、国一番美しいという程じゃないだろう。
思わず心の中でそう思った。勿論、そんな事は口に出さないが。
これ以上、下手な事を言ってシグルドの怒りを買いたくはない。
大体、あそこで美しくて、魅力的な女性だと言えば、それはそれで許さないだろうにきっぱり否定したらこれだ。一体、何て答えれば、正解だったんだ。
そういえば、リーがシグルドは超がつく愛妻家で奥さんが絡むと滅茶苦茶、面倒くさいから気を付けなさいよと言っていたな。…こういう所か。
「リーナ目当ての客も多くて、俺が何回店からあの害虫共を叩き出したと思ってるんだ!そんなリーナに魅力がない訳ないだろ!」
「分かったから、落ち着いてくれ。シグルド。」
この様子だと、シグルドはリーナに近付く男性を片っ端から排除していたんだろうな。
何となく、想像がつく。とりあえず、話の矛先を変えよう。
「客ということは…、リーナはどこかの店で働いていたのか?」
「ああ。リーナは亡くなった両親の跡を継いで、薬屋をやってたんだ。リーナは亡くなった親父さんに似て、優秀な薬師でな。リーナの調合した薬は効果的で副作用も少ないから、評判だったんだぞ。」
「女性で薬師?珍しいな。」
薬師は基本的に男性がなる職業だ。
男尊女卑がまだまだ根強く残っているこの世界では、女が勉強することは好ましくないとされている。
例外は存在するが、それでも一般的にそういった風習が強い。
そのため、知識人のような職業は圧倒的に男性が多い。
薬師は薬の知識が求められ、薬を調合する技術も求められる。
学ぶことを制限された女性が薬師になることは少ない。
過去には女性の薬師もいたが女性に対する偏見と差別が酷く、挫折した人も多かったとか。
「まあな。俺とリーナが住んでいた村も時代遅れの閉鎖的な村だったから、女が薬学なんて、って言ってくる口うるさい奴らもいたけど、そんな中でもリーナは独学で勉強して、薬師になったんだ。」
「独学で薬師になったのか。それは凄いな。」
「そうだろう!リーナは美人だけじゃなく、頭もいいんだ。おまけにそれをひけらかさないし、いつも控えめで謙虚で…。その上、家族思いで優しい。俺が具合悪くて寝込んでいる時もリーナが薬湯を調合してくれたんだぞ。」
「シグルドとリーナは昔からの知り合いだったんだな。」
「幼馴染だからな。リーナの方が俺より四つ上でよく俺の面倒を見てくれたんだ。
リーナは長女だったから、面倒見が良くてな。リーナはたくさん兄弟がいたから、俺の事も弟みたいに可愛がってくれたんだ。」
リーナの話をしているシグルドはいつもと違い、表情豊かで滑舌だ。
それに…、シグルドって、こんな顔をするんだな。
愛おしくて、堪らない。そんな顔をしている。
本当にリーナが好きなんだな。思わず、微笑ましい気持ちになる。
「そうか。じゃあ、シグルドとリーナは実の姉弟のように育ったんだな。いつから、二人はそういう仲に?」
「俺が十八歳の時だ。それから、俺達は恋人になったんだ。十三年は長かった…。俺は五歳の時にリーナと将来結婚しようって約束をしてから、ずっとリーナと結婚することが夢だったからな。」
「そ、それは随分と…、長い片思いだったんだな。」
それって、あれか。子供同士のよくある口約束か。大きくなったら、結婚しようねという…。
シグルドはその約束をしてから、十三年もリーナに片思いをしていたのか。
十年以上もその人だけを想い続けるなんてなかなか、できることじゃない。
重い…、いや。一途な男なんだな。シグルドって。
ルーファスは改めてそう思った。
その後もルーファスはシグルドから、リーナとの自慢話もとい、惚気話を延々と聞かされ続けた。
「そういえば、ルーファス。お前が惚れた女の名前は確か、リスティーナだったか?…リスティーナはいい女か?」
「ああ。俺が今まで会ったどんな女性よりも綺麗で…、優しい女性だ。」
シグルドの質問にルーファスは頷いた。
見た目だけじゃない。リスティーナは心も美しいのだ。
彼女の優しさにどれだけ救われたか…。
「お前が守りたいと思う位だ。そのリスティーナって女はいい女なんだろうな。ま、リーナには負けるだろうがな。」
「……。」
この人は本当にリーナが好きなんだな。俺からすれば、リスティーナの方がいい女だと思うが…。
「ルーファス。今の気持ちを絶対に忘れるなよ。いいか。よく覚えておけ。惚れた女を泣かしたり、傷つける男は男じゃねえ。一番辛い時や苦しい時に支えてくれた女を切り捨てるような屑にはなるなよ。」
シグルドはルーファスを射抜くように見つめて、そう言った。
「当たり前だ。俺は例え、頼まれたってリスティーナを捨てないし、離さない。リスティーナは…、俺に嫁ぐまでずっと酷い扱いを受けてきた。これ以上…、リスティーナが傷つく姿なんて見たくない。
俺は彼女の幸せを守る為なら、何だってする。」
「…フッ、そうか。」
ルーファスの言葉にシグルドは満足げに頷き、
「なら、しっかり守ってやれ。けど、気を付けろよ。ルーファス。敵ってのはどこに潜んでるか分からねえもんだ。金に目が眩んで血の繋がった姉を売る奴もいる。好みの男を手に入れる為に邪魔だからって理由でその妻子を惨殺する奴もいる。」
「…ッ!?」
ルーファスは息を吞んだ。シグルドの目の奥には狂気の色が宿っていた。
絶望、憎悪、後悔…。それらの感情が入り混じったかのような強い強い感情…。
例え話ではない。恐らく、今の話はシグルドが実際に経験したこと…。
「特に女には気を付けろ。女ってのはな…。嫉妬に狂うと、何するか分からない生き物なんだ。
女だからって理由で手加減したりすれば、いつか後悔するぞ。…俺のようにな。」
「まさか…、シグルドは…、」
シグルドはルーファスに背を向けると、
「惚れた女と本当に信頼できる仲間だけを信じろ。他の奴らには心を許すな。身内だからとか、友達だからって理由で情けをかけたりするな。それが例え…、惚れた女の頼みでもな。」
それだけ言うと、シグルドは剣を抜き、駆け出した。狩りの時間だ。
ルーファスは急いでシグルドの後を追った。
シグルドの言葉と狂気に満ちた目…。それが脳裏に焼き付いて離れなかった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
辺境伯と幼妻の秘め事
睡眠不足
恋愛
父に虐げられていた23歳下のジュリアを守るため、形だけ娶った辺境伯のニコラス。それから5年近くが経過し、ジュリアは美しい女性に成長した。そんなある日、ニコラスはジュリアから本当の妻にしてほしいと迫られる。
途中まで書いていた話のストックが無くなったので、本来書きたかったヒロインが成長した後の話であるこちらを上げさせてもらいます。
*元の話を読まなくても全く問題ありません。
*15歳で成人となる世界です。
*異世界な上にヒーローは人外の血を引いています。
*なかなか本番にいきません
虐げられた出戻り姫は、こじらせ騎士の執愛に甘く捕らわれる
無憂
恋愛
旧題:水面に映る月影は――出戻り姫と銀の騎士
和平のために、隣国の大公に嫁いでいた末姫が、未亡人になって帰国した。わずか十二歳の妹を四十も年上の大公に嫁がせ、国のために犠牲を強いたことに自責の念を抱く王太子は、今度こそ幸福な結婚をと、信頼する側近の騎士に降嫁させようと考える。だが、騎士にはすでに生涯を誓った相手がいた。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる