冷遇され、虐げられた王女は化け物と呼ばれた王子に恋をする

林檎

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第五章 再会編

ルーファスside

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その夜、ルーファスは皆が寝静まった頃に屋敷を抜け出した。
転移魔法を使い、王城の図書館の禁書庫に移動する。
ルーファスは解錠魔法で鍵を開けて、中に足を踏み入れた。

禁書庫に入り、本棚の一つ一つに目を走らせる。
確か、ここにあった筈…。そして、すぐに目当ての本を見つけた。
ルーファスは本棚から次々と本を取り出していく。
『巫女の起源について』、『巫女の証とその特徴』、『巫女狩りの実録』、『堕落した巫女』
『史上最悪のペテン師~こうして、偽巫女は誕生した』

やはり、禁書庫には巫女に関する本がたくさんあるな。
ルーファスは手に取った本を収納魔法におさめていく。
必要な本は手に入れたし、そろそろ次に行くか。

ルーファスはさっきと同じように転移魔法を使って、別の場所に移動した。
次に降り立った場所はサンバルス大聖堂。
ローゼンハイムの北西部に位置する世界最大級の教会建築物だ。
サンパルス大聖堂は教皇や枢機卿、高位聖職者達が拠点としている場所であり、教会の大本山でもある。

教会には世に出回っていない巫女の書物や記録書が数多く残されている。
それらの貴重な本は王族や貴族ですらも閲覧することができず、高位聖職者しか閲覧することができない。ここなら、俺が知りたいことが書かれている本があるかもしれない。

そう考えたルーファスは大聖堂の図書館に忍び込んだ。
巫女の書物を保管した本棚を見つけ、それに目を通していく。
ここにも随分とたくさんの本がある。巫女の生涯を綴った本もあるのか。
ルーファスは一冊の古びた本を手に取り、パラ、とページを捲った。

「やはり…、そうか。」

この本は初代巫女ペネロペについて書かれたものだ。
ペネロペは一般的に桃色の瞳であったと記されているが、この本ではペネロペの容姿は黒髪にアメジストの瞳であったとはっきりと記されている。
巫女として選ばれてから瞳の色が変わったのだという説もあるが、そうではない。ペネロペもリスティーナと同じで力を使った時に瞳の色が変わる特徴を持っていたのだ。

そういえば、ペネロペは公式の場ではベールを被って素顔を隠していたという。
ペネロペの肖像画は大火事の災害で焼けてしまったため、彼女の容姿についてははっきりと分かる物が何も残っていない。
そのせいでペネロペの瞳の色が誤って伝えられたのだろう。
ルーファスはそう推測した。

やはり、桃色の瞳をしているからといって、巫女であるとは限らないんだな。
そういえば、巫女を支える補佐役の女達の中には桃色の瞳の持ち主もいたらしいし…。
きっと、これ以外にもまだまだ俺の知らない事実がある筈だ。
今の内にしっかりと調べておかないと…。

「ん…?」

ルーファスは一冊の本に目を留める。
『巫女の夫~愛が重たい男達』
何となく、タイトルが気になり、手を伸ばす。
これは、巫女の夫達についてまとめられたものか?

その時、ルーファスは図書館の近くに人の気配を感じた。
すぐに誤認識魔法をかけ、自分の姿を他人に認識できないようにする。
扉が開かれる。ランタンを持った聖騎士の男達が周囲を警戒しながら、巡廻する。
見張りの兵か。

「こちらは、異常はない。そっちは?」

「こっちも異常はありません。」

聖騎士達が各自、巡廻して、報告し合う。
その隙にルーファスは気付かれないようにそっと図書館を抜け出した。

すぐに帰ろうかとも思ったが、ふと、ルーファスは思い出した。
そういえば、リスティーナはメイネシアにいた頃はよく教会に行っていたと話していたな。
礼拝堂の清廉とした空気と静かで厳かな雰囲気が好きなのだとか…。
母親が亡くなってからは、以前のように祈ることができなくなったがそれでも教会には足を運んでいたらしい。
教会が好きなリスティーナなら、サンパルス大聖堂にも興味があるかもしれない。
ルーファスは下見も兼ねて、礼拝堂を見ていくことにした。

礼拝堂は、天井が高く、白亜の壁と美しいステンドグラスがあった。
そして、壁には神々の絵がかけられている。
辺りには蝋燭が灯って、幻想的な空気を醸し出している。
そういえば、こうして、教会に来るのも久しぶりだな。
リスティーナにも見せてあげたい。近い内に絶対に連れて来よう。
ルーファスはそう心に決めた。

「教皇様はまだお目覚めにならないのか…。」

「ベアトリーチェ様達が必死に呪いを解く方法を探しているらしいが、何の手がかりも掴めていないらしい。」

「このまま教皇様が崩御したら、一体、教会はどうなるのだ?」

その時、隅の方で数人の聖職者達の会話が聞こえ、ルーファスは思わず、耳をそばだてた。
教皇、グレゴリウス七世。
グレゴリウス七世は教会の改革運動を起こし、教会の権威回復に努めるのに貢献した人物として有名だ。
それまで、教会は腐敗と堕落に走り、聖職者が人身売買や権力者との癒着、異端審問、性犯罪に手を染めていた。
そればかりではなく、信徒達から寄付金や献金と称して、金を巻き上げていき、私服を肥やしていた。
そんな教会を変えるために動いたのが現教皇、グレゴリウス七世だった。

彼は民衆からは絶大な人気を誇るが、腐敗した教会内を一掃するためにかなり強引な手を使って、粛清したため、保守派の聖職者達からは敵視されていた。
教会は教皇派と反教皇派の二つの勢力に分かれていたが、それはあくまでも水面下であって、表面化したことはなかった。
しかし、五年前に教皇が古代禁呪の呪いに侵され、倒れたことで状況は一変した。
教皇は命に別状はなかったが、そのまま目が覚めることなく、植物人間となってしまった。
それまでは絶大な力を持つ教皇がいたために反教皇派は表向き大人しくしていたが、教皇が倒れたことで教皇派を倒すべく動き出した。

教皇は死ぬまでその座に就くことが通例とされているため、未だに次の教皇は決まっていない。
教皇が次期教皇を指名していたのなら、話は違ってくるが、グレゴリウス七世が倒れたのは突然であったため、次期教皇の指名がされていなかった。
その為、教皇の座を巡って、枢機卿の間でも熾烈な争いが繰り広げられている。
先程、会話に出ていたベアトリーチェとは、枢機卿の一人であり、教皇から最も信頼を置かれ、第一側近として仕えていた人間だ。今では、教皇派筆頭として、反教皇派と対立している。

ー思っていた以上に教会は荒れているな。やはり、こんな所にリスティーナを置いてはおけない。あまりにも、危険すぎる。

ここで巫女の存在が明るみになれば、教会の連中はそれを利用しようと企むはずだ。
教皇派も反教皇派も信用できない。
過去には、教会が巫女を監禁していたこともあったらしい。
いつの時代も欲深い連中の考える事は一緒だ。己の野心と欲望を満たすためなら、何でもする。
リスティーナが同じ目に遭わないだなんて保証はどこにもない。
むしろ、同じ目に遭う可能性の方が高い。
そんな事…、絶対に許さない。

その時、ピシッと亀裂が走ったような音がした。
ルーファスは屋敷内に感知魔法をかけている。なので、外部の人間が侵入すれば、すぐに気付けるようになっている。
つまり、今のは屋敷内に侵入者が現れたという事だ。

「もう、来たのか…。」

思ったよりも早かったな。
ルーファスは呆れながらも、転移魔法を使って、急いで屋敷に戻った。
丁度いい。試してみたい技もある事だし、練習台になってもらうか。





「随分とでかい屋敷だなあ。さすがはお貴族様だぜ。」

「ターゲットは黒髪のオッドアイの男だったか?そいつを始末すればいいだなんて楽な仕事だぜ。」

「だな。男を始末した後は、水色の髪の男と金髪の若い女を攫う手筈だ。攫った後は殺さなければ好きにしていいって話だろう?最高じゃないか。夜は長いんだ。たっぷりと楽しんで…、」

「申し訳ないが、彼女は疲れて寝てしまっているんだ。悪いが遠慮してくれるか?」

物騒な会話をしながら、屋敷の敷地内に侵入した男達は突然、知らない声が割って入り、慌てて振り返った。
背後にはいつの間にか知らない男が立っていた。

「なっ、何だ!手前は!?いつからそこにいた!?」

一斉に警戒し、武器を向ける男達。
全部で十人か…。
ルーファスはならず者といった風情をした男の数を確認し、内心そう呟いた。
まあ…、俺にとっては都合がいい。この人数でどれだけできるか試してみるか。

「お、おい!こいつ、黒髪にオッドアイをしているぞ!」

「じゃあ、こいつを始末すれば…!」

月の光に照らされたルーファスの容姿を見て、男達はルーファスが目当ての人物だと気づき、武器を構えて、一斉に飛び掛かった。ルーファスは無詠唱で魔法を発動する。青と紅の瞳がギラッと光った。

「ぐわっ!?」

「へぶっ!?」

が、何故か全員顔面から地面に突っ伏した。
それぞれ、奇妙な呻き声を上げて、地面に倒れ込む。ルーファスはその無様な姿を見下ろした。

「俺を始末か…。面白い。やってみるといい。」

「く、くそっ!馬鹿にしやがって…!」

挑発するルーファスにいきり立った男達が立ち上がろうとするが、また無様に倒れ込んだ。
今度は頭からひっくり返った。他の連中も似たような状況だ。立とうとするがその度に倒れる。
その繰り返しだ。何人かは既に脳震盪を起こしたのか気絶している。

「ど、どうなってやがる…!」

「て、手前…!俺達に何をしやがった…!」

「何を言っているんだ?俺はお前達に触れてもないじゃないか。そんな状況でどうやってお前達を転ばせるというんだ?」

首を傾げて、惚けた振りをするルーファスに男達は倒れ込んだまま、喚いた。

「魔法か何か使ったんだろう!この、汚ねえぞ!」

「屋敷に侵入しようとして、寝込みを襲おうとした奴が何を言っている。だが、まあ…、そうだな。確かに間違ってはいない。そろそろ、種明かしをしてもいいだろう。」

ルーファスがパチン、と指を鳴らした。すると、ジャラ、と音を立てて、男達の足元に何かが巻き付いていた。それは黒い鎖だった。

「な、何だ!?これは!?」

「ちくしょう!いつの間に鎖なんか…!」

外そうとするが鎖はまるで意思を持ったようにギリギリと締め上げた。
その締め付けに男達は悲鳴を上げた。

「ぐあああああ!い、痛い…!」

「あ、足がちぎれる…!」

「ああ。動かない方がいいぞ。それは、外そうとすればするほど、拘束力が強まるからな。」

ルーファスの言葉に男達の動きが止まった。恐怖に染まった顔でルーファスを見上げる。
すると、男の一人が苦し紛れに短剣を投げつけた。が、ルーファスの目前で青い障壁のようなものが現れ、短剣を弾き飛ばした。

「人に刃物を向けるなと子供の頃に教わらなかったのか?」

「うわああああ!?」

ルーファスが目を細めると、男の身体は宙に浮かび上がり、手足に鎖が巻き付いた。
そのまま宙吊りにされたままの男にルーファスは問いかけた。

「依頼主は誰だ?」

「し、知らねえ!俺達はただ、金目の物を…、ッ!ぎゃあああああ!」

男が誤魔化そうとすると、グン!と鎖が引っ張られ、男の身体が引っ張られた。
四肢が引き裂かれそうな痛みに男は悲鳴を上げた。

「すまない。俺はあまり気が長い方じゃないんだ。あまり、聞き分けが悪いと、うっかり手足を引きちぎってしまうかもしれない。…そんなの、嫌だろう?」

「わ、分かった!は、話す!話すから…!」

ルーファスの目を見て、本気だと思った男はあっさり、白状した。

「お、俺達はただ…、黒いローブの女に頼まれただけだ!この屋敷にいる黒髪のオッドアイの男を殺せと!それから、金髪の女と水色の髪の男を攫ってこいってな!」

「黒いローブの女?」

「顔は隠してたから分かんねえんだよ!」

「成程…。なら、悪いがお前の記憶を見せてもらうぞ。」

ルーファスはそう言って、男の頭に手を伸ばした。
ルーファスが小さく何かを呟くと、ブオン、と魔法陣が展開する。
これは記憶干渉の魔法。相手の頭に触れることで、対象者の記憶を覗くことができる。
昔は犯罪者の自白に使われていた魔法だ。

「な、何をするつもり、ウッ!ぐああああああああ!」

欠点があるとすれば、この魔法は対象者に凄まじい苦痛をもたらす。
記憶に干渉する魔法というのはそれだけ相手に大きな負担をかけるのだ。
男はその苦痛に耐えきれず、悲鳴を上げるが、ルーファスは止めることなく、記憶を覗いていく。
男の記憶を通して、ルーファスは黒いローブの女を見た。
ローブのせいで素顔は見えない。
左の口元に黒子、紅い唇…。ローブの隙間から黒髪がサラリ、と零れ落ちる。
女は依頼をすると、すぐにその場から立ち去っていった。

ルーファスは男の頭から手を離した。
男は泡を吹いて、気絶した。
その様子を見て、他の男達は恐怖に慄いた。
次は自分達がああなってしまうのかと怯える。

ルーファスはチラッと倒れ込んでいる男達に視線を向ける。
その凍えるような視線に男達はヒイッと悲鳴を上げた。

「み、見逃してくれ!た、頼む!」

「……。」

「ほ、ほんの出来心だったんだ!」

男達は必死に懇願する。ルーファスは無言でクルッ、と踵を返すと、背を向ける。
同時に男達を拘束していた黒い鎖がフッと消えてなくなる。
宙吊りになっていた男は気絶したままドサッと地面に落下した。
そのままルーファスはスタスタと歩いて、一度たりとも振り返らない。
その油断しきっている姿を見て、男達の胸中に邪念が宿った。
今なら…、仕留められるかもしれない、と。
態勢を整えた男達はルーファスの背後から攻撃を仕掛けた。
数秒後、地面が血で赤く染まった。
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