はるよ こい。

たみやえる

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 周りいるのが余裕しゃくしゃくの顔で彼らの肩を叩いたり抱いてやったりしている。
「もっと具体的に」
——さて、どれくらい生き残ることか。
「しつこいなぁ」
「仕方ないじゃん。興味あるんだもん」
 質問しているのはクラスの中でもおしゃべりですぐにぐいぐいとくる高畑という女子。こうも食らいつくのは自分の好きな相手とバッティングしていないか確かめたいのか。ただ注目を集めたいだけなのか。
「えっと、私より二十センチ高い人」
 男子どもの目線が忙しなく動いた。
 自分と陽菜との身長差を目算で測っている。
——また何人かが脱落した。
 面白いけどしゃらくさい。
〈意中の人〉の対象になるなんて自分にはないことだろうな……と、アヤは自覚している。
(別に。好きな相手がいるわけじゃないし)
「あーあ。どーせ、今年も桂木が独り勝ちだしな!」
 こいつも密かに脱落していたらしい。クラス一のイケメンに絡み始めた。
「んなわけないって」
 迷惑そうに抗議する声に、アヤの背筋がピンと伸びた。
 そうすると、周りから頭ひとつ抜けてしまうから、いつもは、なるたけ背中を丸めているっていうのに、だ。
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