7 / 10
7
しおりを挟む
今気づいた風に装って隊長を見た…隊長は気持ち良さそうな惚けた顔をしていたが、目を合わせた途端、吃驚し、ゆさゆさ身体を動かしていたのに時が止まったかの様に動かなくなった。
「たっ隊長…これはどういう?」
「レ、レーン…これは…違うんだ…いや…違わない…俺は…すまない…すまないで済む問題じゃないのも分かっている…」
冷静に話しているつもりでも、隊長の声が震えていたのが分かった…それがとても辛い…そして謝られたのはもっと辛かった。
「隊長…俺にした事を謝るって言う事は悪い事したと思っているんですよね…御令嬢とも縁談の話が進んでいるとか…それなのに俺と」
「レーンちっ違う!!大貴族の令嬢の事だろう?令嬢の父親に気に入られてしまったんだが、縁談は何度も断っていた。そのうち令嬢が相引きを重ねていた想いの人との子供をご懐妊してな、父親の方はカンカンだったが、そのまま想いの人と結婚したよ」
「えっ?そうなんですか?」
「ああ…だから縁談もないし、付き合っている人もいない…それに俺は前からレーンの事が好きだったんだ。こんな時に言うのも信用してくれないと思うが…」
「テオドール隊長…知らなかった」
「レーン…レーンを初めて見た時は街中でパトロールをしていた時だった。華奢でフワフワの明るい茶髪に、緑色の大きな瞳をキラキラさせながらこっちを見ていて、こんな可愛い女の子がいるんだと思ったよ」
「隊長…俺を…女の子だと思っていたんですか?」
「ああ…パン屋で働いていて、俺達騎士が巡回すると必ず顔を出して見つめてくれるから、俺や一緒に回っている騎士達の間で可愛いと評判のパン屋の娘だったよ」
隊長…俺が街中でいつも見ていたの知っていたんだ…
「俺、街で巡回しているテオドール隊長に憧れて騎士になろうと決めたんです!」
「そうか…せっかく俺に憧れていたのに俺がレーンに無体な事をするような奴で…すまなかった…」
「隊長…もしかして俺だけに特訓も…俺と…するのが目的だったんですか?」
「違うっ!!決してそうじゃなかった!!
最初に新米騎士として見た時はあの可愛いパン屋の娘が騎士の服装をしていて、何かの間違いかと思ったんだ。
でもレーンが男だと分かってもレーンの事をどんどん好きになっていった。
レーンは…新米騎士達が舐め回す様な目でレーンを見ているのを気がつかないのか?
同じ時間にシャワーを浴びたら必ず襲われる。
だから襲われても逃げられる様にレーン自身の体力強化が必要だった。
シャワーの時間もずらせるだろうしな…
それなのに俺がレーンを無理矢理組み敷いてしまったのだから、何も守れていなかったよ…すまない…レーン」
「たっ隊長…これはどういう?」
「レ、レーン…これは…違うんだ…いや…違わない…俺は…すまない…すまないで済む問題じゃないのも分かっている…」
冷静に話しているつもりでも、隊長の声が震えていたのが分かった…それがとても辛い…そして謝られたのはもっと辛かった。
「隊長…俺にした事を謝るって言う事は悪い事したと思っているんですよね…御令嬢とも縁談の話が進んでいるとか…それなのに俺と」
「レーンちっ違う!!大貴族の令嬢の事だろう?令嬢の父親に気に入られてしまったんだが、縁談は何度も断っていた。そのうち令嬢が相引きを重ねていた想いの人との子供をご懐妊してな、父親の方はカンカンだったが、そのまま想いの人と結婚したよ」
「えっ?そうなんですか?」
「ああ…だから縁談もないし、付き合っている人もいない…それに俺は前からレーンの事が好きだったんだ。こんな時に言うのも信用してくれないと思うが…」
「テオドール隊長…知らなかった」
「レーン…レーンを初めて見た時は街中でパトロールをしていた時だった。華奢でフワフワの明るい茶髪に、緑色の大きな瞳をキラキラさせながらこっちを見ていて、こんな可愛い女の子がいるんだと思ったよ」
「隊長…俺を…女の子だと思っていたんですか?」
「ああ…パン屋で働いていて、俺達騎士が巡回すると必ず顔を出して見つめてくれるから、俺や一緒に回っている騎士達の間で可愛いと評判のパン屋の娘だったよ」
隊長…俺が街中でいつも見ていたの知っていたんだ…
「俺、街で巡回しているテオドール隊長に憧れて騎士になろうと決めたんです!」
「そうか…せっかく俺に憧れていたのに俺がレーンに無体な事をするような奴で…すまなかった…」
「隊長…もしかして俺だけに特訓も…俺と…するのが目的だったんですか?」
「違うっ!!決してそうじゃなかった!!
最初に新米騎士として見た時はあの可愛いパン屋の娘が騎士の服装をしていて、何かの間違いかと思ったんだ。
でもレーンが男だと分かってもレーンの事をどんどん好きになっていった。
レーンは…新米騎士達が舐め回す様な目でレーンを見ているのを気がつかないのか?
同じ時間にシャワーを浴びたら必ず襲われる。
だから襲われても逃げられる様にレーン自身の体力強化が必要だった。
シャワーの時間もずらせるだろうしな…
それなのに俺がレーンを無理矢理組み敷いてしまったのだから、何も守れていなかったよ…すまない…レーン」
61
あなたにおすすめの小説
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
陥落 ー おじさま達に病愛されて ー
ななな
BL
眉目秀麗、才ある青年が二人のおじさま達から変態的かつ病的に愛されるお話。全九話。
国一番の璃伴士(将棋士)であるリンユゥは、義父に温かい愛情を注がれ、平凡ながらも幸せな日々を過ごしていた。
そんなある日、一人の紳士とリンユゥは対局することになり…。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
「レジ袋はご利用になりますか?」
すずかけあおい
BL
仕事帰りに寄る、いつものコンビニで五十嵐 歩(いがらし あゆむ)はイヤホンをつけたまま会計をしてしまい、「――――?」なにかを聞かれたけれどきちんと聞き取れず。
「レジ袋はご利用になりますか?」だと思い、「はい」と答えたら、実際はそれは可愛い女性店員からの告白。
でも、ネームプレートを見たら『横山 天志(よこやま たかし)』…店員は男性でした。
天志は歩に「俺だけのネコになってください」と言って…。
悪役令嬢の兄、閨の講義をする。
猫宮乾
BL
ある日前世の記憶がよみがえり、自分が悪役令嬢の兄だと気づいた僕(フェルナ)。断罪してくる王太子にはなるべく近づかないで過ごすと決め、万が一に備えて語学の勉強に励んでいたら、ある日閨の講義を頼まれる。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる