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リーアスはふざけた事を言っているが、リーアスの表情はずっと思いつめているのは変わらず、真剣である事は分かった。

それにしても……婚約者って……だからなのか。

ミネラ母さんやレオナルドおじさんの手紙にあった事がようやく繋がったような気がする。でも、形でも婚約者ってな……
それに1番引っ掛かるのは、俺なら男でもいいとか今俺はモテないだろうからとかの言葉が地味に堪える。くそうっ。

「それでレオナルドおじさんやミネラおばさんに俺と婚約したんだと報告したんだな……流石に俺に断りもなくは駄目じゃ無いのか?
手紙を貰って驚いて直ぐに返事を出したんだぞ!!」



「ああっ??もう返信したのか!!クソッ……」



リーアスが俯いたまま小さく呟いたが最後まで聞き取れなかった。


「えっ?」


「あっ??いや、エネはそれで……俺を助けてくれない……のか?」


リーアスは相変わらず真剣に話していて、今のリーアスの状況が切羽詰まっているのかも知れないとは思った。
でも、俺も急にこんな話を持ちかけられて直ぐに良いよとは言えないよ。


「うん……リーアスを助けたい気持ちはあるけれど……婚約は……フリだとみんなを騙す事になるのも心苦しいし。
だって婚約なんだぞ!!
俺は……すぐに答えは出せないよ。少し考えさせてくれないか?」


「ああ……それは分かった。その代わりエネが返事をくれる迄は定期的にこうして2人でデートをしてくれると有難いのだが……そうしないと今の状況を打破出来ない」


「ああ……まあそれは……それでリーアスの助けになるのなら……良いけど……」


「本当か!!」

急に興奮したリーアスが俺の手を握って言った。大きな声じゃなかったのでリーアスも場所をわきまえられるようになったんだと感心してしまった。


「そのくらいなら……俺は土日は仕事しているし、リーアスも騎士団の人達と見回りもしてるだろうから平日のリーアスの見回りのない日になりそうだな」


「ああ!!エネとこうしてやっと定期的に会える様になるなんてな!!」


「そうだなぁ……でも婚約は……本当に直ぐに返事は出来ない」


「ああ勿論だ。でもデートは頼むな!!」


デートか……リーアスとデート……よく考えると今日のこれもデートになるのかも知れない。まあ田舎町で毎日リーアスと遊んでいたんだし、その延長って感じだな。


「分かったよ」



色々話していたらコーヒーもカネレ食べ終わったので店を出た。王都の中心街に近いのでリーアスは俺をまた自分の近くに寄せて歩いてくれている。



俺がまた危ない目に遭わない為にどんな時も気を遣ってくれて、これがモテる奴なんだと思った。

そういえばガロン団長もそんな感じだったな……。

リーアスは前にガロン団長を追い越してみせるなんて事を宣言してからやたらダンジョンに力試しに行っている。
まさか本気でガロン団長を追い越すつもりなのか?

そしてプライベートでも細かな気遣い部門でガロン団長を追い越すつもりなんだろうか……

とにかく、リーアスが本気なのは分かった。
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