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学院編
100 地下書庫(ジェイミー視点)
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それからというもの、僕は時折ジェイミーの視線を案じるようになった。
それは授業中でも変わらない。
ふと気付けばジェイミーは僕を見ていた。
その視線は決して好意的なものでない事ははっきりしている。
僕がジェイミーの視線に気づいてそちらを見れば、ジェイミーはゆっくりと僕から視線を逸らす。
とうとう痺れを切らした僕は、廊下を曲がった所でジェイミーを待ち伏せした。
「うわっ!」
まさか、そこで僕が待っているとは思っていなかったらしく、ジェイミーが派手に仰け反った。
「どうして僕の後をついてくるんだ?」
そう尋ねるとジェイミーはフンと鼻を鳴らした。
「僕が君の後をついて行っただって? そんなわけないじゃないか。僕の行く方向を君が歩いていただけだろう? まったく! 自意識過剰が過ぎるんじゃないのか?」
そう言ってジェイミーは僕を追い越して行ってしまう。
そんな風に反論されれば僕には何も言い返せない。
特に実害もないし、ジェイミーに見られても気にしなければいいだけの話だ。
学院で一緒になるだけで、行き帰りは別方向なのは不幸中の幸いだな。
これで家が近所だったら、と思うとゾッとするよ。
ジェイミーの事さえなければ、すこぶる快適な学院生活だ。
マーリン先生とヴィクター先生も必要以上に絡んで来ないので、その点は安心だな。
僕はなるべくジェイミーの事は無視しながら学院生活を送るのだった。
******
ジェイミーがエドアルドを監視するようになって一ヶ月が過ぎたが、いまだに何も掴めずにいた。
『くそっ! なかなか尻尾を現さないな。どうにかしてあいつの尻尾を掴まないと…』
けれど…どんなに見張っていてもエドアルドの尻尾を掴むことが出来ない。
『家がまるきり反対方向なのが悔やまれる。学院でしかエドアルドを監視出来ないからな』
その学院生活にしても、一日中見張っていられるわけがなかった。
何と言っても勉強しなければならないからだ。
ジェイミーにとっての目標はエドワード王子の側近になる事だからだ。
『そのためにも邪魔なエドアルドは排除しておきたいんだけれどな』
家が遠いからといって、ノコノコと休日にエドアルドの家の周りをウロウロするわけにもいかなかった。
エルガー君は男爵という身分でありながら、広大な屋敷を持っていたからだ。
下手に侵入して見つかった場合、騒ぎになる事は目に見えていた。
これ以上、家名に傷が付くとますます陞爵は望めなくなる。
それだけは何としても避けたかった。
そんなある日、ジェイミーは父親から一本の鍵を手渡された。
『父上、これは何の鍵ですか?』
ジェイミーが尋ねると父親は勿体ぶったような口調で告げた。
『これか? これはな、先祖代々伝わる地下書庫の鍵だ。お前も学院に通うようになったから、そろそろ渡してもいいだろう。しっかり勉強しなさい』
『はぁ。…ありがとうございます』
礼は述べたものの、ジェイミーは地下書庫にはまったく興味が無かった。
けれど、渡してくれた父親の手前、受け取らないわけにはいかなかった。
ジェイミーは鍵を受け取ると渋々父親と一緒に地下室に向かった。
自分の家に地下がある事は知っていたが、今まで足を踏み入れた事は無かった。
気が進まないまま、父親の後をついて行ったジェイミーだったが、いざ扉を前にすると妙にワクワクしてきた。
『さあ、その鍵で開けてご覧』
父親に促され、ジェイミーは鍵穴に鍵を差し込むとゆっくりと回した。
カチャリ。
小さな音が鍵が開いた事を告げる。
ドアノブを回して扉を開けると埃っぽい匂いが鼻をついた。
『しばらく放ったらかしにしていたからな。ここは時期当主しか入らないように言われているからな。掃除も自分でするんだよ』
そう言い置いて父親はジェイミー一人を地下書庫に残した。
その日からジェイミーは地下書庫に入り浸りになったのだった。
それは授業中でも変わらない。
ふと気付けばジェイミーは僕を見ていた。
その視線は決して好意的なものでない事ははっきりしている。
僕がジェイミーの視線に気づいてそちらを見れば、ジェイミーはゆっくりと僕から視線を逸らす。
とうとう痺れを切らした僕は、廊下を曲がった所でジェイミーを待ち伏せした。
「うわっ!」
まさか、そこで僕が待っているとは思っていなかったらしく、ジェイミーが派手に仰け反った。
「どうして僕の後をついてくるんだ?」
そう尋ねるとジェイミーはフンと鼻を鳴らした。
「僕が君の後をついて行っただって? そんなわけないじゃないか。僕の行く方向を君が歩いていただけだろう? まったく! 自意識過剰が過ぎるんじゃないのか?」
そう言ってジェイミーは僕を追い越して行ってしまう。
そんな風に反論されれば僕には何も言い返せない。
特に実害もないし、ジェイミーに見られても気にしなければいいだけの話だ。
学院で一緒になるだけで、行き帰りは別方向なのは不幸中の幸いだな。
これで家が近所だったら、と思うとゾッとするよ。
ジェイミーの事さえなければ、すこぶる快適な学院生活だ。
マーリン先生とヴィクター先生も必要以上に絡んで来ないので、その点は安心だな。
僕はなるべくジェイミーの事は無視しながら学院生活を送るのだった。
******
ジェイミーがエドアルドを監視するようになって一ヶ月が過ぎたが、いまだに何も掴めずにいた。
『くそっ! なかなか尻尾を現さないな。どうにかしてあいつの尻尾を掴まないと…』
けれど…どんなに見張っていてもエドアルドの尻尾を掴むことが出来ない。
『家がまるきり反対方向なのが悔やまれる。学院でしかエドアルドを監視出来ないからな』
その学院生活にしても、一日中見張っていられるわけがなかった。
何と言っても勉強しなければならないからだ。
ジェイミーにとっての目標はエドワード王子の側近になる事だからだ。
『そのためにも邪魔なエドアルドは排除しておきたいんだけれどな』
家が遠いからといって、ノコノコと休日にエドアルドの家の周りをウロウロするわけにもいかなかった。
エルガー君は男爵という身分でありながら、広大な屋敷を持っていたからだ。
下手に侵入して見つかった場合、騒ぎになる事は目に見えていた。
これ以上、家名に傷が付くとますます陞爵は望めなくなる。
それだけは何としても避けたかった。
そんなある日、ジェイミーは父親から一本の鍵を手渡された。
『父上、これは何の鍵ですか?』
ジェイミーが尋ねると父親は勿体ぶったような口調で告げた。
『これか? これはな、先祖代々伝わる地下書庫の鍵だ。お前も学院に通うようになったから、そろそろ渡してもいいだろう。しっかり勉強しなさい』
『はぁ。…ありがとうございます』
礼は述べたものの、ジェイミーは地下書庫にはまったく興味が無かった。
けれど、渡してくれた父親の手前、受け取らないわけにはいかなかった。
ジェイミーは鍵を受け取ると渋々父親と一緒に地下室に向かった。
自分の家に地下がある事は知っていたが、今まで足を踏み入れた事は無かった。
気が進まないまま、父親の後をついて行ったジェイミーだったが、いざ扉を前にすると妙にワクワクしてきた。
『さあ、その鍵で開けてご覧』
父親に促され、ジェイミーは鍵穴に鍵を差し込むとゆっくりと回した。
カチャリ。
小さな音が鍵が開いた事を告げる。
ドアノブを回して扉を開けると埃っぽい匂いが鼻をついた。
『しばらく放ったらかしにしていたからな。ここは時期当主しか入らないように言われているからな。掃除も自分でするんだよ』
そう言い置いて父親はジェイミー一人を地下書庫に残した。
その日からジェイミーは地下書庫に入り浸りになったのだった。
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