168 / 242
学院編
168 移動
しおりを挟む
翌朝、目覚めるとブライアンは既に起きていて着替えをしている途中だった。
「おはようございます。早く着替えないと間に合いませんよ」
そんな事を言うんなら起こしてくれてもいいのに、随分と冷たい奴だ。
そんな事をチラッと思ったが、必要以上に大きな音を立てて着替えていたところを見ると、ブライアンなりに僕を起こそうとしてくれたのだろう。
ベッドから起き上がって用意されていた服に着替えていると、ノックの音が聞こえてサラが入って来た。
朝食が乗ったワゴンを押して入ってくると、既に着替えを終えている僕達を見て軽く驚いていた。
「おはようございます。朝食をお持ちいたしました」
サラはテキパキと朝食をテーブルに並べながら僕達に話しかけてきた。
「先ほどエドワード様の様子を見に伺いました。片方の頬の腫れは引いていたのですが、後から腫れた方の頬はまだそのままでした」
つまり、こぶとりじいさん状態って事だな。
両方とも腫れが引いていたら、エドワード王子に出てもらいたかったのだが、そう上手くはいかないようだ。
それでも片方の頬の腫れが引いたとは順調に回復しているようで何よりだ。
今日のミッションが終わったら、家に帰る前にもう一度エドワード王子のお見舞いに行こう。
そう思いながら僕は朝食を食べ終えた。
朝食を終えてくつろいでいると、サラが宰相を連れて部屋に入って来る。
「おはようございます。王妃様のお茶会に参加されると聞いております。先ずは着替えに参りましょう」
宰相に促され、僕とブライアンは立ち上がって宰相に続いて部屋を出た。
本来は宰相がわざわざ迎えに来る事でもないのだが、僕とエドワード王子がこの棟に一緒にいる以上仕方がないだろう。
昨日と同じ部屋で、昨日とは違う衣装を着せられる。
一体エドワード王子は何着こんな衣装を持っているんだろう?
確かに同じ服ばかり着ていると、この国にはお金がないのかと邪推されかねないから、昨日とは違う服を着るのは当然だろうな。
ブライアンは今日は頭を整髪料で固められる事はなかった。
いつもの髪型にブライアンはどこかホッとしていた。
準備が終えて立ち上がった僕とブライアンの前に一人の侍女が進み出てきた。
「それでは、これより王妃様の所へご案内いたします」
「ああ、頼むよ。アメリア」
僕が彼女の名前を呼ぶと、アメリアは深々と頭を下げた。
あらかじめ宰相から、彼女の名前を聞いていたのだ。
アメリアはエドワード王子とは顔を合わせた事があるらしいが、僕がエドワード王子の替え玉だとは知らない。
そんなアメリアに僕がエドワード王子ではないと見破られないかとドキドキしたが、今のところアメリアは僕を疑ってはいないようだ。
アメリアに連れられて僕とブライアンは王宮の廊下を歩いて行く。
すれ違う使用人達に頭を下げられながら進むと、アメリアは一つの扉の前で立ち止まった。
その扉の前には護衛騎士が二人立っている。
アメリアは扉をノックすると部屋の中に向かって声をかけた。
「王妃殿下。エドワード様とブライアン様をお連れいたしました」
「どうぞ、入ってちょうだい」
部屋の中から王妃の声が聞こえた。
アメリアは扉を開けると、そのままそこに立って頭を軽く下げた。
僕とブライアンはアメリアが開けてくれた扉から中に入る。
そこはサンルームになっていて、庭に面した窓からは色とりどりの花が見渡せる。
窓際に据えられた丸テーブルには王妃が座って待っていた。
「おはよう、エドワード。よく眠れたかしら?」
扉が閉まったのを確認して王妃が声をかけてきた。
「おはようございます、母上。ぐっすり眠れました」
そう答えると王妃に促されるまま、王妃の向かい側に腰を下ろした。
ブライアンは僕と王妃の間に腰を下ろしたが、何処か居心地悪そうな顔が見え隠れしている。
そこへノックの音がして「アンジェリカ様がお見えになりました」と告げられた。
いよいよお茶会の始まりだ。
「おはようございます。早く着替えないと間に合いませんよ」
そんな事を言うんなら起こしてくれてもいいのに、随分と冷たい奴だ。
そんな事をチラッと思ったが、必要以上に大きな音を立てて着替えていたところを見ると、ブライアンなりに僕を起こそうとしてくれたのだろう。
ベッドから起き上がって用意されていた服に着替えていると、ノックの音が聞こえてサラが入って来た。
朝食が乗ったワゴンを押して入ってくると、既に着替えを終えている僕達を見て軽く驚いていた。
「おはようございます。朝食をお持ちいたしました」
サラはテキパキと朝食をテーブルに並べながら僕達に話しかけてきた。
「先ほどエドワード様の様子を見に伺いました。片方の頬の腫れは引いていたのですが、後から腫れた方の頬はまだそのままでした」
つまり、こぶとりじいさん状態って事だな。
両方とも腫れが引いていたら、エドワード王子に出てもらいたかったのだが、そう上手くはいかないようだ。
それでも片方の頬の腫れが引いたとは順調に回復しているようで何よりだ。
今日のミッションが終わったら、家に帰る前にもう一度エドワード王子のお見舞いに行こう。
そう思いながら僕は朝食を食べ終えた。
朝食を終えてくつろいでいると、サラが宰相を連れて部屋に入って来る。
「おはようございます。王妃様のお茶会に参加されると聞いております。先ずは着替えに参りましょう」
宰相に促され、僕とブライアンは立ち上がって宰相に続いて部屋を出た。
本来は宰相がわざわざ迎えに来る事でもないのだが、僕とエドワード王子がこの棟に一緒にいる以上仕方がないだろう。
昨日と同じ部屋で、昨日とは違う衣装を着せられる。
一体エドワード王子は何着こんな衣装を持っているんだろう?
確かに同じ服ばかり着ていると、この国にはお金がないのかと邪推されかねないから、昨日とは違う服を着るのは当然だろうな。
ブライアンは今日は頭を整髪料で固められる事はなかった。
いつもの髪型にブライアンはどこかホッとしていた。
準備が終えて立ち上がった僕とブライアンの前に一人の侍女が進み出てきた。
「それでは、これより王妃様の所へご案内いたします」
「ああ、頼むよ。アメリア」
僕が彼女の名前を呼ぶと、アメリアは深々と頭を下げた。
あらかじめ宰相から、彼女の名前を聞いていたのだ。
アメリアはエドワード王子とは顔を合わせた事があるらしいが、僕がエドワード王子の替え玉だとは知らない。
そんなアメリアに僕がエドワード王子ではないと見破られないかとドキドキしたが、今のところアメリアは僕を疑ってはいないようだ。
アメリアに連れられて僕とブライアンは王宮の廊下を歩いて行く。
すれ違う使用人達に頭を下げられながら進むと、アメリアは一つの扉の前で立ち止まった。
その扉の前には護衛騎士が二人立っている。
アメリアは扉をノックすると部屋の中に向かって声をかけた。
「王妃殿下。エドワード様とブライアン様をお連れいたしました」
「どうぞ、入ってちょうだい」
部屋の中から王妃の声が聞こえた。
アメリアは扉を開けると、そのままそこに立って頭を軽く下げた。
僕とブライアンはアメリアが開けてくれた扉から中に入る。
そこはサンルームになっていて、庭に面した窓からは色とりどりの花が見渡せる。
窓際に据えられた丸テーブルには王妃が座って待っていた。
「おはよう、エドワード。よく眠れたかしら?」
扉が閉まったのを確認して王妃が声をかけてきた。
「おはようございます、母上。ぐっすり眠れました」
そう答えると王妃に促されるまま、王妃の向かい側に腰を下ろした。
ブライアンは僕と王妃の間に腰を下ろしたが、何処か居心地悪そうな顔が見え隠れしている。
そこへノックの音がして「アンジェリカ様がお見えになりました」と告げられた。
いよいよお茶会の始まりだ。
156
あなたにおすすめの小説
あっ、追放されちゃった…。
satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。
母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。
ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。
そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。
精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
嫌われたと思って離れたのに
ラム猫
恋愛
私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。
距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
完結 王族の醜聞がメシウマ過ぎる件
音爽(ネソウ)
恋愛
王太子は言う。
『お前みたいなつまらない女など要らない、だが優秀さはかってやろう。第二妃として存分に働けよ』
『ごめんなさぁい、貴女は私の代わりに公儀をやってねぇ。だってそれしか取り柄がないんだしぃ』
公務のほとんどを丸投げにする宣言をして、正妃になるはずのアンドレイナ・サンドリーニを蹴落とし正妃の座に就いたベネッタ・ルニッチは高笑いした。王太子は彼女を第二妃として迎えると宣言したのである。
もちろん、そんな事は罷りならないと王は反対したのだが、その言葉を退けて彼女は同意をしてしまう。
屈辱的なことを敢えて受け入れたアンドレイナの真意とは……
*表紙絵自作
田舎娘をバカにした令嬢の末路
冬吹せいら
恋愛
オーロラ・レンジ―は、小国の産まれでありながらも、名門バッテンデン学園に、首席で合格した。
それを不快に思った、令嬢のディアナ・カルホーンは、オーロラが試験官を買収したと嘘をつく。
――あんな田舎娘に、私が負けるわけないじゃない。
田舎娘をバカにした令嬢の末路は……。
心が折れた日に神の声を聞く
木嶋うめ香
ファンタジー
ある日目を覚ましたアンカーは、自分が何度も何度も自分に生まれ変わり、父と義母と義妹に虐げられ冤罪で処刑された人生を送っていたと気が付く。
どうして何度も生まれ変わっているの、もう繰り返したくない、生まれ変わりたくなんてない。
何度生まれ変わりを繰り返しても、苦しい人生を送った末に処刑される。
絶望のあまり、アンカーは自ら命を断とうとした瞬間、神の声を聞く。
没ネタ供養、第二弾の短編です。
結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた
夏菜しの
恋愛
幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。
彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。
そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。
彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。
いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。
のらりくらりと躱すがもう限界。
いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。
彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。
これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?
エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる