御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜

伽羅

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学院編

176  王宮からの通達

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 翌日、登校して教室に入ると、数人のクラスメイトに囲まれた。

「エドアルド君、冒険者デビューしたんだろう? どうだった?」

「魔獣に出会った? もしかして討伐した?」

 やいのやいのと質問攻めにあって僕はたじたじとなる。

「い、いや…。昨日は植物採取をしただけで魔獣には出会わなかったよ」

 そう答えると、何人かの生徒は「なーんだ」とつまらなそうに僕から離れていった。

 ただ一人残ったのはルーカス・ホーキンズ子爵令息だけだった。

 ルーカスはキラキラした目でなおも話しかけてくる。

「植物採取ってどんな植物? すぐに見つかった?」

 そんなに真剣に聞いてくるって事はルーカスも冒険者希望なんだろうか?

「マンドレイクっていう植物を採取したんだけど、これが結構大変だったよ。何しろ土から引っこ抜くと根っこが人間みたいな形をしていて悲鳴を上げるんだよ」

「人間みたいな形!? しかも悲鳴を上げるのか!?」

 ルーカスの驚きの声に一旦離れていったクラスメイト達がまた戻ってくる。

 単なる植物採取じゃないとわかって俄然興味が沸いたようだ。

「あれは凄かったな。何しろ耳をつんざくような悲鳴だったからね」

 僕達の会話にアーサーも加わってきた。

 そんな会話で一通り盛り上がった後、別のクラスメイトが話題を変えた。

「そう言えば、昨日王宮前の広場に何か大きな黒板みたいな物を設置していたよ」

 王宮前の広場?

 僕達が見たのは冒険者ギルド近くの広場だったから、それとは違う物だろうか?

「それ、僕達も冒険者ギルド近くの広場で見たよ」

 すかさずアーサーが反応してみせる。

「一体何に使うんだろうね?」

「さぁね。エドワード王子なら何か知っているんじゃないのか?」

 そんな声が上がるが、エドワード王子は最近は殆ど登校して来ない。

 最終学年という事で、執務の量が増えているようだ。
 
 そのうちに始業のチャイムが鳴り、僕達はそれぞれ自分の席に座った。

 担任のディクソン先生が教室に入って来た。

「皆さん、おはようございます。まずは連絡事項です。来週の初めに王宮から皆さんにお知らせがあるそうです。必ず登校してくるようにとの通達がありました」

 王宮からのお知らせ?

 今までそんな事は一度も無かったのだが、エドワード王子が欠席している事と何か関係があるのだろうか?

 考えてみたところで今の僕には何もわからない事だらけだった。



 そして、いよいよ王宮からの通達がある日がやってきた。

 この日は義父様だけでなく、義母様までもが王宮に呼ばれていった。

 王宮に出入りできないクリスは一人でお留守番である。

 学院に着いた僕達はそのまま講堂へと集められた。

 講堂に入った僕はその壇上にあるスクリーンに目を疑った。

 どうしてここにまでこんな物が設置されているんだ?

 そこで僕はハッとした。

 もしかしたら王宮前や下町の広場に設置されたスクリーンの前にも人々が集められているんではないだろうか?

 あの時、作業をしていた人達の話によると国内全ての街に設置すると話していた。

 ということは、小さな子供を除いて今国内のほとんどの人々が国王からの話を聞くように集められている事になる。

 皆が注目する中、真っ黒だったスクリーンが白く光った。

 白い色が徐々に色を帯びていき、そこに宰相の姿が映し出される。

 宰相はしばらく黙っていたが、やがて軽くうなずくと口を開いた。

「アルズベリー王国国民の皆さん。これよりわが国の国王陛下より皆さんにお話があります」

 宰相はそこで言葉を切ると、チラリと横に視線をずらした。

「それでは国王陛下、お話ください」

 途端に画面が切り替わり、国王陛下が姿を見せた。


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