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冒険者編
238 疑惑
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浴槽に張った湯の中に身体を沈めると、じんわりとした温かさが身体を包み込む。
「あー、極楽、極楽」
思わず声が出たけれど、どうせ誰も聞いていないんだから構わない。
こうやって湯船に浸かると一日の疲れが吹っ飛びそうだ。
一旦、身体が温まったところで湯船から出て、髪の毛や身体を洗い、再び湯船に浸かる。
こうして一人になると、エドワード王子やアーサーの事を考えてしまう。
学院を卒業してから会ってはいないが、エドワード王子はどうしているのだろうか?
僕を捨てた両親の事はどうでもいいが、学院生活で関わりのあったエドワード王子の事はどうしても気にかかる。
今のところ、前世の和也のように僕を裏切ったりはしていないけれど、この先どう転ぶかはわからない。
関わらないのが一番だとはわかっているけれど、どうしても気になって仕方がない。
こんな甘ちゃんだから前世で和也に裏切られるんだぞ、と頭の片隅ではわかっているんだけどな。
今はこうして王都から離れてしまったから、考えても意味がないとわかっているんだけどね。
それから、アーサー。
僕の事情に巻き込みたくなくて離れ離れになってしまったけれど、元気でやっているだろうか?
スマホかパソコンがあれば、離れていても連絡を取り合うくらいは出来るのにな。
だけど、あったらあったで敵に僕の居場所を探られる危険もあるからな。
そう考えたところで、『待てよ』と昼間の森での出来事を思い返す。
あの時、オーウェンはやけに森の入り口の方を気にかけていた。
僕が尋ねると「何でもありませんよ」と言葉を濁していたけれど、もしかしたら僕の事を尾行していた人間がいるのではないか?
そう思い至ったところで、その時の自分達の行動を思い返す。
あの時、ウィルは人間の姿からドラゴンに姿を変えて肉を食べていなかったか…?
ということは、尾行していた人間にウィルがドラゴンである事を知られた?
ヤバい!
僕は急いで湯船から上がると身体を拭くのももどかしく大急ぎで服を着た。
着替えるとすぐにオーウェン達の寝室へとバタバタと走る。
「オーウェン! 開けるよ!」
返事も待たずに寝室の扉を開けると二人はラブシーンの真っ最中…。
ではなく、ソファに座って寛いでいた。そんな二人にホッとしつつも僕はオーウェンに詰め寄った。
「オーウェン! 今日、森の入り口に僕達を尾行していた人間がいたんだよね!? その人にウィルが人間からドラゴンに姿を変えたのを見られたんじゃないの!?」
勢い込んで尋ねる僕にオーウェンは「ああ」とのんびりとした声を上げた。
「確かに私達の事を尾行していた人間はいましたけれど、ウィルの姿は見られていませんよ。ウィルが姿を変える瞬間、私が目くらましの術を発動させましたからね。向こうからは人間のままのウィルの姿しか見えていません」
「良かった…」
オーウェンの返事を聞いて僕はへなへなとその場に崩れ落ちた。
よくよく考えればオーウェンがそんなヘマをするはずがないのに…。
「お風呂に入っていたんですか? 髪が生乾きじゃないですか。そのままでは風邪を引きますよ」
そう言ってオーウェンは風魔法で僕の髪を乾かしてくれた。
「あ、ありがとうございます…」
一人で焦っていたのが気恥ずかしくて、聞こえるかどうかの小さな声で呟いた。
「いいえ。私もあの時、エドアルド君にちゃんと告げていれば良かったですね」
オーウェンに気遣われて僕は軽く頭を振ると「おやすみなさい」と告げてオーウェン達の寝室を後にした。
「あー、極楽、極楽」
思わず声が出たけれど、どうせ誰も聞いていないんだから構わない。
こうやって湯船に浸かると一日の疲れが吹っ飛びそうだ。
一旦、身体が温まったところで湯船から出て、髪の毛や身体を洗い、再び湯船に浸かる。
こうして一人になると、エドワード王子やアーサーの事を考えてしまう。
学院を卒業してから会ってはいないが、エドワード王子はどうしているのだろうか?
僕を捨てた両親の事はどうでもいいが、学院生活で関わりのあったエドワード王子の事はどうしても気にかかる。
今のところ、前世の和也のように僕を裏切ったりはしていないけれど、この先どう転ぶかはわからない。
関わらないのが一番だとはわかっているけれど、どうしても気になって仕方がない。
こんな甘ちゃんだから前世で和也に裏切られるんだぞ、と頭の片隅ではわかっているんだけどな。
今はこうして王都から離れてしまったから、考えても意味がないとわかっているんだけどね。
それから、アーサー。
僕の事情に巻き込みたくなくて離れ離れになってしまったけれど、元気でやっているだろうか?
スマホかパソコンがあれば、離れていても連絡を取り合うくらいは出来るのにな。
だけど、あったらあったで敵に僕の居場所を探られる危険もあるからな。
そう考えたところで、『待てよ』と昼間の森での出来事を思い返す。
あの時、オーウェンはやけに森の入り口の方を気にかけていた。
僕が尋ねると「何でもありませんよ」と言葉を濁していたけれど、もしかしたら僕の事を尾行していた人間がいるのではないか?
そう思い至ったところで、その時の自分達の行動を思い返す。
あの時、ウィルは人間の姿からドラゴンに姿を変えて肉を食べていなかったか…?
ということは、尾行していた人間にウィルがドラゴンである事を知られた?
ヤバい!
僕は急いで湯船から上がると身体を拭くのももどかしく大急ぎで服を着た。
着替えるとすぐにオーウェン達の寝室へとバタバタと走る。
「オーウェン! 開けるよ!」
返事も待たずに寝室の扉を開けると二人はラブシーンの真っ最中…。
ではなく、ソファに座って寛いでいた。そんな二人にホッとしつつも僕はオーウェンに詰め寄った。
「オーウェン! 今日、森の入り口に僕達を尾行していた人間がいたんだよね!? その人にウィルが人間からドラゴンに姿を変えたのを見られたんじゃないの!?」
勢い込んで尋ねる僕にオーウェンは「ああ」とのんびりとした声を上げた。
「確かに私達の事を尾行していた人間はいましたけれど、ウィルの姿は見られていませんよ。ウィルが姿を変える瞬間、私が目くらましの術を発動させましたからね。向こうからは人間のままのウィルの姿しか見えていません」
「良かった…」
オーウェンの返事を聞いて僕はへなへなとその場に崩れ落ちた。
よくよく考えればオーウェンがそんなヘマをするはずがないのに…。
「お風呂に入っていたんですか? 髪が生乾きじゃないですか。そのままでは風邪を引きますよ」
そう言ってオーウェンは風魔法で僕の髪を乾かしてくれた。
「あ、ありがとうございます…」
一人で焦っていたのが気恥ずかしくて、聞こえるかどうかの小さな声で呟いた。
「いいえ。私もあの時、エドアルド君にちゃんと告げていれば良かったですね」
オーウェンに気遣われて僕は軽く頭を振ると「おやすみなさい」と告げてオーウェン達の寝室を後にした。
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