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幼少期
62 誕生日パーティー
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今日はアーサーの誕生日パーティーが開催される日だ。
昨日、ポップコーン店の開店に合わせて買い物に行き、無事にアーサーへのプレゼントを買ってきた。
勿論、自宅用のポップコーンも買ったし、エミーへのお裾分けも忘れてはいない。
馬車の中で購入したポップコーンの包みの一つをエミーに渡したら、ちょっと驚いた後で嬉しそうに顔をほころばせていた。
オープン直後はそんなに人だかりはしていなかったけれど、購入した人からの口コミのおかげか、あっという間に行列が出来ていた。
行列が出来る前に買う事が出来てホッとしたよ。
全種類のフレーバーのポップコーンを横に置いて、エミーと向かい合わせで馬車に揺られている。
「…本当にこのポップコーンをアーサー様へのプレゼントにして良かったんてすか?」
エミーが遠慮がちに聞いてくるが、どうしてそんな事を言い出すんだろう?
「どうして?」
「昨日のうちにアーサー様の所もこのポップコーンをお買いになったかもしれませんよね? すでに食べた事のある物を差し上げても、目新しさも何も無いように思うのですが…」
エミーの言葉に僕は衝撃を受ける。
もしかして、すでにアーサーもポップコーンを食べたのだろうか?
得意気にこのポップコーンを渡しても『もう食べたよ』なんて言われたら立ち直れそうもないな。
それとも、アーサーは優しいからすでに食べていても、食べていないフリをしてくれるのだろうか?
コールリッジ家に到着すると、すでに何人かの子供達が到着していた。
親が付き添っている子供もいれば、僕のようにメイドか従僕を従えている子供もいる。
丸テーブルを囲むように僕達は席についた。
僕の席はアーサーの隣だ。
全員が揃ったところでパーティーが始まる。
「みんな、今日は僕の誕生日パーティーに来てくれてありがとう。腕によりをかけ作らせたからいっぱい食べて帰ってね」
この世界の誕生日パーティーはみんなで料理を食べるだけのようだ。
ケーキに年の数だけのロウソクを立てて火を消すなんて事はしないらしい。
今まで誕生日にそういう事をしてもらわなかったのは、単純にそういう風習がないだけだったのか。
(僕が養子だから…)なんて思っていた事を今更申し訳なく思う。
食事が終わると、アーサーへプレゼントを渡す時間になる。
アーサーの横に座る僕が一番最初に渡す事になった。
「アーサー、お誕生日おめでとう。気に入ってもらえると嬉しいな」
ポップコーンの入った箱をアーサーに差し出す。
「ありがとう。何が入っているのかな?」
ちょっと軽い箱にアーサーは少し怪訝そうな表情を見せる。
箱を開けてポップコーンを見たアーサーは目を丸くしていた。
「これってもしかしてポップコーン!? 昨日、買いに行ったらすでに売り切れていて何も買えなかったんだ! エドアルド、ありがとう!」
アーサーに言われて僕は内心ホッとしていた。
危ない、危ない。
エミーが危惧していたとおり、アーサーもポップコーンを買いに行ったようだ。
売り切れだった事に感謝しなくちゃね。
他の子供達もまだポップコーンを食べていないらしく、興味津々の眼差しをポップコーンに向けている。
その後も次々とアーサーにプレゼントが渡される。
ひとしきり楽しい時間を過ごした後、解散となり残っているのは僕だけになった。
アーサーはポップコーンの入った箱から一つの包みを取り出すと、ちょっと上に掲げた。
「昨日は本当に残念だったよ。でもこうしてプレゼントしてもらえて嬉しいな。…食べてみてもいい?」
僕がコクンと頷くとアーサーは包みを開けてポップコーンを一つ取り出した。
しばし眺めた後でアーサーはおもむろにポップコーンを口に入れた。
一口噛んだ後で驚いたように目を見開いている。
やがて口の中の物を飲み込んだアーサーは怪訝な顔をする。
「これは昨日売り出したばかりの商店だよね。だけど…どうしてあの日君から匂ってきた香りと同じなんだい?」
「あの日って?」
「君が僕の家の名を騙った誰かと出かけた日だよ。あの時、君に抱きついただろ? その時、君から甘い香りがしたんだ。このポップコーンと同じ匂いがね」
そう言ってアーサーはポップコーンの袋を差し出す。
それはキャラメル味のポップコーンだった。
…さて、何と言ってアーサーに言い訳しようか…。
昨日、ポップコーン店の開店に合わせて買い物に行き、無事にアーサーへのプレゼントを買ってきた。
勿論、自宅用のポップコーンも買ったし、エミーへのお裾分けも忘れてはいない。
馬車の中で購入したポップコーンの包みの一つをエミーに渡したら、ちょっと驚いた後で嬉しそうに顔をほころばせていた。
オープン直後はそんなに人だかりはしていなかったけれど、購入した人からの口コミのおかげか、あっという間に行列が出来ていた。
行列が出来る前に買う事が出来てホッとしたよ。
全種類のフレーバーのポップコーンを横に置いて、エミーと向かい合わせで馬車に揺られている。
「…本当にこのポップコーンをアーサー様へのプレゼントにして良かったんてすか?」
エミーが遠慮がちに聞いてくるが、どうしてそんな事を言い出すんだろう?
「どうして?」
「昨日のうちにアーサー様の所もこのポップコーンをお買いになったかもしれませんよね? すでに食べた事のある物を差し上げても、目新しさも何も無いように思うのですが…」
エミーの言葉に僕は衝撃を受ける。
もしかして、すでにアーサーもポップコーンを食べたのだろうか?
得意気にこのポップコーンを渡しても『もう食べたよ』なんて言われたら立ち直れそうもないな。
それとも、アーサーは優しいからすでに食べていても、食べていないフリをしてくれるのだろうか?
コールリッジ家に到着すると、すでに何人かの子供達が到着していた。
親が付き添っている子供もいれば、僕のようにメイドか従僕を従えている子供もいる。
丸テーブルを囲むように僕達は席についた。
僕の席はアーサーの隣だ。
全員が揃ったところでパーティーが始まる。
「みんな、今日は僕の誕生日パーティーに来てくれてありがとう。腕によりをかけ作らせたからいっぱい食べて帰ってね」
この世界の誕生日パーティーはみんなで料理を食べるだけのようだ。
ケーキに年の数だけのロウソクを立てて火を消すなんて事はしないらしい。
今まで誕生日にそういう事をしてもらわなかったのは、単純にそういう風習がないだけだったのか。
(僕が養子だから…)なんて思っていた事を今更申し訳なく思う。
食事が終わると、アーサーへプレゼントを渡す時間になる。
アーサーの横に座る僕が一番最初に渡す事になった。
「アーサー、お誕生日おめでとう。気に入ってもらえると嬉しいな」
ポップコーンの入った箱をアーサーに差し出す。
「ありがとう。何が入っているのかな?」
ちょっと軽い箱にアーサーは少し怪訝そうな表情を見せる。
箱を開けてポップコーンを見たアーサーは目を丸くしていた。
「これってもしかしてポップコーン!? 昨日、買いに行ったらすでに売り切れていて何も買えなかったんだ! エドアルド、ありがとう!」
アーサーに言われて僕は内心ホッとしていた。
危ない、危ない。
エミーが危惧していたとおり、アーサーもポップコーンを買いに行ったようだ。
売り切れだった事に感謝しなくちゃね。
他の子供達もまだポップコーンを食べていないらしく、興味津々の眼差しをポップコーンに向けている。
その後も次々とアーサーにプレゼントが渡される。
ひとしきり楽しい時間を過ごした後、解散となり残っているのは僕だけになった。
アーサーはポップコーンの入った箱から一つの包みを取り出すと、ちょっと上に掲げた。
「昨日は本当に残念だったよ。でもこうしてプレゼントしてもらえて嬉しいな。…食べてみてもいい?」
僕がコクンと頷くとアーサーは包みを開けてポップコーンを一つ取り出した。
しばし眺めた後でアーサーはおもむろにポップコーンを口に入れた。
一口噛んだ後で驚いたように目を見開いている。
やがて口の中の物を飲み込んだアーサーは怪訝な顔をする。
「これは昨日売り出したばかりの商店だよね。だけど…どうしてあの日君から匂ってきた香りと同じなんだい?」
「あの日って?」
「君が僕の家の名を騙った誰かと出かけた日だよ。あの時、君に抱きついただろ? その時、君から甘い香りがしたんだ。このポップコーンと同じ匂いがね」
そう言ってアーサーはポップコーンの袋を差し出す。
それはキャラメル味のポップコーンだった。
…さて、何と言ってアーサーに言い訳しようか…。
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