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第二章 朏いくさと小さな怪物
三日前(その5)怪物と仲良くなりたい
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まだ夜も明けぬ早朝、いくさは眠たい目をこすりながら古びた建屋の前に自転車を止めた。古臭いバイクがズラリと並び、草臥れた男達がそこに新聞の束を積んでいる。結局昨日は怪人との会話に花が咲き、少ししか眠れなかった。寝不足でまぶたが重い。
―数時間前―
「ねぇ、レゥって呼んでも良い?」
「レゥって何だよ?」
「昔飼ってた犬の名前」
「だからあたしは犬じゃねぇっつうの!」
「いい加減名前教えてよ」
「てめぇにはぜってぇ教えてやんねぇ」
「せっかく助けてあげたのにその態度はないんじゃない?可愛くないなぁ」
「ところでレゥ?」
「おい!その呼び方やめろよ」
「一番嫌いなヒーローってどんなタイプ?」
「スルーすんな!」
「私は断然アンチヒーロー、あいつ等非道だから大嫌い。主人公の風上にも置けないよね」
「お前アンチヒーロー嫌いなのか?」
「アンチヒーローに限らず暴力的なヒーローは皆嫌いだよ」
「何でだ?ヒーローはお前等のために戦ってんだぞ」
「だって悪者が可哀相じゃん?大して悪い事もしてないのに殺られてさ。そりゃ同情だってするよ」
そう言うといくさは怪人の傷ついたお腹を優しく摩る。
怪人は呆気にとられて言葉を失った。何か奇妙な生物と出くわしたかのような顔でいくさを見る。
「お前ちょっと変わってね?」
「普通だよ、“罪を憎んで人を憎まず”が私のモットーだからね」
「あたしを助けた理由はそれか?理解に苦しむな。お前脳みそお花畑だろ」
「私って基本能天気だからなぁ、そりゃ花の一つや二つ・・・て、馬鹿にするなよ!」
「ハハ、お前面白れぇ奴だな。仲間にしてやろうか?」
「冗談言うなって、人間辞める気はさらさら無いからね」
「プハハ、気に入った。世界征服した暁にはペットにしてやんよ」
「そりゃどうも・・・」
レゥが見せる初めての笑顔、それは人と何ら違わない。いくさは内心嬉しく思うも、話の内容が内容なだけにただただ苦笑した。
「さっきの話だが、あたしもヒーローは嫌いだ。だけど反英雄はまだ好感持てる。何か親近感湧く」
「どっちも似たようなもんだしねぇ・・・」
「似てねぇよ!」
「あたしが一番嫌いなヒーローは魔法少女。あいつ等あざとくてすっげームカつく」
「その気持ち分かるなぁ。絶対媚びへつらってるよね?」
「そうそう、命懸けの戦いなんだからもっと真剣にやれっての」
「ホントだよ。世の中、学校通ってまでヒーロー目指してる人間もいるのにさ。真面目にやる気がないならその座を譲ってほしいよ」
「何お前、ヒーロー嫌いな癖にヒーローになりてぇの?」
「そうだよ。私は悪人にも優しいヒーローを目指してるんだ」
「それってどんなヒーローだよ?」
「いかなる攻撃にも耐えてただひたすら説得するみたいな」
「アハハハハ、お前マゾかよ。説得して折れるなら苦労はしないぜ。いくら何でも奇麗事が過ぎるだろ」
レゥは腹の底から笑う。その振動が腹部の上にある手に伝わった。いくさの顔が不愉快そうに膨れる。
「何で笑うのさぁ?レゥまでキム兄みたいな事言わないでよ」
「キム兄って誰だ?」
「友達、何でも力ずくで解決しようとする分からず屋」
「へぇ~、ならあたしがそいつに分からせてやるよ。世の中力じゃどうにもなんない事もあるってな」
「あぁ~それ無理、キム兄超強いから」
その後もヒーロー談議は弾み、眠りについたのは深夜0時頃だった。
―数時間前―
「ねぇ、レゥって呼んでも良い?」
「レゥって何だよ?」
「昔飼ってた犬の名前」
「だからあたしは犬じゃねぇっつうの!」
「いい加減名前教えてよ」
「てめぇにはぜってぇ教えてやんねぇ」
「せっかく助けてあげたのにその態度はないんじゃない?可愛くないなぁ」
「ところでレゥ?」
「おい!その呼び方やめろよ」
「一番嫌いなヒーローってどんなタイプ?」
「スルーすんな!」
「私は断然アンチヒーロー、あいつ等非道だから大嫌い。主人公の風上にも置けないよね」
「お前アンチヒーロー嫌いなのか?」
「アンチヒーローに限らず暴力的なヒーローは皆嫌いだよ」
「何でだ?ヒーローはお前等のために戦ってんだぞ」
「だって悪者が可哀相じゃん?大して悪い事もしてないのに殺られてさ。そりゃ同情だってするよ」
そう言うといくさは怪人の傷ついたお腹を優しく摩る。
怪人は呆気にとられて言葉を失った。何か奇妙な生物と出くわしたかのような顔でいくさを見る。
「お前ちょっと変わってね?」
「普通だよ、“罪を憎んで人を憎まず”が私のモットーだからね」
「あたしを助けた理由はそれか?理解に苦しむな。お前脳みそお花畑だろ」
「私って基本能天気だからなぁ、そりゃ花の一つや二つ・・・て、馬鹿にするなよ!」
「ハハ、お前面白れぇ奴だな。仲間にしてやろうか?」
「冗談言うなって、人間辞める気はさらさら無いからね」
「プハハ、気に入った。世界征服した暁にはペットにしてやんよ」
「そりゃどうも・・・」
レゥが見せる初めての笑顔、それは人と何ら違わない。いくさは内心嬉しく思うも、話の内容が内容なだけにただただ苦笑した。
「さっきの話だが、あたしもヒーローは嫌いだ。だけど反英雄はまだ好感持てる。何か親近感湧く」
「どっちも似たようなもんだしねぇ・・・」
「似てねぇよ!」
「あたしが一番嫌いなヒーローは魔法少女。あいつ等あざとくてすっげームカつく」
「その気持ち分かるなぁ。絶対媚びへつらってるよね?」
「そうそう、命懸けの戦いなんだからもっと真剣にやれっての」
「ホントだよ。世の中、学校通ってまでヒーロー目指してる人間もいるのにさ。真面目にやる気がないならその座を譲ってほしいよ」
「何お前、ヒーロー嫌いな癖にヒーローになりてぇの?」
「そうだよ。私は悪人にも優しいヒーローを目指してるんだ」
「それってどんなヒーローだよ?」
「いかなる攻撃にも耐えてただひたすら説得するみたいな」
「アハハハハ、お前マゾかよ。説得して折れるなら苦労はしないぜ。いくら何でも奇麗事が過ぎるだろ」
レゥは腹の底から笑う。その振動が腹部の上にある手に伝わった。いくさの顔が不愉快そうに膨れる。
「何で笑うのさぁ?レゥまでキム兄みたいな事言わないでよ」
「キム兄って誰だ?」
「友達、何でも力ずくで解決しようとする分からず屋」
「へぇ~、ならあたしがそいつに分からせてやるよ。世の中力じゃどうにもなんない事もあるってな」
「あぁ~それ無理、キム兄超強いから」
その後もヒーロー談議は弾み、眠りについたのは深夜0時頃だった。
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