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第二章 朏いくさと小さな怪物
そして現在に戻る
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人外、怪物、異形、そう呼ばれる者達が現れたのはつい最近の話ではない。その起源は遥か昔、人類史以前、宇宙誕生と時を同じくするとも言われている。
しかしそんな長い歴史の中で人と彼等が交わる機会は少ない。それこそテレビや電話、通信機器が発達した現代だからこそ広く知れ渡るようになっただけでつい数百年前までは空想や伝承の域を脱していなかった、それだけ遭遇する率が低いのである。
それもそのはず、人類の歴史は淘汰の歴史である。
人外は常に害をなす存在であり、その殆どが英雄の武勇伝に語られる悪。常に排斥される側。そんな彼等が生きるために身を潜めるのは必然というもの。人や物に擬態したり、何処か遠くに移り住んだり、中には妖精のように人と共生の道を選んだ種もいる。
知らぬ間に彼等と接触している事もあるだろう、しかしそれをそれとして認識できるのはよほどの不運か幸運でない限り一生のうちに一回あるか無いか。科学では説明しきれない事もあり未だ認めようとしない者もいる。しかしそれでもこの世界でそれが認知され始めたのは確かである。
粛々と闇に支配された御伽公園。
レゥは公園の噴水で血に染まった手を洗う。
“ぐぅ・・・”と大きな腹の虫が鳴った。
そういえば今朝から何も食べていない。レゥはベンチに座りうずくまる。
するとそこへいくさがやって来た。耳を赤くし、息を乱して辺りを見回す。そしてレゥを見つけるとホッと安堵の表情を浮かべる。
いくさはトランクを引きずりレゥの隣に腰掛けた。
「やっと見つけた、探したよ」
「いまさら何だよ、借りはもう返したぞ」
「だから何?」
レゥは膝の隙間からいくさを覗く。
「用が無いならとっとと帰れよ」
凛と胸を張って答えるいくさ。
「帰るところはありません!」
レゥは「は?」と言葉を返した。
「ついさっき仕事辞めてアパート出てきちゃった」
「はぁぁぁぁ!?出てきちゃった・・・じゃねぇよ!」
「だってあそこにはもうレゥと一緒に住めないじゃん?それに配達の仕事も不満あったし、この期に心機一転しようと思って」
レゥは迷惑そうな顔でいくさの顔を窺うと、さっと立ち上がりその場を去ろうとする。
いくさはすかさずその後ろ髪を引っ張った。
「痛ぃって!」
声を上げ、レゥは大きく後ろに反り返る。
「まさかか弱い女の子一人残して行く気?男に襲われたらどうするんだよ?今の私には頼もしい番犬が必要なの!」
「知るかボケ!」
「こうなったのも全部レゥのせいなんだから責任取ってよね」
「貸しの次は責任取れだぁ?テメェが勝手にした事だろうが?あたしには関係ねぇよ」
「そうだ、お腹すいてない?」
いくさは袋の中から唐揚げのオードブルを取り出しレゥに差し出す。
唾を飲むレゥ。
「やっぱお腹すいてたんだ、買ってきて良かった」
その夜、街に初雪が降った。
しかしそんな長い歴史の中で人と彼等が交わる機会は少ない。それこそテレビや電話、通信機器が発達した現代だからこそ広く知れ渡るようになっただけでつい数百年前までは空想や伝承の域を脱していなかった、それだけ遭遇する率が低いのである。
それもそのはず、人類の歴史は淘汰の歴史である。
人外は常に害をなす存在であり、その殆どが英雄の武勇伝に語られる悪。常に排斥される側。そんな彼等が生きるために身を潜めるのは必然というもの。人や物に擬態したり、何処か遠くに移り住んだり、中には妖精のように人と共生の道を選んだ種もいる。
知らぬ間に彼等と接触している事もあるだろう、しかしそれをそれとして認識できるのはよほどの不運か幸運でない限り一生のうちに一回あるか無いか。科学では説明しきれない事もあり未だ認めようとしない者もいる。しかしそれでもこの世界でそれが認知され始めたのは確かである。
粛々と闇に支配された御伽公園。
レゥは公園の噴水で血に染まった手を洗う。
“ぐぅ・・・”と大きな腹の虫が鳴った。
そういえば今朝から何も食べていない。レゥはベンチに座りうずくまる。
するとそこへいくさがやって来た。耳を赤くし、息を乱して辺りを見回す。そしてレゥを見つけるとホッと安堵の表情を浮かべる。
いくさはトランクを引きずりレゥの隣に腰掛けた。
「やっと見つけた、探したよ」
「いまさら何だよ、借りはもう返したぞ」
「だから何?」
レゥは膝の隙間からいくさを覗く。
「用が無いならとっとと帰れよ」
凛と胸を張って答えるいくさ。
「帰るところはありません!」
レゥは「は?」と言葉を返した。
「ついさっき仕事辞めてアパート出てきちゃった」
「はぁぁぁぁ!?出てきちゃった・・・じゃねぇよ!」
「だってあそこにはもうレゥと一緒に住めないじゃん?それに配達の仕事も不満あったし、この期に心機一転しようと思って」
レゥは迷惑そうな顔でいくさの顔を窺うと、さっと立ち上がりその場を去ろうとする。
いくさはすかさずその後ろ髪を引っ張った。
「痛ぃって!」
声を上げ、レゥは大きく後ろに反り返る。
「まさかか弱い女の子一人残して行く気?男に襲われたらどうするんだよ?今の私には頼もしい番犬が必要なの!」
「知るかボケ!」
「こうなったのも全部レゥのせいなんだから責任取ってよね」
「貸しの次は責任取れだぁ?テメェが勝手にした事だろうが?あたしには関係ねぇよ」
「そうだ、お腹すいてない?」
いくさは袋の中から唐揚げのオードブルを取り出しレゥに差し出す。
唾を飲むレゥ。
「やっぱお腹すいてたんだ、買ってきて良かった」
その夜、街に初雪が降った。
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