オークの子を身籠りました。

もみじ

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本編

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 夜遅くに兵士が冒険者ギルドを尋ねてくる。重装備に物々しい雰囲気でズカズカと建物に入ってきた。

「姫と赤服の男に心当たりはないか?匿うと身のためにならないぞ」

 そう言う兵士にノブは大きな体で威圧する。

「いえ、そんな奴が来たら叩き出してると思いますよ」

「そ、そうか。ならば見かけたらすぐに報告するんだぞ!」

 すると兵士はノブのガタイに臆したのか身を小さくして早々に立ち去る。それを見届けラルクは何食わぬ顔で部屋に入った。

「ようノブ、相っ変わらず威圧感ハンパねぇな。兵隊さんビビりまくりじゃねぇか」

「ラルクか。いや、別に威圧しているつもりはないんだが・・・」

「あんたはつっ立ってるだけで怖えぇんだよ。それよりも何かあったのか?」

「ああ、話によると姫が男にさらわれたらしい。どこもその話しで持ちきりだ」

 ラルクは辺りを見回しノブ以外誰もいないことを確認する。

「よし、もう入って来ていいぞぉ~」

 私はフードを深くかぶってまるで泥棒のように中に入った。最初ノブは私が誰か気づかず「?」とした顔をしていたが私がフードを取るとすぐに顔色を悪くした。額に青い3本線が垂れているのが分かる。

「レフィ!?まさか姫をさらったのって・・・」

 ラルクは涼しい顔で言う。

「うん、あたし」

「お前って奴は・・・」

 ノブは自分の両こめかみを抑えて項垂うなだれた。

「ごめんノブ、迷惑だよね?」

「ああ、自分の立場をよく考えろ。だがまあ、とりあえずお帰り」

「なぁノブ、フィールは?」

「あいつなら上の部屋で酔いつぶれてるよ」

「たくあいつは、まだ未成年だろ?」

「お前だって未成年なのに飲んでるだろ、ジュースみたいな甘いカクテル」

「そういやそうだった、まあいいや、行くぞレフィ」

「待て」

 ノブが呼び止める。

「一体何しに行くつもりだ?下手な気遣いは返ってあいつの心を傷つけるぞ」

「ケジメだよケジメ、こういうことはハッキリさせておかないと引きずっちまうだろ?」

 ラルクと私は階段を上ってフィールのいる部屋に行く。
 コンコン・・・とラルクがドアをノックしても返事はない。

「フィール、入るぞぉ~」

 ドアノブを回そうとするとガチャガチャ鍵がかかって回らない。

「チッ」

 ラルクは小さく舌打ちして右足を上げた。
 慌てて私はそれを抑える。

「ちょっと待って、蹴り破る気?」

「たり前だ!いつまでもグズグズグズグズ部屋に引きこもりやがって、男のくせに女々しいったらありゃしねぇ」

 そうか、だからラルクは危険を冒してまで私に会いに来たのか。フィールはショックでずっと寝込んでいたんだね。だけど一ヶ月引きこもるって・・・フィールメンタル弱すぎない?

 ガチャリと扉が開いて中からフィールが出てくる。

 すっごく酒臭い!私は思わず鼻をつまんでしまった。

「何だよラルク、暫く一人にしてくれって言っただろ?」

「一ヶ月のどこが暫くなんだよ!」

 私とフィールの目が合う。

「レレレ、レフィ!?」

 フィールは仰天して後ろに尻餅をついた。
 そんな驚かなくてもいいじゃん?
 ラルクが私の背中を押す。

「ちゃんとケジメつけんだぞ」

 私はフィールの前に立たされた。
 別れなきゃ、だけどどうしてもその言葉がつむげない。何て言えばいいの?何て言えばフィールを傷つけずに別れる事が出来るの?私は無い頭で必死に考える。



 ・・・ダメだ、どうしても思い浮かばない。何を言ってもフィールを傷つけてしまう。ならいっそのこと私が悪者になってしまえばいい、私が悪女だと知ればきっとフィールも自分から離れてくれるだろう。


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