LV1から始める異世界チート

もみじ

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第一章 始まり

とりあえず試験官をぶっ飛ばしてみた

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「トリルハイム幼年学校出身、バニィ・クロムウェル=ティターニア。幼年学校での成績は優秀、筆記試験では全教科満点。そしてそのパートナー

 魔法少女ヘイトリッド

【レベル】1
【LP】465
【MP】480
【腕力】40
【熟練】50
【素早】41
【魔力】44

 戦績、0勝100敗・・・これをどう見るフェル君?」

「ただの頭でっかちか。いや、その成績も本当の実力かどうか疑わしい。なにせ皇族、不正などいくらでも出来るだろ」

「手加減する?」

「俺は相手が誰であろうとひいきしない。試験開始と同時に仕留めろ」

「だから2、3発撃たせてあげなきゃ受験者の実力分からないよ?」

「構わん、レベル1の力量など知るに値しない。それよりも試験に舐めて出た事後悔させてやる」

「ほんと容赦ない、とんだ試験管だね」


 俺はリットに指示する。

「ガング起動。リット、変身だ」

 辺り一面白に染まる。
 聖処女の息吹が俺を撫でた。
 黒のポンチョを羽織り、自慢の美脚がブーツとニーソを履きこなす。
 ベレー帽を被り、ハートのアクセサリーが輝く。
 まるで聖歌隊の人・・・いや、黒の歌姫。
 心奪われる、その美しさ、理想の体現がそこにあった。


 二人の魔法少女が対峙する。かたや一方は巨大な砲をかつぎ、かたや一方は素手。


「試験開始!」
「テレポート!!」

 試験開始と同時に俺の合図でヘイトリッドが瞬間移動する、そしてシェルブリットのすぐ目の前に現れる、バリアの内側に入る。

「うわっ!?」

 突然相手が目の前に現れ驚くシェルブリット、だが・・・

 ブゥゥゥン!

 砲が形態を変えて槍になった、そしてその先端から光の刃が飛び出す。
 それは一瞬、灼熱の剣がヘイトリッドの体を貫く。

 魔法名“レヴァンテイン”中級物理魔法。超高温で鉄すら紙のように切り裂く魔剣だ。

「ぐっ・・・」

「ご、ゴメン!いきなり出てくるからつい条件反射で刺しちゃった。殺すつもりはなかったんだよ、そもそもそんな低いステータスで飛び出してくるから」

「そうね、もっと魔法抵抗力をつけていれば串刺しにならずにすんだかもしれない。でも、これでいい。これはマスターの言葉・・・




 やられたら、やり返せ!」




「えっ!?」

 耐えた!まだ息がある!?
 シェルブリットはさらに驚く。レベル70越えの攻撃をまともにくらってレベル1が生きているはずがない。

 するとヘイトリッドがシェルブリットの胸に触れる。

「エンゲージ・・・」



     ードクンッ!!!ー



 シェルブリットの膝が折れた。

「ぐはっ!!!」

 何だこのダメージは!?まるで剣で刺されたような刺痛、息が出来ない!
 たかがレベル1の、たかが一打で死にかける。


 レベル1のくせになんて攻撃力!

 やばい・・・やばい、やばいやばいやばいやばい!!!

 次、今のをまたくらったら確実にやられる!!


 シェルブリットは目でフェルトに指示を求める、だがフェルトは勝ち誇っていた。

 全然分かっていない、完全に勝ったと思い込んでいる。もうこれ以上攻撃をもらう訳にはいかない、やられる前にやるしかない!

 そう思ったシェルブリットはレヴァンテインを抜き次の攻撃態勢に入る。彼女は決して速い魔法少女ではない。固定砲台、鉄の塊と揶揄やゆされるほど鈍足だ、だがそれでもレベル1よりは早く動ける。

「この・・・」

 シェルブリットがそう言いかけると次の瞬間、
 ヘイトリッドの回し蹴りが左頬に炸裂した。

 速い!

 レベル1がどうしてこんなにも速く動ける!?
 訳が分からない。
 レベル1に・・・何の努力もしていない魔法少女に私が負けるなんて・・・

 シェルブリットが勢いよく地面に蹴り倒された。

 ・・・

 辺りが息を止めたように静まる。

 フェルトは何が起きたのか理解できず、ただただ目を見開いた。


 シェルブリットの変身が解ける。


「ば・・・バニィの奴・・・試験官ぶっ飛ばしやがったぁーーー!!!」


 意外なことに最初に沈黙を破ったのはシャムだった。
 それに感化され周りもワーッ!と一斉に沸き立つ。
 
「何が起きたんだ?」

「スゲー」

「化け物かよ!」

 たちまち衆目にさらされる俺、その耳には様々な声が入ってくる。

 まぁ当然か・・・今の俺には喜びも感動もない、勝つべくして勝った、ただそれだけである。この結果も、この騒ぎも全ては想定通り。

「バカ・・・な、ありえん!貴様一体何をした!?」

 フェルトは目を血走らせて俺の胸元を掴んだ。

「何を?ご覧の通り私の魔法少女があなたの魔法少女を倒しましたよ」

「レベル1がレベル72に勝てる訳ないだろ!きっと仕組んだに違いない」

「仕組んだ?やはりあなたも父と同じか、相手をレベル1と侮った、連戦連敗の雑魚と侮った、だから負けた。私の戦いは初黒星を取ったあの日からすでに始まっていたのですよ、全てはこの日のためのお膳立てです」

「ただ俺の油断を誘うためだけに、この戦いに勝つためだけに負けていたというのか?100戦も?どうかしている」

「ええ、よく言われます。しかしもしここが戦場なら死んでいるのはあなただ、違いますか?」

「くっ・・・確かにお前達を侮ったことは認めよう、だが侮るに足りる十分な実力差があった、それを覆すことなんて・・・」

「それは驕りですフェルト卿、どうして負けたか分からない時点であなたは負けている。さぁ、次は私が質問する番です。あなたに勝った私は合格か?不合格か?どちらですか?」

「うぐぅ・・・合格だ。合格せざるをえまい!」

 まさに実力主義、結果主義万歳である。
 あとは面接試験、それに合格すれば晴れてヴァルハラの一員だ。




◇◇◇◇◇◇◇◇

≪使用魔法≫
「テレポート」カテゴリーD 記憶したポイントに瞬間移動する事が出来る。
「エンゲージ」カテゴリーD+ 感覚共有、対象のLPを自分と同じにする。
「クイックストライク」カテゴリーD 因果逆転、相手よりも先に攻撃した事にする。

≪装備アイテム≫
「アヴェンジャー」 LP満タンの状態で即死した時のみ発動、LP1耐える。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さあネタバラシです。
バニィが、ヘイトリッドが何をしたか分かる人は分かるでしょうね(微笑
ネタが古いかもしれませんが7~8年前に執筆したものなのでお許しくださいm(_ _)m

おそらく本編を呼んだだけでは何をしたか分からないと思うので今後もこんな感じでネタバラシしていきます。
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