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束の間の休息

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「………ま、迷った」

あれから1日経って、現在クエスト中です。
ちなみに何故、1日経ってるかと言うと…。
危険だからと、ティアさんが伯爵家から出してくれなかったのです。
なので今現在クエスト中なのです。
そして絶賛、迷子中なのです。
ヒレイルは森に生えているらしいので、指定の森に入ったのはいいんですが…道を間違えたのか、迷ってしまったのです。
誰かヘルプミー……。

「一旦下がれ!撤退だぁ!!」

何処からか声が聞こえた。
慌てたような声だ。
危険なのだろうか……。
そう思いつつ声の方に近寄っていく。
するとそこには、冒険者のパーティーらしき人達がいた。
剣士、弓使い、魔法使い、治癒師…。
とてもバランスの良いパーティーだ。
じぃっと観察していると、こちらに気付いた魔法使いさんが慌てて。

「ここは危ないから早く離れて!」

そう言った…その時、パーティーの皆さんの後ろからバキバキっと木が折れる様な音が鳴り響いた。
それに合わせて鳥たちが慌てたように飛んでいく。
そして現れたのは…大きな大きな………トカゲさん(?)だった。
確かにこれは少し怖いかもしれない。
危ない、はやく、と注意されているのも気にせず、ボーッとその大きなトカゲ(?)を見ていた。
そのトカゲ(?)は小さくて弱そうな私を見つけて、こちらに方向転換して襲ってくる。
なるほど、弱そうな奴から殺そうって感じですね。
ちょっとは頭が良さそうなのですが、相手の能力を見定めることは出来なさそうですね。

「そいつは体液に毒を持ってるの!
はやく離れて!!」

ほほぅ、毒を持ってるのですか。
火や雷は森が燃えるので論外ですが、体液が毒性ならば凍らせれば問題無しですね。
そうと決まれば後は私の魔法を見られないように、あの人達が居なくなればいいだけ。

「私は、大丈夫です…。はやく逃げて下さい!」

「何を言ってるの!貴方はまだ子供でしょう!?」

(…見た目の事をすっかり忘れていました、仕方ないですね………)

私は、その人達が走る方向とは逆の方へ走った。
風の魔法で加速させて走っていき、とうとう人気のない場所にきた。
ここまで来れば、もう誰もいないだろう。
クルリと後ろを向くと、大きなトカゲモドキさんは舌舐めずりをしてこちらを見ている。
ふぅ…、と一呼吸して水の魔法を思い出す。

(相手を凍らせる、水の魔法…確か……)

「……………アイスブレイド」

言うと、鋭い氷が現れて、トカゲモドキを刺し、それは凍っていく。
そしてピクリとも動かなくなった。
加減はしたので、最初の様な感じにはならなかったのでホッとした。

「そう言えば、ヒレイルは…っ!」

クエストの事を思い出し辺りを見回すと、私の後ろには結構な量のヒレイルが生えていた。
そして指定された分と、ほんの少しだけ自分様に取っておいた。
さて、あとは帰るだけだ。
凍ったトカゲモドキを放って、私はギルドに帰った。
………帰る途中もちょっと…ほんのちょっと迷ったけど、心配なく帰れた。






「はい、これでクエスト完了です。
これが今回の報酬です!」

「ありがとうございます」

ギルドに帰ってから、報酬を受け取った。
初めての報酬だ!
さて、報酬も受け取ったし帰ろう。
少し疲れてしまった。
帰ったらティアさんとエアリオさんに話そう。
あの2人なら、きっと笑って話を聞いてくれる。
私はルンルンと鼻歌を歌いながら、帰ってきた。






帰って話をすると、ティアさんやエアリオさん…スレイド伯爵までもが、私のお話を聞いてくれた。
一昨日の事など忘れるくらい、楽しい時間だった。
それから明日、会わせたい人がいるから、とエアリオさんに言われた。
エアリオさんの紹介ならきっと大丈夫だよね…。
いつの間にかティアさんのお膝の上に乗せられ抱きかかえられて、頭を撫でられていると、フワフワと眠たくなったので、そのまま眠るのでありました。

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本日は2本投稿です!
まぁ、ほんわかなお話を書きたかったから書いたのです(๑>؂•̀๑)
次回、やっとレイヴンくんが初登場…かな?(笑)
お気に入り登録が少しずつ少しずつ増えていってるのがニヤニヤするほど嬉しいです(*º▽º*)
今後ともよろしくお願いします┏○
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