異世界でチートな私のスローライフプロジェクト

ターコイズ

文字の大きさ
14 / 15

会わせたい人

しおりを挟む
朝食後、私は今まで部屋にこもって銃剣を使っていた。
周りに防御壁をはって、さっそく魔法を使ってみると、確かに制御が効いているらしく、初めて使った時のようなことにはならなかった。
自分が思ったような威力が出て来て、今は少し慣れたなという感じだった。
防御壁をはりながら魔法を使うと言うのは、結構大変で…魔法を使う為にいる魔力をジリジリと削っている。
魔力が無くなると大変ならしいので、今日は練習をやめた。
もうそろそろお昼ご飯だし、昼食が終わればエアリオさんが昨日言っていた会わせたい人にも会うことにもなるのだから。
美味しそうな匂いが漂ってきたので、もう昼食も出来た頃だろう。
私は銃剣をホルダーにしまい、部屋を出た。
ちなみに、大抵の貴族の朝食や昼食は自室で食べるそうだが、私はティアさんやエアリオさんと、庭やティアさんのお部屋で一緒に食べている。
だって、1人でご飯を食べるのって楽しくない。みんなで食べた方が美味しいんだから。
あぁそう言えば、練習している時に考えていたけど、ティアさんやエアリオさんの得意魔法はなんだろうか。
私はステイタスを見ながら色々な魔法を試していて、今のところ炎魔法が1番得意だと思っている。
治癒魔法(無属性のカテゴリらしい)なんてものも使えるらしいが、怪我なんてしていないので今はまだ分からない。
無属性は治癒や、アイテムを収納出来る…ゲームとかで言うインベントリとかアイテムボックスみたいな事が出来る。
無属性魔法って便利だ…。
…っと、考えが逸れたけど、ティアさんとエアリオさんの得意魔法って本当になんだろうか。
昼食の時に会話の種として聞いてみるのもアリだろう。
ルンルンとそんなことを考えながら、今日一緒に食べる場所のお庭に向かった。







「ん~っ!これ、美味しいですね!」

今日の昼食はキッシュだった。
もちろん、ものすごぉく美味しいですよハイ。
ティアさんのお家の専属シェフが、腕によりをかけて作ったという。
なんでも、今日はとても調子が良いとかで張り切っているそうで。
いつも美味しいけれど、今日は確かに一段と美味しい。
黙々と食べていたが、段々と気まずくなってきたので先程疑問に思っていた2人の得意な魔法について聞いてみた。

「そう言えばティアさんとエアリオさんって、どんな魔法がお得意なんですか?」

「あぁ、僕は1つしか魔法が使えなくてね…身体能力を強化する魔法だよ」

少し恥ずかしそうに頬をかいてエアリオさんは言った。
身体能力を強化…つまりは能力向上の魔法か。
騎士のエアリオさんにとって使い方によっては、とても相性の良い魔法じゃん!
魔法があんまり使えないのが恥ずかしいという感じに話していたけれど、別に恥じることも無いし逆に相性が良い魔法が唯一使えて良いと思う。
本当に、使い方によってはエアリオさんはとても強くなるだろう。
それをそのまま伝えると嬉しそうに、ありがとうと言ってくれた。

「じゃあ、ティアさんはどんな魔法が得意なんですか?」
 
「私はね、風の魔法が得意よ。あとは地魔法かしら?」

なるほど。
それならサポートに適している。
エアリオさんのような前衛突撃型のアシストを上手くできたなら、この兄妹は正しく最強だ。
…この2人は敵に回したくないな。

「じゃあ、エアリオさんとティアさんが一緒に戦ったらきっと、物凄く強いですね!」

そう言うと、2人は互いに顔を見合わせた後フフっと笑って、ありがとうと少し照れて言った。
この兄妹は存外照れると可愛いんだな。







美味しいキッシュと楽しい会話に、時間はあっという間に流れた。
少ししてから、エアリオさんが会わせたい人が到着したと告げた。
エアリオさんの後ろには、男の人が立っていて、その人が会わせたい人なのだろう。
つり目で少し関わりずらそうな人だな、と思った。
軽く会釈をして、経って話すのもなんだからと応接間に入り、座った。
向かいにエアリオさん、斜め向かいに男の人が座った。
ティアさんもついてきたようで、私の横に座った。

「ノエルさん、この人が前に言っていた会わせたい人だよ。僕の親友でね、良い奴だから仲良くしてやってね。」

「…レイヴン・ルベリエだ、よろしく。」

うん、つり目で少し怖い。
怒った顔など、物凄く怖いだろうなーなんて考えながらも、こちらこそよろしくお願いしますと返した。
顔を上げるのと同時に、そっとステイタスを見てみた。
おお、エアリオさんと一緒で騎士なんだ。
それに、エアリオさんや王子様に負けず劣らずイケメンだ。
私は目の保養が増えて物凄く嬉しい。
嬉しい、けど………先程からレイヴンさんにめちゃくちゃ睨まれている。
え、なんでしょうか。
私は何か間違いをしてしまった?
ううん、そんなことは無いはず…。

私とレイヴンさんの紹介とかが一段落すると、ちょっとだけ言葉は交わしていたが、睨まれているのが怖いのと緊張とで、あまり覚えていなかった。
その夜、緊張とか諸々で疲れ果ててグッスリと眠ってしまった。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
はい、レイヴンくん初登場回でした!
更新しますとか言ってしてなくて、本っ当に済みませんでした!
お詫びも兼ねての2本投稿でした。
じわじわとお気に入り登録してくださる方が増えていって物凄く嬉しいです!
これからもよろしくお願いします!
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

処理中です...