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会わせたい人
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朝食後、私は今まで部屋にこもって銃剣を使っていた。
周りに防御壁をはって、さっそく魔法を使ってみると、確かに制御が効いているらしく、初めて使った時のようなことにはならなかった。
自分が思ったような威力が出て来て、今は少し慣れたなという感じだった。
防御壁をはりながら魔法を使うと言うのは、結構大変で…魔法を使う為にいる魔力をジリジリと削っている。
魔力が無くなると大変ならしいので、今日は練習をやめた。
もうそろそろお昼ご飯だし、昼食が終わればエアリオさんが昨日言っていた会わせたい人にも会うことにもなるのだから。
美味しそうな匂いが漂ってきたので、もう昼食も出来た頃だろう。
私は銃剣をホルダーにしまい、部屋を出た。
ちなみに、大抵の貴族の朝食や昼食は自室で食べるそうだが、私はティアさんやエアリオさんと、庭やティアさんのお部屋で一緒に食べている。
だって、1人でご飯を食べるのって楽しくない。みんなで食べた方が美味しいんだから。
あぁそう言えば、練習している時に考えていたけど、ティアさんやエアリオさんの得意魔法はなんだろうか。
私はステイタスを見ながら色々な魔法を試していて、今のところ炎魔法が1番得意だと思っている。
治癒魔法(無属性のカテゴリらしい)なんてものも使えるらしいが、怪我なんてしていないので今はまだ分からない。
無属性は治癒や、アイテムを収納出来る…ゲームとかで言うインベントリとかアイテムボックスみたいな事が出来る。
無属性魔法って便利だ…。
…っと、考えが逸れたけど、ティアさんとエアリオさんの得意魔法って本当になんだろうか。
昼食の時に会話の種として聞いてみるのもアリだろう。
ルンルンとそんなことを考えながら、今日一緒に食べる場所のお庭に向かった。
「ん~っ!これ、美味しいですね!」
今日の昼食はキッシュだった。
もちろん、ものすごぉく美味しいですよハイ。
ティアさんのお家の専属シェフが、腕によりをかけて作ったという。
なんでも、今日はとても調子が良いとかで張り切っているそうで。
いつも美味しいけれど、今日は確かに一段と美味しい。
黙々と食べていたが、段々と気まずくなってきたので先程疑問に思っていた2人の得意な魔法について聞いてみた。
「そう言えばティアさんとエアリオさんって、どんな魔法がお得意なんですか?」
「あぁ、僕は1つしか魔法が使えなくてね…身体能力を強化する魔法だよ」
少し恥ずかしそうに頬をかいてエアリオさんは言った。
身体能力を強化…つまりは能力向上の魔法か。
騎士のエアリオさんにとって使い方によっては、とても相性の良い魔法じゃん!
魔法があんまり使えないのが恥ずかしいという感じに話していたけれど、別に恥じることも無いし逆に相性が良い魔法が唯一使えて良いと思う。
本当に、使い方によってはエアリオさんはとても強くなるだろう。
それをそのまま伝えると嬉しそうに、ありがとうと言ってくれた。
「じゃあ、ティアさんはどんな魔法が得意なんですか?」
「私はね、風の魔法が得意よ。あとは地魔法かしら?」
なるほど。
それならサポートに適している。
エアリオさんのような前衛突撃型のアシストを上手くできたなら、この兄妹は正しく最強だ。
…この2人は敵に回したくないな。
「じゃあ、エアリオさんとティアさんが一緒に戦ったらきっと、物凄く強いですね!」
そう言うと、2人は互いに顔を見合わせた後フフっと笑って、ありがとうと少し照れて言った。
この兄妹は存外照れると可愛いんだな。
美味しいキッシュと楽しい会話に、時間はあっという間に流れた。
少ししてから、エアリオさんが会わせたい人が到着したと告げた。
エアリオさんの後ろには、男の人が立っていて、その人が会わせたい人なのだろう。
つり目で少し関わりずらそうな人だな、と思った。
軽く会釈をして、経って話すのもなんだからと応接間に入り、座った。
向かいにエアリオさん、斜め向かいに男の人が座った。
ティアさんもついてきたようで、私の横に座った。
「ノエルさん、この人が前に言っていた会わせたい人だよ。僕の親友でね、良い奴だから仲良くしてやってね。」
「…レイヴン・ルベリエだ、よろしく。」
うん、つり目で少し怖い。
怒った顔など、物凄く怖いだろうなーなんて考えながらも、こちらこそよろしくお願いしますと返した。
顔を上げるのと同時に、そっとステイタスを見てみた。
おお、エアリオさんと一緒で騎士なんだ。
それに、エアリオさんや王子様に負けず劣らずイケメンだ。
私は目の保養が増えて物凄く嬉しい。
嬉しい、けど………先程からレイヴンさんにめちゃくちゃ睨まれている。
え、なんでしょうか。
私は何か間違いをしてしまった?
ううん、そんなことは無いはず…。
私とレイヴンさんの紹介とかが一段落すると、ちょっとだけ言葉は交わしていたが、睨まれているのが怖いのと緊張とで、あまり覚えていなかった。
その夜、緊張とか諸々で疲れ果ててグッスリと眠ってしまった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
はい、レイヴンくん初登場回でした!
更新しますとか言ってしてなくて、本っ当に済みませんでした!
お詫びも兼ねての2本投稿でした。
じわじわとお気に入り登録してくださる方が増えていって物凄く嬉しいです!
これからもよろしくお願いします!
周りに防御壁をはって、さっそく魔法を使ってみると、確かに制御が効いているらしく、初めて使った時のようなことにはならなかった。
自分が思ったような威力が出て来て、今は少し慣れたなという感じだった。
防御壁をはりながら魔法を使うと言うのは、結構大変で…魔法を使う為にいる魔力をジリジリと削っている。
魔力が無くなると大変ならしいので、今日は練習をやめた。
もうそろそろお昼ご飯だし、昼食が終わればエアリオさんが昨日言っていた会わせたい人にも会うことにもなるのだから。
美味しそうな匂いが漂ってきたので、もう昼食も出来た頃だろう。
私は銃剣をホルダーにしまい、部屋を出た。
ちなみに、大抵の貴族の朝食や昼食は自室で食べるそうだが、私はティアさんやエアリオさんと、庭やティアさんのお部屋で一緒に食べている。
だって、1人でご飯を食べるのって楽しくない。みんなで食べた方が美味しいんだから。
あぁそう言えば、練習している時に考えていたけど、ティアさんやエアリオさんの得意魔法はなんだろうか。
私はステイタスを見ながら色々な魔法を試していて、今のところ炎魔法が1番得意だと思っている。
治癒魔法(無属性のカテゴリらしい)なんてものも使えるらしいが、怪我なんてしていないので今はまだ分からない。
無属性は治癒や、アイテムを収納出来る…ゲームとかで言うインベントリとかアイテムボックスみたいな事が出来る。
無属性魔法って便利だ…。
…っと、考えが逸れたけど、ティアさんとエアリオさんの得意魔法って本当になんだろうか。
昼食の時に会話の種として聞いてみるのもアリだろう。
ルンルンとそんなことを考えながら、今日一緒に食べる場所のお庭に向かった。
「ん~っ!これ、美味しいですね!」
今日の昼食はキッシュだった。
もちろん、ものすごぉく美味しいですよハイ。
ティアさんのお家の専属シェフが、腕によりをかけて作ったという。
なんでも、今日はとても調子が良いとかで張り切っているそうで。
いつも美味しいけれど、今日は確かに一段と美味しい。
黙々と食べていたが、段々と気まずくなってきたので先程疑問に思っていた2人の得意な魔法について聞いてみた。
「そう言えばティアさんとエアリオさんって、どんな魔法がお得意なんですか?」
「あぁ、僕は1つしか魔法が使えなくてね…身体能力を強化する魔法だよ」
少し恥ずかしそうに頬をかいてエアリオさんは言った。
身体能力を強化…つまりは能力向上の魔法か。
騎士のエアリオさんにとって使い方によっては、とても相性の良い魔法じゃん!
魔法があんまり使えないのが恥ずかしいという感じに話していたけれど、別に恥じることも無いし逆に相性が良い魔法が唯一使えて良いと思う。
本当に、使い方によってはエアリオさんはとても強くなるだろう。
それをそのまま伝えると嬉しそうに、ありがとうと言ってくれた。
「じゃあ、ティアさんはどんな魔法が得意なんですか?」
「私はね、風の魔法が得意よ。あとは地魔法かしら?」
なるほど。
それならサポートに適している。
エアリオさんのような前衛突撃型のアシストを上手くできたなら、この兄妹は正しく最強だ。
…この2人は敵に回したくないな。
「じゃあ、エアリオさんとティアさんが一緒に戦ったらきっと、物凄く強いですね!」
そう言うと、2人は互いに顔を見合わせた後フフっと笑って、ありがとうと少し照れて言った。
この兄妹は存外照れると可愛いんだな。
美味しいキッシュと楽しい会話に、時間はあっという間に流れた。
少ししてから、エアリオさんが会わせたい人が到着したと告げた。
エアリオさんの後ろには、男の人が立っていて、その人が会わせたい人なのだろう。
つり目で少し関わりずらそうな人だな、と思った。
軽く会釈をして、経って話すのもなんだからと応接間に入り、座った。
向かいにエアリオさん、斜め向かいに男の人が座った。
ティアさんもついてきたようで、私の横に座った。
「ノエルさん、この人が前に言っていた会わせたい人だよ。僕の親友でね、良い奴だから仲良くしてやってね。」
「…レイヴン・ルベリエだ、よろしく。」
うん、つり目で少し怖い。
怒った顔など、物凄く怖いだろうなーなんて考えながらも、こちらこそよろしくお願いしますと返した。
顔を上げるのと同時に、そっとステイタスを見てみた。
おお、エアリオさんと一緒で騎士なんだ。
それに、エアリオさんや王子様に負けず劣らずイケメンだ。
私は目の保養が増えて物凄く嬉しい。
嬉しい、けど………先程からレイヴンさんにめちゃくちゃ睨まれている。
え、なんでしょうか。
私は何か間違いをしてしまった?
ううん、そんなことは無いはず…。
私とレイヴンさんの紹介とかが一段落すると、ちょっとだけ言葉は交わしていたが、睨まれているのが怖いのと緊張とで、あまり覚えていなかった。
その夜、緊張とか諸々で疲れ果ててグッスリと眠ってしまった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
はい、レイヴンくん初登場回でした!
更新しますとか言ってしてなくて、本っ当に済みませんでした!
お詫びも兼ねての2本投稿でした。
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これからもよろしくお願いします!
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