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「おはよう、鈴奈」
登校すると、カリンがわざわざわたしの席まで来て挨拶をした。これは「いじめターゲット解除の合図」だ。
「おはよう」
わたしは不満な気持ちを隠してニッコリと笑う。ここでカリンの不興を買えば、またターゲット継続となってしまうからだ。
「今回長かったねぇ。一ケ月くらい?」
ヒソヒソと新くんが話しかけてくる。わたしは黙ってうなずき、たずねた。
「…次、誰の番か知ってる?」
わたしが無視されなくなったのなら、違う子がターゲットになったということだ。
「なずなちゃんみたい」
瞬間、心臓がドクッと鳴る。
そろりとなずなちゃんの席の方をふりかえってみると、彼女は少しうつむいていた。顔色は真っ青。そばでココとカリンが聞こえよがしになずなちゃんの悪口を言っているのが分かった。
「…慣れてないから、つらいよね」
「ずいぶん優しいね?なずなちゃんのせいで一ケ月も意地悪されてたのに」
新くんは苦笑いをする。
「…そうなんだけど…」
どうしてかは分からないけど、ざまみろなんて喜べないし、ココたちの時みたいに無関心でもいられない。
でも、助けに行くのもなんかちがう。だって、なずなちゃんはわたしが無視されてる時に何もしてくれなかったんだもん。
「男子は中立だけどさ、まだなずなちゃんと仲良くなってない子が多いから遊びづらいかもね」
「う…、そうだよね」
「僕もだけど、鈴奈ちゃんと仲良い男子はわざわざいじめられるようなキッカケを作ったなずなちゃんをよく思ってないし」
「えっ!そうなの!?」
声が大きくなってしまい、慌てて出してあった教科書で顔を隠す。新くんはクスクス笑いながら、眼鏡をはずして拭いている。
「そりゃあそうだよ。自分の友達を悲しませる人を好むわけないじゃん。僕らはカリンちゃんたちなんて嫌いだよ。それを表に出すと鈴奈ちゃんがますます意地悪されるからしないけど」
そうだったんだ。新くんたちは、わたしが思ってたよりわたしのこと考えてくれてたんだな。なんだか、うるっときてしまう。
「…だ、男子~!」
新くんは「ひとくくりにしないでよ」と言ってまた笑った。
わたしはもう一度なずなちゃんの様子をうかがう。じっと固まったまま、微動だにしていない。よほどショックだったんだろう。
「…みんなが誰と仲良くするかはみんなの自由だと思う」
わたしは自分の両手をギュッと握りしめ、新くんに向き直る。
「だけど、なずなちゃんにわざと冷たくはしないでほしい。」
新くんは眉毛を下げた困り笑いをしながら、「男子みんなにこっそり伝えておく」と約束してくれた。
「痛っ!」
新くんはわたしにデコピンをしたようだ。
「鈴奈ちゃんのそういうところ、良いと思うけど、お人好しもたいがいにね」
頼みごとをした手前、反抗的な態度は取れない。わたしは額を抑えながらしぶしぶ「はあい」と返事をした。
登校すると、カリンがわざわざわたしの席まで来て挨拶をした。これは「いじめターゲット解除の合図」だ。
「おはよう」
わたしは不満な気持ちを隠してニッコリと笑う。ここでカリンの不興を買えば、またターゲット継続となってしまうからだ。
「今回長かったねぇ。一ケ月くらい?」
ヒソヒソと新くんが話しかけてくる。わたしは黙ってうなずき、たずねた。
「…次、誰の番か知ってる?」
わたしが無視されなくなったのなら、違う子がターゲットになったということだ。
「なずなちゃんみたい」
瞬間、心臓がドクッと鳴る。
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「…慣れてないから、つらいよね」
「ずいぶん優しいね?なずなちゃんのせいで一ケ月も意地悪されてたのに」
新くんは苦笑いをする。
「…そうなんだけど…」
どうしてかは分からないけど、ざまみろなんて喜べないし、ココたちの時みたいに無関心でもいられない。
でも、助けに行くのもなんかちがう。だって、なずなちゃんはわたしが無視されてる時に何もしてくれなかったんだもん。
「男子は中立だけどさ、まだなずなちゃんと仲良くなってない子が多いから遊びづらいかもね」
「う…、そうだよね」
「僕もだけど、鈴奈ちゃんと仲良い男子はわざわざいじめられるようなキッカケを作ったなずなちゃんをよく思ってないし」
「えっ!そうなの!?」
声が大きくなってしまい、慌てて出してあった教科書で顔を隠す。新くんはクスクス笑いながら、眼鏡をはずして拭いている。
「そりゃあそうだよ。自分の友達を悲しませる人を好むわけないじゃん。僕らはカリンちゃんたちなんて嫌いだよ。それを表に出すと鈴奈ちゃんがますます意地悪されるからしないけど」
そうだったんだ。新くんたちは、わたしが思ってたよりわたしのこと考えてくれてたんだな。なんだか、うるっときてしまう。
「…だ、男子~!」
新くんは「ひとくくりにしないでよ」と言ってまた笑った。
わたしはもう一度なずなちゃんの様子をうかがう。じっと固まったまま、微動だにしていない。よほどショックだったんだろう。
「…みんなが誰と仲良くするかはみんなの自由だと思う」
わたしは自分の両手をギュッと握りしめ、新くんに向き直る。
「だけど、なずなちゃんにわざと冷たくはしないでほしい。」
新くんは眉毛を下げた困り笑いをしながら、「男子みんなにこっそり伝えておく」と約束してくれた。
「痛っ!」
新くんはわたしにデコピンをしたようだ。
「鈴奈ちゃんのそういうところ、良いと思うけど、お人好しもたいがいにね」
頼みごとをした手前、反抗的な態度は取れない。わたしは額を抑えながらしぶしぶ「はあい」と返事をした。
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