死にたがりJCと占い師のアイスクリーム

四季苺

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DAY1-2 余命宣告!?

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 予想外よそうがいの言葉にかたまる私のうでを「自称じしょう占い師」はぐいぐいと引っ張っていく。
 橋を渡り終えた場所には小さなテーブルに丸椅子が置かれていた。
営業許可えいぎょうきょかとか取ってるんですか?」
「お金取ってないよ。練習だから」
 占い師はニカッと歯を見せて笑う。
「それでも勝手にダメだと思いますけど…」
「まぁまぁ、いいじゃん。タダなんだし、占わきゃそんだよ?何を占う?」
 私は少し考える。
 でも、知りたい未来なんてないし、解決かいけつしたいなやみもない。ただ、どうしようもないむなしさがいつもつきまとっているだけだ。
「…いいです。私、占いたいことなんてないんで。さっさと死にたいくらいです」
 
 「死にたい」というつぶやきは、いつも一人の時だけ。誰かに聞いてほしいなんて思ってないし、むしろ聞かれたらマズイことになりそうだから、人前では絶対ぜったいに言わない。それなのに、占い師の前でわざわざ口に出したのは、彼女をおどろかせたい、気まずくさせたいという意地悪いじわるな気持ちがあった。

「そっかぁ」
 占い師はさっきと変わらない声色こわいろであいずちをうち、一枚のカードをテーブルにふせた。さっきからなんかカードをきってるなと思ってたけど、タロットカードだったんだ。
「これが何なんですか?」
「めくってみて」
「!!」
 めくったカードには、骸骨がいこつが描かれていた。「THE DEATHデス」という死を表す言葉も。
「良かったね、もうすぐねがいがかなうよ」
 サラリとそんなことを言われ、私はカッとなる。
「どこがいいんですか!」
「だって、死にたいんでしょ?」
 わたしはぐっと言葉をつまらせる。

 …そうだ。そうだった、はずだ…。
 さっき、まさに橋から飛び降りようとしていたのに…。
「………」
 なのに、どうして私は、ショックを受けているんだろう?

 スッ、と白い指先が伸びてきて、私におそろしい未来を告げたカードを回収かいしゅうしていった。
「…いつ…」
「ん?うーん、一週間後だね!」
 占い師は明るく言いはなつ。

「おっ、占いやってんの?ちょっとオジチャンのことも占ってみてよ!」
 背後はいごからお酒のにおいがしてふり向くと、大柄おおがらの中年男性が立っていた。っぱらっているのだろう、フラフラしている。
「いらっしゃいませ」
 占い師は私にこの場をはなれるように手ぶりで合図あいずをした。

「おいくら~?」
「六千円です」

 背後で占い師とおっさんがそんなやり取りをしていたけど、酔っぱらいが怖いのでそそくさとその場を後にする。

 その日、どうやって家までたどり着いたか、全く覚えていない。
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