9 / 27
DAY4-1 学校で陰キャ
しおりを挟む
「うぅ…」
「凛々~、大丈夫ぅ?」
寝不足で気持ち悪い…。
昨日は結局ほとんど眠れなかった。自分が一体どんな風に死ぬのか考え始めたら気になって仕方ないし、怖いしで。
「次の授業、体育だよ?休む?」
沙弥がそう言うのと同時に、「おっ、サボリか~」とか「オレもサボろっかな~」という声が聞こえてきた。ここは「うっさいなー」とか「サボリじゃないですぅ~」とか言うべき場面だ。「いつもの明るい凛々」ならそうする。
分かってるけど、無理…。
「気持ちわる…」
「保健室行くぞ」
頭に大きな手の感触がして、低い声が響いた。
「あっ、瀬名くん。もう着替えたの?」
「はや。つかオレらも急がないと」
私をからかっていた男子たちがバタバタと立ち去って行った。
「三菱も早く着替えに行け。コイツは俺が保健室に連れてくから」
「いや、だいじょう…」
ノロノロと立ち上がると、瀬名にぐいっと腕をつかまれた。
「大丈夫じゃねぇだろ。ほら行くぞ」
「凛々~先生には言っておくからゆっくり休んでね~?」
沙弥は体操着バッグを抱えてパタパタと移動し始めた。
「ありがと…」
「凛々が元気ないと、調子狂っちゃうよ~。じゃ、瀬名くんよろしくね!」
…そうだよね。元気じゃない私なんている意味ないよね…。
瀬名はぐいぐい腕を引っ張っていこうとするが、彼は他クラスの女子にも人気なので、このまま廊下に出たら終わる。
「手ぇ離して」
「ちゃんと保健室行くならな」
オカンか。
「行くから。瀬名も体育行っていーよ」
瀬名はそれには返事をせず、保健室まで黙って前を歩いていった。
場所知ってるんですけど。
「失礼しまーす。先生~コイツ、寝不足と貧血みたいで~」
保健室に着くと、勝手に症状を説明までする。なんで知ってんの。
「あら~、ベッドあいてるから少し眠るといいわ~」
「それじゃ、俺は失礼します。」
ありがとうを伝える前に、瀬名は保健室を出ていってしまった。
ブレザーとリボンをハンガーにかけて、ベッドによじのぼると、校庭からピーッという笛の音が聞こえてくる。たぶん集合の合図だ。
「受験勉強がんばってるのかな?えらいけど、無理は禁物よ」
みんなが並んでいる場所に全力疾走していく瀬名の姿を眺めながら、私は「気を付けます」と適当な返事を返した。
「凛々~、大丈夫ぅ?」
寝不足で気持ち悪い…。
昨日は結局ほとんど眠れなかった。自分が一体どんな風に死ぬのか考え始めたら気になって仕方ないし、怖いしで。
「次の授業、体育だよ?休む?」
沙弥がそう言うのと同時に、「おっ、サボリか~」とか「オレもサボろっかな~」という声が聞こえてきた。ここは「うっさいなー」とか「サボリじゃないですぅ~」とか言うべき場面だ。「いつもの明るい凛々」ならそうする。
分かってるけど、無理…。
「気持ちわる…」
「保健室行くぞ」
頭に大きな手の感触がして、低い声が響いた。
「あっ、瀬名くん。もう着替えたの?」
「はや。つかオレらも急がないと」
私をからかっていた男子たちがバタバタと立ち去って行った。
「三菱も早く着替えに行け。コイツは俺が保健室に連れてくから」
「いや、だいじょう…」
ノロノロと立ち上がると、瀬名にぐいっと腕をつかまれた。
「大丈夫じゃねぇだろ。ほら行くぞ」
「凛々~先生には言っておくからゆっくり休んでね~?」
沙弥は体操着バッグを抱えてパタパタと移動し始めた。
「ありがと…」
「凛々が元気ないと、調子狂っちゃうよ~。じゃ、瀬名くんよろしくね!」
…そうだよね。元気じゃない私なんている意味ないよね…。
瀬名はぐいぐい腕を引っ張っていこうとするが、彼は他クラスの女子にも人気なので、このまま廊下に出たら終わる。
「手ぇ離して」
「ちゃんと保健室行くならな」
オカンか。
「行くから。瀬名も体育行っていーよ」
瀬名はそれには返事をせず、保健室まで黙って前を歩いていった。
場所知ってるんですけど。
「失礼しまーす。先生~コイツ、寝不足と貧血みたいで~」
保健室に着くと、勝手に症状を説明までする。なんで知ってんの。
「あら~、ベッドあいてるから少し眠るといいわ~」
「それじゃ、俺は失礼します。」
ありがとうを伝える前に、瀬名は保健室を出ていってしまった。
ブレザーとリボンをハンガーにかけて、ベッドによじのぼると、校庭からピーッという笛の音が聞こえてくる。たぶん集合の合図だ。
「受験勉強がんばってるのかな?えらいけど、無理は禁物よ」
みんなが並んでいる場所に全力疾走していく瀬名の姿を眺めながら、私は「気を付けます」と適当な返事を返した。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
伯爵令嬢のぼやき
ネコフク
恋愛
「違う、違うんだよなぁ・・・・・・」
目の前にいる相手に聞こえないくらいにつぶやきそっとため息を吐く。
周りから見るとたおやかに紅茶を飲む令嬢とバックに花を散らすように満面の笑みを浮かべる令息の光景が広がっているが、令嬢の心の中は・・・・・・
令嬢が過去に言った言葉が上手く伝わらなかった結果、こうなってしまったというお話。
たとえ夜が姿を変えても ―過保護な兄の親友は、私を逃がさない―
佐竹りふれ
恋愛
重なる吐息、耳元を掠める熱、そして——兄の親友の、隠しきれない独占欲。
19歳のジャスミンにとって、過保護な兄の親友・セバスチャンは、自分を子供扱いする「第二の兄」のような存在だった。
しかし、初めてのパーティーの夜、その関係は一変する。
突然降ってきた、深く、すべてを奪うような口づけ。
「焦らず、お前のペースで進もう」
そう余裕たっぷりに微笑んだセバスチャン。
けれど、彼の言う「ゆっくり」は、翌朝には早くも崩れ始めていた。
学内の視線、兄の沈黙、そして二人きりのアパート――。
外堀が埋まっていくスピードに戸惑いながらも、ジャスミンは彼が隠し持つ「男」の顔に、抗えない好奇心を抱き始める。
「……どうする? 俺と一緒に、いけないことするか?」
余裕の仮面を被るセバスチャンに、あどけない顔で、けれど大胆に踏み込んでいくジャスミン。
理性を繋ぎ止めようとする彼を、翻弄し、追い詰めていくのは彼女の方で……。
「ゆっくり」なんて、ただの建前。
一度火がついた熱は、誰にも止められない。
兄の親友という境界線を軽々と飛び越え、加速しすぎる二人の溺愛ラブストーリー。
ブラック企業で倒れた私を、ネトゲ仲間の社長が強制保護して溺愛しています
紅 与一
恋愛
過労で倒れた私を救ったのは、
ネトゲ仲間――そしてIT企業の若き社長。
「もう君は、僕の管理下だよ」
退院と同時に退職手続きは完了。
住む場所も、生活も、すべて彼に囲われた。
外出制限、健康管理、過保護な独占欲。
甘くて危険な“保護生活”の中で、
私は少しずつ彼に心を奪われていく――。
元社畜OL×執着気味の溺愛社長
囲い込み同棲ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる