19 / 27
DAY7-2 ヤバイ、死ぬかも
しおりを挟む
お母さんのおかゆを食べた後も、私はベッドでじっとしていた。昨日買った本を読むとかスマホゲームするとか、気の紛れることをしたほうが時間が過ぎるのも早く感じられて良いはずなんだけど、何をする気にもなれなかったんだ。というより、何をするのも怖いというのが正しいかも。何をしても死につながってしまいそうで、ふとんの中でただただじっとしているしか、できなかった。それでたまにうとうとしては起きて時間を確認する、その繰り返し。
何度目かのうたた寝の時に、それは起こった。
ガチャッ…ガタガタ…
「!?」
一階から物音が聞こえるのだ。時計を見ると、まだ三時。お父さんでもお母さんでもない。こんな時間に帰ってくるはずがないもん。
「…強盗?」
ヤバイ、どうしようヤバイヤバイヤバイ。
やっぱり占いは本当だったんだ。
どっ、どうしよう、どうすれば?
「逃げる?」
私はベッド横の窓から下を眺めた。
「………」
私の部屋は二階。飛び移|《うつ》れる木もなければ、クッションになりそうな植え込みもない。落ちたらそれが原因で死ぬかも。
「えー、えー、どうしよう、どうしよう。かっ、隠れる!?」
いやもう無理かも…。
そう思った瞬間、瀬名の言葉が頭に響いた。
「何が何でも抗って、生き残ってやる」
そうだ、まだだ。まだやれることあるはず。私は走ってドアの側まで戻り、ドア横にある本棚を押した。
「ふんぬっ!」
本棚はズズッ、ズズッ、とちょっとずつドアの前に進んでいって、ついにドアをふさぐことができた。簡易なバリケードだ。
次に私はベッドも押して、バリケードの強度を上げることにする。
腕が痛い。息が苦しい。涙がボロボロこぼれて、前がよく見えない。でも、やらなきゃ。強盗が私の部屋に入ってこれないようにして、その後通報して助けを呼ぼう。自分で、自分の死を回避するんだ…!
ドンドンドン!
「ヒッ!」
部屋のドアが強く叩かれる音を聞いて、私は身を震わせた。
ガチャッガチャッ!
怖い!
嫌だ…まだ死にたくない!
「凛々?あなた、何してるの…!?」
「…えっ…」
ドアの外からは、お母さんの声がした。
何度目かのうたた寝の時に、それは起こった。
ガチャッ…ガタガタ…
「!?」
一階から物音が聞こえるのだ。時計を見ると、まだ三時。お父さんでもお母さんでもない。こんな時間に帰ってくるはずがないもん。
「…強盗?」
ヤバイ、どうしようヤバイヤバイヤバイ。
やっぱり占いは本当だったんだ。
どっ、どうしよう、どうすれば?
「逃げる?」
私はベッド横の窓から下を眺めた。
「………」
私の部屋は二階。飛び移|《うつ》れる木もなければ、クッションになりそうな植え込みもない。落ちたらそれが原因で死ぬかも。
「えー、えー、どうしよう、どうしよう。かっ、隠れる!?」
いやもう無理かも…。
そう思った瞬間、瀬名の言葉が頭に響いた。
「何が何でも抗って、生き残ってやる」
そうだ、まだだ。まだやれることあるはず。私は走ってドアの側まで戻り、ドア横にある本棚を押した。
「ふんぬっ!」
本棚はズズッ、ズズッ、とちょっとずつドアの前に進んでいって、ついにドアをふさぐことができた。簡易なバリケードだ。
次に私はベッドも押して、バリケードの強度を上げることにする。
腕が痛い。息が苦しい。涙がボロボロこぼれて、前がよく見えない。でも、やらなきゃ。強盗が私の部屋に入ってこれないようにして、その後通報して助けを呼ぼう。自分で、自分の死を回避するんだ…!
ドンドンドン!
「ヒッ!」
部屋のドアが強く叩かれる音を聞いて、私は身を震わせた。
ガチャッガチャッ!
怖い!
嫌だ…まだ死にたくない!
「凛々?あなた、何してるの…!?」
「…えっ…」
ドアの外からは、お母さんの声がした。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
偽りの愛の終焉〜サレ妻アイナの冷徹な断罪〜
紅葉山参
恋愛
貧しいけれど、愛と笑顔に満ちた生活。それが、私(アイナ)が夫と築き上げた全てだと思っていた。築40年のボロアパートの一室。安いスーパーの食材。それでも、あの人の「愛してる」の言葉一つで、アイナは満たされていた。
しかし、些細な変化が、穏やかな日々にヒビを入れる。
私の配偶者の帰宅時間が遅くなった。仕事のメールだと誤魔化す、頻繁に確認されるスマートフォン。その違和感の正体が、アイナのすぐそばにいた。
近所に住むシンママのユリエ。彼女の愛らしい笑顔の裏に、私の全てを奪う魔女の顔が隠されていた。夫とユリエの、不貞の証拠を握ったアイナの心は、凍てつく怒りに支配される。
泣き崩れるだけの弱々しい妻は、もういない。
私は、彼と彼女が築いた「偽りの愛」を、社会的な地獄へと突き落とす、冷徹な復讐を誓う。一歩ずつ、緻密に、二人からすべてを奪い尽くす、断罪の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる