死にたがりJCと占い師のアイスクリーム

四季苺

文字の大きさ
20 / 27

DAY7-3 死の恐怖を打ち明ける

しおりを挟む
「…お母さん…?」
 バリケードとドアしにたずねると、聞き慣れた声が返ってきた。
「そうよ、どうしたの凛々!さっき帰ってきたら二階からガタガタすごい音がして、あわてて上がってきたらドアが開かないの。そっちからは開くの?ドアこわれた?」

 なんだ、お母さんだったんだ…。強盗ごうとうかと思った…。

「…うっ…」
「凛々?どうしたの凛々!?」
 安心したら張緊きんちょうの糸が切れて、私はわんわん泣き出してしまった。

「落ち着いた?」
 私は冷たいタオルで目元を冷やしながらうなずいた。ひとしきり泣いた後、ベッドと本棚を元に戻し、お母さんに部屋に入ってもらったところだ。家具戻すの大変だった。明日は絶対筋肉痛きんにくつうになると思う。
「はい、これ飲んで」
 お母さんはふわふわに泡立あわだてたミルクティーを手渡てわたしてくれた。
「…私がこれ好きなの、お母さん知ってたんだ…」
「え?うん」
 お母さんはキョトンとして、「だって小さいころからそうでしょ」と言った。
「そうだっけ?覚えてないや…」
 カフェラテみたいなミルクティー、自分で考えたんだと思ってた。お母さんが昔作ってくれたやつだったんだ…。
 ひとくち飲むと、いつも自分が作ってるやつとほとんど同じ味だった。角砂糖かくざとう二つ入り。
美味おいしい…」
「凛々、お昼食べてないでしょう?さっき冷蔵庫れいぞうこ見たら用意よういしたごはん、手つかずだった。今から何か食べる?」
 私は少し考える。正直しょうじき、朝早くにおかゆ食べたきりだから、お腹はすいた。ていうか、結構前けっこうまえからすいてるけど、食中毒しょくちゅうどくこわくて食べられない。

「…えっと…今は大丈夫…」
 瞬間しゅんかん、お腹がグ~とマヌケな音をたてる。

 マンガかよ!こんなタイミング悪くらなくてもいいじゃん!
「…それは、最近あんまりご飯を食べないのと同じ理由?」
 私はどう答えていいか分からず、だまってしまった。お母さんは続ける。
「最近凛々が元気ないから、お父さんもお母さんも心配してたの。昼休みにお父さんが『凛々にLINE送っても返ってこない。もう仕事早退そうたいしようと思う』って連絡れんらくしてきたのよ。でも、お父さん今日は大事な会議があるって前に言ってたから、『じゃあお母さんが帰る』って言ったの」
「あ…スマホ全然見てなかった…ごめん…早退させて…」
 別に本当の病気じゃないのに、もうわけないことしちゃった。
「いいの。寝てるだけかもとは思ったんだけど、心配だったから帰ってきたの」
 カップを持つ手に力がこもる。

 なんで親は私に無関心むかんしんだなんて思っていたんだろう…。こんなにちゃんと見ててくれたし、心配もしてくれてたのに…。

「ねぇ凛々」
 お母さんは続けた。
「何かなやんでるなら、話してほしい。もしかしたら、お母さんとお父さんが力になれるかもしれないし、話すだけでも楽になれるかもしれないから…」
「…っ!」
 私はまた泣いてしまった。

 そして、ついにお母さんに占いで今日死ぬと言われたことを話したのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

伯爵令嬢のぼやき

ネコフク
恋愛
「違う、違うんだよなぁ・・・・・・」 目の前にいる相手に聞こえないくらいにつぶやきそっとため息を吐く。 周りから見るとたおやかに紅茶を飲む令嬢とバックに花を散らすように満面の笑みを浮かべる令息の光景が広がっているが、令嬢の心の中は・・・・・・ 令嬢が過去に言った言葉が上手く伝わらなかった結果、こうなってしまったというお話。

たとえ夜が姿を変えても ―過保護な兄の親友は、私を逃がさない―

佐竹りふれ
恋愛
重なる吐息、耳元を掠める熱、そして——兄の親友の、隠しきれない独占欲。 19歳のジャスミンにとって、過保護な兄の親友・セバスチャンは、自分を子供扱いする「第二の兄」のような存在だった。 しかし、初めてのパーティーの夜、その関係は一変する。 突然降ってきた、深く、すべてを奪うような口づけ。 「焦らず、お前のペースで進もう」 そう余裕たっぷりに微笑んだセバスチャン。 けれど、彼の言う「ゆっくり」は、翌朝には早くも崩れ始めていた。 学内の視線、兄の沈黙、そして二人きりのアパート――。 外堀が埋まっていくスピードに戸惑いながらも、ジャスミンは彼が隠し持つ「男」の顔に、抗えない好奇心を抱き始める。 「……どうする? 俺と一緒に、いけないことするか?」 余裕の仮面を被るセバスチャンに、あどけない顔で、けれど大胆に踏み込んでいくジャスミン。 理性を繋ぎ止めようとする彼を、翻弄し、追い詰めていくのは彼女の方で……。 「ゆっくり」なんて、ただの建前。 一度火がついた熱は、誰にも止められない。 兄の親友という境界線を軽々と飛び越え、加速しすぎる二人の溺愛ラブストーリー。

盗み聞き

凛子
恋愛
あ、そういうこと。

ブラック企業で倒れた私を、ネトゲ仲間の社長が強制保護して溺愛しています

紅 与一
恋愛
過労で倒れた私を救ったのは、 ネトゲ仲間――そしてIT企業の若き社長。 「もう君は、僕の管理下だよ」 退院と同時に退職手続きは完了。 住む場所も、生活も、すべて彼に囲われた。 外出制限、健康管理、過保護な独占欲。 甘くて危険な“保護生活”の中で、 私は少しずつ彼に心を奪われていく――。 元社畜OL×執着気味の溺愛社長 囲い込み同棲ラブストーリー。

処理中です...