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DAY7-5 24時までのカウントダウン①
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「占いで、私は今日死ぬと言われたの。だから、今日さえ乗り越えられれば、大丈夫だと思う。」
私がそう言うとお母さんはうなずき、立ち上がる。
「大丈夫だと思うけど、家にあるカギを全部確認してくるね。あと玄関の防犯システムがちゃんと作動してるか見てくる」
「あっ、ありがと」
お母さんが部屋から出て一人になると、なんだか不安になる。ちょっと前まで一人でいたのに。
「大丈夫だったわ」
お母さんはトレーを持って戻ってきた。小さな土鍋と取り鉢、お茶ポットとカップが載っている。だしとおしょうゆのいいにおいがして、口の中によだれがあふれてきた。
「凛々、お昼食べてないでしょう?鍋焼きうどん、温めてきたわ」
お昼に食べるようにと用意されていたものだ。
「…うん…でも…」
私は言いよどむ。作ってくれた人に「食中毒になったら怖いから食べたくない」とは言いにくかった。
「よく加熱してあるから大丈夫。変な味もしないし」
お母さんはうどんを少し取って食べて見せてくれた。見ると、いつもは半熟の卵もしっかり火が通っていたし、しいたけや鶏肉も味が染み込んでいそうな色をしていた。朝、おかゆを食べたきりの私に、目の前のうどんは魅力的すぎた。
「…いただきます」
お母さんが作ってくれたうどんは柔らかくて温かくて、とっても美味しかった。
これが私の食べる最後のごはんだったらやだなぁ。昨日のお刺身、食べれば良かった。お母さんのポテトグラタン、また食べたい。
「…大丈夫よ、凛々」
お母さんは横からタオルで私の涙をふいてくれた。
「占いでは今日死ぬって言われてるんでしょ?24時を乗り越えれば大丈夫。お母さんがずっと一緒にいるから…」
「…うん」
七時になると、お父さんが家に帰ってきた。玄関ロックをしているので、お母さんが開けに行く。階下から「合言葉を言え」という声が聞こえてきた。
お母さん…。
お父さんは真っ直ぐ私の部屋に来て、「大変だったな」と言った。
「…お父さんは占いなんか当たらないとか言うと思った。ていうか、お母さんも」
二人は顔を見合せて
「…学校で働いてると、不思議なことたくさん起こるから…」
と言った。
「怖い!何不思議なことって!」
私が両腕を抱えて震えると、二人はンンッと咳払いをして仕切りなおそうとする。
「えー、とにかく凛々が危ない目に遭わないようにお父さんかお母さんが常についているからね。今玄関はちゃんと戸締まりしてきたから大丈夫。今日はお父さんがご飯を作るから、凛々にはお母さんがついていてあげて」
「え…食中毒とか火事とか大丈夫…」
「凛々…」
お母さんは気の毒そうな目でお父さんを見る。お父さんはわざとらしく胸を張って、大丈夫だと言った。
「じゃっ、作ってくる!」
「…私さっき鍋焼きうどん食べたから、夕飯はいいかな…」
食べるにしても、24時を過ぎてからにしよう。
お母さんは「凛々がその方が安心なら」と言ってくれた。
私がそう言うとお母さんはうなずき、立ち上がる。
「大丈夫だと思うけど、家にあるカギを全部確認してくるね。あと玄関の防犯システムがちゃんと作動してるか見てくる」
「あっ、ありがと」
お母さんが部屋から出て一人になると、なんだか不安になる。ちょっと前まで一人でいたのに。
「大丈夫だったわ」
お母さんはトレーを持って戻ってきた。小さな土鍋と取り鉢、お茶ポットとカップが載っている。だしとおしょうゆのいいにおいがして、口の中によだれがあふれてきた。
「凛々、お昼食べてないでしょう?鍋焼きうどん、温めてきたわ」
お昼に食べるようにと用意されていたものだ。
「…うん…でも…」
私は言いよどむ。作ってくれた人に「食中毒になったら怖いから食べたくない」とは言いにくかった。
「よく加熱してあるから大丈夫。変な味もしないし」
お母さんはうどんを少し取って食べて見せてくれた。見ると、いつもは半熟の卵もしっかり火が通っていたし、しいたけや鶏肉も味が染み込んでいそうな色をしていた。朝、おかゆを食べたきりの私に、目の前のうどんは魅力的すぎた。
「…いただきます」
お母さんが作ってくれたうどんは柔らかくて温かくて、とっても美味しかった。
これが私の食べる最後のごはんだったらやだなぁ。昨日のお刺身、食べれば良かった。お母さんのポテトグラタン、また食べたい。
「…大丈夫よ、凛々」
お母さんは横からタオルで私の涙をふいてくれた。
「占いでは今日死ぬって言われてるんでしょ?24時を乗り越えれば大丈夫。お母さんがずっと一緒にいるから…」
「…うん」
七時になると、お父さんが家に帰ってきた。玄関ロックをしているので、お母さんが開けに行く。階下から「合言葉を言え」という声が聞こえてきた。
お母さん…。
お父さんは真っ直ぐ私の部屋に来て、「大変だったな」と言った。
「…お父さんは占いなんか当たらないとか言うと思った。ていうか、お母さんも」
二人は顔を見合せて
「…学校で働いてると、不思議なことたくさん起こるから…」
と言った。
「怖い!何不思議なことって!」
私が両腕を抱えて震えると、二人はンンッと咳払いをして仕切りなおそうとする。
「えー、とにかく凛々が危ない目に遭わないようにお父さんかお母さんが常についているからね。今玄関はちゃんと戸締まりしてきたから大丈夫。今日はお父さんがご飯を作るから、凛々にはお母さんがついていてあげて」
「え…食中毒とか火事とか大丈夫…」
「凛々…」
お母さんは気の毒そうな目でお父さんを見る。お父さんはわざとらしく胸を張って、大丈夫だと言った。
「じゃっ、作ってくる!」
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お母さんは「凛々がその方が安心なら」と言ってくれた。
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