死にたがりJCと占い師のアイスクリーム

四季苺

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A day after the day-1 占い師のアイスクリーム①

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「あっ!いた!」
 予言の翌日、学校帰りに紅葉橋に寄った私は、橋の上に占い師の姿を見つけた。彼女はサラサラの長い金髪とモデルのようなスレンダーボディーをしているので、遠くからでも一目でわかる。
「…?」
 占い師は橋の欄干にしっかりとつかまって川をのぞきこんでいる。近づくと、真剣さと不安さが入り混じるような表情をしているのが分かった。ぶつぶつと何かつぶやいているけど、日本語でも英語でもなくて、何を言っているかわからなかった。
「あの…」
 意を決して声をかけてみると、占い師はこちらを見てパッと表情を明るくした。
「良かった!死ななかったんだね!」
「えっ」
「とりあえず、橋を渡ろう」
 彼女はぐいぐいと私の背中を押して、橋の側にある占いコーナーまで連れて行った。

「いや~、死んでなくてよかった。酔っ払いおじさんのせいで詳しい話ができなかったからさ、心配してたんだ」
「ええ…私占ってもらった日の数日後に何回か来ましたけど、お姉さんいませんでしたよ」
「時間、遅かった?」
 うなずくと、占い師はじゃあすれ違っちゃったのかなと残念そうな声で言った。
「一応毎日来てたんだけどさ、レポートの締切がやばくって長くはいられなかったの。ごめんね。中途半端な占いになっちゃって」
「………」

 私は占い師に文句を言ってやろうと思ってここに来た。
 あんたのインチキな占いのせいで一週間も悩んだとか、お小遣い全部使っちゃったじゃんとか、言いたかったのに…。占い師は本気で私の死を信じているようだった。
 さっき、橋から川を覗いていたのも、もしかすると…。私は全身が泡立つのを感じて、両手で体をさすった。

「ねぇねぇ」
 占い師は立ち上がり、私に手を差し出す。
「死ぬ前に食べたいと思ったもので、まだ食べてないものってある?あたし、おごってあげるよ!」
「え…でも…」
 おごってもらう理由なんてなくない?
「大丈夫!臨時収入で六千円ゲットしたばっかりだから!」

 私は六千円の出どころは酔っ払いおじさんだろうと思い至る。
 あいつがいなければ、アドバイスをもらえていたのにと思うと腹が立つから食ってやろうか。
 それに、もう少しこの人と話をしていたいと思って、私はその白くてきれいな手のひらに自分の手を重ねた。
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